Sasayama’s Weblog


2009/08/19 Wednesday

新型インフルエンザ・ワクチン投与で、抗原原罪を懸念する声が専門家の間にある。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:58:45

2009/08/19(Wed)
 
null抗原原罪(original antigenic sin)という聞きなれない用語だが、要は、こういうことだ。

この秋のH1N1インフルエンザ・ウイルスの到来にそなえて、従来のゝ╂畧インフルエンザ用のワクチン注射と、今回のH1N1新型インフルエンザ用のワクチンの両方を、前者,鮑能蕕肪躰佑掘後者△鮓紊肪躰佑靴疹豺隋↓,鉢△箸剖δ未離┘團函璽( epitope、抗体が認識する抗原の一部分)に対する抗体は迅速に産生されるが、△砲和減澆垢襪,砲和減澆靴覆ぅ┘團函璽廚紡个垢觜蛎里蓮∋裟犬気譴觜蛎里領未著しく低くなるということである。

この現象があるということは半世紀前からわかっていたが、その仕組みは、まだ、よくわかっていないらしい。

このCIDRAP(Center for Infectious Disease Research & Policy )のサイト「‘Original antigenic sin’: A threat to H1N1 vaccine effectiveness?」では、そのへんを次のように述べている。

最初に三種の季節性インフルエンザ・ワクチンを接種し、二週間後にH1N1新型インフルエンザ・ワクチンを接種した場合、多くの抗体については、季節性インフルエンザ対応三種混合ワクチンにふくまれるH1N1ウイルスのA/Brisbane/59/2007のコンポーネントとH1N1新型インフルエンザ・ウイルス(A/California/04/09と思われる。)のコンポーネントは、マッチする。

問題は、この両者にマッチしないコンポーネント部分だ。

ここに、抗原原罪(original antigenic sin)現象が生じるかどうか、つまり、この例でいけば、H1N1新型インフルエンザ・ウイルスにしかないコンポーネントについて、抗体ができにくい抗原原罪現象がおきれば、今回のH1N1新型インフルエンザ・ワクチン接種の効果は、著しく減じられてしまうのだ。

この点について、最近、the Journal of Immunologyに発表されたアトランタのEmory University Vaccine Centerのマウスによる研究「Original Antigenic Sin Responses to Influenza Viruses」によれば、次のとおりの実験をしたとのことである。

すなわち、第一グループのマウスには、PR8 と FM1 という二種類の1930年代から1940年代にかけてヒトにみられたH1N1ウイルスを、この順序で、不活性ワクチンを連続接種したマウスに感染させ、第二グループのマウスには、ふたつのウイルスのDNAから生成したワクチンを接種し、第三グループのマウスには、生のウイルスを感染させ、いずれも、その間隔を一ヶ月とした。

これらの実験でわかったことは、△旅蛎里蓮↓,茲蠅眈なかったということと、生ウイルスを感染させたものほど、抗原原罪現象は大きかったということ、などということだった。

また、第一回目の感染が、第二回目の感染を、抗体反応において、だませるかどうかは、両者のコンポーネント間の近接性(Distance)に依存していると、されている。

つまり、今回のH1N1新型インフルエンザウイルスのコンポーネントと、季節性インフルエンザワクチンに使われているA/Brisbane/59/2007のコンポーネントのあいだのDistanceが広ければ広いほど、抗原原罪現象は、おきにくいというわけだ。

そして、専門家の間では、たとえ、抗原原罪現象がおきたとしても、後に接種するH1N1新型インフルエンザワクチンの接種量を 多くすれば、抗原原罪現象を避けることができるという。

ただ、不活化ワクチンを使うか、生ワクチンを使うかによっても、抗原原罪現象は、左右されるという。

この点については、季節性ワクチンに生を使えば、新型インフルエンザワクチンにも、生ワクチンを使うほうが、抗原原罪現象を避けうるとしている。

また、季節性ワクチンと新型インフルエンザワクチンとの接種において、同時がいいのか、それともずらしたほうがいいのか、についてだが、確たる根拠はないが、おおむね二週間間隔というのが、相場のようだ。

これらの抗原原罪現象は、プレ・パンデミック・ワクチンについても、懸念されうる現象であり、今後とも、議論を呼びそうなテーマだ。

注−この抗原原罪は、1979年に、Lancetにおいて「Assessment of inactivated influenza-A vaccine after three outbreaks of influenza A at Christ’s Hospital. Lancet,i:33–35, 1979.」との論文上で仮説を提示したHoskins, T. W氏に由来して、「ホスキンス効果」または「ホスキンス仮説」(Hoskins’s Hypothesis )といわれもする。

 

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