Sasayama’s Weblog


2005/03/31 Thursday

アメリカ通商代表部が、日本の牛肉貿易障壁について記述

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2005/03/31(Thu) 13:24

nullアメリカ通商代表部は、今日発表された「National Trade Estimate Report on Foreign Trade Barriers (NTE)」に関する報告書の(題名は、「The National Trade Estimate Report on Foreign Trade Barriers」)の中で、日本の牛肉貿易障壁について記述している。

ここで、日本との牛肉貿易再開は、top priorityの問題であり、今後とも、それに向けて、あらゆるレベルでのプレッシャーを日本に与えていくとしている。

また、日本側とは、extensive documentationを用意して協議を続けているが、このextensive documentationには、対日経済制裁は、含まれていない、としている。
以下にその内容を詳述し、紹介する。

316ページ

牛肉保護措置について

アメリカは、同様の考えを持つパーティとともに、日本でBSEが発生したことによって日本が課した、日本の牛肉保護措置について、反対を表明してきた。

日本の牛肉保護措置は、ウルグァイラウンドの間での取り決めにおいて、日本への輸入の急増によって、日本国内生産者が重大なダメージをうける場合には、保護措置をとることが出来ると、取り決められていた。

その保護措置は、輸入の増加率が、前年の財政会計年度の四半期累積分において、前年度に比して、17パーセント増になった場合に、始動するものとなっている。

いったん、始動した保護措置は、当該会計年度の残余期間まで、残存する。

始動した場合、チルドビーフに課する関税は、38.5パーセントから50パーセントに、増加する。

2002年と2003年においては、日本でのBSE発生によって、日本が非定型的な市況にあることを考慮してくれとの、もっとも高度のレベルでの日本政府からの懇願によって、アメリカは、日本政府に対して、牛肉国内保護措置の適用を認めた。

この保護措置は、アメリカでのBSE発生による日本のアメリカ牛肉禁輸措置の結果、2004年4月に、解除された。

アメリカは、ドーハ開発アジェンダ(2001年11月、第4回WTO閣僚会議で採択された、新ラウンド立ち上げの閣僚宣言)での牛肉保護措置の変更を取りきめるよう意図している。

317ページ

農産物関税引き下げについて(訳は、省略)

320ページ

牛肉

日本の牛肉市場のアメリカへの開放については、2004年における総務貿易に関する、ブッシュ政権の最優先事項であった。

日本は、2003年のアメリカでのBSE発生以後、アメリカ牛肉についての禁輸措置を課してきた。

中略

2004年4月に、技術的会合が、もたれて以来、アメリカは、日本政府に対して、ひろい範囲にわたった、ハイレベルの、日本市場再開のための努力をすることを、日本政府に対して、誓ってきた。

アメリカの政府関係者たちは、何度となく、日本に飛び、また、日本関係者たちのアメリカへの訪問を計画してきた。

それは、フィードロットへの視察や、研究室、そして、牛肉処理加工プラントへの視察にまで及んだ。

ブッシュ大統領と小泉首相とは、この問題に付いて、何度となく、話し合った。

牛肉貿易が再開しうる条件を取り決める交渉が、何度となく、延期された後、1昨年10月25日に、日米両国は、牛肉貿易再開のためのフレームワークについて、合意を見た。

この合意は、日米両国の牛肉貿易再開に道を開くことが出来るように意図されたものであった。

さらに、この合意においては、牛のグレーディングー格付け−と月齢との相関関係についての追加研究までの暫時の特別マーケティングプログラムのもとに、貿易が再開できるようにしたものであった。

6ヶ月間の部分的な牛肉市場開放運用の後に、このプログラムは、日米牛肉貿易が、より正常化された形で成されうるように、再検討されるべきものであった。

アメリカは、アメリカ牛肉についての科学的疑問点や、消費者安全に付いての疑問点などについての、日本側のあらゆる疑問点の払拭に取り組んできた。

われわれは、この牛肉貿易再会という最重要な問題に付いて、牛肉貿易が再開されるまで、アメリカ政府のあらゆるレベルで、強く求め続けていくつもりである。

原文は、以下のサイト
http://www.ustr.gov/assets/Document_Library/Reports_Publications
/2005/2005_NTE_Report/asset_upload_file427_7478.pdf
参照

ご参考
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=
10000101&sid=afQZWjmer5MM&refer=japan

http://www.channelnewsasia.com/stories/afp_asiapacific_
business/view/140113/1/.html

http://www.ustr.gov/Document_Library/Reports_Publications/
2005/2005_NTE_Report/Section_Index.html

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2005/03/28 Monday

これまでの経済の常識を覆す、六つの謎

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:50:49

2005/03/28(Mon)
 
どうも、このところ、世界経済のこれまでの常識が、いくつかの点で通用しなくなってきているように思えるのだが。

その一つ−自国通貨は、安くてもいい。

これまでにも、私のサイトでは、日米通貨の弱いふり競争といってきたことで、アメリカでは、スノー財務長官以来、その傾向が露骨になってきた。

これを「(ドル高介入を)慇懃に無視したビナイン・ネグレクト・ドル政策(The Benign Neglect of The Dollar) 」というのだそうだが、政策当局者にとって見れば、自国通貨を強くしようと、為替介入するよりは、流れのままにして、結果弱くなっても、それなりの利得はあるのだから、ということになっているようだ。

日本の政策当局者も、ようやく、円売りドル買い介入のおろかさを知ったようだが、まだ、建前論では、そんなに露骨には、言っていない。

いくらドルがそのポジションを下げてきても、ゼロ金利状態の日本では、独自の中立的水準を保つ手段を奪われている。

その二つ-自国通貨安となっても、貿易収支赤字は、自動調整に向かわない。

これまでは、自国通貨安となれば、輸入される価格が高くなって、輸入が減少してき、結果、貿易収支赤字は改善に向かったたが、今は、自国通貨安となっても、輸入インフレは起きない。

ここで、初歩的なおさらいのようになって恐縮だが、「為替の貿易収支の自動調整機能」について、見てみよう。

自国通貨高から、自国通貨安に向かう場合
それまで高くしか売れなかった輸出品が安く売れるようになり、それまで減少してきた輸出が増加に転じてくる。
また、それまで安く買えていた輸入品が高くなり、それまで増加していた輸入が減少に転じてくる。
結果、貿易収支は、黒字へ向かっていく。

自国通貨安から自国通貨高に向かう場合
それまで、安く輸出できていた輸出品が、高くしか輸出できなくなり、それまで増加していた輸出が、減少してくる。
また、それまで、高かった輸入品が安く買えるようになり、それまで、減少していた輸入が、増加してくる。
結果、貿易収支は、赤字に向かっていく。

しかし、今、この「為替の貿易収支の自動調整機能」は、この公式のようには機能していない。

つまり、自国通貨高から自国通貨安にむかっても、輸入品の価格は、高くならず、輸入は減らず、貿易収支は、黒字へと改善されないのだ。

その三つ-双子の赤字がいくらあっても、自国通貨安になるとはかぎらない。

いくら巨大な財政赤字があっても、いくら巨大な貿易赤字があっても、そのこと自体で、自国通貨安とはならない。

経常収支と財政赤字との関係は、次のとおりの式に要約されている。

海外部門・経常収支=貿易収支(一般商品収支+加工用雑貨収支+修理費収支+港湾調達財貨収支+非貨幣用金収支)+サービス収支(輸送収支+旅行収支+その他サービス収支)+所得収支(雇用者報酬収支+投資収益収支)+経常移転収支(実物財産無償取引収支+金融資産等無償取引収支 のうち経常移転分のみ)

海外部門・経常収支=民間部門収支〔家計部門収支(貯蓄−投資)+企業部門収支(貯蓄・利潤−実物投資)〕+政府部門収支〔地方財政収支(税収−支出)+国財政収支(税収−支出)〕

貿易収支(海外部門・経常収支)と財政収支(政府部門収支)が赤字になっても、海外進出自国企業の収支が好転していたり、過去のドル高の食いつぶしがなされていたり、国内での生産性が向上したり、減税効果が上がっていたり、対外債権の積み増しが過去にあり、そこからの配当なり含み益が出ているなり、しているうちは、そのことで、直ちには、ドル安にならない。

