2009/08/02
韓国とアメリカとのFTA批准案議会承認は、アメリカの民主党のやる気のなさと、アメリカ国内の医療改革の問題に足をとられ、で、すっかり、棚上げになっているようだ。
それに、韓国からの輸入自動車に対する自動車労働組合の抵抗も高まっているようだ。
コロンビア、パナマとの批准案議会承認についても同様のようである。
韓国における批准案議会承認も、頓挫している状態である。
概して、オバマ政権は、それどころではないようだ、
ここにきて、ブッシュ前大統領が韓国訪問をするなどの動きはあるが、韓国国内においても、牛肉と自動車の問題が、最大のネックとしてあるようだ。
ブッシュ前大統領は、昨日来韓し、水曜日から土曜日まで、韓国の済州島で行われる韓国産業連合のフォーラムに出席するようだが、ここで、ブッシュさんは、自らが2007年に署名した韓国とのFTAの意義を再び強調するとされている。
(ブッシュ前大統領は、済州島での韓国李明博大統領との会談で、米韓FTA協定批准議会承認が遅れているのは、米国内の反韓国感情によるものではなく、アメリカ国内に高まっているプロテクショナリズムによるものだとしたという。)
ブッシュ前大統領の訪問が効を奏するかどうか、疑問視する向きも、韓国内にはある。
それは、彼の攻撃的な性格が、FTA問題について、せっかく静かになった韓国内の農業者(down-on-their-luck farmers=あぶれ農家とでも訳すんでしょうかね?)たちに、再び火をつける恐れはないのか、ということについての危惧である。
さらに、オバマ現政権に対するブッシュの影響力のなさも、気にかかるという。
しかし、これらの動きとは裏腹に、ここにきて、韓国は、EUとのFTA締結の動きを早めている。
7月13日に欧州訪問中の韓国の李明博大統領は、EU議長国スウェーデンのラインフェルト首相との会談で、EUと韓国とのFTA交渉の妥結を明らかにし、現在、急ピッチで、今協定文などの詳細を詰めているという。
具体的な協定文の策定にまでいたっているようだが、ここでの問題は、自動車の関税問題のようだ。
現在、韓国は、EUからの自動車に対して、8パーセントの関税を課しているが、EUは、韓国からの自動車に対して、10パーセントとの関税を課している。
これらの韓国のEUの接近にやきもきしているのが日本であるとされている。
韓国とEUとのFTAが実現すると、韓国の自動車にEU市場を占拠されてしまうのではないか、との危惧からだ、
まあ、このように見てみると、日本の民主党が、声高にアメリカとのFTAを総選挙公約マニフェストに盛り込む大義名分はなになのか、自動車総連からの申し入れなのか、政権交代時の経団連へのプレゼントなのか、ちょっとわからなくなってくるのだが。
いずれにしても、戸別所得補償制度をアメに、人身御供される日本の農業者ほど惨めなものはないのだが。
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