Sasayama’s Weblog


2004/11/28 Sunday

すでに「ルック・イースト政策」見直し機運の中にある東南アジア諸国の意図を忘れた小泉・町村発言

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:30:44

2004/11/28
 
東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議のためにビエンチャンを訪れている町村信孝外相は28日、記者団に対し、中国への政府開発援助(ODA)について「ASEANの中にも、タイのようにODAから卒業している国もある。中国だから特別に供与するということにはならない」と述べ、見直しに積極的な考えを示した。
また、小泉純一郎首相も、28日夜、ラオスの首都ビエンチャン市内のホテルで同行記者団と懇談し、中国への政府開発援助(ODA)について「中国は目覚ましい経済発展を遂げている。もう卒業の時期を迎えているのではないか」と述べ、対中国ODA打ち切りの可能性に言及した。
一方、中国の李肇星外相は27日、「中国国民は自国の力、知恵、決意、自信だけに頼る必要がある」と述べ、自力で国家を発展させることができる、との認識を示した。

というのだが。

この町村発言は、2002年10月9日にタクシン首相が、「タイは日本のODAに関心を持っていない」と発言したことに対する、間接的な意趣返しのようなものであろう。
この発言については、たまたま、私のサイトで、仮訳を起こしていたので、念のため、もう一度、そのタクシン首相の意図を確認してみよう。
タクシン首相は、このとき、こうも言っているのである。
「過去において、われわれは、日本や他の国から、多くの援助を得てきた。しかし、今日、タイ国よりも、もっと貧困な多くの国が、援助を必要としていると考えるようになった。タイ国は、まだ豊かとはいえないが、自らの足で自立したいと考えている。」
このときのタクシン首相の表面的意図は、タイに隣接するラオス・カンボジャ・ミャンマーの三国に財政援助を行うことによって、「それらの国での経済的な困難により職を探し、タイ国へ不法入国する経済難民が増えることで、タイ国への負担が増すのを、間接的に軽減しうる」ことにあるとしている。

しかし、そのこと以上に、このタクシン首相の考えの根底には、この発言の一ヵ月半前の2002年8月28日に、ルック・イースト20周年の記念式典で、前マレーシア首相のマハティールさんが、「ルックイースト-日本に学べ-」政策の見直し発言の中で、痛烈な日本批判をしていたことが、ベースにあると見られている。
1992年10月14日、香港で「日本もし、なかりせば」との演説をしたマハティールさんが、10年後にして、それとはまったく反対の意味の演説を、このとき、行ったのである。
この席で、マレーシアの前マハティール首相はこういっている。
「ルックイースト政策の導入後、20年以上が経過したが、発展途上国の中では、もっとも急速な経済成長を見たものの、同時に、われわれのモデルとしてきた日本や韓国において、幾多の困難な問題が発生しており、明らかに、ルックイースト政策の見直しを迫られているのも事実である。
もちろん、今でも、日本や韓国の経済発展の基本理念である政府部門と民間部門との協調による発展の手法についての確信は持ち続けている。
しかし、ルッキングイースト政策は、単に、これらの国の手法を真似するだけなのではなく、これら、日本や韓国がとってきた間違った政策段階の側面についても、学ばなければならないのである。」
すなわち、タイ・マレーシアは、これまでの、「日本に学べ」政策を見直し、自らの力で立つことを模索しようとしていたのである。
http://domino.kln.gov.my/kln/statemen.nsf/018b6d6fcb9d69
dbc8256b3500168b88/16d9211f8d5eeb0848256c2f00091388?OpenDocument
 参照
あたかも、ODAをひとつの寄せ餌にして、東南アジア諸国の気を引こうとする時代は、とうに終わったのに、中国に対しても、まだ、それをひとつの外交上の駆け引きの材料にしようとの意図を、小泉・町村発言には感じる。
日本は、もはや、東南アジア諸国の学びの対象とはなっていないし、また、ODAも、外交上で威力を発揮する小道具とは、もはや、なっていないのである。

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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2004/11/27 Saturday

個人住民税の段階廃止は、高所得者優遇につながりかねない。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:29:48