しかし、当面の手段が尽きた時点で、暴発的なドル下落現象が起きる可能性はある。

その四つ-長期金利を決めるのは、短期金利であり、長期債券の短期ものも長期ものも、差がなく、フラットの利回りになってしまっている。

これは、世界的現象で、グリーンスパンさんが「謎」(CONUNDRUM)といったものだ。

おそらくこの長短にかかわらない利回りの平坦化(A flat yield curve)現象には、世界経済の将来に対する不安が影響しているものと思われる。

ちなみに米国債といわれるアメリカの財務省発行債券には、次の三種類がある。
財務省割引証券(T・Bills 割引債) 3カ月、6カ月、1年もの
財務省利付証券(T・Notes 利付債) 2年、3年、5年、10年
財務省10年超利付証券(T・Bonds 利付債) 30年

利回り曲線には、正常利回り曲線(Normal yield curve)と、逆利回り曲線(Inverted yield curve)と、フラット利回り曲線(Flat yield curve)とがある。

通常は、証券の満期到来日が長くなるにつれ、利回りは上昇し、短期利子率と長期利子率との間の金利差( Spread)は、正の相関関係にある。

これが、正常利回り曲線(Normal yield curve)である。

投資家は、常に、短期の投資期間を選考するとされ、これを流動性プレミアム論という。

したがって、長期債は、短期債よりも、流動性プレミアム分だけ、高い利回り(債券金額は、低い金額)になるのが、通常のようである。

一方、逆に、証券の満期到来日が長くなるにつれ、利回りは下降し、短期利子率と長期利子率との間の金利差( Spread)は、負の相関関係となる場合がまれにある。

これが、逆利回り曲線(Inverted yield curve)である。

どのような場合に起こるかといえば、短期金利が異常に上昇し、短期債が、劣後してしまうときに起こりうる。

最近6年間のうちでは、連邦準備銀行貸し出し金利が、財務省利付証券(T・Notes ) 2年もの利回りを上回った例が二度ある

一つは、1998年であり、もう一つは、2000年である。
http://www.safehaven.com/article-296.htm参照

フラット利回り曲線(Flat yield curve)は、証券の満期到来日が長くても、短くても、利回りは、一定であり、短期利子率と長期利子率との間の金利差( Spread)は、ゼロである。

利回りのフラット化とは、この T・Notes の 2年、3年、5年、10年 もののいずれもが、同様の水準でフラット化するということである。

次のサイトhttp://www.investmenttools.com/futures/interest/
welcome_to_the_page_about_bond_yields_and_bond_spreads.htm
の中の表を見ていただきたい。

これは、最近の米国債のイールド変化を色分けして表した図である。

マゼンタ色が30年物、クロ色が10年物、アオ色が5年物、アカが3ヶ月もの、の、米国債の利回り格差である。

3ヶ月ものを除いては、30年物も10年物も5年物も、ほぼ、利回りは、一点に集中してきていることがわかる。

図の下部にある茶色の線は、5年物の財務省利付証券(T・Notes)と、財務省割引証券(T・Bills )との利回り格差の推移である。

http://www.drfurfero.com/books/2309book/ch04b.html参照

その五つ-日米の金利差(the US-Japan interest rate spread)放置が、ドル暴落を防ぐ

日米金利差が今後一段と拡大するとの思惑が、市場にあると、円は売られ、ドル買いが続く。

長短とも日米金利差は開く一方だが、日本が金利を上げ始めると、いまのところは、中立的金利水準確保と称して、金利を上げているアメリカは、今度はインフレ阻止のための加速的金利引き上げに踏みきらざるを得ない。

となると、アメリカにとって見れば、「日本さん、もうちょっと、金利引き上げはかんべんね」ってことになる。

もっとも、この日米金利差を、実質金利(「名目金利−インフレ率」であり、デフレの場合は、デフレ率の実数を名目金利に加えた数字)で見た場合には、日本の方が実質金利は、まだ高いとする説もある。

まづ、長期金利で日米の金利差を見てみると、

アメリカの米国債については、前記の「謎-その四つ」で見たとおりである。

日本の国債( Japanese government bond〈略〉JGB)の種類としては、次のものがある。

国債には利付債と割引債がある。
政府短期証券-期間が約60日
割引短期国債-期間が6カ月・1年
中期国債-期間2・3・4・5年
割引国債-期間5年
長期国債-期間6・10年
超長期国債-期間20・30年

このほかに、2003年3月より、個人向け国債があり、これは、期間10年の変動利付債である。

そこで、日米長期金利格差の比較対照として、次の組み合わせで、2001年と2005年との新規発行債の利回り(the Benchmark Yield)対比で見てみると、次のようになる。

日-中期国債-期間2年-2002/1-3-0.05  2005/2-0.10
米-財務省利付証券(T・Notes ) 2年-2002/3-3.72 2005/3-3.83
差-2002-3.67      2005-3.73

日-中期国債-期間5年-2002/1-3-0.52  2005/2-0.54
米-財務省利付証券(T・Notes ) 5年-2002/3-4.91 2005/3-4.29
差-2002-4.39     2005-3.75

日-長期国債-期間10年-2002/1-3-1.39  2005/2-1.33
米-財務省利付証券(T・Notes ) 10年-2002/1-3-5.42 2005/3-4.59
差- 2002-4.03      2005/3-3.26

との対応となる。
http://bonds.yahoo.com/rates.html
http://www.tmpages.com/tmp55.htm#TMDB_VV
http://www.morganstanley.com/GEFdata/digests/20020904-wed.html#anchor2
http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html
http://www.bloomberg.com/markets/rates/japan.html
http://www.selftrade.es/generes/funds/BondLetter200502.pdf参照

また、短期金利の日米金利差については、

日-公定歩合-2002/3-0.10%  2005/3-0.10%
米-フェデラル・ファンド(FF)金利−2001/3−5.0%  2005/3-2.75%
差-2002/3-4.90% 2005/3-2.65%
となっている。

日本の公定歩合は、2001年9月19日以降動いていない。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)は、、3月22日に、短期金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を、現行の年2・5%から0・25%引き上げて年2・75%にしたが、さらに、来月には、アメリカの更なる利上げが、0.25パーセントと行われると見込まれている。

FRBの利上げも、昨年6月以来7回連続で、いずれも0・25%の小刻みな上げ幅となり、FF金利に1%上乗せする公定歩合も同率引き上げ、年3・75%とした。

また、2002年3月当時の円相場は、一ドル114円であり、2005年3月の円相場は、107円であり、円安ドル高から、円高ドル安にふれている。

日米の二年物の国債と、10年物の国債の利回りを対比した場合、日本では、2002年が27.8倍、2005年が13.3倍なのに対して、アメリカでは、2002年が1.45倍、2005年が1.19倍となっている。

このように、2002年と2005年を比較した限りでは、アメリカでの長期金利のフラット化が進んでいることが、ここでもわかる。

また、円相場が、+7円の円高にふれている中で、日本の短期金利の上昇がないまま、日本の国債利回りは、長期物も短期物もほとんど、投資対象としては、意味のない利回りとなっている。

その六つ−中国の巨大市場の存在は、金から物への価値転換を加速化し、金本位的な考えが横行する。

これまでのドルを中心としたあらゆる経済指標が、連動せず、あるいは、無連関または、無反応になるなど、ばらばらな動きを見せ、世界経済は、石油の高騰、鉄鉱石価格の高騰などに代表されるように、中国のモノ需要とモノ供給の巨大で気まぐれな動きに、より振り回されてくる。

そして、通貨の動きから、資源価格の動きに、あらゆる指標は連動し始めてくる。

その過程の中で、各国の資産保有形態は、ドル中心の資産保有形態から、金保有形態へと、シフトしていく。

そして、日本のような、米国債をたくさん抱えた国は、結果、ババをひくことになる。

http://www.businessweek.com/bwdaily/dnflash/feb2005/
nf20050217_2341_db035.htm
参照

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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2005/03/27 Sunday

日米金利差放置を求めるグレン・ハバードさんの意図は、ドル暴落阻止メリットにあり。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:50:38

2005/03/27
 
またまた、サンケイグループ・メディアの話になって恐縮なのだが、今日配信の次の産経新聞の記事、「「米経済」各国懸念に反論、「ドル暴落起きない」 FRBが楽観論リポート」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050327-00000014-san-bus_all
の元記事は、3月3日のWall Street Journalの記事「Currency Drop Doesn’t Mean Crisis — Lowered Dollar Is Likely To Spur Economic Growth, Fed Says in Deficit Study」
http://www.voy.com/113118/6629.html (ただし、このサイトは、ミラー版)だ。

