Sasayama’s Weblog


2009/08/19 Wednesday

新型インフルエンザ・ワクチン投与で、抗原原罪を懸念する声が専門家の間にある。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:58:45

2009/08/19(Wed)
 
null抗原原罪(original antigenic sin)という聞きなれない用語だが、要は、こういうことだ。

この秋のH1N1インフルエンザ・ウイルスの到来にそなえて、従来のゝ╂畧インフルエンザ用のワクチン注射と、今回のH1N1新型インフルエンザ用のワクチンの両方を、前者,鮑能蕕肪躰佑掘後者△鮓紊肪躰佑靴疹豺隋↓,鉢△箸剖δ未離┘團函璽( epitope、抗体が認識する抗原の一部分)に対する抗体は迅速に産生されるが、△砲和減澆垢襪,砲和減澆靴覆ぅ┘團函璽廚紡个垢觜蛎里蓮∋裟犬気譴觜蛎里領未著しく低くなるということである。

この現象があるということは半世紀前からわかっていたが、その仕組みは、まだ、よくわかっていないらしい。

このCIDRAP(Center for Infectious Disease Research & Policy )のサイト「‘Original antigenic sin’: A threat to H1N1 vaccine effectiveness?」では、そのへんを次のように述べている。

最初に三種の季節性インフルエンザ・ワクチンを接種し、二週間後にH1N1新型インフルエンザ・ワクチンを接種した場合、多くの抗体については、季節性インフルエンザ対応三種混合ワクチンにふくまれるH1N1ウイルスのA/Brisbane/59/2007のコンポーネントとH1N1新型インフルエンザ・ウイルス(A/California/04/09と思われる。)のコンポーネントは、マッチする。

問題は、この両者にマッチしないコンポーネント部分だ。

ここに、抗原原罪(original antigenic sin)現象が生じるかどうか、つまり、この例でいけば、H1N1新型インフルエンザ・ウイルスにしかないコンポーネントについて、抗体ができにくい抗原原罪現象がおきれば、今回のH1N1新型インフルエンザ・ワクチン接種の効果は、著しく減じられてしまうのだ。

この点について、最近、the Journal of Immunologyに発表されたアトランタのEmory University Vaccine Centerのマウスによる研究「Original Antigenic Sin Responses to Influenza Viruses」によれば、次のとおりの実験をしたとのことである。

すなわち、第一グループのマウスには、PR8 と FM1 という二種類の1930年代から1940年代にかけてヒトにみられたH1N1ウイルスを、この順序で、不活性ワクチンを連続接種したマウスに感染させ、第二グループのマウスには、ふたつのウイルスのDNAから生成したワクチンを接種し、第三グループのマウスには、生のウイルスを感染させ、いずれも、その間隔を一ヶ月とした。

これらの実験でわかったことは、△旅蛎里蓮↓,茲蠅眈なかったということと、生ウイルスを感染させたものほど、抗原原罪現象は大きかったということ、などということだった。

また、第一回目の感染が、第二回目の感染を、抗体反応において、だませるかどうかは、両者のコンポーネント間の近接性(Distance)に依存していると、されている。

つまり、今回のH1N1新型インフルエンザウイルスのコンポーネントと、季節性インフルエンザワクチンに使われているA/Brisbane/59/2007のコンポーネントのあいだのDistanceが広ければ広いほど、抗原原罪現象は、おきにくいというわけだ。

そして、専門家の間では、たとえ、抗原原罪現象がおきたとしても、後に接種するH1N1新型インフルエンザワクチンの接種量を 多くすれば、抗原原罪現象を避けることができるという。

ただ、不活化ワクチンを使うか、生ワクチンを使うかによっても、抗原原罪現象は、左右されるという。

この点については、季節性ワクチンに生を使えば、新型インフルエンザワクチンにも、生ワクチンを使うほうが、抗原原罪現象を避けうるとしている。

また、季節性ワクチンと新型インフルエンザワクチンとの接種において、同時がいいのか、それともずらしたほうがいいのか、についてだが、確たる根拠はないが、おおむね二週間間隔というのが、相場のようだ。

これらの抗原原罪現象は、プレ・パンデミック・ワクチンについても、懸念されうる現象であり、今後とも、議論を呼びそうなテーマだ。

注−この抗原原罪は、1979年に、Lancetにおいて「Assessment of inactivated influenza-A vaccine after three outbreaks of influenza A at Christ’s Hospital. Lancet,i:33–35, 1979.」との論文上で仮説を提示したHoskins, T. W氏に由来して、「ホスキンス効果」または「ホスキンス仮説」(Hoskins’s Hypothesis )といわれもする。

 

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大前研一さんの時評コラム「哲学がない民主党、「知恵者」はいないのか」 から感じることなど

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:21:03

2009/08/19(Wed)
 
nullこの大前研一さんのコラム「哲学がない民主党、「知恵者」はいないのか」ですね。

確かに、民主党のマニフェストは、大前さんが言われるように、やや、「思いつき集」めいてて、政策間の整合性がまるで取られていないのが欠点のようですね。

政策の出と入りというか、インセンティブ間のバランスというか、インセンティブを設ける理屈というか、日本の置かれた国際的立ち位置とか、恒久措置にいたる暫定措置なのか、という時系列的戦略のあるなしというか、迂遠し、包括してみることができないままに、それぞれ単発的・浅知恵的にマニフェスト化してしまったということなんでしょうね。

高い指揮官台にたつ人がいないのか、それとも、その高みにたちうる指揮官台すらないがために、烏合の衆が平地でうごめいて、それぞれ、思いつきの花火をあげている、そして、自分のあげた花火の仕上がり具合だけを虫瞰的に見ている、って感じでもありますね。

農業者戸別所得補償とFTAとの関係に限らず、大前さんが、このコラムの中でも指摘されているように、「アジア共通通貨」構想なんてのも、わたくしからすれば、「えっ?いまさら?」って感じのものでしたね。

このアジア共通通貨については、この掲示板でも何回か取り上げたことがありました。
参考
「アジアの通貨危機再来防止のための、通貨バスケット制度の導入とはいうけれども。」

中国の経済大国台頭前には、アジア共通通貨の前段階としての通貨バスケット構想など、当時の日本の大蔵省にも、黒田財務官など、熱心な推進論者がおられて、日本主導でのいくつものチャンスがありえました。

マレーシアのマハティールのルックイースト(日本に学べ)の時代のことです。

しかし、今となっては、日本主導など、まったく、不可能な構想ではあるわけですね。

今、ASEANで論じられているACU(Asian Common Currency)構想にしても、中国主導でしかありえない構想なのですね。

その中国は、昨年、7月に、それまでの米ドル固定の人民元レートを、現在の1ドル=8・2765元から、1ドル=8・1100元に切り上げるとともに、米ドル、欧州ユーロ、日本円の3大通貨に一定割合で連動する「通貨バスケット制」を採用すると発表しました。

すなわち、アメリカのドルと中国の元との関係の地ならしをしなければ、そもそものアジア共通通貨の議論の前提はできないということです。

さらにASEAN諸国では、ブルネイ・シンガポールなど実質ドルにペッグした通貨を有しているのですから、これらの国にドル離れを促すためには、ドル−中国元との関係がより重要になってくるというわけです。