  
2004/11/27
国から地方への税源移譲のために、個人住民税について、現在5−13%で3段階に分かれている税率を10%に一本化して増税するとのことである。
一方、所得税の減税方法については(1)10、20、30、37%の4段階の現行税率を5%からの最高税率40パーセントもありうる5段階に変更(2)子育て支援に力点を置いた人的控除の拡充などを狙っているという。
しかし、待ってください。
ここで、表面的な税率論議ではすまない問題がありますね。
所得税と、住民税とで、絶対的に違うのは、皆様ご存知の通り、所得税と住民税では所得の控除額が異なるので、サラリーマンの場合、源泉徴収票の控除額を住民税の控除に置き換えることになりますね。
このサイトのように、所得税で、270万円の控除があった人は、住民税では、224万円、といった具合にですね。
で、この金額を給与所得から差し引くと、住民税の課税標準額が決まります。
これまでは、この課税標準額を、たとえば、200万円まで、700万円まで、700万円超など、三段階区分で、区や市町村によって異なりますが、5、10、13%の3段階などの三段階の税率と、ゼロ、10万円、31万円などの三段階の速算控除額がありました。
これが、今度は10%に一本化するということですね。
速算控除額がどうなるかは、分かりません。
所得税の五段階税率区分は、まだ、はっきりしていませんが、住民税が一段階、所得税が五段階ということですから、これまでの住民税の課税標準額が700万円未満の層で、新しい所得税区分の5段階のどの層に属するかによって、住民税が増税になっても、所得税のほうで減税の恩典を受ける層と、所得税の恩典をそれほど受けないで、住民税のほうで、増税にあってしまう層との分離が生じてしまうことになりかねませんね
さらに、問題は、そもそも、この住民税計算の基礎となる所得金額についてです。
所得税の世界の控除が、住民税の控除と実質ほとんど連動しているのは、おかしいことなのではないのか、ということです。
所得税と住民税との控除額が同じなのは、社会保険料控除・小規模共済等掛金控除・雑損控除・医療費控除 です。
所得税と住民税との控除額が違うのは、基礎控除、障害者控除、特別障害者控除、老年者控除、寡婦控除、特別寡婦控除、寡夫控除、 配偶者控除 (同うち同居特別障害者控除)扶養控除 (同うち同居特別障害者)特定扶養控除 (同うち同居特別障害者)老人扶養控除 (同うち同居特別障害者)同居老親等扶養控除 (同うち同居特別障害者)生命保険料控除 (限度額)損害保険料控除 (限度額)です。
また、住民税では年少扶養控除の制度がなく、一般の扶養控除として扱います。
さらに、住民税の寄附金控除の対象となる寄附金は、所得税よりその範囲が狭く、また、控除可能な寄附金額は、住民税では10万円を超えるものですが、所得税では1万円を超えるものとなっています。
しかし、上記の控除額は、所得階層如何によって、ほとんど差のない控除額です。
所得階層あるいは、保有資産によって、控除額に大幅な差が生じるのは、損益通算制度というものです。
所得金額は、収入金額−必要経費ですね。
この必要経費にカウントできるのは、サラリーマンでは限られてきます。
せいぜい、災害・盗難等により損害を受けた場合の雑損控除くらいのものです。
ところが、損益通算制度というものは、これらの小さな控除額の積み重ねを吹っ飛ばすぐらい、節税に威力のあるものです。。
たとえば、給与所得者が、アパートなどを持っている場合、そのアパートの年間の償却費や、土地取得を除く借り入れ金の利子や、それにかかわる固定資産税までを、アパート収支の総合の中で、丸々、経費に算入でき、それが赤字になった場合には、所得税の計算の中で、所得からごっそり差し引くことができるという制度です。
償却は、原則定額ですが、税務署に申請すれば、その翌年度から、定率も可能です。
この制度は、平成16年度から、居住用資産を譲渡して発生した損失についても、適用できるようになっています。
これは、○「居住用資産の購入価格から経過した減価償却費を差し引いたものと、資産処分価格との差」、または、○「資産譲渡直前での住宅ローンの残高と、資産処分価格との差」の、いずれか少ない額を、譲渡損失として、他の所得から差し引くもので、一年で控除しきれない分は、以後三年にわたって、控除可能というものです。
そして、そのごっそり差し引かれた所得に基づいた所得税計算を元に、住民税がカウントされるというわけですね。
つまり、損益通算が、結果的には、同じルールで、住民税の世界にも、通用してしまっているということです。
逆に言えば、所得税の控除対象を多く持つ所得階層ほど、住民税の世界でも、課税標準額計算において、有利に働く。ということになりますね
こうしてみると、地方に住む個人の懐勘定から見れば、個人のトータルの税負担の中で、国税から地方税への税負担の移譲が、スムーズに、そして公平に行われるかといえば、必ずしもそうではないことに気づかれるはずです。
個人のトータルの税負担から見た「国から地方への税負担移譲」問題というのも、ここらで、専門家を交えて、ヨーク検証してみる必要がありそうな感じがしますね。