しかし、この産経の記事には、、そのソースがかかれていない。

一方、このCNNの記事「No trade crisis?」 http://money.cnn.com/2005/03/03/news/economy/fed_study.dj/は、同様のWall Street Journalの記事の中でのHilary Crokeと Steven Kamin と Sylvain Leducの三エコノミストの論文の紹介であるが、記事中に、ちゃんと「 Thursday’s Wall Street Journal reported, citing a new study from the Federal Reserve.」と、引用元を書いてある。

もともとのこの論文は、「Financial Market Developments and Economic Activity during Current Account Adjustments in Industrial Economies」 
http://www.federalreserve.gov/pubs/ifdp/2005/827/ifdp827.pdf
に書かれている。

日本の記事の引用元を確かめる際に、厄介なのは、人名を日本語読みに直してしまっていることである。

英語の人名なら、何とか、探し当てられるが、アラビア文字の人名を日本語読みにしてしまったものなど、とても、不可能だ。

まあ、日本の新聞が縦書きであることをいいことにして、このような場合、ひとつの見えざる情報障壁の利得を記者の皆さんは、享受しているというわけだが、今後は、そうはいかないだろう。

日本の新聞が出来る自己改革で、一番簡単なことは、現在の新聞縦書きを横書きにし、インターネットとのインタラクティブ機能を、わずかながらでも高めることである。

その場合には、新聞紙上でも、引用元をURL記載し、また、人名・固有名詞については、原語でのスペルを括弧書きで記載することだ。

ところで、肝心のこの記事「ドル暴落起きない」 FRBが楽観論リポート」の中身なのだが、どうも、ここ、数週間「ドル暴落」への懸念が、この論文の結論とは裏腹に、高まっているように思える。

レーガン時代の「双子の赤字」が、ブッシュ時代に、再び再現しつつあるとは、これまでにもいわれてきたことだが、その状況がさらに深刻化しつつあるということは、いわれている。

経常収支は、財政収支と民間収支を足したものであり、その財政収支は、歳入と歳出との差であり、民間収支は、貯蓄と投資との差である。

レーガン時代の双子の赤字(財政収支と経常収支とが、ともに赤字になるという現象)は、どうして生まれたかといえば、減税先行をしたがために、財政赤字が増え、その分を国債増発でまかなったため、金利が高くなって、ドル高になり、それに、減税による景気刺激も手伝って、需要が増加し、この両者があいまって、貿易赤字が拡大していったというものである。

ブッシュ時代の双子の赤字は、このレーガン時代の双子の赤字とは、いくつかの点で異なっている。

イラク出兵や減税先行によって、財政赤字が拡大していることには変わりない。

しかし、金利は、いまだ低水準にあり、米連邦準備制度理事会(FRB)は、余裕を持って、次期金利引き上げを、計画的にしようとしている。

また、ドルは、前スノー財務長官がドル安容認発言をして以来、為替介入なしに、市場原理のままに、あがったり下がったりしている。

これは、ビナイン・ネグレクト・ドル政策(The Benign Neglect of The Dollar)と呼ばれるものである。

さらに、アメリカの貿易の主要相手国は、日本から中国へとシフトしている。

だから、レーガン時代の双子の赤字は、原因と結果が、つながって、悪循環を招いての双子の赤字であったのが、今回のブッシュ時代の双子の赤字は、意図しての財政赤字であり、中国という巨大市場相手のやむを得ざる貿易赤字であり、減税での購買力堅調による民間収支赤字なのである。

この記事にもあるように、「米国の財政と経常収支の「双子の赤字」への懸念」に対して、これらのエコノミストたちは、「米国が巨額の経常赤字を抱えていてもドル暴落は起きない」といっているのだが、確かに、以前このブログでも書いたように、「現在では、双子の赤字問題よりも、目先の「日米金利差」((the US-Japan interest rate spread)という問題のほうが、ドル・円を動かす、強い要因」との見方もある。

この日米金利差には、短期金利の日米金利差も、長期金利の日米金利差もある。

まづ、短期の日米金利格差については、今回のアメリカの更なる金利の利上げで更なる金利差が出来たわけで、これによって、ドル預金へのシフトや、円売りドル買いの動きが、激しくなってくる。

また、長期金利の日米金利差については、米国債10年ものと日本国債最長期ものとの差であり、これは、対米ドル円相場と、これまでの推移からすると、ほぼ連動しているのだという。

しかし、どうも、最近、米国債が短期ものであろうと、長期ものであろうと、イールドがさしてかわらないという「利回り曲線の平坦化」(A flat yield curve)という現象が出ている。

http://www.pimco.com/LeftNav/Latest+Publications/
2004/yield_curve_basics.htm

によると、「利回り曲線の平坦化」が現れるのは、景気停滞のシグナルであるという。
http://www.forbes.com/markets/bonds/free_forbes/2005/0314/112.html
も参照

インフレ抑制を意図して、連邦準備金利が上がると、短期債のイールドがあがり始め、長期債のイールドは、インフレ抑制を期待して下がり始めるのだという。

短期債のイールドがあがるために、フラット化が起きるというもののようだ。

しかし、グリーンスパンさんは、10年ものなどの長期債のイールドがあがらないために、フラット化が起こっているとの認識のようなのだが、実際はどうなのであろうか?

今回の「ドル暴落起きない」とする、このエコノミストたちの指摘は「「経常赤字不均衡が是正される動きの中で、ドル暴落が起き、金利上昇、株価下落、そして成長の鈍化が起きるとする仮説を証明する証拠は希薄だった」と指摘」と書いてあるように、これまでの経常赤字不均衡是正へ向かうための、ビルトインされたドル暴落というのは、発生しないという見方のようだ。

これは、こういうことなのだろう。

本来、ドル安になれば、日本なり中国から、アメリカへ輸出する輸出業者の製品価格は、あがらざるを得なくなるのだが、それを輸出価格を上げないでアメリカに輸出する。

こうして、ドル安になっても、アメリカへはいってくる輸入品の価格があがらないので、ドル安でもインフレが起こらない。

一方、ドル安になれば、アメリカの輸出産業は、海外子会社の利益を含めて、大きなメリットを得る。

しかし、ドル安によっても、アメリカへの輸入価格がおさえられたままであるため、輸入額が減らず、ドル安による輸出増にもかかわらず、貿易収支の赤字改善は、思ったほど進まない。

今後、相当の輸出増加でもなければ、アメリカの貿易収支の赤字改善は、進まないであろうといわれている。

また、財政赤字についても、年金問題も社会福祉費問題など、不安材料は増すことはあっても、財政赤字改善の見通しは、まったく立っていないようである。

したがって、財政収支の赤字と、経常収支の赤字という、双子の赤字は、厳然と存在し続けるのである。

では、このような、ドル安による輸入インフレ懸念がないにもかかわらず、アメリカが、原油高等などの理由をつけて、大幅な利上げに向けて、着々と歩を進めていけるのはなぜなのだろう。

ひとつは、中国市場という巨大な輸出入のバッファーがあり、それが、双子の赤字に対する金利、ドルの敏感な対応を不要にしてきたことであろう。

もうひとつは、日米の金利差というものが、アメリカ側のみの利上げによって、ますます、開く中で、その金利差が、ドル安への動きを中和するスタビライザー的役割をしてきたことなのだろう。

しかし、これらのアメリカの対応が限界に来ていることを指摘する声も上がっている。

アメリカへの輸出業者には、ドル安に耐えられずに、価格をアップしてくる動きもあり、為替調整に期待する動きは、大きくなりつつある。

また、たとえ、双子の赤字の存在自身が、もはや、ドル・円を動かさない要因になっているとはいっても、レーガン時代とは異なって、債権国から債務国に変わってしまったブッシュ時代の双子の赤字の増大は、アメリカ経済の将来を不安視させるに十分のものがある。

現に、各国の中には、資産保有の形態を、ドルからユーロなどにシフトする傾向が、一段と強まっているように思える。

日本の場合は、深刻だ。

為替介入の対価として保有している膨大な米国債の減価につながるからだ。

これによって、日本の財政再建などは、直ちに吹っ飛んでしまう威力がある。

一方、昨日のニュースで、来日中のグレン・ハバード(Hubbard,R.Glen)元米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が、時事通信のインタビュー
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050325-00000205-jij-bus_all
で「インフレがより正常かつ低位のプラスに戻るまで、デフレ対策を維持することに日銀は焦点を合わせるべきだ」と述べたというのだが、どういう意図なのか、わかりかねる。

