2007/08/06(Mon)
このAFPの記事「Rural Japan deserts conservative party, farm reform left in doubt」は、日本語記事「農村部での自民大敗、農業政策の行方は?」にもなっていて、下記の括弧書きのようなことが書いてある。
この中で、大阪大学社会経済研究所の小野善康教授がいみじくもコメントしているように、「現在の国会の状態では、最悪のシナリオにたどり着く可能性がある」というのが、識者の見るところなのだろう。
ここに、中村健一さんのコラムから、もっとも、現在の日本の農政のカオスの状態を表した言葉を引用しよう。
つまり、「部分最適(局所最適)、全体最悪」の農政(「ポピュリズム農政」とでもいった方がいいのだろうか?)が、戸別所得補償の実現によって、生まれてしまう、という認識である。
以下
中村健一さんのコラムより引用
「残念なことには政治が全体を見据えないで優先度の分からない各論だけが先行している感じである。
日本は従来、環境に恵まれていて国や、企業、個人が自分の領域でベストを尽くせば、全体最適につながる結果が出せる状況にあった。
今やそうはいかなくなってきている。個別最悪が個別最適を上回っている現状下では全体最適はありえない。
こういった個別最適と全体最適が違うときにこそ強いリーダシップが必要となる。
グローバル化での変化の激しい時代には変化すべき領域・変化してはいけない領域を決めながら、いまこそ国家としてどういう国にしたいのか、どちらの方向に進むのか強いリーダシップのもとでの国家戦略、全体最適像が先ず示されるべきだと考える。
次に各論の一つ一つに全力をつくしながら全体の見通しをもって進むことが重要である。
この全体最適像の中には国内問題だけでなくグローバル化時代での世界の中の日本という視点からの国家戦略が決められるべきである。 」
参考
「農村部での自民大敗、農業政策の行方は?」より
「7月29日に行われた参院選で民主党の勝利を受け、専門家の間では、行き詰まりを見せている世界貿易機関(World Trade Organization、WTO)での合意がより難しくなるのではとの見方が浮上している。
政府は小規模農家ではなく大企業ばかりを見ているのではないかとの懸念から今回の参院選で農村部の票が野党に流れたことで、政府が進めてきた農産物市場の自由化の行方もやや不透明になった。
選挙運動中、民主党の小沢一郎(Ichiro Ozawa)代表は農村部を遊説、農家が農業に安心して取り組める「戸別所得補償制度」の創設をアピールした。
日本は関税と数量割当を導入し、事実上、コメ市場を閉ざしている。
民主党は欧州連合(EU)で実施されている制度に似た、市場開放を行いつつ農家に補助金を給付する制度の導入を訴えている。
大阪大学社会経済研究所の小野善康(Yoshiyasu Ono)教授は「現在の国会の状態では、最悪のシナリオにたどり着く可能性がある」と指摘する。
国会が分裂した現状では、「政府は野党の政策を中途半端に盛り込み、補助金をばら撒く一方で、割当てと関税を何とか維持しようとする可能性がある。その結果、財政不足と貿易保護政策に行きつく」と語る。
安倍政権のもと政府はオーストラリアと自由貿易協定に関する交渉を開始し、米国とも交渉を始めることを検討しているが、これが合意に至れば日本の農家にとって大打撃となる恐れがある。
慶応大学の添谷芳秀(Yoshihide Soeya)教授は「農村部での大敗により、安倍首相を引きつぐ自民党の首相は、現在の農業改革政策を見直さざるを得なくなるかもしれない」と指摘した。」
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