Sasayama’s Weblog


2003/07/21 Monday

「カナダのBSE危機は長引く」との農業エコノミストの見解

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2003年07月21日

http://www.canoe.ca/CNEWS/Canada/2003/07/20/141192-cp.html の仮訳

農業エコノミストの見解によれば、当初は数日か、長くて数週間で終わると思われたカナダのBSE危機は、このままで行くと、さらに長引くことになり、カナダの多くの畜産農家は、破産に追い込まれるであろうとしている。

カナダの政治家の間には、アメリカや他の国が早期に禁輸措置を解くであろうとの楽観論を述べる向きもあるが、 Lethbridge大学教授のKurt Klein 氏によれば、問題解決には多くの難題があり、そんなことはありえないとする。

このような悲観論は、農家の間にも広がりつつある。

Manitoba畜産生産組合の専務であるKeith Robertsonによれば、「農家は、当初の2-3週間は、禁輸措置は必ず解かれるものだとの確信を持っていた。しかし、それから9週間もたった今では、万策尽き果てたという状態だ。」と、述べている。

5月下旬に禁輸措置がとられた後、カナダの政治家は、アメリカに対して、禁輸措置を解くよう、激しくロビー活動で働きかけた。

しかし、アメリカは、日本からの「カナダへの禁輸措置を解けば、日本はアメリカからの牛肉輸入の禁輸措置に踏み切る。」との圧力で、アメリカ側の態度は硬直してしまった。
Keith Robertson氏は「アメリカにとって、日本の牛肉市場は、財政的にも大切なものであり、カナダへの禁輸措置解禁で、これらの日本市場が危うくなるようなことは避けたいとの思惑がある。」という。

もう一つの禁輸解禁を妨げる要因として、多くの国は、最初のBSE発生後、7年間を経て、その後も発生しないのでないと、禁輸解禁には踏み切れないという考えを持っていることにある。

そのことは、カナダ自身が使っているガイドラインにも、ある。

カナダ食品検査機構のClaude Lavigne氏によれば、「現在完全にBSEフリーといえるのは、7カ国にすぎない。」という。

カナダは、オーストリア、ギリシャ同様、一つのBSE発生ケースのある国とされている。

カナダは世界の国々、特にアメリカ・日本両国に対して、カナダの牛肉の安全性を確保するために完璧な手段をとることを保障しようとしている。

1990年代に日本に客員教授でいたKlein氏によれば、「日本は、これまで、外国からの食料輸入に付いて、慎重な態度をとりつづけてきた。だから、このBSE 問題のようなものが発生すれば、それをいい口実にして、禁輸措置をつづけがちである。それに加え、カナダ側にとっても、日本にBSEが発生してからの1- 2年間というもの、日本からの牛肉輸入に乗り気でなかった。」という。

日本のBSE発生時、カナダは、日本からの生体牛の禁輸はしたが、20キログラム以下のカットビーフの禁輸措置はとらなかった。

カナダの農家は、カナダの農家が野垂れ死にする前に、これら国際間の紛争を解決するよう希望している。

BSE発生前、カナダは、毎週7万頭の牛をと畜していたが、BSE発生後には、その半分の4万頭にまでおちこんでしまっている。
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2003/07/13 Sunday

なぜ、アメリカUSDAは、BSE簡易検査(Rapid Test)の採用に乗り気でないのか?

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2003年07月13日

http://www.upi.com/view.cfm?StoryID=20030708-044102-7940r
によると、アメリカの牛肉がBSEフリーであるかどうかを立証するには、あまりにもスクリーニングの数が少なすぎると United Press International は報じている。

最近のカナダのBSE報告では、アメリカでのBSEの可能性について言及されたが、この可能性をアメリカ側が否定するためには、BSE簡易検査(Rapid Test)の早急な実施によるしか方法がないとしている。

このBSE簡易検査によれば、2-3時間で結果が出てくるので、何百万頭の牛のスクリーニングが可能となり、結果、アメリカの牛肉の安全性も、確保されうるとしている。

現在のimmunohistochemistry testは、結果が出るまでに8日を要する。

昨年、USDAが実施したスクリーニング数は、三千万頭のと畜数のうち、わずかに、二万頭に過ぎなかった。

これは、BSE発生如何を突き止めるには、ありに少なすぎるスクリーニング数であると、識者は指摘している。

USDAがBSE簡易検査の採用をためらっているのは、一頭でも、BSE陽性または擬似陽性の牛が発見された場合の、あまりの財政的負担の大きさにあるとしている。

ある獣医は、「もし、五百万頭の牛を検査したなら、必ずBSEの牛は出てくるだろう。だから、USDAは、BSE簡易検査の採用をためらっているのだ。」と断言する。

また、この識者は「ダウナー牛についても、健全な牛と同様のスクリーニング検査をすべきである。」と、主張している。

現在、アメリカには、昨年、二十万頭のダウナー牛がいるが、そのうち、スクリーニング検査にかけられたのは、わずか、二万頭に過ぎなかった。

病気の牛についても、スクリーニング検査される数は、ヨーロッパに比し、著しく少ない。

カナダとアメリカとの間には、ここ数年、百五十万頭の生体牛が両国を行き来し、百二十万メートルトンの牛肉が、カナダからアメリカに入ってきている。

カナダでのBSE発生を契機に、もし、このアメリカ・カナダ両国で簡易検査採用を決めたならば、その効果は絶大だろう。
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2003/07/01 Tuesday

格付け会社スタンダード&プアー社が、2年以内の日本のソブリン格下げを警告

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:26:36

   
2003年07月01日

http://www.taipeitimes.com/News/biz/archives/2003/07/01/2003057620
によれば、格付け会社スタンダード&プアー社は、7月1日、「もし、日本のデフレが終息せず、また、金融機関の不良債権が一掃されなければ、この2年以内に、日本のソブリン格付けは、格下げになるだろう。」と述べた。

物価の下落、大量の不良債権、政府債務の増嵩などによって、日本のソブリン格付けは、この2年以内に格下げされるのではないかと、おびやかされ続けている。

同時に、日本の経済立て直しへの取り組みが進展していることは、現在の格付け維持への支えとなりえるし、また、日本経済の新たなる展望にもつながる。

格付け会社は、日本の長期格付けは、G7諸国の中でもっとも低いAA-であり、短期自国通貨建て格付けは、A1+で、アウトルックは、ネガティブのままであると、断言している。

スタンダード&プアー社のアナリストである小川氏は、「短期的に見れば、日本がデフレ克服と金融機関の不良債権一掃、そして、財政赤字の改善と政府債務負担の軽減という緊急課題を処理することは、大変困難なことである。」と述べた。

さらに、「もし、デフレが終息しなければ、金融機関の不良債権問題と、政府債務問題は、さらに悪化し、そのことは、日本のソブリン格付けをさらに格下げさせるであろう。」と、小川氏は、述べた。353