となると、アメリカの隠された本音としては、日米の金利格差が続く限り、アメリカが、双子の赤字を放置しておいても、ビルトインで機能すべき、ドル暴落へのスタビライザー機能が機能しないので、「日本さん、何とか、今のままの、金利水準でいてくれ」とのメッセージがあると見てもいいのではなかろうか。

私などのようは、今こそ、名目金利の非負制約とデフレの罠を脱する、絶好の公定歩合引き上げの好機と思っているやからにとっては、このグレン・ハバードさんの発言は、余計なお世話とも受け取られるのだが。

今こそ、日本は、デフレの罠脱却と、非負制約をもたらし、有効な金融政策の遂行を困難にしているゼロ金利から脱出する公定歩合引き上げ政策を、アメリカの意図に関わらず、敢行すべき時であると、私は思う。

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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「報道2001」は、「2001年で脳死したテレビ」って意味なのかな?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:48:52

 
2005/03/27(Sun)

ほりえもん問題でゆれるフジテレビの「報道2001」の今朝の話題は、「検証! ニッポン放送買収問題SBI北尾氏緊急出演テレビとIT▽企業買収時代到来」って題なのだが。

いずれのゲストも、テレビ万能時代に一定の利得を得てきた人がほとんどのようで、何か、残照の照り返しの発言のようにも思えてしまう。

私が、このようなテーマで、このような方の発言を見る場合、その方が、一日、どのくらい、ネットを活用されておられるのか、という観点から、その発言の真正度を見てしまう癖が付いてしまっているのだが。

ニュースの質を強調される方は、やはり、淘汰の危険性を感じている方たちなのだろう。

私の掲示板の817で、「おくればせながら「毎日新聞 渡辺雅春」さんへの反論」として、次のように述べた。

「なるほど、換金回路のないブログの世界で、一人で三年半も、旧石器発掘現場で張り付く物好きはいないだろう。
しかし、40人以上の記者に対抗できるアリのごとき、ウンカのごときウォッチャーは、そろえられるような気がしている。」

それこそ、この掲示板で述べたような、アリのごとき、ウンカのごとき、ネット時代の「ネット記者群」のトレンドが正論を方向付けていくような時代には、所詮、太刀打ちできない方たちなのかな、とも、思う。

ましてや、ネットとは、いかにも無縁そうな出演政治家の発言には、痛々しさ、さえ、感じられた。

それにしても、いまさらに気づいたのは、「報道2001」は「2001」であって、「2005」ではなかったのだ!!!

思えば、この番組には、政治家もずいぶんと振り回されたものだ。

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2005/03/26 Saturday

R-CALFの最高執行者Bill Bullard氏の声明

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:48:34

 
2005/03/26(Sat)

nullR-CALFの最高執行者Bill Bullard氏が、声明を出したが、その中で、現在の日米の牛肉問題について、次のようにいっている。

以下概訳開始

アメリカの牛肉産業にとって不幸なのは、カナダからの生体牛の輸入によって、BSEフリーのアメリカを、BSEリスクのあるアメリカへと、わが身を置き換えてしまったことだ。

The National Meat Association (NMA) は、3月2日に下されたカナダ国境再開差し止め裁判所命令を覆そうとしているが、この行動自体、アメリカの消費者の安全よりも、利益を重んじている行動であることを表している。

日本や韓国がアメリカの牛肉を再び買ってもらう一番いい方法は、そして、カナダと、再び、しっかりした貿易関係を築くために一番いい方法は、USDAが、消費者と牛肉産業を守ることをはじめることであり、そのためには、ブッシュ政権の対外貿易政策に対して、右顧左眄しないことである。

USDAの構想としてあげられている「多国籍パッカー構想」(the multi-national packers)は、カナダからの牛肉製品の安全基準を低める構想であり、日本や韓国に対して牛肉製品貿易の門戸を開かせられることを意図した構想のようであるが、この構想自体は、非論理的で、理性のない構想である。

2003年以来、日本は、われわれに、こういってきた。「アメリカの牛肉が、カナダから来たものでないことが保証されないうちは、そして、その牛肉に、アメリカ産のものであると適切に示されていない限り、われわれは、アメリカの牛肉をほしいとはおもわない。」と。

どうして、アメリカの巨大ミートパッカーたちは、原産国表示制度(COOL制度)の実施をしたがらないのか?

もし、アメリカ政府が、海外の巨大市場の要求を無視することをやめるならば、アメリカの巨大パッカーも、中小パッカーも、原産国表示ラベルがあろうと、BSE検査があろうと、等しく、ビジネスの発展を見るであろう。

アメリカの牛肉の他の顧客の要求を前向きに満たすことが、それらの国々との良好な関係改善につながりうるのだ。

以上 概訳終わり。

http://pryordailytimes.com/articles/
2005/03/25/news_content/community_news/agriculture/agriculture02.txt

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知財問題の講演など

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:48:24

 
2005/03/26(Sat) 19:29

昨年のレコード輸入権騒動以来、やや、敬遠気味の知財問題だったが、法政大学で、松武秀樹さんなどの講演があると聞いて、出かけてみたのだが。

東小金井駅下車。

いつものことながら、この駅は、苦手だ。
お世話になった農林水産省の紀内さんの最後の場所だからだ。
あれから早いもので、9年近くたったのかな? 

会場にはいると、どうも、知財関係とはとても思えないおばさんグループがたむろしている。
講師陣を見て、今日の講師の一人に、テレビの「爆笑問題のバク天!」などの番組で売れっ子の橋下徹さんがいたことを知る。

で、松武さんの話は、著作権法第30条の(私的使用のための複製)の話が中心。

私的録音補償金制度
分配のベースになるデータベースが不備で、分配機能が、機能していないというとと、機器の伸びに補償金の伸びがキャッチアップしていないところから、外国並みに、報酬の支払い義務者を私的使用の複製者でなくて、製造業者や輸入業者にすべし、というような話だった。

質疑応答にはいって、JASRACの欠点は、どこにあると思いますか?などという質問が出ていた。

続いての、橋下徹さん。

テレビ界の内幕話がほとんどで、タレントのギャラの相場などの話があった。
ニュースコメンテーターの相場は2−3万程度って話から、弁護士家業はもう、斜陽産業にはいったとか、いずれにしても、人の懐具合の話は、「思ったほどでもないな」と、聴衆に感じさせられるだけで、受けるものだ。

中で、これからの成長分野として、「エンターテイメント・ロー」(Entertainment Law)の分野が日本でも必要とされてくるだろうという話が興味深かった。

最後に、著作権法は、何のためになるという話になって「禁止することによって、無体の価値を高めていくために、著作権法があるのだ。」という結論は、アイロニーとして受け止めるべきものか、ちょっと迷った。

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248

2005/03/25 Friday

アメリカ上下院の対日経済制裁法案に対するスポンサー献金明細

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 22:01:54

2005/03/25
 
nullこのたび、アメリカ上院で提出されている対日経済制裁法案に対するスポンサー献金の献金元・献金先議員名・献金額の明細がわかりました。

なお、下院については、すでに「米牛肉交渉、対日制裁の裏舞台をのぞけば?」に掲載されておりますが、改めて、この分も、再掲します。


アメリカ上院提出の対日経済制裁法案(S. Res. 87: A resolution expressing the sense of the Senate regarding the resumption of beef exports to Japan)に対するスポンサー献金明細

献金団体と献金額 献金団体のサイトURL
議員ごとの献金額 上院議員名  選挙区

Volunteer PAC: $180,500
http://www.volpac.org/
明細
$130,500 to Sen. John Thune [R-SD]
$10,000 to Sen. Larry Craig [R-ID]
$10,000 to Sen. Michael Crapo [R-ID]
$10,000 to Sen. James Inhofe [R-OK]
$20,000 to Sen. James Talent [R-MO]

National Republican Senatorial Cmte: $103,500    http://www.nrsc.org/
明細
$35,000 to Sen. John Thune [R-SD]
$17,500 to Sen. Larry Craig [R-ID]
$33,500 to Sen. James Inhofe [R-OK]
$17,500 to Sen. James Talent [R-MO]

Blank Rome LLP: $39,414    http://www.blankrome.com/
明細
$20,500 to Sen. John Thune [R-SD]
$18,914 to Sen. Jim Bunning [R-KY]

Club for Growth: $22,000   http://www.clubforgrowth.org/
明細
$22,000 to Sen. John Thune [R-SD]

Fresh Express: $20,000   http://www.freshexpress.com/OpCo_Source/default.asp
明細
$20,000 to Sen. John Thune [R-SD]

合計$365,414.

