Sasayama’s Weblog


2009/08/02 Sunday

民主党さん、扶養控除等撤廃と子ども手当支給とは、住民税なども含めるとトレードオフには、ならないのではないでしょうか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:53:18

2009/08/02(Sun)
 
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民主党さんが今回の総選挙のマニフェストに掲げている「中学卒業までの子供1人当たり月額2万6000円を支給する子ども手当を創設し、財源の一部を配偶者控除や扶養控除の廃止で賄う」としている点ですが、果たして、子ども手当と配偶者控除・扶養控除とは、住民サイドでの住民税・国民健康保険料(税)を含めた公租公課総負担金額とは、トレードオフの関係になりえるのでしょうか?

たしかに、所得税の段階においては、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除と子供手当とは、世帯構成によっては、トレードオフになりえるかもしれませんが、下記の参照にみるように、住民税が、所得税と同じ課税所得額ベースによって、多くは計算されている(国民健康保険料(税)の計算も同様)以上、扶養控除の撤廃は、課税所得金額の増嵩となることによって、住民税なり国民健康保険料(税)の課税対象金額は、調整控除なども含めて、累乗して増えてしまうことになるのではないでしょうかね?

つまり、所得税と住民税と国民健康保険料(税)とをあわせた住民の税総負担額は、扶養控除撤廃の代わりとして交付されうるであろう子ども手当とは、トレードオフとはならないのではないでしょうか?

それに、税源移譲により、ほとんどの方は平成19年度以降の市町村県民税の税率があがり、所得税の税率がさがっているのですから、この影響は大きいのでしょう。

住民税ベースでの扶養控除は残すなんて話も聞こえてきます。

ちなみに、テレビ朝日の報道番組「サンデープロジェクト」で細田博之自民党幹事長が、「所得税と住民税控除の廃止→年間14万2000円の増税(負担増)」「子ども手当(月額1万3000円)→年間15万6000円の支給」とのフリップを示し、司会者が「(子どもが)1人の場合だとむしろ増税になる」と発言したことに対して、民主党が抗議文書 を送り、その中で、「民主党が主張している配偶者控除と扶養控除の廃止は所得税のみであり、住民税は含んでいません。」「月額1万3000円というのは暫定的な金額であり、子ども手当は月額2万6000円です。」と反論していますね。

しかし、この反論の論理ですと、国の歳出における子ども手当てのインセンティブの性質を著しくあいまいにしうるものとなり、では、逆に残されるという地方税における配偶者控除と扶養控除は、何の大義名分に基づいてのものか、ということになってしまいますね。

大げさに言えば、課税の精神(spirit of taxation)の根本原理が問われかねないことにもなるでしょう。

これでは、国税と地方税とで、インセンティブのダブルスタンダードが生じてしまう懸念がでてきますが。

どうなんでしょう?民主党さん?

これらの子ども手当(児童手当+アルファ?)の財源論をマクロ的に考えれば
「収入世代と非収入世代との間でのトレードオフなのか?」
「収入世代間でのトレードオフなのか?」
ということなのでしょう。

児童を一人の非収入の個と考えれば、収入世代と非収入世代との間でのトレードオフとなりえますが、児童は、親という収入世代の庇護の下にある以上、収入世代間でのトレードオフとも絡んでくる、という、ヌエ性を持ったものでありえます。

一時、これらの児童手当の財源として、相続税を財源とする案もありましたが、この場合は、世代⇔世代間のブリッジ課税を児童手当とのトレードオフとする考え方でした。

その意味で、民主党案を見てみると、整合性が必ずしも取れていない、はっきりしていないようにも見えますね。

扶養控除が有効に節税に寄与しうるサラリーマン世帯においては、子持ちの世帯においては、子ども(児童)手当の別途手当てによって、トレードオフは確保しえますが、一方、子持ちとDINKSと呼ばれる子持ちでない世帯間での、収入世代内部でのトレードオフは成り立ちえなくなります。

また、扶養控除が有効に節税に寄与し得ない低収入世帯においては、子ども(児童)手当の別途手当てによって、トレードオフ以上の裨益を確保しえますが、一方で、収入世代と非収入世代との間のトレードオフは確保しにくくなります。