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2004/11/26 Friday

フィッシング詐欺とはなにか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:29:40

 
2004/11/26
フィッシング詐欺とはなにか?
フィッシングのスペルは、Phishingであって、釣りのFishingではない。
ずばり、オンライン詐欺の意味。
わかりにくいが、アナログの世界にたとえてみると、よくわかる。
何年前だったか、大阪の当時の三和銀行で、銀行前に偽の夜間金庫をもうけて、これに、まんまとだまされて、現金を入れた人がいたものの、ベニヤ製の偽金庫だったため、現金の重さで、偽金庫の底が抜け、未遂に終わったという事件だ。
昨年7月にも、静岡県藤枝市の信用金庫で、同様の事件があった。
これのウェブサイト版が、フィッシングと、ご理解いただければいい。
上記サイトのように、今では手が込んで、ほんもののウェブサイトから、自動的に偽のウェブサイトに誘導転送されて、そこで、IDや暗証番号、IPなどを把握され、詐欺にあうというストーリーだ。
もっとも、このような形ではなくとも、日本のアフィリエイトの一部には、実質、サイト間誘導で、アクセス量のある、表向きのいわゆる「名のあるサイト」から、実質換金回路が隠されているサイトに、誘導されて、気がつかないうちに、被害にあっているという面もあるようだ。
もちろん、この規約のように、「クリック誘導の禁止」をはっきり規約に盛り込んであるところも、中にはあるが、多くのサイトは、他のサイトへの誘導は禁じていても、自社サイト内の誘導は、公然と行われているのが事情だ。
それが、巨大サイトであれば、ほぼ、なんでもありという世界になっていることも事実だ。
そろそろ、日本にも、「アフィリエイト規正法」が、必要になってきているものと思われる。
東北にプロ野球球団が来るというのは、喜ばしいことなのだが。
それはそれ。これはこれ。

一方、アメリカでは、Phishingでない、Fishingと呼ばれる悪徳商法が問題になっている。
このサイトに書かれているhttp://www.oneshare.com/を舞台にした詐欺がそれ。
結婚式や卒業式など、人生の区切りのときに、お祝いに、株券を贈るというギフト方法がある。
この株券は、本来なら、その株券の会社がスポンサーになったDRIP( Dividend Reinvestment Plan )という長期配当株式プランになって、新しい人生の歩みとともに、その株券の果実をも手に入れるというバラ色のブランなのだが、そのギフト株券が、真っ赤な偽物、というものである。
この商法は、Phishingとは呼ばれずに、魚の釣りと同じFishingと、呼ばれるようだ。
電子商取引は、このように、光の部分も影の部分もある。
今回のチェーンメール騒動が、その影の部分の暗躍の結果でないことをのみ信じたい。

参考−以下は、Chaosさんからの情報提供によるものです。

海外などから来たメールがフィッシング詐欺のメールかどうかを確かめるサイトがあります。
下記です。
http://www.antiphishing.org/index.html