議員別明細
Sen. John Thune [R-SD] $228,000.
Sen. Larry Craig [R-ID] $27,500.
Sen. Michael Crapo [R-ID ]$10,000.
Sen. James Inhofe [R-OK] $43,500.
Sen. James Talent [R-MO] $37,500.
Sen. Jim Bunning [R-KY] $18,914.

アメリカ下院提出の対日経済制裁法案(H.RES.137
Title: Expressing the sense of the House of Representatives regarding the resumption of beef exports to Japan. )へのスポンサー献金明細

献金団体と献金額 献金団体のサイトURL
議員ごとの献金額 上院議員名  選挙区

National Assn of Realtors: $402,250 http://www.realtor.org/rocms.nsf
明細
$10,000 to Rep. Michael McCaul [R-TX]
$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY]
$15,000 to Rep. Virginia Foxx [R-NC]
$15,000 to Rep. James Marshall [D-GA]
$10,000 to Rep. Tim Holden [D-PA]
$10,000 to Rep. John Doolittle [R-CA]
$5,000 to Rep. John Boozman [R-AR]
$10,000 to Rep. Dennis Rehberg [R-MT]
$15,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA]
$10,000 to Rep. David Scott [D-GA]
$5,000 to Rep. Steve King [R-IA]
$6,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA]
$5,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA]
$10,000 to Rep. Devin Nunes [R-CA]
$4,000 to Rep. Virgil Goode [R-VA]
$10,000 to Rep. Ray LaHood [R-IL]
$7,000 to Rep. Todd Tiahrt [R-KS]
$6,000 to Rep. Michael Simpson [R-ID]
$6,000 to Rep. Ike Skelton [D-MO]
$10,000 to Rep. Barbara Cubin [R-WY]
$10,000 to Rep. John Culberson [R-TX]
$10,000 to Rep. K. Michael Conaway [R-TX]
$7,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO]
$5,000 to Rep. Cathy McMorris [R-WA]
$12,000 to Rep. Terry Everett [R-AL]
$6,000 to Rep. John Shimkus [R-IL]
$10,000 to Rep. C.L. Otter [R-ID]
$10,000 to Rep. Rick Larsen [D-WA]
$10,000 to Rep. Robert Goodlatte [R-VA]
$10,000 to Rep. Gilbert Gutknecht [R-MN]
$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL]
$10,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN]
$10,000 to Rep. Robert Berry [D-AR]
$10,000 to Rep. Greg Walden [R-OR]
$2,000 to Rep. William Jenkins [R-TN]
$10,000 to Rep. Jeff Miller [R-FL]
$10,000 to Rep. Mike Pence [R-IN]
$6,000 to Rep. Collin Peterson [D-MN]
$4,000 to Rep. John Peterson [R-PA]
$5,000 to Rep. Frank Lucas [R-OK]
$9,000 to Rep. Sanford Bishop [D-GA]
$4,000 to Rep. Adam Putnam [R-FL]
$10,000 to Rep. Roy Blunt [R-MO]
$8,250 to Rep. John Boehner [R-OH]
$10,000 to Rep. Jerry Moran [R-KS]
$15,000 to Rep. Marilyn Musgrave [R-CO]

National Auto Dealers Assn: $353,000  http://www.nada.org/
明細
$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY]
$6,000 to Rep. Virginia Foxx [R-NC]
$15,000 to Rep. Tim Holden [D-PA]
$9,000 to Rep. John Doolittle [R-CA]
$5,000 to Rep. John Boozman [R-AR]
$7,500 to Rep. Dennis Rehberg [R-MT]
$9,000 to Rep. Steve King [R-IA]
$5,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA]
$7,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA]
$10,000 to Rep. Virgil Goode [R-VA]
$10,000 to Rep. Ray LaHood [R-IL]
$10,000 to Rep. Todd Tiahrt [R-KS]
$10,000 to Rep. Michael Simpson [R-ID]
$10,000 to Rep. Ike Skelton [D-MO]
$10,000 to Rep. Barbara Cubin [R-WY]
$10,000 to Rep. Michael McCaul [R-TX]
$10,000 to Rep. John Culberson [R-TX]
$10,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO]
$5,000 to Rep. Cathy McMorris [R-WA]
$10,000 to Rep. Lee Terry [R-NE]
$8,000 to Rep. Terry Everett [R-AL]
$7,000 to Rep. John Shimkus [R-IL]
$10,000 to Rep. C.L. Otter [R-ID]
$10,000 to Rep. Rick Larsen [D-WA]
$10,000 to Rep. Thomas Latham [R-IA]
$12,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA]
$5,000 to Rep. Gilbert Gutknecht [R-MN]
$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL]
$11,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN]
$6,000 to Rep. Robert Berry [D-AR]
$10,000 to Rep. Greg Walden [R-OR]
$9,500 to Rep. William Jenkins [R-TN]
$10,000 to Rep. Mike Pence [R-IN]
$10,000 to Rep. John Peterson [R-PA]
$10,000 to Rep. Robert Hayes [R-NC]
$10,000 to Rep. James Nussle [R-IA]
$10,000 to Rep. John Boehner [R-OH]
$10,000 to Rep. Mark Kennedy [R-MN]
$6,000 to Rep. Marilyn Musgrave [R-CO]

National Beer Wholesalers Assn: $320,000  http://www.nbwa.org/public/login.aspx
明細
$10,000 to Rep. Tom Cole [R-OK]

$15,000 to Rep. Virginia Foxx [R-NC]
$5,000 to Rep. Adam Putnam [R-FL]
$10,000 to Rep. David Scott [D-GA]
$10,000 to Rep. Steve King [R-IA]
$5,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA]
$6,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA]
$7,500 to Rep. Devin Nunes [R-CA]
$7,500 to Rep. Virgil Goode [R-VA]
$10,000 to Rep. Ray LaHood [R-IL]
$10,000 to Rep. Samuel Graves [R-MO]
$7,500 to Rep. Michael Simpson [R-ID]
$6,000 to Rep. Dennis Rehberg [R-MT]
$10,000 to Rep. Michael McCaul [R-TX]
$10,000 to Rep. K. Michael Conaway [R-TX]
$9,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO]
$10,000 to Rep. James Nussle [R-IA]
$10,000 to Rep. Todd Tiahrt [R-KS]
$7,500 to Rep. John Shimkus [R-IL]
$7,500 to Rep. C.L. Otter [R-ID]
$8,000 to Rep. Ike Skelton [D-MO]
$10,000 to Rep. Thomas Latham [R-IA]
$15,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA]
$10,000 to Rep. Gilbert Gutknecht [R-MN]
$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL]
$10,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN]
$10,000 to Rep. Robert Berry [D-AR]
$8,500 to Rep. Mike Ross [D-AR]
$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY]
$10,000 to Rep. Doc Hastings [R-WA]
$10,000 to Rep. Robert Hayes [R-NC]
$5,000 to Rep. Frank Lucas [R-OK]
$10,000 to Rep. Roy Blunt [R-MO]
$10,000 to Rep. Mark Kennedy [R-MN]
$10,000 to Rep. Marilyn Musgrave [R-CO]

Mantech International: $36,000  http://www.mantech.com/
明細
$36,000 to Rep. Jerry Moran [R-KS]

American Medical Assn: $213,000  http://www.ama-assn.org/
明細
$10,000 to Rep. K. Michael Conaway [R-TX]
$5,000 to Rep. Virgil Goode [R-VA]
$3,000 to Rep. John Peterson [R-PA]
$5,000 to Rep. John Boozman [R-AR]
$5,000 to Rep. C.L. Otter [R-ID]
$10,000 to Rep. Mark Kennedy [R-MN]
$5,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA]
$5,000 to Rep. Frank Lucas [R-OK]
$8,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO]
$15,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA]
$10,000 to Rep. Roy Blunt [R-MO]
$5,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA]
$10,000 to Rep. John Boehner [R-OH]
$10,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN]
$4,500 to Rep. Jeff Miller [R-FL]
$12,500 to Rep. Tim Holden [D-PA]
$5,000 to Rep. Adam Putnam [R-FL]
$5,000 to Rep. John Shimkus [R-IL]
$10,000 to Rep. Robert Hayes [R-NC]
$8,000 to Rep. Collin Peterson [D-MN]
$8,000 to Rep. John Culberson [R-TX]
$8,000 to Rep. Greg Walden [R-OR]
$6,000 to Rep. Charles Pickering [R-MS]
$10,000 to Rep. David Scott [D-GA]
$10,000 to Rep. Tom Cole [R-OK]
$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY]
$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL]

