Sasayama’s Weblog


2007/08/29 Wednesday

やる気なき農林水産大臣であれば、即刻去れ!!

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 16:58:56

2007/08/29(Wed)
 
null第二次安倍内閣での深夜の記者会見で、遠藤武彦農林水産大臣の記者会見を聞いて、耳を疑った。

念のため、農林水産省のホームページでの当日の記者会見から、その部分を、以下に再現しよう。

「Q: 農水大臣ここまで2代続けて非常に異例な形で交代されたと思うんですけれども、そのポストに就かれたことについて、特別の感想、考えがもしお有りならお話していただきたい。

A: 前任者の様々な問題については私も関知しませんし、コメントをするようなつもりもありません。
一番最後まで残ったポストを私に割り振られたわけですから、「参ったな」と実は思いました。「ここだけは来ない方が良かったな」と思っているくらいでありまして。」

これにとどまらず、8月28日の所属する派閥の会合の席においても、「農水だけは嫌だった。本当に嫌だった。ここだけは行きたくないと思っていたといったという。

まあ、テレのつもりか、冗談なのかはさておき、この言葉は、本来大臣が口にすべきではない言葉ではある。

つまり、今回の参議院選挙・政権与党大敗の原因の一部が農業問題であって、いわば、ボクシングで、ダウンを食らった後の農林水産大臣のなすべきことは、何よりも、ファイティングポーズをとることが先決であるのに、この言葉を発すること自体、すでに、やる気をなくしていると見なされるからである。

ましてや、ドーハラウンドの再開は、もう、目前に迫っているし、また、民主党の戸別所得補償に代わりうる対案も、農林水産省としては、即刻、示さなければならない時期なのに、大臣がこのような言葉を発すること自体、すでに、職務放棄をしたと見なされても、仕方のないことなのではなかろうか。

考えてみれば、もし、やる気のある農林水産大臣であれば、今のこの時期ほど、これほど、胸のわくわくするチャンスは、ないのではなかろうか。

つまり、農政の価値転換なりパラダイムシフトの好機がこれほど凝縮して現れる時期は、あまりないのではなかろうか。
という意味においてである。

農政のパラダイムシフトとは、農業生産対策から農業・農村地域対策への農政のシフトであり、また、新規就農者なり新たな担い手の概念を、農地法の見直しによって、農村地域に創出しうる、大きなチャンスでもあるからである。

これは、一人農林水産省のみでなし得ることではなく、経済産業省や総務省と連携しての、特区の概念をより広くするなどして、適用しうるチャンスでもあるからだ。

結果として、農林水産省の省益は、良い意味で、拡大しうるだろう。

つまりは、WTOという外圧と、民主党という内圧を、巧みに利用して、新しいパラダイム作りのチャンスにするという、したたかな戦略展開の開始の時期でもあるからだ。

農業を実際やられている方が大臣になるというのは、いいようでも悪いようでもあるわけで、農業を知りすぎている方が、このように農林水産大臣になられると、この点のパラダイムシフトの軌跡が、よく見えてこないのかもしれない。

その意味で、上記の遠藤農林水産大臣の大臣就任記者会見での冒頭の言葉は、自らの慣れにもとずく発言に過ぎず、今こそ新しい価値パラダイムの転換を求める農業者なり、今後の新規就農の担い手候補者に対し、幻滅と冒涜を与え、自らの力の限界を、図らずも、全国の農業者に対して、示してしまう言葉になってしまったのではなかろうか。

「やる気なき農林水産大臣であれば、即刻去れ!!」
あえて、私は、そういいたい。


为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見


Google











2007/08/21 Tuesday

馬インフルエンザについて

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:42:59

2007/08/20(Mon)
 
null馬インフルエンザは、Equine influenza(Equineは、馬という意味)ともいわれ、1956年に発見された。

ウイルスのタイプとしては、
H7N7(ウマ1型)

H3N8(ウマ2型)
とがあって、
近時は、ウマ2型が主流のようである。

今回の日本の発生も、H3N8(ウマ2型)のようである。

前者は、馬の心筋に影響を及ぼすのに対して、
後者は、前者よりも、より症状が激しいものである。

症状としては、熱、空咳、鼻水、元気なく、食欲不振、
これが2−3日続くが、多くは、2−3週間で、直る。

潜伏期間は、1−5日のようである。

感染は、鼻水、ブラシ、敷物などから感染する例が多いという。

ホースショーの盛んなイギリスでは、ワクチン接種が義務づけられており、この場合、最初、3−6週間の間隔で、二回接種、ブースターワクチンとして、6−12ヶ月の間隔で行う、というもの。