米国の通報先 cybercrime US
http://www.cybercrime.gov/indextxt.html

日本の通報先 警察庁
http://www.npa.go.jp/cyber/warning/chuikanki/kakuu.htm

怪しいドメインの検索
米国の携帯メールのリスト
http://www.fcc.gov/cgb/policy/DomainNameDownload.html

フィッシングを行っている国別のサーバーの統計
http://toolbar.netcraft.com/stats/countries

アメリカでの実態報告
Phishing Activity Trends Report
http://antiphishing.org/APWG%20Phishing%20Activity%20Report%20-%20December%202004.pdf

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154
 

2004/11/25 Thursday

安全パトロール隊をパトロールする。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:29:32

 
2004/11/25
東京の各区では、路上でのビデオカメラの設置や、警察のパトカーに酷似した、パトロールカーを走らせたりと、防犯に余念がない。
中でも、杉並区の杉並区安全パトロール隊は、山田区長ご自慢の区の傭兵とでもいうべき組織なのだが。
これは、地域自主団体ではなく、「官製」組織なのだが、警察OBの指導の下にあるとはいえ、パトロール隊構成員は、まさに、区の傭兵のようである。
そこで、よーく、このパトロール隊をパトロールし、観察してみると、どうかな−と思う方も見受けられる。
もっとも、仕事がないのが平和な証拠なのだから、彼らが暇なのは、致し方ない。
問題は、そのつれづれのなさのすごし方だ。
駅前に立っている安全パトロール隊は、本屋で、本を立ち読みしているのさえある。
また、本来は、分散して配置につかなければならないのだろうに、仲間と、世間話に興じているパトロール隊もある。
高円寺の駅前では、八百屋で買い物をしているパトロール隊もいたので、ドッキリ。
さらに、マニュアルどおりなのだろうが、不必要に、そして、たずね方を知らない口調で、人に行き先を執拗に尋ねるものもいる。
言葉は悪いが、失対事業のお付き合いを市民がさせられているみたいで、なんとなく、うさんくさく、彼らがいて町がすがすがしく感じられるという感じでは、けっしてないのだ。
また、必要以上に、自転車を動かし、整理するのも、結果的には、市民の自治の努力をつぶしている。
総じて、彼らをパトロールしてみると、まだまだ研修がたりない感じが、残念ながらしてしまうのだ。
いでよ、さわやかな安全パトロール隊。

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三位一体改革を言う前に、どうして、全国知事会は、 共同発行市場公募地方債 への全都道府県参加を決定しないのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:29:17

 
2004/11/25
現在の地方債(平成15年度の総発行額は約18兆5,000億円)の発行の状況は、このサイトにも、結論として、いみじくも書かれているように、プレーヤーが少ない中で、、市場公募債や縁故債もふくめて、銘柄数が多いというのが、現状である。
しかも、その保有形態は、JA共済をはじめとした生損保、簡保、共済等が、主要をなす。
つまり、デフォルトとなる確率が少ないにもかかわらず、その流通形態は、非常に硬直的である。
上記サイトにも書かれているように、「地方債投資家はいったん購入したら、償還期日まで持ち切る」というのが通常のようである。
そこで、この地方債の銘柄の分散化と、流通の硬直性を是正しようと、総務省が音頭をとって、スタートしたのが、共同発行市場公募地方債 である。
共同発行市場公募地方債は、発行規模 平成15年度: 年間8,470億円、10年満期一括償還・年2回固定利付債で、地方財政法第5条の7に基づき参加団体が毎月連名で連帯債務を負う方式により発行される。
ところが、これへの参加団体が、以下の33団体に過ぎないのである。

都道府県(20団体)
北海道、宮城県、福島県 茨城県、群馬県 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県
 
政 令 市 (13団体)
札幌市、仙台市、千葉市、さいたま市、川崎市、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市

(計33団体)