そのアメリカは、過去に「アジア通貨基金」(AMF)構想を躍起になってつぶした、という前科がありますもんね。

そのへん、民主党のマニフェストには、思いつき以上のものは見られませんでした。

なんか、経済産業研究所(RIETI)さんのコピーめいた政策らしきものが散見されるように思えるのは、わたくしの錯覚でしょうか。

さらに、鳩山代表の「米国債中心の外貨準備政策の見直しを求める」発言にしても、現状どの程度おわかりなのかな?という懸念が残りますね。

つまり、日本の巨額な米国債保有は、円高是正の過去の為替介入の結果であり、その保有する米国債は、為替介入資金を管理する外国為替資金特別会計で、国債の一種である政府短期証券(外国為替資金証券)を発行して、金融市場から円資金を借り、日銀を通じて外国為替市場で、その円資金をドルと両替し、それで得たドルで、政府は米国債を買っていたというわけで、いわば、米国債と、政府短期証券(外国為替資金証券)とは、両建ての関係にあるのですね。
参照「米国債保有は、日本の財政再建の最後の足かせとなるのか?」

つまり、「米国債中心の外貨準備政策の見直しを求める」ということは、この米国債と、政府短期証券(外国為替資金証券)との間の両建て関係を解消するということになるというわけです。

これはまさにブーメランですよね。

日本の国債発行額を縮小するのと同じ課題ということです。

「高速料金を2010年度から段階的に原則無料化」論にしても、このお盆の無料化で、各地で、身動きの取れない「コモンズの悲劇」を招いているところから、考え直さなければならないような気がしていますね。

大前さんのコラムも、やや、荒っぽい切り口ながら、いずれも、本質を突いている指摘のようにも見えました。
ご一読をお勧めします。

 

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2009/08/17 Monday

新型インフルエンザ・ウイルスの、どの変異が、今後、懸念されているのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:04:29

2009/08/17(Mon)
 
現在、夏の暑い間も感染拡大を続けているH1N1新型インフルエンザウイルスだが、今後、このウイルスの二種類の変異が、秋以降の第二波の社会に与える深刻度を左右するものと見られている。

すなわち、懸念される二種類の変異とは、

.織潺侫訛兩をもたらしうるウイルスの変異

N2における
H274Y変異(Rikenのナンバーリングでは、H222Yとなる。)

NIとN2における
N294S変異

低温での感染を促進し、感染によるヒトへの劇症性をもたらしうるウイルスの変異

PB2における
E627K変異
D701N変異
S714R変異

PBにおける
L13P変異

PAにおける
K615R変異

である。

このうち、,里Δ舛梁緝重な変異は、H274Y変異であり、△里Δ舛梁緝重な変異は、E627K変異である。

すなわち
H274Y変異

N2シーケンスの271番から280番において
変異前シーケンス
PNYHYEECSCY
変異後シーケンス
PNYYYEECSCY
となっており、

E627K変異

PB2シーケンスの625番から635 番にかけて
変異前シーケンス
PPEQSRMQFSS
変異後シーケンス
PPKQSRMQFSS
となっている。(以上は、A/Shanghai/71T/2009(H1N1)を例としている。)

現在の状況をみてみると、´△瞭鵑弔亮鑪爐諒儖曚里Δ繊懸念されているのは、,諒儖曚任△蝓↓△諒儖曚砲弔い討蓮特に、冬のインフルエンザ・シーズンを迎えている南半球を見てみると、懸念された△諒儖曚蓮A/Shanghai/71T/2009 をのぞいては、起こっていないようだ。

したがって、今後、懸念されるのは、,H274Y変異ということだが、これについては、私のブログ記事『タミフル耐性ウイルスの世界的な広がりが、H1N1感染死者数を増しているのではないかとの、ニーマン博士の見方
でもかいたとおり、予想以上の変異の広がりが見えるようだ。

△諒儖曚郎8紊△襪どうかわからないが、今のところは、ないとして、現在流行中のH1N1インフルエンザウイルスが、当初懸念された南半球での変異がみられずに、秋に北半球に、第二波として帰ってきたとしても、今回の沖縄の死亡例にも見られるように、合併症を持った患者にとっては、,諒儖曚里△襪覆靴砲茲辰董大きな影響をこうむることになる、という予測がされうる。

さらに、すでにわたくしの5月6日のブログ記事『今回の新型インフルエンザにはもうひとつの影の主役がいるのでは?との見方』で懸念していたことではあるが、季節性インフルエンザウイルスであるA香港(H3N2)型に、現在の北半球における季節的なインフルエンザ対応三種混合ワクチン(2009-10北半球3価不活化インフルエンザワクチンの成分は、A型としては、H1N1の、A/Brisbane/59/2007;  H3N2の、A/Brisbane/10/2007;B型としては、B/Victoria系のB/Brisbane/60/2008 の三種 )に対応し得ない変異がすでに生じているかどうかも、懸念の一部としては、ありうる。

参考

null
.

この図は、過去にバンデミックとなったインフルエンザ(1889-92.1915-19.1957-63.1968-70)の第二波の到来がどのようで、死亡率の分布がどのようであったことを示した興味深い図です。
ピンクのバーが、通常の季節性インフルエンザで、ブルーのバーが、パンデミック時の波です。
B(1915-1919)においては、最初の夏の波は穏やかなものであったのが、次の冬の二回にわたる波においては、シビアなものとなっています。
C(1957-1963)においては、最初の5年間で、3冬に波がきています。
D(1968-1970)は、イギリスの例ですが、ここにおいては、最初の波は穏やかなものであったが、次の冬における第二波は、シビアなものであったといいます。

The Signature Features of Influenza Pandemics — Implications for Policy」より

 

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2009/08/15 Saturday

タミフル耐性ウイルスの世界的な広がりが、H1N1感染死者数を増しているのではないかとの、ニーマン博士の見方

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 22:23:31

2009/08/15(Sat)
 
本日発表された日本の沖縄県の死亡者のH1N1ウイルスのシーケンスの詳細がわかっていないので、なんともいえない段階なのだが、今年の6月末に、デンマークで、第一号のタミフル耐性を持ったH1N1ウイルスが発見されて以来、世界では、確実に、タミフル耐性を持ったウイルスの発見が増えてきている。