ワクチンによって、100%効果がえられるわけではないようだが、症状は、ワクチンを全く打たない馬よりも、軽微で終わるという。

今回の日本の場合も、ワクチンを打っているにもかかわらず、発生したようだ。

競走馬の感染例として代表的なのが、1992年の香港でのロイヤル・香港・ジョッキー倶楽部での例で、この場合は、すべての競走馬にワクチン接種をしたが、955頭の競走馬のうちの37%が感染してしまった例があるという。

この場合、感染しやすかったのは、輸入競走馬であったという。

この時には、7レースの32日後への延期があったという。
参考
Horse flu

Equine Influenza


为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見



Google











2007/08/06 Monday

「部分最適、全体最悪」の農政では、困ります。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 13:08:40

2007/08/06(Mon)
 
nullこのAFPの記事「Rural Japan deserts conservative party, farm reform left in doubt」は、日本語記事「農村部での自民大敗、農業政策の行方は?」にもなっていて、下記の括弧書きのようなことが書いてある。

この中で、大阪大学社会経済研究所の小野善康教授がいみじくもコメントしているように、「現在の国会の状態では、最悪のシナリオにたどり着く可能性がある」というのが、識者の見るところなのだろう。

ここに、中村健一さんのコラムから、もっとも、現在の日本の農政のカオスの状態を表した言葉を引用しよう。

つまり、「部分最適(局所最適)、全体最悪」の農政(「ポピュリズム農政」とでもいった方がいいのだろうか?)が、戸別所得補償の実現によって、生まれてしまう、という認識である。

以下
中村健一さんのコラムより引用

「残念なことには政治が全体を見据えないで優先度の分からない各論だけが先行している感じである。

日本は従来、環境に恵まれていて国や、企業、個人が自分の領域でベストを尽くせば、全体最適につながる結果が出せる状況にあった。

今やそうはいかなくなってきている。個別最悪が個別最適を上回っている現状下では全体最適はありえない。

こういった個別最適と全体最適が違うときにこそ強いリーダシップが必要となる。

グローバル化での変化の激しい時代には変化すべき領域・変化してはいけない領域を決めながら、いまこそ国家としてどういう国にしたいのか、どちらの方向に進むのか強いリーダシップのもとでの国家戦略、全体最適像が先ず示されるべきだと考える。

次に各論の一つ一つに全力をつくしながら全体の見通しをもって進むことが重要である。

この全体最適像の中には国内問題だけでなくグローバル化時代での世界の中の日本という視点からの国家戦略が決められるべきである。  」

参考
農村部での自民大敗、農業政策の行方は?」より

「7月29日に行われた参院選で民主党の勝利を受け、専門家の間では、行き詰まりを見せている世界貿易機関(World Trade Organization、WTO)での合意がより難しくなるのではとの見方が浮上している。

政府は小規模農家ではなく大企業ばかりを見ているのではないかとの懸念から今回の参院選で農村部の票が野党に流れたことで、政府が進めてきた農産物市場の自由化の行方もやや不透明になった。

選挙運動中、民主党の小沢一郎(Ichiro Ozawa)代表は農村部を遊説、農家が農業に安心して取り組める「戸別所得補償制度」の創設をアピールした。

日本は関税と数量割当を導入し、事実上、コメ市場を閉ざしている。

民主党は欧州連合(EU)で実施されている制度に似た、市場開放を行いつつ農家に補助金を給付する制度の導入を訴えている。

大阪大学社会経済研究所の小野善康(Yoshiyasu Ono)教授は「現在の国会の状態では、最悪のシナリオにたどり着く可能性がある」と指摘する。

国会が分裂した現状では、「政府は野党の政策を中途半端に盛り込み、補助金をばら撒く一方で、割当てと関税を何とか維持しようとする可能性がある。その結果、財政不足と貿易保護政策に行きつく」と語る。

安倍政権のもと政府はオーストラリアと自由貿易協定に関する交渉を開始し、米国とも交渉を始めることを検討しているが、これが合意に至れば日本の農家にとって大打撃となる恐れがある。

慶応大学の添谷芳秀(Yoshihide Soeya)教授は「農村部での大敗により、安倍首相を引きつぐ自民党の首相は、現在の農業改革政策を見直さざるを得なくなるかもしれない」と指摘した。」