参加しない団体の言い分は、それぞれであろう。
もっとも大きい懸念としては、縁故によるその県独自がもつ小さいマーケットに、地方債間のクラウディングアウトを引き起こすのではないか、というものであろう。
しかし、国に対し、交付税・交付金制度について、物申すのであれば、自らの、財政基盤を強化するのに資する、これら 共同発行市場公募地方債のスキームに、なぜ、参加することをためらっているのであろうか。
どうも、国に対して、ダンビラを振りかざすにしては、足元の財政基盤体質強化のための「改革」には、及び腰なのではないのか。
中でも、口では道州制を叫びながらも、この 共同発行市場公募地方債に参加しない県もあるのは、論理矛盾している。
わが秋田県もそのようであるが。
道州制の最大のメリットは、州債の発行と州税の創設?による、独自財政基盤の強化である。
言っていることと、やっていることが、どうも、ずれているというのが、率直な感じである。
まず、この 共同発行市場公募地方債 を条件のベースにして、独自で市場公募発行できる自治体は、「その財政状況に応じて差異をつけた条件」で発行し、それがかなわない自治体は、この全国ベースの共同債とともに、将来道州制の相手方となりうべき近隣の県同士の共同債も、発行することによって、これまでの地方独自の縁故的保有にとどまらない、開かれた地方債の流通を目指すことが、今こそ必要なのではなかろうか。
なお、都道府県間の財政格差がいっそう拡大してきて、資金調達にも違ったスキームを導入しなければならないとすれば、検討すべきは、弱小自治体の地方債の共同発行方式の雛形と見られる、ドイツの公共ファンドブリーフ債である。
これは、専門銀行が、自治体からの資金実需を把握し、その総額の債券を発行し、それで得た原資で、自治体に融資するというものである。
日本にこれを適用する場合、専門銀行に当たるものとして、公営企業金融公庫の活用が検討されそうである。
一方、東京都などの勝ち組自治体は、市場公募方式での地方債発行となる。
これらの多用なスキームについても、知事会は、総論での合意を、都道府県間で得るべき段階にきているのではなかろうか。

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152
 

被災地への物資による救援は、ロジスティクスを考えたものにすべき。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:27:44

  
2004/11/25
山古志村緊急ブログを見ていると、これでは、村が、全国のあまりものの、ゴミ集積場になりかねないとの懸念もうかがわれる。

物による支援は、基本的には、義捐を受ける側からの要望のある特定の物資を除いては、義捐を受けた先で、換金もできるものに、最低、すべきなのではないかと思う。

では、換金できるものとは、なんなのだろう。

基本的には、OffHouseHardOff等で、換金できるものなどが基準になるのではなかろうか。

電気製品でも、少なくとも、一年以内に購入したものとか、未使用のもの、アウトレット品などに限定されるだろう。

家電リサイクル法回避のはけ口として、被災地が、結果として、なってはこまるのである。

むしろ、物資の供給については、メーカー対応に一本化したほうが、返品後処理コストなどを考えたら、かえって効率的なのかもしれない。

被災地への物的支援のあり方も、ロジスティクスを考えたものにしないと、トータルとして被災地がこうむる社会的コストは、寄付者の意図に反して、増大する一方なのではないのかな。

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149

2004/11/24 Wednesday

P2P逮捕の仕組み−ちょっと物騒な話題ですが–

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:27:32

 
2004/11/24
上記のタイトルのような、物騒な記事が、Windows100% という雑誌の12月号に載っている。
題して「ファイル共有中毒更正プログラム」

仕組みが分かれば、なんだ、こんな簡単な仕組みだったのか、と、思ってしまうほどのものだ。

まず、ファイル共有ソフトがWinnyの場合
1.ユーザーがBBSでファイルの放流宣言-2.警察がBBSにアクセスしてIPアドレスを特定-3.警察がこのユーザーのIP以外に接続しないように、ファイアウォールを設定-4.ユーザーがファイルのアップロードをするのを待つ-5.ユーザーがファイルをアップロードしたところで、ダウンロードして、ファイルの中身を確認

ファイル共有ソフトが、WinMXの場合
1.警察が、ユーザーに成りすまし、サーバーにアクセスして目的ファイル検索-2.目的のファイルを持っているパソコンとダイレクトに転送予約し、転送開始-3.その時点で、警察が、ユーザーのIPを特定し、ファイルのダウンロードを要求-4.ダウンロードの中身を警察が確認