すなわち、これまで発見されたタミフル耐性を持ったH1N1ウイルスは下記のとおりであり、そのほとんどが、H274Y変異を持ったものであった。

.妊鵐沺璽 
A/Denmark/528/2009   6月29日
日本・大阪 
A/Osaka/180/2009  6月18日
C羚顱香港←サンフランシスコ 
A/Hong Kong/2369/2009  6月11日
ぅ疋潺縫共和国
A/Santo Domingo/572N/2009 7月6日
ゥナダ・サスカッチャン  
7月7日
γ羚顱浙江
A/Zhejiang/DTID-ZJU01/2009  7月8日
日本・札幌←ハワイ 
A/Sapporo/1/2009  7月10日
┘好撻ぅ鵝Εタロニア
A/Catalonia/387/2009
スウェーデン・バストラゴッタランド
A/Stockholm/37/2009
日本・山口
A/Yamaguchi/22/2009 7月21日
カナダ・ケベック州
7月22日
日本・徳島
(A/Tokushima/1/2009 ?) 7月28日
日本・岩手
A/Iwate/1/2009 ? 7月30日
ブラジル
A/Sao Paulo/2233/2009
アメリカ・テキサス-メキシコ 国境
A/Mexico/4646/2009 8月7日
哀織
(A/Thailand/104/2009 ?)
吋轡鵐ポール←ハワイ
A/Singapore/57/2009  8月14日
加羚顱Ω估
A/Hunan/SWL3/2009
鈎羚顱香港 
8月15日 21人からタミフル耐性ウイルス検出
乾▲瓮螢・ワシントンHenderson County (←Buncombe County,Florida)2例
A/Washington/28/2009、A/Washington/29/2009 8月21日
21.日本・滋賀
A/Shiga/3/2009 ? 8月28日
22.アメリカ・ノースカロライナ
8月28日
以降
9月9日
Israel
9月12日
Alberta,
9月14日
Australia,

これらのケースの多くは、予防的治療の段階では、いずれも穏やかな症状を示しているものが多く、劇症を呈し始めて、初めて、その患者にタミフル耐性があることがわかるケースがほとんどであったという。

したがって、ニーマン博士は、この表面的に現れたタミフル耐性の数以上に、タミフル耐性の報告の遅れも影響し、想定される以上の裾野の広いタミフル耐性ウイルスの広がりがあるのではないかと推測している。

そして、その裾野の広がりの大きさが、タミフルを処方しても、すでに合併症を引き起こし、死に至っているケースが多いのではないのかと、推測している。

今日の沖縄の新型インフルエンザ死亡例がそうではないことを祈るばかりではあるのだが。

参考
「H1N1 : Rising Death Toll Linked to Tamiflu Resistant Pandemic H1N1?」
Influenza Research Database
recombinomics.com

 

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2009/08/12 Wednesday

覚書-民主党の戸別所得補償制度とアメリカの直接・不足払い補助金制度(DCP:Direct and Counter-cyclical Payment)との違い

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 14:43:00

2009/08/12(Wed)
 

民主党の農業者戸別所得補償制度

1.対象となる主要農作物=米、麦、大豆、その他政令で定める農産物

2.対象となる販売農業者=
“稜笋剖,垢詭榲で農産物を生産する農業者として政令で定めるもの
農業生産活動を共同して行う農業者の組織及び委託を受けて農作業を行う組織のうち政令で定めるもの

3.農業者戸別所得補償金の算定公式

’清伴垳擁冥蠧席篏金=販売面積×販売面積単価

販売面積=数量からの逆算=生産数量の目標に従って定められた生産量のうち、販売に供されるものとして算定された数量を面積換算したもの

(農林水産省令で定めるところにより算定した部分を農林水産省令で定めるところにより面積に換算)

H稜簗明冀渦繊(標準的な生産費−標準的な販売価格)±(需要・供給の動向を考慮しての所定の調整係数)

備考
国が定めるのは、‖仂歿精酳の生産数量 販売面積(販売数量から逆算) H稜簗明冀渦

交付金の額の算定については当該主要農産物の品質、その生産に係る経営規模の拡大及び環境の保全に資する度合並びに米に代わる農産物の生産の要素を加味

需要・供給の動向を考慮しての所定の調整係数の要素=’聖妻の品質、経営規模の拡大に資する度合い、4超の保全に資する度合い、な討紡紊錣詛聖妻の生産の要素

標準的な販売価格と標準的な生産費の算出方法については不明

また、生産数量のうち、販売数量の推定算出方法についても、不明

販売農業者の要件についても不明

4.交付金の交付
交付金の交付を受けようとする者は、農林水産大臣に交付の申請

5.条件不利地交付金
別途、地方公共団体に対し、交付金を交付するものとする。

——————————————————————————————–

以上のスキームのようであるが、これで見る限り、直接支払いというよりは、下記のアメリカの「直接・不足払い補助金制度(DCP:Direct and Counter-cyclical Payment)」のうち、後半部分の2008年農業法で、新たにオプションスキームとして付け加えられたスキーム(ACRE支払い)にあたるものと見られる。

私もよくお世話になった、元国立国会図書館調査及び立法考査局(調査局)の北林寿信さんが主催される農業情報研究所さんの最近のサイト「民主党選挙公約確定版 日米FTA推進は変えず 農産物国境保護を棄てて農業・農村振興?」でも、「これ(農業者戸別所得補償制度のこと)は現在の生産と価格に関連した補助金だから、明らかに、WTO農業協定における削減対象=イエローボックス補助金である」と、一刀両断されている。

「戸別所得補償は、過去の面積にもとずく支払いだから、免責されうる」などと主張される向きもあるようだが、上記の公式に見るように、標準的な販売価格の根拠数値は、直近時のものを採用しなければ、穀物国際市況の振幅激しい昨今では、裨益販売農業者の「ただ乗り」を招くことににもなりかねないし、第一、「過去の面積にもとずく」販売面積といっても、その販売面積自体の計算が、販売数量からの逆算に元ずく、きわめて、ループホールの多い、いい加減な数値となることは確実であるのだが—(別に販売農家に悪知恵をつけるわけではないのだが、実質的には、自家用消費量(という名の両刀使い???自家消費した分も販売に計上し、もらった補償金で、スーパーでの安い食費をまかなう、という芸当。つまり飯米農家が補償金でスーパーの安い飯米を買うという構図)が増えてしまう、という結果にもつながりかねない。きわめて、モラルハザードを招きかねない隙間だらけのスキームともいえよう。)

また、「面積当りの直接支払いが規模拡大へのインセンティブになる」との主張をされる方もおられるようだが、これでは、資本力のある農家へのインセンティブとのみ、なってしまうばかりでなく、面積による直接支払いのスキームによっても、WTOにおいては、後に述べるアメリカのACRE支払いに対する各国の批判にみられるごとく、黄色の政策のカテゴリーからは、逃れられない。

以下に、アメリカの直接・不足払い補助金制度を日本の民主党の戸別所得補償制度と比較対照させたのは、このアメリカの直接・不足払い補助金制度自体が、黄色の政策であると、WTOから指弾されているから、なのである。

当初、アメリカは、この直接・不足払い補助金制度を、新青の政策(New Blue Box)としてWTOに認知させようと試みてきたが、これが、「デミニミスのループホール」(De Minimis loophole)または、「黄色のボックスから青のボックスへのボックス・シフト」(box shifting amber box to blue box)または、「補助金の衣替え」(reclassify subsidies)であると、WTOから指弾されている。

特に以下の2008年農業法から、オプションスキームとして付け加えられたAverage Crop Revenue Election (ACRE)(平均作物収入選択プログラム)については、これまでの2002年農業法でのスキーム以上に黄色の政策であると、批判が高まっている。

FAPRI(Food and Agricultural Policy Research Institute)が昨年8月に予測したACRE支出の数値によると、2009年11,683百万ドル、2010年2,283百万ドル、2011年2,203百万ドル、2012年2,039百万ドル,2013年1,901百万ドルになるという。
参考「The New US Farm Bill: Zooming in on ACRE