この際、そもそも、子供手当(児童手当)は何のインセンティブを目的にした措置なのか、という原点に立ち返らないと、なかなか、このスキームのゆがみは直らないのではないか、とも思われます。

少子化へのインセンティブとしての児童手当であれば、短期的なインセンティブでなく、一人の子供のライフサイクルを見据えて、ライフサイクルのそれぞれの段階でも機能しうるインセンティブとしなくてはならないものと思われますね。

参考

税源移譲後の住民税の計算方法

年税額=所得割額+均等割額(一定金額4,000円程度)

所得割額の計算方法

所得金額=収入金額−収入から差し引かれる金額

課税所得金額(1000円未満は切り捨て)=所得金額−所得控除額=国税における確定申告書の「26 課税される所得金額」とほぼ同じとなる。

税額=課税所得金額×税率

住民税所得割額=税額から人的控除額の差額を調整して計算
した額

人的控除額の差額=自治体によって多少異なるが、おおむね下記のとおり

障害者控除 普通1万円 特別10万円
寡婦控除 普通1万円 特別4万円
寡夫控除 1万円
勤労学生控除 1万円
配偶者控除 普通5万円 特別10万円
扶養控除 一般5万円  特定18万円 老人10万円 同居老親13万円
同居特別障害者加算 12万円
配偶者特別控除 8万円超40万円未満5万円 40万円超45万円未満3万円
基礎控除 5万円

扶養控除が廃止されると、所得税・住民税の「課税所得金額」がそれまでより高くなる。

次に、国民健康保険料(税)についてみてみると

国民健康保険料(税)=所得割額+資産割額+均等割額+平等割額

所得割額=基準総所得金額(前年中の総所得金額から基礎控除額(一定金額)を差し引いた額)×一定率

資産割額=固定資産税額(当該年度分の固定資産税額のうち、土地・家屋にかかる額)×一定率
 
均等割額=1世帯につき定額

平等割額=被保険者の人数×定額

このうち、最も保険料を左右するのは『所得割』である。

また、軽減・減免措置の対象は、「前年中の国保加入世帯の合計所得金額(国保加入者でない世帯主を含む)が、一定の基準に該当する場合」となります。

この国民健康保険料(税)においても、所得割りの計算基礎となる基準総所得金額において、扶養控除等の撤廃が影響してくるはずです。

なお、介護保険の計算においては、合計所得金額を基にして、階層区分化がされていますが、この合計所得金額は、税法上の各種所得控除前の所得金額(確定申告の項目では、「所得金額合計」)であるため、上記の配偶者控除、扶養者控除などのあるなしは関係ありません。

参考
介護保険の計算方法

課税年金収入額とは、老齢年金や退職年金など課税対象となる年金の合計額で、遺族年金、障害年金、老齢福祉年金などは含みません。

合計所得金額とは、収入金額から必要経費に相当する金額(収入の種類によって計算方法が異なります。例えば公的年金収入の場合は、公的年金控除額)を差し引いた金額(複数の収入がある場合は、それぞれに算出した金額の合計額)のことで、医療費控除や配偶者控除などの所得控除をする前の金額です。
また繰越控除や分離譲渡所得の特別控除を受けている方は、当該控除前の金額となります。

第1段階 ・生活保護受給者
・老齢福祉年金受給者※で、世帯全員が市町村民税非課税の人(基準額×0.5)

第2段階 ・世帯全員が市町村民税非課税で、課税年金収入額と合計所得金額の合計額が年80万円以下の人(基準額×0.5)

第3段階
・世帯全員が市町村民税非課税で、第2段階対象者以外の人(基準額×0.75)

第4段階
(基準額)
・世帯内に市町村民税課税の人がいるが、本人は市町村民税非課税の人(基準額×1)

第5段階
・本人が市町村民税課税で合計所得金額が200万円未満の人(基準額×1.25)

第6段階
・本人が市町村民税課税で合計所得金額が200万円以上400万円未満の人(基準額×1.5)

第7段階
・本人が市町村民税課税で合計所得が400万円以上の人 (基準額×1.75)

以上
 

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