という仕組みのようだ。

いわばたとえて言えば、前者が「張り込み」タイプ、後者が「おとり」タイブといったところか。

しかし、この方法では、他のファイル交換ソフトの一部、すなわち、eDonkeyBitTorrentなどのように、違うサーバーから、同一ファイルの一部づつを細かく細断化(Piece)してダウンロードし、最後につなぎ合わせて完成−というものには、対応できないようにも思われる。

この記事の中にもあるように、WinnyやWinMX以外のソフトは、捜索が苦手−というのも、そのような仕組みの欠陥から出てきているものかもしれない。

ファイル交換ソフトユーザー側の対処方法としては、
やはり、共有できるファイルは、別付けのハードディスクに保管しておいて、常時接続であっても、ファイルを撒く人(Seeder)にならないためにハードディスクの電源はこまめに切る(こういう人をファイルを利用するだけで、自分からファイルの提供をしない人という意味で、血をすう蛭(Leecher)というらしい。)ということで、かなり「交通事故」にあたる確率は低くなるものと思われる。

なお、私のP2Pについての考え方は、http://www.sasayama.or.jp/opinion/S_30.htmをご参照

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148

2004/11/14 Sunday

CMカットは、著作権法違反か?-同一性保持権の侵害の問題-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:26:59

 
2004/11/14
DVD録画再生機を使ってCMや見たくない場面を飛ばして番組を録画・再生することが、「著作権法に違反する可能性もある」と日本民間放送連盟会長が述べたという

ソニーのビデオ規格「ベータマックス」に対し米ハリウッドの映画会社数社が訴訟を起こしたベータマックス訴訟では、映画会社側が、「テレビ番組を録画して、違法に販売されている。ビデオデッキが手を貸しているのではないか」と主張したが、「ビデオデッキのユーザーは視聴時間をタイムシフトしているだけの“フェアユース(公正使用)”がメイン。著作権侵害には当たらない。一部ユーザーが違法な使用方法を見つけたといって技術そのものを違法にはできない」と米連邦裁判所はソニー側に勝訴と判決した。

この問題は、同一性保持権の侵害問題ということで、過去の判例としては、いろいろあるが、ときめきメモリアル事件等が代表的なものである。

また、これらのCMカットを技術的に可能にしたということからでは、例のwinny事件でも問われた、著作権法違反を「幇助」したということで、CMカット機能開発者も幇助罪に問われる可能性もなしとしない。

で、日本の著作権法20条に規定されている、この同一性保持権というものだが、アメリカの著作権法では、第106A条において、「Rights of certain authors to attribution and integrity」の中で、「distortion」−歪曲-として、規定されている。

この「distortion」が許される例外として、次のものを挙げている。(1) 時の経過または素材の固有の性質の結果である視覚芸術著作物の改変は、第(a)節(3)(A)にいう歪曲、切除その他の改変ではない。
(2) 著作物の保存または公開(照明および配置を含む)の結果である視覚芸術著作物の改変は、重大な過失によるものでない限り、第(a)節(3)にいう破壊、歪曲、切除その他の改変ではない。
(3) 第(a)節(1)および(2)に定める権利は、第101条の「視覚芸術著作物」の定義の第(A)号または第(B)号に定める品目の中もしくは上にまたはそれに関連して、一の著作物を複製し、描写し、記述し、その他使用することには適用されず、また、かかる著作物の複製、描写、記述その他の使用は、第(a)節(3)にいう破壊、歪曲、切除その他の改変ではない 等があげられている。
http://assembler.law.cornell.edu/uscode/html/uscode17/usc_sec_ 17_00000106—A000-.html 参照

ただし、以上に該当したものであっても、第107条のフェアユース条項に該当するものについては、著作権法違反に当たらない。

すなわち、
(1) 使用の目的および性質(使用が商業性を有するかまたは非営利的教育目的かを含む)。
(2) 著作権のある著作物の性質。
(3) 著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性。
(4) 著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響。 この点のフェアユース条項の有り無しが、日米での同一性保持に関する著作権法の解釈の大きな違いである。

では、CMTカットが、同一性侵害に当たるかどうかについてなのだか、ここで関係してくると思われるのが、著作権法28条「二次的著作物の利用に関する原著作者の権利」において問題とされる、不可分一体性論が、この場合適用できるのかという点だろう。