アメリカのACREも含めた黄色の政策のシーリングが,年ベースで191億ドルであるのだから、いかに、このACREが貿易歪曲的な働きをしているかが、この数字からもよくわかる。

なお、ACREがなぜ黄色の政策に分類されるのかについて、このサイト「Farm Bill: Average Crop Revenue Election (ACRE) Could Be Expensive; Commodity Prices- Hearings on Volatility; Food Prices- Biofuels」では、次のようにいっている。
「ACRE支払いが作付けに基づき、作付面積と平均作物販売価格と収量とに基づく限り、WTOでは、農作物価格支持補助金の黄色の政策のカテゴリーに分類されることは明らかである。」
(Because ACRE payments would be based on planted and considered planted acres and on an average of actual prices and yields, it is clear the payments would be counted in the WTO’s amber box category of farm subsidies.)
といっている。

2009年3月12日に行われたWTOのコミッティーにおいて、アルゼンチン、オーストラリア、カナダの代表が、アメリカのACREについて、黄色の政策ではないことについての説明をアメリカ側に求めたが、アメリカ側は、実績がまだ出ていないことを理由に、その説明を拒否したといわれている
参考「Committee focuses on monitoring agriculture commitments

これは、そのまま、日本の民主党の農業者戸別所得補償制度についても、いえることであろう。

アメリカでは、2008年新農業法の成立がブッシュの退陣と重なる形となってしまったため、現在のオバマ政権の下では、ブッシュ大統領の下に、2002年農業法の仕組みの上に農業者収入補償のオプションスキームとして加えた、Average Crop Revenue Election (ACRE)(平均作物収入選択プログラム)への評価も含め、「残された荷物」的な暫定的な形での評価となっている。

幸か不幸か、オバマ政権になって以来の農作物市況の好況で、有効価格が目標価格を上回っているため、不足払いの部分発動(Parcial CCP)にいたっていない。

オバマ大統領は、2010年予算で、直接支払いのカット(売上高50万ドル以上の農場主に対する直接支払いの停止、これによると、625エーカー以上のコーン生産農場主への直接支払いが停止される勘定になるという。)を議会に要請している。

そのほか、直接支払いの上限を、一人4万ドルに制限すること、CCPについても、6万5千ドルの上限を設けること、その代わりとして、145.000ドル融資限度のマーケティングローンの創設を保持するものとしている。

オバマ政権は、これらのカットにより生じた財源を、環境改善事業などの新興事業部門にシフトさせる考えであるという。

参考
Obama Budget Riles Farm Groups

この流れからすると、アメリカは、すでに直接支払いの方向から、新しい環境部門への財源のシフトを図りつつあるようだ。

これらの動きは、WTO対策であるとも見られている。

すなわち、 the CRS report(Congressional Research Service Reports)のDennis A. Shields氏が最近まとめた報告書「A New Farm Program Option: Average Crop Revenue Election (ACRE)」によれば、ACRE(Average Crop Revenue Option 平均作物収入選択プログラム) プログラムのもとにあっては、WTOへの報告が義務付けられ、しかも、これらの直接支払い等が、黄色の政策とみなされるため、 ACRE(Average Crop Revenue Option ) プログラムからの離脱をオバマ政権は意図的に図っているのだという。
参考「NFU Meets With Executive Branch Officials; Wide-Ranging Ag Economic Issues; and ACRE

これに比べて、いかにものんきな日本の農政ではあるが、このアメリカなどの流れからすると、日本のすでに施行されている品目横断的経営安定対策についての手直しを迫られるほか、それ以上に黄色の政策の色合いが濃い、この民主党の戸別所得補償制度は、ACRE支払いのイミテーションともみなされるところから、当然、さらなるWTOからの黄色い政策としての指弾を受けるものと思われる。

——————————————————————————————–

アメリカの直接・不足払い補助金制度(DCP:Direct and Counter-cyclical Payment)

1.2002年農業法に基づく従来スキーム(価格変動対応型支払い+直接固定支払い)

”埖払い額単価(CCP PaymentRate)=目標価格(Target Price)−有効価格(Effective Price)

¬槁顕然(Target Price)=2002年農業法に基づき設けたもの
2005年についての数値は、このサイト「Loan Rates, Direct Payments, CCP, and Target Prices」で見ることができる。

M効価格(Effective Price)=直接支払い額(Direct Payment Rate)+市場年度内に農業生産者が農作物の販売で受け取る全米平均市場価格の高い数値+商品農作物の全米での平均ローンレート(the commodity national loan rate 融資単価)の高い数値

(目標価格−直接支払額)が、市場年度内の全米平均市場価格の最高値を上回った場合は、不足払い額(CCP PaymentRate)は、ゼロとなる。

つ樟椹拱Гこ枌渦(Direct Payment Rate)=定率支払いレート(payment rate )×基準面積(base acres )×農場プログラム産出高( farm program yield)×85パーセント

計算例

直接支払い額単価(Direct Payment Rate)の計算例

直接支払いの単価=
大豆1ブッシェルあたり0.28ドル
大豆1ブッシェルあたり0.44ドル
小麦1ブッシェルあたり0.52ドル

直接支払額=直接支払い単価×直接支払い対象面積×直接支払い対象生産高×85%


大豆
経営面積50エーカー、生産量120ブッシェルの場合は、
直接支払額=0.28×50×120×0.85=1,428ドル

同様にして、大豆、小麦についても計算

不足払い額(CCP PaymentRate)の計算例

不足払い額単価(CCP PaymentRate)=〔目標価格(Target Price)−有効価格(Effective Price)〕-〔(市場年度内に農業生産者が農作物の販売で受け取る全米平均市場価格の高い数値+商品農作物の全米での平均ローンレートの高い数値)〕

トータルの不足払い額=不足払い単価(CCP rate)× 不足払い対象面積(CCP Base Acres)× 不足払い対象生産高( CCP Yields )×*85%

コーンの場合

目標価格(Target Price)=2.60ドル
直接支払い額単価(Direct Payment Rate)=0.28ドル
コーンのナショナル・ローン・レート(the commodity national loan rate 融資単価)=1.98ドル

市場年度内にコーン生産者がコーンの販売で受け取る全米平均市場価格の高い数値=MYA(the 12-month Marketing Year Average price )=2.10ドル>コーンのナショナル・ローン・レート(the commodity national loan rate 融資単価)1.98ドル
とすると

コーンの不足払い額単価(CCP PaymentRate)=(2.60ドル – 0.28ドル) - 2.10ドル = 1ブッシェルあたり0.22ドル

コーンの不足払い対象面積=50エーカー
コーンの不足払い対象生産高=140 ブッシェル
の場合
bushels * 50 acres * 85% = $1,309

コーンの総不足払い支払額=0.22×50×140×0.85=1309ドル

同様にして、大豆、小麦についても計算

備考
MYAの確定にいたるまでの処理について

MYA(the 12-month Marketing Year Average price )(市場年度内に生産者が生産物の販売で受け取る全米平均市場価格の高い数値)の最終確定は、穀物年度の最終(小麦については7月、コーンと大豆については10月)である。