为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見



Google











2007/08/05 Sunday

アメリカ下院を通過した2007年農業法のポイント

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 13:54:40

2007/08/05(Sun)

 
nullアメリカの下院本会議で、7月27日に、2007年農業法が成立したが、ここにきて、ブッシュ大統領が、この成立した新しい農業法に対して、拒否権を発動する構えを見せている。

この辺の経緯については、ちょっとややこしいものがあるので、下記に、そのポイントのみ記載する。

現在の2002年農業法は、2007年9月30日に、失効する。

今回、下院で、231対191の賛成多数で可決された法案名は”Farm, Nutrition, and Bioenergy Act of 2007″(H.R. 2419)(the Farm Bill Extension Act of 2007)というものである。

これまでの2002年農業法の名前は”The Farm Security and Rural Investment Act of 2002(FSRIA)”(「2002 年農業保障・農村振興法)というものであった。

新しい2007年農業法は、直訳すれば、「農場・栄養摂取・バイオエネルギー法」ということになり、名前からみても、今回は、農業のほか、食とバイオエネルギーに力点を置いたものとなっている。

すなわち、これまでの農場の体力強化のための施策を残しながら、それに加えて、果樹野菜生産に対するインセンティブ、生態系保存、栄養摂取、再生可能エネルギーに対するインセンティブなどを含んだものとなっている。

新しい2007年農業法のポイントは、次の通りである

01.野菜・果樹生産に対して、優先順位をもって、16億ドル以上の投資をする。
また、新しい部門として、園芸や有機農業があり、さらに、栄養摂取の研究や、外注管理、貿易振興プログラムなどが含まれる。

02.現行のCOOL制度を補完する野菜、果樹、肉などについての原産国表示の強制的実施

03.学生の課外活動において健康で栄養のあるスナックを提供するためのスナックプログラムの拡張や、学校に新鮮な野菜や果実を提供するためのDODプログラムの実施が含まれる。

04.フード・スタンプ計画の充実と、これへの融資機能の付与

05.農村コミュニティに対する、経済開発やネットアクセス環境の整備を含んだ農村共同体投資の拡大

06.旧来ベースの価格保護と、新しい市場志向型の収入補填支払いの選択ができるシステムの用意

07.年間の修正純所得が百万ドルを超える農場主への支払い制限強化と、多数の事業体を作ることによりマルチのプログラム支払いを受けるという抜け穴を防ぐための措置

08.生態系保護プログラムや環境の質を高めるためのプログラムへの投資の拡大

09.再生エネルギー確保のための投資

10.地域間の不公平をなくすための商品間の利率と目標価格のリバランス

11.競争力のある補助金プログラムとするために、重複投資を排除し投資効率をはかるため、USDAに、国家農業研究計画機構を作る。

12.森林資源の保護と維持

上記施策の所用予算額は、下記の通りである。

1.1900億ドル−フードスタンプ、学校給食、その他、食密・栄養摂取のための各種プログラム

2.420億ドル−農産物/農家のための価格支持やその他の国家支持農産物への助成

価格支持については、旧農業法に基づく支払いを続ける。また、現行のノンリコース(無保証)のマーケティングローンプログラムの継続、支払い制限なしのローンプログラムの継続
2012年までの5年間は、作物補助金420億ドルとし、2012年に新々農業法の改革に引き継ぐとしている。
ちなみに、最近5年間でのこれら作物価格支持金額は、700億ドルに及んでいる。
参照「Wasted money

3.290億ドル−研究開発費助成、市場開発交付金、害虫駆除プログラム、エネルギー供給・農村開発プログラム

4.250億ドル−生態系保全、その他の環境ファンド

5.160億ドル−果樹・野菜部門振興、原産国表示・COOL制度関係、

6.二億二千五百万ドル−マーケット・アクセス・プログラムの年間増加金額

7.二億一千五百万ドル−作物研究費

8.二千五百万ドル−食物安全研究費

以上、新農業法にかかる予算額総計2860億ドル

参考「Round 2: Farm bill debate now moves to Senate

なお、ブッシュ大統領が、この新2007年農業法に対して、拒否権を発動しようとしている理由は、次の点にあるとされる。

1.アメリカの農業者に対して、ファンドを提供する、海外に拠点を置く非農業ビジネスへの課税(外資系企業の海外送金に対する課税強化)を含んでいること。

2.これから10年間にわたって、当初の歳出予定よりも大きい三百六十億ドルの支出を余儀なくされること。

(ジョハンズ農務長官は、記者会見の中で、2005年には、30億ドルの支出があったとしている。
このままでは、70億ドルの増税が必要であるとしている。)