献金総額、1,171,250ドル

議員別明細

$4,000 to Rep. Adam Putnam [R-FL]
$5,000 to Rep. Adam Putnam [R-FL]
$5,000 to Rep. Adam Putnam [R-FL] 計$14000

$10,000 to Rep. Barbara Cubin [R-WY]
$10,000 to Rep. Barbara Cubin [R-WY] 計$20000

$5,000 to Rep. Cathy McMorris [R-WA]
$5,000 to Rep. Cathy McMorris [R-WA] 計$10000

$5,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA]
$7,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA]
$6,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA]
$5,000 to Rep. Charles Norwood [R-GA] 計$23000

$6,000 to Rep. Charles Pickering [R-MS]

$6,000 to Rep. Collin Peterson [D-MN]
$8,000 to Rep. Collin Peterson [D-MN] 計$14000

$10,000 to Rep. C.L. Otter [R-ID]
$10,000 to Rep. C.L. Otter [R-ID]
$7,500 to Rep. C.L. Otter [R-ID]
$5,000 to Rep. C.L. Otter [R-ID] 計$32500

$10,000 to Rep. David Scott [D-GA]
$10,000 to Rep. David Scott [D-GA]
$10,000 to Rep. David Scott [D-GA] 計$30000

$10,000 to Rep. Dennis Rehberg [R-MT]
$7,500 to Rep. Dennis Rehberg [R-MT]
$6,000 to Rep. Dennis Rehberg [R-MT] 計$23500

$10,000 to Rep. Devin Nunes [R-CA]
$7,500 to Rep. Devin Nunes [R-CA] 計$17500

$10,000 to Rep. Doc Hastings [R-WA]

$5,000 to Rep. Frank Lucas [R-OK]
$5,000 to Rep. Frank Lucas [R-OK]
$5,000 to Rep. Frank Lucas [R-OK] 計$15000

$10,000 to Rep. Gilbert Gutknecht [R-MN]
$5,000 to Rep. Gilbert Gutknecht [R-MN]
$10,000 to Rep. Gilbert Gutknecht [R-MN] 計$25000

$10,000 to Rep. Greg Walden [R-OR]
$10,000 to Rep. Greg Walden [R-OR]
$8,000 to Rep. Greg Walden [R-OR] 計$28000

$6,000 to Rep. Ike Skelton [D-MO]
$8,000 to Rep. Ike Skelton [D-MO]
$10,000 to Rep. Ike Skelton [D-MO] 計$24000

$6,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA]
$5,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA]
$5,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA]
$5,000 to Rep. Jack Kingston [R-GA] 計$21000

$15,000 to Rep. James Marshall [D-GA]

$10,000 to Rep. James Nussle [R-IA]
$10,000 to Rep. James Nussle [R-IA] 計$20000

$10,000 to Rep. Jeff Miller [R-FL]
$4,500 to Rep. Jeff Miller [R-FL] 計$14500

$10,000 to Rep. Jerry Moran [R-KS]
$36,000 to Rep. Jerry Moran [R-KS] 計$46000
http://www.house.gov/moranks01/

$8,250 to Rep. John Boehner [R-OH]
$10,000 to Rep. John Boehner [R-OH]
$10,000 to Rep. John Boehner [R-OH]計$28250

$5,000 to Rep. John Boozman [R-AR]
$5,000 to Rep. John Boozman [R-AR] 計$10000

$10,000 to Rep. John Culberson [R-TX]
$10,000 to Rep. John Culberson [R-TX]
$8,000 to Rep. John Culberson [R-TX] 計$28000

$10,000 to Rep. John Doolittle [R-CA]

$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY]
$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY]
$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY]
$10,000 to Rep. John Kuhl [R-NY] 計$40000
http://www.house.gov/kuhl/

$10,000 to Rep. John Doolittle [R-CA]
$9,000 to Rep. John Doolittle [R-CA] 計$19000

$4,000 to Rep. John Peterson [R-PA]
$10,000 to Rep. John Peterson [R-PA]
$3,000 to Rep. John Peterson [R-PA] 計$17000

$6,000 to Rep. John Shimkus [R-IL]
$7,000 to Rep. John Shimkus [R-IL]
$7,500 to Rep. John Shimkus [R-IL]
$5,000 to Rep. John Shimkus [R-IL] 計$25500

$10,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO]
$9,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO]
$7,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO]
$8,000 to Rep. Kenny Hulshof [R-MO] 計$34000

$10,000 to Rep. Lee Terry [R-NE]

$10,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN]
$10,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN]
$10,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN]
$11,000 to Rep. Lincoln Davis [D-TN] 計$41000
http://www.house.gov/lincolndavis/

$15,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA]
$12,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA]
$15,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA]
$15,000 to Rep. Lynn Westmoreland [R-GA] 計$57000
http://www.lynnwestmoreland.org/about/default.aspx

$15,000 to Rep. Marilyn Musgrave [R-CO]
$6,000 to Rep. Marilyn Musgrave [R-CO]
$10,000 to Rep. Marilyn Musgrave [R-CO] 計$31000

$10,000 to Rep. Mark Kennedy [R-MN]
$10,000 to Rep. Mark Kennedy [R-MN]
$10,000 to Rep. Mark Kennedy [R-MN] 計$30000

$10,000 to Rep. K. Michael Conaway [R-TX]
$10,000 to Rep. K. Michael Conaway [R-TX]
$10,000 to Rep. K. Michael Conaway [R-TX] 計$30000

$10,000 to Rep. Michael McCaul [R-TX]
$10,000 to Rep. Michael McCaul [R-TX]
$10,000 to Rep. Michael McCaul [R-TX] 計$30000

$10,000 to Rep. Mike Pence [R-IN]

$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL]
$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL]
$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL]
$10,000 to Rep. Michael Rogers [R-AL] 計$40000
http://www.mikerogers.house.gov/

$6,000 to Rep. Michael Simpson [R-ID]
$10,000 to Rep. Michael Simpson [R-ID]
$7,500 to Rep. Michael Simpson [R-ID] 計$23500

$10,000 to Rep. Mike Pence [R-IN]

$8,500 to Rep. Mike Ross [D-AR]

$10,000 to Rep. Ray LaHood [R-IL]
$10,000 to Rep. Ray LaHood [R-IL]
$10,000 to Rep. Ray LaHood [R-IL] 計$30000

$10,000 to Rep. Rick Larsen [D-WA]
$10,000 to Rep. Rick Larsen [D-WA] 計$20000

$10,000 to Rep. Robert Goodlatte [R-VA]

$10,000 to Rep. Robert Berry [D-AR]
$6,000 to Rep. Robert Berry [D-AR]
$10,000 to Rep. Robert Berry [D-AR] 計$26000

$10,000 to Rep. Robert Hayes [R-NC]
$10,000 to Rep. Robert Hayes [R-NC]
$10,000 to Rep. Robert Hayes [R-NC] 計$30000

$10,000 to Rep. Roy Blunt [R-MO]
$10,000 to Rep. Roy Blunt [R-MO]
$10,000 to Rep. Roy Blunt [R-MO] 計$30000

$10,000 to Rep. Samuel Graves [R-MO]

$9,000 to Rep. Sanford Bishop [D-GA]

$5,000 to Rep. Steve King [R-IA]
$9,000 to Rep. Steve King [R-IA]
$10,000 to Rep. Steve King [R-IA]  計$24000

$12,000 to Rep. Terry Everett [R-AL]
$8,000 to Rep. Terry Everett [R-AL] 計$20000

$10,000 to Rep. Tim Holden [D-PA]
$15,000 to Rep. Tim Holden [D-PA]
$12,500 to Rep. Tim Holden [D-PA]  計$37500

$10,000 to Rep. Thomas Latham [R-IA]
$10,000 to Rep. Thomas Latham [R-IA] 計$20000

$7,000 to Rep. Todd Tiahrt [R-KS]
$10,000 to Rep. Todd Tiahrt [R-KS]
$10,000 to Rep. Todd Tiahrt [R-KS] 計$27000

$10,000 to Rep. Tom Cole [R-OK]
$10,000 to Rep. Tom Cole [R-OK] 計$20000

$15,000 to Rep. Virginia Foxx [R-NC]
$6,000 to Rep. Virginia Foxx [R-NC]
$15,000 to Rep. Virginia Foxx [R-NC] 計$36000