したがって、不足払い(CCP)は、確定値のMYAが出るまでは、暫定的なMYAによって、一部前払い(advanced payment)が行われる。

暫定的なMYAの数値は、毎月発表される「the World Agricultural Supply and Demand Estimates Report」による。

一部前払いが行われるのは、
第一回は、10月で、全体のCCPの35パーセントが支払われる。
第二回は、2月に支払われる。この場合は、全体の支払い推定金額から30パーセントを差し引いた金額を限度として支払われる。(第一回+第二回の合計金額は、推定総支払いCCPの70パーセントを超えない。)

穀物年度の最終月に、確定したMYAに基づいて、残余のCCPが支払われる。

この場合、経過措置として使用したMYA数値のその後の変動によっては、過去二回の暫定支払いの過払い分が清算なり返済がされることにもなりうる。

参考
What to Expect from Government Payments for the 2003 Crop

2.2008年農業法で、新たにオプションスキームとして付け加えられたスキーム(ACRE支払い)

以上が2002年農業法に基づくスキームであるが、2008年農業法の下では、この2002年農業法のスキームに加えて、オプションスキームとして、新たに農業者収入補償プログラムであるACRE(Average Crop Revenue Election)(平均作物収入選択)プログラムがくわえられた。

このACRE(平均作物収入選択)の公式は、下記のとおりである。

2002年農業法スキームに比して、現実を反映した支払いを受けたものになると同時に、過去作付け実績のない作物に切り替えても、補償額に反映できるようになっており、さらに、反収に州レベルの数値が採用できるようになっている。

このACRE支払いは、これまでの2002年農業法にもとずく従来のスキーム(価格変動対応型支払い+直接固定支払い)のオルタナティブとして位置づけられており、農業者にとっては、このACRE支払いを選択するか、従来型スキームを選択するかの、二者択一となる。

ACRE保証額=0.9×【過去5年平均州単収】×【過去2年平均全国価格】

              *但し、5年平均は最大最小の年を除く3年平均 

ACREの計算例

計算の基礎
アイオワ州のコーン生産農家での例

前提条件
アイオワ州でのコーンの
5年間での州平均収量(ブッシェル/エーカー) 171ブッシェル
5年間の単位農家平均収量(ブッシェル/エーカー) 175ブッシェル
2007年から2008年にかけての穀物年度におけるコーンの1ブッシェルあたりの平均価格 4.20ドル/ブッシェル
1エーカーあたりの平均作物保険プレミアム 20ドル

試算
2009年州収入補償額(A)= 90% x 171ブッシェルx4.20ドル = 646.38 ドル
2009年農家レベル補償額(B)=(175 ブッシェルx 4.20ドル) + 20.00ドル = 755.00ドル

前提条件
2009年の州での1エーカーあたりの生産高 150ブッシェル/エーカー
2009年の農家ベースでの1エーカーあたりの生産高 160ブッシェル/エーカー
2009年の1ブッシェルあたりのコーン価格1ドル/ブッシェル

試算
2009年実績州収入(C)= 150 ブッシェル x 4.00ドル = 600.00ドル<2009年州収入補償額646.38 ドル
2009年実績農家収入(D)= 160ブッシェルx 4.00ドル = 640.00ドル<2009年農家レベル補償額755.00ドル

ACRE支払い額= 〔646.38ドル(A) - 600.00ドル(C)〕 x 83.3 % x (175ブッシェル/ 171 ブッシェル) = 39.54ドル/エーカー

以上に見るように、州補償額と州実績収入との差額(646.38ドル - 600.00ドル) は83.3パーセント補正され、、農家収量が週平均収量を上回る部分(175ブッシェル/ 171 ブッシェル)についても、その割合によって補正されている

参考
Average Crop Revenue Election (ACRE)」
Selected Publications for: Carl Zulauf

以上

—————————————————————————————-

備考

the CRS report(Congressional Research Service Reports)のDennis A. Shields氏が最近まとめた報告書「A New Farm Program Option: Average Crop Revenue Election (ACRE)」におけるアメリカの直接・不足払い補助金制度が、WTOより黄色の政策とみなされる懸念について書いた部分

概訳
「国債貿易政策を考えた場合、もし、支払いがACREプログラムの元に行われた場合、アメリカは、WTOに、WTO合意の下で、その公約の一部として、報告しなければならない。
あるアナリストは、これらの支払いが黄色の政策として分類されると予測している。
そして、支払いが現在の生産と市場価格とリンクしているということで、アメリカの補助金にとって不利となりうるとも、予測している。
以下略。」

“As for international trade policy considerations, if payments are made under the ACRE program, the United States will eventually report them to the World Trade Organization (WTO) as part of its agricultural policy commitments under the WTO’s Agreement on Agriculture. Some analysts expect the payments to be classified as ‘amber box’ and count against the U.S. subsidy limit because payments are linked to current production and market prices. ”

緑の政策の条件

〇拱Гい蓮現在の価格と関連してはいけない。
∋拱Гい蓮現在の生産と関連してはいけない。
支払いは、何らかの生産を要求されての支払いであってはならない。

直接支払いの要件

,修了拱Гい、生産の決定にリンクしてはいけない。

直接支払いを農業者が受領することによって、この支払いが、農業生産のタイプや生産量に影響を与えるものであってはならない。

この直接支払いの金額が、その後の一定期間における生産、価格、生産要素とリンクしたものであってはならない。

つ樟椹拱Гい鮗けても、それによって、生産を要求されるものではない。

イ修猟樟椹拱Гい琉嫐するところが、次のものに関係している場合には、別の基準によるものとする。

デカップリング所得補助、所得補償、セーフティーネットプログラム、自然災害救助、構造調整プログラムによったもの、環境プログラムによったもの、地方支援プログラムによったもの、

Direct payments to producers

The Green Box also provides for the use of direct payments to producers which are not linked to production decisions, i.e. although the farmer receives a payment from the government, this payment does not influence the type or volume of agricultural production (“decoupling”). The conditions preclude any linkage between the amount of such payments, on the one hand, and production, prices or factors of production in any year after a fixed base period. In addition, no production shall be required in order to receive such payments. Additional criteria to be met depend on the type of measure concerned which may include: decoupled income support measures; income insurance and safety-net programmes; natural disaster relief; a range of structural adjustment assistance programmes; and certain payments under environmental programmes and under regional assistance programmes.

WTO「Domestic support」より

Domestic support

参考
2008 Farm Bill

Biorenewables: Helping or Hurting the Environment?

Loan Rates, Direct Payments, CCP, and Target Prices

The 2007 Farm Bill: More of the Same or a New Path?