東京高裁平成12年3月30日の「キャンディ・キャンディ」事件東京高裁平成12年4月25日判決「脱ゴーマニズム宣言事件」においては、「漫画は、絵と文が不可分一体となった著作物であるかどうか。」が争われた。

また、著作権法2条1項13号の「共同著作物」という観点から見た場合どうなのだろう。

この判例としては、東京高裁平成元年6月20日判決の原色動物大図鑑事件等がある。
アメリカの著作権法の場合、著作権法201(C)において、次のように定められていいる。

「(C) 集合著作物への寄与物  集合著作物の各個の寄与物に対する著作権は、集合著作物全体に対する著作権とは別個のものであり、当該寄与物の著作者に原始的に帰属する。著作権または著作権に基づく権利の明示的な移転がない場合、集合著作物の著作権者は、その特定の集合著作物、その改訂版および同一の双書における以後の集合著作物の一部として当該寄与物を複製しまた頒布する権限のみを取得したものと推定する。」

これらは、たとえば、データベースの並べ替えによる著作権の帰属如何が問われる場合などに、問題となる。

これらをテレビ番組とテレビコマーシャルの関係に当てはめてみた場合、どうだろう。

一連のコマーシャルを含むテレビドラマについて、ドラマからコマーシャル、コマーシャルからドラマの一連の流れの中で、そのコマーシャル部分を飛ばして、並べ替えをしたことが、著作権法違反に当たるかどうかということなのだろうが、どうも、その点、この場合は無理がありそうだ。

ましてや、ハードの技術開発者への幇助罪の適用など、まったくの難癖に過ぎないと見るのは、私だけであろうか。

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2004/11/13 Saturday

潜在自然植生と文化的景観

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:26:45

2004/11/13
 
今朝10時からのNHK土曜インタビューで、久方ぶりで、生態学者の宮脇昭さんの元気なお姿を拝見した。
私が、宮脇さんのお話を始めてうかがったのは、かれこれ30年以上も前のことである。
虎ノ門の飯野ビルに日本地域開発センターというのがあって、そこで、毎年夏になると地域開発セミナーと言うのが開かれ、私も、毎年、それに参加していた。
宮脇さんが、そこに招かれたのは、おそらく、今日のテレビの中でもお話に出ていたが、インダストリアルパーク(工場緑化)の関係だったのかも知れない。そのときのお話の中で、一言だけ印象的で、今でも覚えているのが「自然の生態系には、人間の目と同じよううに、そこをつつけば全部がだめになってしまいかねない部分がある。」というような言葉だった。
うろ覚えの言葉であったが、確かにこのサイトでたしかめてみると、ご本人の言葉で、次のように書かれている。
「生態学的な立場でいうと自然には触れてもよいところと人間の目のようにさわってはいけない、弱い所がある。それは山のてっぺん、急斜面、水際などであるが、そこに神社やお寺をつくってこの森を切り、水源地にゴミを捨てたらばちがあたるという宗教的なたたり意識を利用して弱い自然を残してきた。」
沖縄の聖地である御嶽(ウタキ)等に生えているうっそうとした木などを想像すると分かりやすいだろう。
このウタキは、写真撮影すら禁止されている。
宮脇さんの主張される潜在自然植生と相対峙する言葉としては、文化的景観(Kulturlandschaft)があるだろう。
ドイツのビオトープの実態を見に行って、ドイツの人が、田園風景を指して、これは、文化的景観であると話されることに、最初は、すごい違和感を感じていたが、こうして、宮脇さんの言われる潜在自然植生と、文化的景観を比較してみると、ドイツ人の言われる意味がよく分かる。
加工した自然と加工しない自然、人間の手が加わった自然と加わらない自然、換金しうる自然と換金し得ない自然、との違いだ。
おそらく、宮脇さんのこのような考え方は、今日も話に出ていた、宮脇さんの師であるドイツの国立植生図研究所チュクセン教授(Reinhold Tuexen   )の影響なのだろう。
このサイトは、宮脇さんが、学生とともに日本列島を歩き回って作り上げた、日本潜在自然植生図だ。
これとても、今では、相当、緑色の少ない日本列島に変わっているに違いない。
これからも、宮脇昭さんのご長寿を祈りたい。