$4,000 to Rep. Virgil Goode [R-VA]
$10,000 to Rep. Virgil Goode [R-VA]
$7,500 to Rep. Virgil Goode [R-VA]
$5,000 to Rep. Virgil Goode [R-VA] 計$26500

$2,000 to Rep. William Jenkins [R-TN]
$9,500 to Rep. William Jenkins [R-TN] 計$11500

以上

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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問題所在のポイントをずらしかねない、OIEの基準変更ニュース

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:47:47

 
2005/03/25(Fri)

どういう意図かわからないが、昨日から、「OIEが、牛肉の輸出入規制を大幅に緩和する新たな国際基準の原案を日本に提示した」とのニュースが、声高に流れている。

もともと、OIEの「Terrestrial Animal Health Code」は、毎年見直しているのであり、また、昨年10月25日の米国産牛肉の日米高級事務レベル会合合意においても、「5.BEVプログラム概説」において、「再検討されるべき情報には、次のものが含まれる。」として「再検討すべきOIE基準にもとづいた、アメリカのBSEの状態」との一行がはいっているのである。

問題のポイントは、OIE基準が緩和されるかどうかということよりも、SPS協定との関係を考慮しなければならないのに、マスコミ報道では、そのことについては、一切触れていないのか、どうしたものなのであろうか?

すなわち、前にも書いたように、日本の場合のように、OIE基準よりも厳しい基準で、BSE汚染国からの牛肉輸入を禁止する場合は、SPS協定の5条2項での「(輸入する牛肉についての)危険性の評価を行うに当たり、入手可能な科学的証拠」が、不十分な状況の元での、5条7項の「暫定的に衛生植物検疫措置を採用」により、禁輸措置を行っているのであり、それに対して、第2条第2項「2 加盟国は、衛生植物検疫措置を、(中略)第五条7に規定する場合を除くほか、十分な科学的証拠なしに維持しないことを確保する。」の条項を盾にとって、「十分な科学的証拠があるのに、衛生植物検疫措置をとっているのは、隠れたる貿易障壁である。」と主張しているところに、対立点があるというわけである。

なお、今回のOIE基準の緩和要求のポイントは、は、 OIEの「Terrestrial Animal Health Code」のArticle 2.3.13.14.  Article 2.3.13.15. Article 2.3.13.16. Article 2.3.13.17.Article 2.3.13.19. Article 2.3.13.21.に関するものであって、

第一に、BSEフリーの国または、最小(minimal)のBSE汚染国から輸入される骨付き、または、骨を除去した肉、または、肉製品については、輸出国において、検査が必要であるということ、

第二に、BSEリスクが中位または 高位にある国からの牛肉や肉製品については、すべての牛の検査が必要だということ、

第三に、食用や、飼料や、 肥料や、化粧品や医薬品向けに使用される牛脂について、、最小(minimal)のBSE汚染国または、また、BSEリスクが中位の国からの牛からのものについては、Article 2.3.13.19. 規定の組織を使っていないかどうかの検査が必要であるということ、

この点についての基準緩和要求と見られる。

今日の島村宜伸農水相は、閣議後会見で、OIEが基準緩和案を提示したことについて、脊髄反射的に「日本としては当然反対していく」と述べた
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050325-00000114-jij-pol
というのだが、

いやみを言うわけではないのだが、これは、上記にも書いた昨年10月25日の米国産牛肉の日米高級事務レベル会合合意において、「5.BEVプログラム概説」において、「再検討されるべき情報には、次のものが含まれる。」として「再検討すべきOIE基準にもとづいた、アメリカのBSEの状態」について合意したものと矛盾する発言ではないかと、アメリカに言われるのではなかろうか。

(日米合意の中で”The United States BSE status according to OIE criteria to be reviewed”と書いてある。)

むしろ、日本の農林水産省として、今、見解を統一しておくべきは、WTO提訴の場合にそなえた、SPS協定との関係である。

この場合に一番参考になるのが、アメリカとEUとの、ホルモン牛肉紛争における、SPS協定の解釈だ。
http://lin.lin.go.jp/alic/week/1998/jan/323eu.htm

問題となったSPS協定抵触部分は、三箇所あった。

1 危険性の評価(SPS協定第5条1項)

2 恣意的かつ不正な保護水準の適用(SPS協定第5条5項)

3 保護の水準(SPS協定第3条)

これを今の日米間の牛肉問題に置き換えてみると、アメリカ側の言い分は、次のようになるだろう。

1.「日本側が提示した科学的報告は輸入禁止の根拠にならないので、SPS協定第5条1項違反なのではないのか?」

2.「日本側は、検疫衛生措置の保護水準を、、恣意的かつ不正に区別し、貿易に差別や偽装した制限をもたらしているので、SPS協定第5条5項違反なのではないのか?」

3.「日本側の輸入禁止措置は、OIE基準の月齢30ヶ月未満を、月齢20ヶ月未満の牛に引き上げるなど、OIEの国際基準に基づいておらず、また、独自の水準を採用できる規定にも該当していないので、第3条1項違反ではないのか?」

ということになるのだろうか?

したがって、アメリカ側からWTO提訴があった場合の対策としては、この上記三点の逆を考えればいいことになる。

最後に、OIE基準に過大な期待をいだかれがちな方がたのために、次のUSDAのQ&Aの日本語訳をしておく。。

律儀な日本人は、「国際基準履行」などと迫られると、悪いことをしているなどと思って、おびえがちであるが、このようなあけすけなものを読むと、ショック療法としては、いいのかもしれない。

http://www.beef.org/uDocs/BSE%20Final%20QA%2011-17-2003.pdf参照

「OIE基準は、履行のハードルが高い規則でも、履行のスピードが急がれる規則でもありません。

OIEは、加盟国の主権を尊重し、動物に関する貿易について、それぞれの国の尺度にあった基準が作れるような、ガイドラインとなっています。

現在のOIE基準でのリスク地域の分類は、5分類あって、それは、BSEフリーの国、一時的にBSEフリーの国、最小のBSEリスクを持つ国、中位のBSEリスクを持つ国、高位のBSEリスクを持つ国、に分かれています。

それぞれのカテゴリーにある国についての牛肉貿易について、OIEガイドラインは、適用されます。

どの国から、牛肉や牛肉製品を輸入できるかのOIE基準は、至極簡単で、次の二つの条件のうちの一つが該当しさえすればいいのです。

その条件の一つとは、その国が、BSEを持たない国であること、その条件のもう一つは、その国が BSE発生のケースがあった場合には、適切な飼料禁止措置がなされていて、そのような飼料禁止措置後、少なくとも、7年間は、BSE発生事例がなかったこと、です。

OIEのガイドラインは、これらの条件を、必ずしも、牛肉貿易の必須条件にはしていないのです。

OIEでは、BSEフリーの条件を決めてはいますが、国際社会においては、これらの条件が、牛肉貿易をする決定要素とはなっていないのです。

実際、いかなるリスクカテゴリーにある国との貿易についても、たとえ、その国が、ハイリスクのBSEリスクカテゴリーにある国であっても、OIEは、アドバイスしているのです。

ここで重要なことは、一定のBSEリスクがある諸国間では、消費者の信頼性にかかわらず、牛肉は、生産され安全に消費されているということです。」

2005/03/28追記

骨なし牛肉にかかわるOIE基準部分

OIEが、本年5月の総会において提出を予定しているとされる「骨なしの牛肉について、輸出国のBSEリスクにかかわらず、どのような条件も要求すべきでない」との部分は、現行のOIE基準である「Terrestrial Animal Health Code (2004)」では、次の条項で、次のように定められている。

5月総会で提案されるであろうOIE基準の変更は、下記条項についてのものと見られる。

Article 2.3.13.13.

「一時的にBSEフリーの国や地域から、輸入する場合には、その国の生体牛からの骨付きまたは骨なしの生牛肉や牛肉製品については、獣医管理局は、検査済みであることを国際的に証明する証明書の提示を必要とする。」

Article 2.3.13.14.

「最小のBSEリスクのある国や地域から、輸入する場合には、その国の生体牛からの骨付きまたは骨なしの生牛肉や牛肉製品については、獣医管理局は、検査済みであることを国際的に証明する証明書の提示を必要とする。」

Article 2.3.13.15.