このテーマにかかわる私の関係ブログ記事

小沢民主党が掲げる個別(戸別)所得補償制度は、貿易歪曲的補助金ではないのか?」
WTOとボックス・シフティング規制ルールについて
「ドーハラウンド合意を想定した日本の品目横断的経営安定対策のスキーム見直しの必要性」
韓国のFTA事情
WTOドーハラウンド−今月末までに、改訂版ファルコナー・テキスト提示の見通し」
「ブラジルとカナダが、ここにきて、アメリカの農産物価格支持補助金について、イチャモン
10月4日にアメリカが提出した黄色の政策(AMS)とOTDSの実績
「「部分最適、全体最悪」の農政では、困ります。」
アメリカ下院を通過した2007年農業法のポイント
WTO交渉で、ファルコナー交渉議長からモダリティー合意案提示

 

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2009/08/07 Friday

韓国とインドとのCEPAが本日署名

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:51:34

2009/08/07(Fri)
 
韓国とインドとのCEPA(包括的経済協力協定)が、今日、ソウルで署名される。

現在、韓国がインドに輸出しているのは計5227品目。

このうち85%にあたる4459品目に課す関税が今後廃止または削減される。

韓国がインドに輸出する品目で最多を占める自動車部品は、関税が8年内に1〜5%に引き下げられ、韓国産の冷蔵庫、カラーテレビに課す関税は8年内に50%削減される。

逆に、インドから韓国へは、 韓国のIT業界を中心に、インドのソフトウエア開発者やゲームプログラマー、コンピューター専門家、経営コンサルタント、英語の補助教師、自然科学者などの専門人材が、大量に流れ込むものとみられる。

インドから韓国への製品輸出としては、ナフタ・鉄鉱石など原資材が中心となる。

これらについて、品目数ベースで93%、輸入額ベースで90%の関税が即刻または段階的に撤廃あるいは削減される。

韓国へのインドからの輸入については、米、牛肉、豚肉、冷凍太刀魚、冷凍ワタリガニ、ゴマ、トウモロコシ、ニンニク、たまねぎなどは、これまで通りの関税が維持される。

韓国サイドでは、日本や中国に先駆けてインドとのCEPA協定を締結、正式発効することで、インドビジネスで優位に立てると期待しており、特に、韓国の対インド輸出最大品目である自動車部品の関税率引下げが、インド自動車市場での競争力を高めることになるとの期待が高まっているようだ。

ところで、韓国の国会での批准議会承認の日程だが、9月、国会に上程となっているが、アメリカのFTAがまだ批准議会承認されていないところから、これらの間でのバランスがどう保たれるのかが、これからの課題のようだ。

インドは、すでに7月に、閣議承認を済ませており、また、インドでは議会による承認は不要なので、発効は、韓国の議会しだいということになる。

韓国内で批准同意案が可決されれば、60日後、直ちに発効される見通しで、両国は、来年1月1日に発効させる見通しをもっている。。

今回、インドとの貿易協定をFTAではなく、実質FTAと同じCEPAにしたのは、インド・韓国内のFTAアレルギーを考慮してのものと言われている。

特にインド国内では、ケララ州が、これらの自由貿易協定が、ケララ州地域内の天然ゴム、茶、胡椒、食用油、カルダモン、その他の換金作物の栽培農家の利害を損なうものだとして反対してきた。

日本の民主党も、FTAでなくCEPAとマニフェストに書いとけば、こんなに国内のFTAアレルギーに合わずにすんだのかもしれない。

後の祭りか—

 

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2009/08/05 Wednesday

何とかしてくれ、民主党農業政策のパラノイア現象!!!!

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:49:33

2009/08/05(Wed)
 
null昨日、民主党が、マニフェストの「アメリカとのFTA協定締結」についての修正をするとの発表をしたようですが、どうも、最近の民主党の農業政策には、パラノイア的支離滅裂さが見られますね。

つまり、マニフェストのFTA協定にかかわる部分を、「アメリカとのFTA協定に農畜産物を盛り込まない」と修正してしまうと、今度は、マニフェストの農業者戸別所得補償のほうの大儀名分が成り立たなくなってしまう、という自己矛盾ですね。

イギリスの精神科医であるRDレイン(RD Laing)の『結ぼれ』”Knots”は、「相手がこう思うだろうから、私はこう行動するだろうと思うから、相手は、こう行動する。」という、相手の行動と心理を何回もフィードバックするという、屈折した心理と行動を分析したものですが、このR.D.レインの「結ぼれ」(Knots)風にいまの民主党の農業政策をいえば、こういうことでしょうか?

「わが党は農村部の票がほしい」→
「そのためには、戸別所得補償制度をうちだすことが効果的である」→
「しかし、この制度は、WTOから、黄色の政策として排除される恐れがある」→
「では、WTOを否定する代わりにアメリカとのFTA締結を政策に打ち出そう」→
「FTA締結をうちだしたら、農村部の反撥が強いので、農畜産物をFTA協定から除外することにしよう」→
「これでは、アメリカはFTA協定に乗ってこないだろうから、農畜産物の処理は、WTOにまかせよう」→
「結果、WTOを容認することになるのだから、戸別所得補償制度は黄色の政策としてWTOから排除されるかもしれない。」→
「結果、最後までのこったのは、戸別所得補償制度とWTO容認をともに認めるという選択しか残らない。」→
「両者は、相容れないので、デッドロック。では、これから、どうしましょう? 」

いわば、農村票欲しさに安易に打ち出した戸別所得補償制度が、WTOのボックス・シフティング規制に抵触することに、そもそもの、矛盾があるようです。

この点に関する私のブログ記事
小沢民主党が掲げる個別(戸別)所得補償制度は、貿易歪曲的補助金ではないのか?」
WTOとボックス・シフティング規制ルールについて
「ドーハラウンド合意を想定した日本の品目横断的経営安定対策のスキーム見直しの必要性」
などを参考にしてみてください。

一昨年の参議院選挙時点から、この問題について論じていたプログ
「農業2.0強き国内農業市場を、活力ある地域社会の実現を目指して
においても、前回の参議院選挙の時よりは、冷静な分析がされているようですね。

つまり、戸別所得補償制度が、FTAとのカップリング・ミラーであることを、民主党自身が否定したということで−−−ということが原因なんでしょうかね?

以下の記事で、民主党のマニフェストの農業政策について検証しておられますが、比較的、まとまっていますので、以下、引用掲載しておきます。

以下 引用開始

2)自民、民主の農政マニフェスト検証、衆院選2009(日米FTAの検証)

なぜ、このタイミングで日米FTA締結を示唆するのか、その必要性が全く分かりません。経団連からの圧力でしょうか?FTAの発効の条件となるGATT24条「実質上全ての貿易」については、コメなどの一部の農産品は自由化から除外できるものの、当然のこと、コメを保護化するのであれば、それ以外の多くの農産品の自由化を求めてくるのは必至です。これはお隣韓国でもそうでした。

民主党が農業自由化に賛成をし、アメ(戸別所得補填制度)とムチ(日米FTAを含む農業自由化)でもって国内の農業政策を実施するのであればある一定の理解はできますが、WTO/FTAによる農業自由化には賛成をしない、更に、日米FTAは締結する(コメは除外)、しかしながら、戸別所得補填制度も導入するというのは、かなり理解に苦しみます。

民主党はただ単に「戸別所得補填制度」を集票マシーンとして導入するのか、それとも農業市場の自由化という産業界全体の「現実」を踏まえた上で、農政の抜本的改革に乗り出すのか。現時点ではどうも前者に映ってしまう民主党の農政マニフェストです。

以上 引用終わり

確かに、このブログ記事は、ポイントをついていますね。

つまり、民主党が、アメリカとのFTA協定から農畜産物を除外するというということは、農畜産物の交渉は、WTOに任せるということであり、この時点で、民主党がWTOを否定することと背馳するばかりか、おっしゃる戸別所得補償制度の位置づけをも、あいまいにしてしまいますね。

しかも、ドーハラウンドにおいては、この集票メカニズムの戸別所得補償制度自体が、黄色から青色へのボックス・シフティングとみなされてしまう、という、二重の矛盾に突き当たることになってしまいます。

この辺を、どう説明されるんでしょう?