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2004/11/12 Friday

政権交代は、陰陽師の感覚ではなしえない

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:26:33

 
2004/11/12
民主党の菅直人さんが、10月23日のホームページの日記「今日の一言」で「それに加えて新潟で地震。あい続く天災をストップさせるには昔なら元号でも変えるところだが、今必要なのは政権交代ではないか。 」といわれて、物議をかもしているが、むしろ、それをいうなら、「あい続く天災をストップさせるには昔なら「遷都」するところだが、今必要なのは「中央集中機能の分散」ではないか。 」とでもいったほうがよかったかもしれない。
改元には、通常の即位改元のほかに、祥瑞改元、代始改元、天文変化改元、天災改元、厄運改元、疱瘡改元、疫病改元、不予改元、火災改元、飢饉改元、地震改元、兵革改元、践祚改元、異変改元 など、さまざまあるようで、これは、ほとんど、陰陽師の世界に属するようだ。
このうち、天災改元は、地震改元も含めて、59回あるようだ。
http://homepage1.nifty.com/kitabatake/rekishi9.html参照
これら、天災改元が、科学的根拠のない陰陽師の世界であるのに対して、災害と遷都との関係は、非常に科学的な配慮の元に行われたらしい。特に、天然痘の蔓延による都市衛生環境の行き詰まりが遷都の有力要因になったと同時に、都市周辺農村とのエコロジカルな資源供給関係の変化も、攘災招福を期待する遷都の有力要因になったようだ。
海外の遷都においては、都市そのものが、災害に襲われてのやむを得ざる遷都の例もある。
今日的に災害と遷都との関係を見れば、中心都市の全都市機能の遷都という意味よりは、分散的都市機能の移転という意味での遷都が、災害との関係で捉えられる。
今回の災害においても、乗用車や二輪メーカーにメーター類を納入している計器メーカー、日本精機(長岡市)の小千谷市の子会社「エヌエスアドバンテック(株)」工場がストップし、本社工場をストップさせた。
フィリップス・ジャパンは、今回の新潟中越地震のおきる一週間くらい前から、地震のあることを予測し、社内体制を整えていたようで、「社内情報共有のイントラネットの画面に、「震度5以上の大規模地震がいつ来てもおかしくない状況です」と表示し、従業員の非常用食料の交換と、入れ替え制の防災講義、避難訓練などを先週から実施していたとの話もある。
(ちなみに、この情報は、このサイトによるもので、これが、新潟中越地震のあった4日前の10月17日の情報なのだから、驚く。)
また、オランダ・アムステルダムに本拠地を置くKoninklijke Philips Electronics NV.のFrank Butstraenさんは、次のように話している
「フィリップスでは、東欧やインド、東南アジアにIT工場を立地する場合、しっかりしたコスト分析とリスク分析をする。このような地域では、政治情勢が流動的であるので、工場がオープンした後も、それらの分析は続ける。」という。
また、ワシントンに本拠を置く、Nasdaq Stock Market Inc., の副社長Gregor Bailar氏は、地震大国日本への立地について、「日本の現地では、自然の力に簡単におじぎをするが、決して屈服はしていない。一端は操業停止になるが、翌日には立ち直る。しかし、今後ともそうであるかといえば、この点は、よく調査をする必要がある。」という。
このように、海外企業が、日本への立地にさいして、予想以上に地震のリスク対処を考慮に入れているようで、東南アジアでの工場立地について、香港と日本とでのデュアル立地によって、地震災害発生に備えている企業も多いようだ。
これらも、民間ベースにおける分災対応の例だ。
政権交代は、陰陽師の感覚ではなしえない。
この非常時に、政権党に対抗しうる災害スキームをいかに構築できるかによって、政権交代が可能かどうかが決まるのだ。
政治家が、単に、ボランティアと一緒になって汗を流すことばかりが、減災の道ではないことを、政治家は、もっと、知るべきである。

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