3.年間の修正純所得が百万ドルを超える農場主への支払い制限強化の百万ドル水準が、あまりに高すぎ、WTO違反との、格好の集中攻撃の的(painting a bull’s eye:上記のマークをご参照)となりうること。

(ジョハンズ農務長官は、記者会見の中で、この百万ドルを超える農場主の対象者数は、七千人に過ぎないといっている。
そして、少なくとも、二十万ドルを超える農場主を対象にしなければならないとしている。
これによって、15億ドルの節減ができるとしている。
一方、Pelosi議長は、二十五万ドルを超える農場主を対象とする案を提示した。
たとえ、二十万ドルを超える農場主を対象としても、その数は、支払いを受ける対象者九十万人のうち、たった三万八千人に過ぎないとしている。)

4.2002年農業法に含まれていた貿易歪曲的補助金スキームの温存によって、WTOルールに従わない場合には、アメリカ農民は、農産物輸出において、780億ドルの損失を被ること。

なお、ブラジルは、2007年農業法の下院通過に先立って、先月7月11日に、アメリカの農産物価格支持補助金について、WTO違反であるとの立場から、WTOに対して、WTO提訴のためのコンサルテーションの手続きを、第一段階として、開始している。

また、 7月17日に、WTOドーハ・ラウンド農業交渉のファルコナー議長は、アメリカの貿易歪曲的とみなされる国内農業補助金を、米国主張のレベル以下の、130億ドル、または164億ドル以下に削減すべきと提案している。

(注−ファルコナー議長提案では、アメリカの貿易歪曲的補助金(overall trade-distorting farm support (OTDS)) を、130億ドルから164億ドル以下にすることを提案している。

この水準は、アメリカが、テーブルで公式なシーリング数字にあげている225億ドルよりも低い水準であり、さらには、アメリカが非公式にあげている数字である170億ドルよりも低い数字である。

ブラジル、インドは、100ドルから110ドル以下にとの要求をしているが、これは、アメリカが非公式にあげている170億ドルよりもさらに低い水準である。

どうも、G-20 は、最近の農産物価格の上昇によって、最近アメリカが実際に払っているのは少ない 110億ドル程度の金額であると見ているようで、ファルコナー議長提案の下限は、110億ドルに下がりうるものとG-20 は見ているようだ。

参考「DOHA: DRAFT AG TEXT MEETS LUKEWARM RESPONSE, NAMA LIKELY TO BE CHILLIER
WTO needs a little push to get past stalling」)

今回の貿易歪曲的補助金(overall trade-distorting farm support (OTDS)) の継続スキームをも含んだ2007年農業法の下院通過は、ドーハラウンドの今後の帰結について、さらに、不透明な見通しを与えることになった。

アメリカ共和党上院議員のCharles Grassley氏は、新農業法から、貿易歪曲的補助金を取り除くことを望んでいるが、その除去する時期は、ドーハラウンドが妥結した時でよく、ブッシュ大統領が拒否権によって、WTOに対しての一方的な武装解除(disarmament )をはかる必要はないとしている。
Grassley views farm bill veto threat two ways」参照

ドーハラウンドは、9月から再開されるが、ここで、早期にファルコナー議長提案が、各国に認知されれば、アメリカの2007年農業法が成案となる前に、一定の貿易歪曲的補助金(overall trade-distorting farm support (OTDS))への歯止めをかけることになるが、その逆になると、ドーハラウンドそのものの瓦解につながり兼ねないものとなるのだろう。

このへんの微妙な事情については
PROSPECTS FOR DOHA ACCORD DIM, AS WTO HEADS INTO SUMMER RECESS」をご参照

参考
TRANSCRIPT OF REMARKS BY AGRICULTURE SECRETARY MIKE JOHANNS REGARDING THE FARM BILL AND NEEDED REFORMS THE NATIONAL PRESS CLUB
同上のジョハンズ農務長官のビデオ
Bush threatens to veto new version of Farm Bill
Ag Committee: “House Passes Historic Farm Bill
H.R. 2419: Farm, Nutrition, and Bioenergy Act of 2007