民主党さん。

(上記の写真は、FTAに反対する韓国の農民デモの様子です。)

参考
その他関係ありそうな、これまでの私のブログ記事
韓国のFTA事情
WTOドーハラウンド−今月末までに、改訂版ファルコナー・テキスト提示の見通し」
「ブラジルとカナダが、ここにきて、アメリカの農産物価格支持補助金について、イチャモン
10月4日にアメリカが提出した黄色の政策(AMS)とOTDSの実績
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2009/08/04 Tuesday

農畜産物除外のFTA協定なんてあるの?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 17:55:18

2009/08/04(Tue)
 
アメリカとのFTA締結をマニフェストに盛り込み、農業者たちから指弾を浴びている民主党が、今度は、苦し紛れか、妙な事を言っているようだ。

民主党の菅直人代表代行は4日、同党のマニフェストにある米国とのFTA締結について、北海道農民連盟の申し入れに対して農畜産物を除外する方針を盛り込む考えを明らかにしたというのだが。
「米との自由貿易協定、農畜産物除外の方針…民主」

まあ、申し込んだ北海道農民連盟も北海道農民連盟だが、「その趣旨で一文を加えたい」と答えた菅さんも菅さんだ。

農業情報研究所さんがブログ に書いてあるように、FTA協定の締結国にとってのメリットは、WTOに代表される多角的貿易システムにかわりうるものがあってこそ、なのである。

そのWTOだって、農畜産物除外の話であれば、何も、こんなに各国が、ドーハラウンドで苦労をすることは何もないのだ。

つまり、農畜産物除外のFTAなんてのは、アメリカにとっては、何のメリットもない交渉なのだ。

メリットがなければWTOに従うまでだ。

そんなFTA協定に、ただでさえ、ブッシュ前大統領に比べてFTAに後ろ向きなオバマ政権が、乗ってくるはずのないのは、明らかではないか。

ましてや、今アメリカ国内においては、プロテクショナリズムが高まっているという。

韓国とのFTAの批准もコロンビア、パナマとのFTA批准もアメリカ議会承認段階では、棚上げ状態だというのに。
参照
「韓国のFTA事情」

では、何をトレードオフにしてのFTA協定をアメリカと結べると思っているのか、一度、聞いてみたいものだが。

売りたいのが車であることは確からしいのだが—

だいたい、この時点で、アメリカとのFTA協定を持ち出すのは、最悪のタイミングであることを、民主党は、いさぎよく認めるべきときなのだ。

それとも、農民だから、何を言っても、何とか、いいのがれできるとでも、思っているのであろうか?
 

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2009/08/02 Sunday

韓国のFTA事情

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 19:11:32

2009/08/02
 
韓国とアメリカとのFTA批准案議会承認は、アメリカの民主党のやる気のなさと、アメリカ国内の医療改革の問題に足をとられ、で、すっかり、棚上げになっているようだ。

それに、韓国からの輸入自動車に対する自動車労働組合の抵抗も高まっているようだ。

コロンビア、パナマとの批准案議会承認についても同様のようである。

韓国における批准案議会承認も、頓挫している状態である。

概して、オバマ政権は、それどころではないようだ、

ここにきて、ブッシュ前大統領が韓国訪問をするなどの動きはあるが、韓国国内においても、牛肉と自動車の問題が、最大のネックとしてあるようだ。

ブッシュ前大統領は、昨日来韓し、水曜日から土曜日まで、韓国の済州島で行われる韓国産業連合のフォーラムに出席するようだが、ここで、ブッシュさんは、自らが2007年に署名した韓国とのFTAの意義を再び強調するとされている。
(ブッシュ前大統領は、済州島での韓国李明博大統領との会談で、米韓FTA協定批准議会承認が遅れているのは、米国内の反韓国感情によるものではなく、アメリカ国内に高まっているプロテクショナリズムによるものだとしたという。)

ブッシュ前大統領の訪問が効を奏するかどうか、疑問視する向きも、韓国内にはある。

それは、彼の攻撃的な性格が、FTA問題について、せっかく静かになった韓国内の農業者(down-on-their-luck farmers=あぶれ農家とでも訳すんでしょうかね?)たちに、再び火をつける恐れはないのか、ということについての危惧である。

さらに、オバマ現政権に対するブッシュの影響力のなさも、気にかかるという。

しかし、これらの動きとは裏腹に、ここにきて、韓国は、EUとのFTA締結の動きを早めている。

7月13日に欧州訪問中の韓国の李明博大統領は、EU議長国スウェーデンのラインフェルト首相との会談で、EUと韓国とのFTA交渉の妥結を明らかにし、現在、急ピッチで、今協定文などの詳細を詰めているという。

具体的な協定文の策定にまでいたっているようだが、ここでの問題は、自動車の関税問題のようだ。

現在、韓国は、EUからの自動車に対して、8パーセントの関税を課しているが、EUは、韓国からの自動車に対して、10パーセントとの関税を課している。

これらの韓国のEUの接近にやきもきしているのが日本であるとされている。

韓国とEUとのFTAが実現すると、韓国の自動車にEU市場を占拠されてしまうのではないか、との危惧からだ、

まあ、このように見てみると、日本の民主党が、声高にアメリカとのFTAを総選挙公約マニフェストに盛り込む大義名分はなになのか、自動車総連からの申し入れなのか、政権交代時の経団連へのプレゼントなのか、ちょっとわからなくなってくるのだが。

いずれにしても、戸別所得補償制度をアメに、人身御供される日本の農業者ほど惨めなものはないのだが。
 

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民主党さん、扶養控除等撤廃と子ども手当支給とは、住民税なども含めるとトレードオフには、ならないのではないでしょうか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:53:18

2009/08/02(Sun)
 
null
民主党さんが今回の総選挙のマニフェストに掲げている「中学卒業までの子供1人当たり月額2万6000円を支給する子ども手当を創設し、財源の一部を配偶者控除や扶養控除の廃止で賄う」としている点ですが、果たして、子ども手当と配偶者控除・扶養控除とは、住民サイドでの住民税・国民健康保険料(税)を含めた公租公課総負担金額とは、トレードオフの関係になりえるのでしょうか?

たしかに、所得税の段階においては、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除と子供手当とは、世帯構成によっては、トレードオフになりえるかもしれませんが、下記の参照にみるように、住民税が、所得税と同じ課税所得額ベースによって、多くは計算されている(国民健康保険料(税)の計算も同様)以上、扶養控除の撤廃は、課税所得金額の増嵩となることによって、住民税なり国民健康保険料(税)の課税対象金額は、調整控除なども含めて、累乗して増えてしまうことになるのではないでしょうかね?