「中位のBSEリスクのある国や地域から、輸入する場合には、その国の生体牛からの骨付きまたは骨なしの生牛肉や牛肉製品については、獣医管理局は、検査済みであることを国際的に証明する証明書の提示を必要とする。」

Article 2.3.13.16.

「BSEのハイリスクにある国や地方からの輸入の場合には、獣医管理局は、生体牛からの肉や肉製品については、以下のことについて、検査済みであることを国際的に証明する証明書の提示が要求される。」

その「以下のこと」とは、

「3.輸出される生肉であって、もし、それが、月齢9ヶ月以上の動物から採った肉である場合は、骨が取り除かれ、骨を除去する過程において、神経リンパ節を含まず、それらすべてが、組織との交差汚染を回避しうるやり方で、完全に取り除かれたもの。」

「4. 輸出される肉製品であって、それが、骨除去肉からのものであり、Article 2.3.13.18.のポイント1とポイント2にリストアップされた組織を含まないものであり、かつ、牛のづ骸骨や脊柱から、機械的に除去分離された肉でないものであり、去れらのすべてが、それらの組織と交差汚染を回避しうる方法で取り除かれたもの」

参考

Article 2.3.13.18.のポイント1

「中位の、またはハイリスクのBSEリスクのある国から輸入した、いかなる月齢の牛からの、次の商品ならびにそれら商品によって汚染された商品については、食品、飼料、肥料、化粧品、生物製剤を含む調合薬、医療用具、扁桃腺、腸、それらから抽出したたんぱく質製品の調製品として、貿易してはならない。

それらの商品を使った食品、飼料、肥料、化粧品、生物製剤を含む調合薬、医療用具を、商取引してはならない」

Article 2.3.13.18.のポイント2

「中位の、またはハイリスクのBSEリスクのある国から輸入した、と畜時の月齢が12ヶ月以上である、生体牛からのものについて、次の商品や、それらによって汚染されたいかなる商品について、食品、飼料、肥料、化粧品、生物製剤を含む調合薬、医療用具、扁桃腺、腸、それらから抽出したたんぱく質製品の調製品として、貿易してはならない。

それらの商品を使った食品、飼料、肥料、化粧品、生物製剤を含む調合薬、医療用具を、商取引してはならない。」

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2005/03/23 Wednesday

アメリカの今後の金利上昇に含みのある今回の連邦準備金利引き上げ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:47:37

 
2005/03/23(Wed)

null米連邦準備制度理事会(FRB)は22日、短期金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を、現行の年2・5%から0・25%引き上げて年2・75%とすることを全会一致で決めた。

FRBの利上げは昨年6月以来7回連続で、いずれも0・25%の小刻みな上げ幅となり、公定歩合も同率引き上げ、年3・75%とした
これまで、所定の計画をこなすかのように淡々と、小刻みの利上げを続けてきたFRBだが、今回も小幅の利上げをこなしつつも、そのコメントにおいては、今後のインフレについての強い警戒感をにじませたことによって、今後の利上げ計画には、大幅利上げもありうるとの観測も生まれている。

サイトhttp://news.ft.com/cms/s/5ede6554-9b33-11d9-90f9-00000e2511c8.htmlは、今回の利上げについてのフィナンシャルタイムズの見解であるが、連邦公開市場委員会(FOMC)のコメント後半で、最近数ヶ月間のインフレ圧力について触れ、当面、インフレの加速については、即座の危険性はないとしながら、商品価格の値上がりは、生産者に対して、弱いドルと連動して、強い圧力を与えつつあるとしている。

また、原油価格の上昇も、インフレ圧力のひとつとみなしている。

労働コストの上昇については、大きな危険性はないとしながら、賃金上昇については、要警戒であるとしている。

インフレ克服の決め手となるのは、生産性の向上ではあるが、これは、そんなに長くは続かないとしている。

不透明なのは、十年もの米国債のイールドの上昇についてであるが、グリーンスパンが、先月の議会証言で、「フェデラル・ファンド(FF)金利が上昇しているにもかかわらず、十年もの米国債のイールドの上昇が、昨年6月以来、たつた四パーセントにとどまったことに驚いた。」との発言をされたが、その後、米国債のイールドは、4.5パーセント上昇となったが、過去の経験からして、依然として低い水準にある。としている。

http://www.cfo.com/article.cfm/3688159?f=related
http://forecasts.org/interest-rate/10-year-treasury-bond-yield.htm
http://www.freebuck.com/bonds.shtml参照

このところ、グリーンスパン氏の、来年の退任を間近にしての、いろいろなレームダック状態が伝えられているが、今後、それこそ「いたちの最後っ屁」のごとき、グリーンスパンさん最後の大幅利上げという事態も、今回の利上げのステートメントで、想定されるようになって来た。

http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=10000039&refer=columnist_berry&sid=a1AAFSwwNwBc参照

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245

2005/03/22 Tuesday

丹下健三さんのプランは、夢か現か幻か?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:47:26

2005/03/22(Tue)
 
null丹下健三さんが、ご逝去されたという。

告別式は、ご自身が1964年に設計された東京カテドラル聖マリア大聖堂で、とのことである。

私自身も、昭和30年代の後半から、地域開発というキーワードにとらわれ始め、ここまできてしまった。

あれほど、都市計画者たちの知恵を集めたと思われた多摩ニュータウンや高蔵寺ニュータウンなどが、いまや、荒廃しつつあると聞けば、都市計画者などというものは、長生きをすれば、その功罪を問われかねない因果な商売なものだと、ご同情申し上げる。

丹下健三さんの建築物は何かと検索すれば、このとおり、あれもそうだったのかと思われるほど、おなじみのものばかりである。

丹下さんは、1960年には、『東京計画1960その構造改革の提案』というものを出されている。

1968年には、 『東京計画1968』も、出されている

その後は、http://www.token.or.jp/news/021_08.htmに見るとおり、ネームバリューに引っ張りまわされたように、やつぎ早に各種計画に名前を出されている。

丹下さんにとっては、どの時代が、本当に幸せだったのだろう?

『東京計画1960その構造改革の提案』で、丹下さんは、この写真のような 都心という求心的な力を放散させるような計画を提案した。

丹下さんとほぼ同じ時代を生きた建築家は、メタボリズム(新陳代謝)という発想にとらわれた。

丹下さん自身は、コルビジュ的な機能主義の考えから、メタボリズム的考えに、移行しつつある変曲点(こんなうまい言葉を使った方がおられたので、使わせていただくのだが。)にあつた世代のようにも、素人ながら、見受けられる。

その建築家の一人である黒川紀章さんは「メタボリズムには「増殖・交換・分裂・破壊」という4つのモメントがある。」といわれている。

何か、今のサスティナブル(持続性)都市のかんがえかたとよく似ている。

ひとつのコアの元に、いろいろな要素が、葉っぱのようにくっついて、それらが、創造と破壊を繰り返していく、という考えなのだろう。

しかし、建築というものが、今でこそ、ミックスド・ユースなどの諸制度が整ってきたにせよ、実際は、いろいろな社会的な権利の集約物であり、まことに換骨奪胎しにくい代物だったことは、その当時の建築家は、あまり感じていなかったのではなかろうか。

現に、黒川さんがメタボリズムの発想の元に1972年に作られた中銀カプセルタワービルは、本来、カプセルそれぞれが換骨堕胎されるべきが、いまだに、雨漏りに悩みながらも、老残の姿をさらしているという。

建築を取り巻く社会制度の不自由さ-区分所有権なり担保設定などという人間くさい代物-が、建築家の夢を壊し、建築家の死に際の無念さを増しているような気がしてくる。

このサイトは、コルビジュが晩年、都市計画に心血を注いだ、インドのチャンディガル(Chandigarh)の現在の姿だが、これが、コルビジュが求めた現の姿だったのかどうかは、知る由もない。

私も、「チャンディガルだけは、いってみたい。」と思いつつも、いまだに行っていないのだが、こうなれば、行かないほうがよいのかもしれない。

本来建築物などというものは、ガウディほどの執念さを持たないことが許されるのであれば、人間の生命と同じ程度の持続力があればいいのではないかとも思われてしまう。

隈研吾さんの主張される「負ける建築」というものは、生命力の点からも、負ける建築という意味なのだろうか?

ギリシャの都市計画者であるドクシャデス(Doxiades, Constantinos)は、「ユートピアとディストピアの間に」(Between Dystopia and Utopia (1966))という題名の書を書かれたが、建築家の一生のロマンも、まさに、この「ユートピアとディストピアの間に」あるのかもしれない。

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