为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見



Google











2007/08/03 Friday

ユニペクチン社の「Vidocrem」リコール問題は、日本へも波及

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 14:46:08

2007/08/03(Fri)
 
nullスイスの新聞であるTages-Anzeigerが伝えるところ(元記事はこちらご参照)によると、スイスのユニペクチン(Unipektin)という名の会社から世界に輸出されている増粘安定剤として食品添加に使われる、商品名「Vidocrem」に、EU基準値(6ピコグラム/グラム)を遙かに上回る12−156ピコグラムのダイオキシンとペンタクロロフェノールが、ドイツの研究機関によって7月13日に検出されたという。

スイスのトゥルガウ(Thurgau)州当局は、「Vidocrem」という商品名の添加剤のリコールを開始した。

このVidocremという添加剤は、主に、ヨーグルトやビネグレットやマヨネーズやケチャップなどの増粘剤に使われているという。
(用途−アイスクリーム、シャーベット、カスタードクリーム、プリン、冷凍デザート、デリカテッセン、ソーセージ、マヨネーズ、チーズスプレッド、ダイエット食品、製パン、クッキー、コーヒーホワイナー、育児用食品、ホイップクリーム、マヨネーズ、ソース、サラダドレッシングなど)

EU当局も、7月25日付で、加盟各国に対して警告を発した。

このユニペクチン(Unipektin)からの「Vidocrem」の輸出先は、スイス、ドイツ、フランス、オーストリア、イギリス、フィンランド、スペイン、ハンガリー、チェコ、ポーランド、オーストラリア、トルコ、
そして、日本
とのことである。

このVidocremは、もともとは、インドやパキスタンに生えるguar flour を原料として、これからインドのGlycols Limited社がグアーガム(guar gum)というガム状のものを作り、これを元に、ユニペクチン社がVidocremをつくり、輸出したものである。

なお、日本の「Vidocrem」の総輸入元は、双日食料株式会社のようだ。

(追記−後日-2007/08/06-の双日食料株式会社さんからのご説明によりますと、
日本に輸入されているロット番号は、今回問題のものとは異なるということ、
製品名について、問題の製品名がVidocremBなのに対して、日本へ輸入のものは、VidocremA(1%水溶液粘度40〜80mPa・s 粒径:150μm(98%以上)用途−アイスクリーム、冷凍デザート、ホイップクリーム、マヨネーズ、ソース、サラダドレッシング)であり、この両者の違いは、粘度の差によるものである
とされています。)

それらの元で、ユニテックフーズ株式会社などが卸しているようだ。。

ちなみに、ユニテックフーズ株式会社では、「ビドフィックス」という商品名で販売されている。

また、お菓子の材料などとして、通販サイトでも、このサイトのように、1キロ四千円程度で、売られているようだ。

備考
ユニペクチン(Unipektin)社が出しているリコール問題についての2007年8月3日現在での一問一答

参考「FREQUENT ASKED QUESTIONS IN CONNECTION WITH THE DIOXIN CONTAMINATION IN GUAR GUM

1.汚染されたGUAR GUMの総量はどのくらいの量ですか。これからどのくらい回収・除去されなければならないのですか。すでに処理されたのは、どのくらいの量なのですか。

答え−私どもは、まだ、正確な総量を定量化できないでいます。
私どもの調査は、進行中です。
まだ、すべての顧客からのフィードバックは、受けていません。

2.どの製品に、このGUAR GUMは、処理されていたのですが。

答え−食品メーカーは、このGUAR GUMを他の材料の中に加えていたもので、それは、デイリーミート、デザート、調製食品などに及んでいます。
もちろん、私どもでは、その最終製品の荷姿が何であるのかについては、知りません。

3.すでに加工処理された製品についても、リコール可能なのですか。

答え−州の研究機関での評価に従えば、このGUAR GUMを増粘材にしたことによって、消費者に、著しい健康リスクを及ぼすことはないとしています。
すべての顧客に対しては、すでに通知していますので、これ以上、汚染されたGUAR GUMを使うことはないでしょう。

4.今回、汚染されたGUAR GUMを届けたサプライヤーと、これまで、どのくらい長く、協力関係にあったのですか。

答え−この(インドの)サプライヤーと、当社とは、これまで、2年の取引があります。
このサプライヤーは、我が社のメインのサプライヤーではありません。
他のサプライヤーからのGUAR GUMについても分析をした結果、同様の汚染は発見されませんでした。

5.今回の汚染は、どうして、もっと早期に検出できなかったのですか。

答え−私どものリスク管理標準であるISO 9001 とIFSに基づけば、この種の物質についての検査は、求められていなかったということです。
植物性低脂肪製品のカテゴリーに、GUAR GUMは、入っていなかった、ということです。