つまり、所得税と住民税と国民健康保険料(税)とをあわせた住民の税総負担額は、扶養控除撤廃の代わりとして交付されうるであろう子ども手当とは、トレードオフとはならないのではないでしょうか?

それに、税源移譲により、ほとんどの方は平成19年度以降の市町村県民税の税率があがり、所得税の税率がさがっているのですから、この影響は大きいのでしょう。

住民税ベースでの扶養控除は残すなんて話も聞こえてきます。

ちなみに、テレビ朝日の報道番組「サンデープロジェクト」で細田博之自民党幹事長が、「所得税と住民税控除の廃止→年間14万2000円の増税(負担増)」「子ども手当(月額1万3000円)→年間15万6000円の支給」とのフリップを示し、司会者が「(子どもが)1人の場合だとむしろ増税になる」と発言したことに対して、民主党が抗議文書 を送り、その中で、「民主党が主張している配偶者控除と扶養控除の廃止は所得税のみであり、住民税は含んでいません。」「月額1万3000円というのは暫定的な金額であり、子ども手当は月額2万6000円です。」と反論していますね。

しかし、この反論の論理ですと、国の歳出における子ども手当てのインセンティブの性質を著しくあいまいにしうるものとなり、では、逆に残されるという地方税における配偶者控除と扶養控除は、何の大義名分に基づいてのものか、ということになってしまいますね。

大げさに言えば、課税の精神(spirit of taxation)の根本原理が問われかねないことにもなるでしょう。

これでは、国税と地方税とで、インセンティブのダブルスタンダードが生じてしまう懸念がでてきますが。

どうなんでしょう?民主党さん?

これらの子ども手当(児童手当+アルファ?)の財源論をマクロ的に考えれば
「収入世代と非収入世代との間でのトレードオフなのか?」
「収入世代間でのトレードオフなのか?」
ということなのでしょう。

児童を一人の非収入の個と考えれば、収入世代と非収入世代との間でのトレードオフとなりえますが、児童は、親という収入世代の庇護の下にある以上、収入世代間でのトレードオフとも絡んでくる、という、ヌエ性を持ったものでありえます。

一時、これらの児童手当の財源として、相続税を財源とする案もありましたが、この場合は、世代⇔世代間のブリッジ課税を児童手当とのトレードオフとする考え方でした。

その意味で、民主党案を見てみると、整合性が必ずしも取れていない、はっきりしていないようにも見えますね。

扶養控除が有効に節税に寄与しうるサラリーマン世帯においては、子持ちの世帯においては、子ども(児童)手当の別途手当てによって、トレードオフは確保しえますが、一方、子持ちとDINKSと呼ばれる子持ちでない世帯間での、収入世代内部でのトレードオフは成り立ちえなくなります。

また、扶養控除が有効に節税に寄与し得ない低収入世帯においては、子ども(児童)手当の別途手当てによって、トレードオフ以上の裨益を確保しえますが、一方で、収入世代と非収入世代との間のトレードオフは確保しにくくなります。

この際、そもそも、子供手当(児童手当)は何のインセンティブを目的にした措置なのか、という原点に立ち返らないと、なかなか、このスキームのゆがみは直らないのではないか、とも思われます。

少子化へのインセンティブとしての児童手当であれば、短期的なインセンティブでなく、一人の子供のライフサイクルを見据えて、ライフサイクルのそれぞれの段階でも機能しうるインセンティブとしなくてはならないものと思われますね。

参考

税源移譲後の住民税の計算方法

年税額=所得割額+均等割額(一定金額4,000円程度)

所得割額の計算方法

所得金額=収入金額−収入から差し引かれる金額

課税所得金額(1000円未満は切り捨て)=所得金額−所得控除額=国税における確定申告書の「26 課税される所得金額」とほぼ同じとなる。

税額=課税所得金額×税率

住民税所得割額=税額から人的控除額の差額を調整して計算
した額

人的控除額の差額=自治体によって多少異なるが、おおむね下記のとおり

障害者控除 普通1万円 特別10万円
寡婦控除 普通1万円 特別4万円
寡夫控除 1万円
勤労学生控除 1万円
配偶者控除 普通5万円 特別10万円
扶養控除 一般5万円  特定18万円 老人10万円 同居老親13万円
同居特別障害者加算 12万円
配偶者特別控除 8万円超40万円未満5万円 40万円超45万円未満3万円
基礎控除 5万円

扶養控除が廃止されると、所得税・住民税の「課税所得金額」がそれまでより高くなる。

次に、国民健康保険料(税)についてみてみると

国民健康保険料(税)=所得割額+資産割額+均等割額+平等割額

所得割額=基準総所得金額(前年中の総所得金額から基礎控除額(一定金額)を差し引いた額)×一定率

資産割額=固定資産税額(当該年度分の固定資産税額のうち、土地・家屋にかかる額)×一定率
 
均等割額=1世帯につき定額

平等割額=被保険者の人数×定額

このうち、最も保険料を左右するのは『所得割』である。

また、軽減・減免措置の対象は、「前年中の国保加入世帯の合計所得金額(国保加入者でない世帯主を含む)が、一定の基準に該当する場合」となります。

この国民健康保険料(税)においても、所得割りの計算基礎となる基準総所得金額において、扶養控除等の撤廃が影響してくるはずです。

なお、介護保険の計算においては、合計所得金額を基にして、階層区分化がされていますが、この合計所得金額は、税法上の各種所得控除前の所得金額(確定申告の項目では、「所得金額合計」)であるため、上記の配偶者控除、扶養者控除などのあるなしは関係ありません。

参考
介護保険の計算方法

課税年金収入額とは、老齢年金や退職年金など課税対象となる年金の合計額で、遺族年金、障害年金、老齢福祉年金などは含みません。

合計所得金額とは、収入金額から必要経費に相当する金額(収入の種類によって計算方法が異なります。例えば公的年金収入の場合は、公的年金控除額)を差し引いた金額(複数の収入がある場合は、それぞれに算出した金額の合計額)のことで、医療費控除や配偶者控除などの所得控除をする前の金額です。
また繰越控除や分離譲渡所得の特別控除を受けている方は、当該控除前の金額となります。

第1段階 ・生活保護受給者
・老齢福祉年金受給者※で、世帯全員が市町村民税非課税の人(基準額×0.5)

第2段階 ・世帯全員が市町村民税非課税で、課税年金収入額と合計所得金額の合計額が年80万円以下の人(基準額×0.5)

第3段階
・世帯全員が市町村民税非課税で、第2段階対象者以外の人(基準額×0.75)

第4段階
(基準額)
・世帯内に市町村民税課税の人がいるが、本人は市町村民税非課税の人(基準額×1)

第5段階
・本人が市町村民税課税で合計所得金額が200万円未満の人(基準額×1.25)

第6段階
・本人が市町村民税課税で合計所得金額が200万円以上400万円未満の人(基準額×1.5)

第7段階
・本人が市町村民税課税で合計所得が400万円以上の人 (基準額×1.75)

以上
 

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