6.今回のダイオキシン問題のユニペクチン社に与える影響は、どのようなものと考えられますか。

答え−私どもは、今回の事件については、大変申し訳なく思っています。
環境保護と製品の安全性は、私どもにとって、大変重要な問題です。
私どもの会社で処理した製品がダイオキシンによって汚染されていたと告げられたということが、私どもにとって、どのような意味を持つのか、皆様方、十分、想像がつくと思われます。
今回の原因をいち早く、探り出し、問題解決をし、それを今後に生かすための行動をおこすことが、私どもに課せられた義務であると思っています。

7.今後、同様な事件が起こることを回避するために、原材料のチェックをより強化する必要があると思われますが、どうですか。

答え−もちろん、安全な原材料を確保し、処理することが、常に求められます。
これを機会にして、何が汚染を引き起こしたかについての、別の角度からの調査を実行中です。
この後、必要な中期的対策と、実行が、取り決められます。
緊急対策としては、到着する原材料についてのチェックを強化します。

8.今回の事件によるユニペクチン社の損害額は、どのくらいに上るでしょうか。
また、今回の事件に対する顧客の反応はどんなものでしょうか。

私どもは、まだ、この時点では、損害額を把握できていませんが、おおよその予想損害額は、頭にあります。
私どもも、私どもの顧客も、汚染された原材料については、非常に心配をしております。
幸いにも、私どもは、顧客の多くの皆様のご理解と、今後の協力関係の継続を、当てにできるという状況にあります。

参考
Dioxin found in Swiss food thickener


为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見


Google











農地法の下限面積の大幅緩和は、是非とも必要

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:34:30

2007/08/03(Fri)
 
農地をある人に譲渡なり売買しようと思っても、その「ある人」の経営面積が50アール以下であると、これまでは、農業委員会は、その譲渡なり売買を認めることができなかった。

これを、「農地法第3条2項5号の下限面積」制限(俗に、5反歩制限)という。

しかし、50アールというのは、かなりの面積で、これをたとえば、10アールに緩和してもらえないか、という要望は、多かった。

特に、新規就農者など新たな担い手による遊休農地の解消のためには、この5反歩制限は、大きなネックになっていた。

そこで、構造改革特区において、平成15年から、全国52特区において、試行的に、下限面積を10アール以上の地域の実情に応じた面積に緩和してみたところ、弊害がなかったところから、農地法施行規則の改正(第三条の四 および、附則(平成一七年八月一九日農林水産省令第九三号)第二条 )を行い、平成17年9月1日以降は、都道府県知事が農地法第3条第2項第5号に規定する「別段の面積」(10アール以上〜50アール未満で下限面積の設定)を公示することで、下限面積を10アール以上の地域の実情に応じた面積に緩和できるようになった。

たとえば、山梨県の場合は、このサイトのようになっている。

しかし、これらの別段の面積適用の市町村は、各県内ごくわずかに過ぎず、ましてや、最下限の10アール以上適用市町村などというものは、ほんの一握りに過ぎない。

まず、農政改革でやるべきことは、この辺の大幅な規制緩和なのではなかろうか。


为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見

2007/08/01 Wednesday

戸別所得補償制度の帰結を見るようなお話

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:11:50

2007/08/01(Wed)
 
nullこの農業情報研究所さんのサイト「アイルランド 農業所得の98%が補助金 輸入増大で牛・羊農家は大赤字」にかかれているアイルランドの農家の家計の実態は、2006年ナショナル・ファーム・サーベイによれば、アイルランド農民の農産物販売年平均収入はたったの334ユーロ(1ユーロ=150円で換算して5万円余り)、1日あたり1ユーロにもならず、収入の98%までがEUからの直接支払だったという。

農村環境保護計画(REPS)による直接支払の帰結は、REPSに参加している農家の農業所得が、REPS不参加農家平均よりも13%高い17.713ユーロの平均農業所得を得ていたという結果となっているようだ。

つまりは、直接支払いによる農家の措置化は、決して、農業所得の増加には結びつかず、農家・農民を、産業ではなく、単なる農村空間管理のための偽装公務員化に向かわせるに資するに過ぎなかったという帰結を示している。

もし、日本の戸別所得補償制度の帰結が、このようなものに終わるのであるのなら、日本の真の農業改革者たちは、決して、このような屈辱への道は選ばないはずだ。

追記-「農業者戸別所得補償法案(仮称)」という名称になったようだ。


为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見