Sasayama’s Weblog


2008/10/31 Friday

公的資本注入は、金融機関の川上・川下へのデフォルト・リスクの移転に過ぎない。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 06:55:47

 
null日本が世界に胸を張って推奨したとの過去の日本の金融機関への公的資本注入スキームだが、その功罪の検証は、もっと、厳密にしておく必要があるようだ。

すなわち、公的資本注入の大儀名分は、金融機関の決済機能の保持にあるというのだが、果たして、そうなのであろうか?

先の小泉-竹中ラインのときも、「金融の決済機能の維持・存続が最優先」ということでの公的資金の資本注入というスキームであったが、では、その結果としての決済機能の円滑化によって、金融機関のユーザーであり消費者である市民がその裨益を受けたか、というと、かなり疑問なのではなかろうか?

金融機関は生き残ったが、現実は、公的資金注入と同時に、その裏では、強烈な貸し剥がしがおこなわれ、同時に、税効果会計(整理損や貸付金の否認分を繰り延べ税金資産にカウントすることで、未収還付事業税を納入し、負債整理の決着が付けば、高率の還付加算金つきで返ってくる。)の適用を狙って、不良債権の損失確定のためのサービサーへの債権の投げ売りがおこなわれ、それによる金融機関の損失確定の結果として、事前に積み立てておいた税金(未収還付事業税)部分が、たっぷり高率な還付金利率つきで帰ってきて、銀行は潤った、という構図がある。

一方、サービサーは、その債権の仕入れ値段(仕入れ値は、購入不良債権額の十分の一程度あるいは、それ以下ともいわれているのだが。)を、債務者には隠して、バーチャルな譲渡債権額をもとに、実質、譲渡債権仕入れ値の10倍以上のあこぎな取立てをしてきた。

一方、注入される公的資金の原資は、真水、あるいは、国債の発行によってまかなわれた。

この構図の元では、結局、究極の被害者は、川上も川下も、まわりまわっては市民、というかたちになった。

このようにみてくると、公的資本の注入とは、金融機関の川上である国債へのデフォルトの移転と、金融機関の川下であるサービサーを通じての市民へのデフォルトの移転、この両者によって、まかなわれた、ともいえる。

このように、過去の日本での公的資金投入スキームは、決して、日本が世界に胸をはれるスキームではなかったのだが、どういうわけか、きょうび、グローバルスタンダードになりつつあるのは、なんとも、奇妙な現象ではある。

この構図は、そのまま、今回の金融危機におけるアメリカの構図にあてはめうる。

たとえば、アメリカのファニーメイなどのGSE(Government Sponsored Enterprises )債の有力顧客であった中国は、ファニーメイ・フレディマックの破綻と公的救済の状況に対処し、それまで保有していたGSE債をそのまま米国債に乗り換え、一方で、アメリカの公的資金注入によって生じる原資調達に寄与するため、米国債を新たに購入する、という、アメリカから迂回したデフォルトの間接的なバッファー機能を、はからずも、はたせられている。

つまり、ここにおいても、GSE債のデフォルトリスクが、ソブリン債へのデフォルトリスクへと移転しているということだ。

関連する私のブログ記事
金融危機で、韓国が米国債売却の可能性について言及

 

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2008/10/29 Wednesday

農林中金vs東洋経済

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 06:49:40

2008/10/29(Wed)
 
このところ、金融機能強化法の対象の是非をめぐって、東洋経済が、やつぎばやに、農林中金についての記事を下記のように出している。(いずれも、民主党参議院議員の署名記事なのだが。)

金融機能強化法が復活、農水官僚が支配する農林中金の巨額損失救済の疑惑

金融機能強化法で改めて問う、農林中央金庫の意義

疑問! 農林中央金庫の経営情報開示めぐる政府の姿勢

じつは、私が農林中金在職中に、昭和48年、第七次農林中央金庫法改正という一大問題があり、そのときに、総合企画本部にいたわたくしは、このことを、一般に理解を求めるためのキャンペーンを、東洋経済さんにお願いし、相当な予算を組んで、一大キャンペーンをはったことがある。

第七次農林中央金庫法改正の主な中身は、それまで法律上に規定されていた50年の存立期間が満了することに伴うもので、世論のなかには、この機をもっての廃止論もあったという、農林中金にとっては、存亡の危機に瀕した時でもあった。

すでに、その当時の関係者(森本修理事長、林武志理事、安井理事、井川光義さん、土肥幸一郎さんなど)のほとんどは、鬼籍にはいられているのだから、その当時のことを知る人間は、私と東洋経済の大西良雄さん(同社常務取締役・第1編集局長をつとめられ、現在は退社されて経済ジャーナリストとしてご活躍のようだが。)くらいしかいないとおもうが。

大西さんと私とは、農林中金存続必要性強調キャンペーンの間中、全国の優れた農業の事例を求めて、全国を歩き回った。

新潟の西蒲原郡の土地改良区(西蒲原土地改良区)を取材したときには、大西さんが、旅先で、高熱を出され、はらはらさせられたこともある。

これらの取材の結果は、毎月一回の東洋経済の特集ページに記載された。

これをきっかけに、その後も、私は、大西さんとは、勉強会を開くなど、親しくさせていただいていた。

そんな関係に、かつてはあった東洋経済と農林中金とが、今回、はからずも、金融機能強化法をめぐってバトルらしき関係におちいっているのは、私としては、なんとも、複雑な心境である。

同時に、民営化後の農林中金の透明性確保の不足、民営化にもかかわらず、ことあらば官・政依存の「いいとこ取り的民営化体質」、市民対象の広報不足のおごり、ヘッジファンド以下の、ヘッジをかけない乱暴・無謀な農林中金の海外資金運用の実態も、そこに、見えてくるのだが。

関係する私のブログ記事
はたして「グッド・タイム」なのか?農林中金の値下がりサブプライム関連投資
JAバンク(農協)は、ライファイゼン原則に回帰すべし
金融危機で、韓国が米国債売却の可能性について言及」

 

2008/10/28 Tuesday

大恐慌写真集-また、こんなことに、ならねばいいが。-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 18:48:55


1929年の世界大恐慌以後数年のアメリカの市民の生活を写した写真集です。

しみじみと、ご鑑賞あれ—-

1936年 ボロギレを身にまとったテネシー州の母子

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1932年 ハンガー・デモ

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船に乗り難民化する市民

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1932年 ニューヨークの炊き出し風景

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1934年 ニュージャージーの職よこせデモ

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1930年 シカゴのアル・カポネ提供のスープ・無料レストランに群がる市民

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1940年 農場で飢えをしのぐネブラスカの子供たち

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1938年 車上生活の子供たち

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1935年 テント生活の移民家族たち

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1933年 車で生活するカリフォルニアの子供たち

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1934年 恐慌下のクリスマスを味わうアイオワの子供たちと親

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1935年 いずこへか旅立つカリフォルニアの人

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1935年 炊き出しに並ぶニューヨークの市民

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職を探す人々

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家具つき売り家の立て看板

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1930年 銀行取付騒ぎを報じるニューヨークタイムズの記事

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1933年 農作業に転じる市民たち

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職探しのゼッケンを身につけた市民たち

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アメリカン・ドリームを誇示する看板の前で行列する市民

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参照
The Automatic Earth

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2008/10/26 Sunday

知事は先生ではないのに-学力テスト論評の秋田県知事-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 16:32:01


寺田典城秋田県知事が10月24日、文部科学省が実施した全国学力テストについて、行財政改革に関する講演会で、県内市町村長らを前に、特定の学校名を挙げて、市町村別成績と地域別ランクの傾向を論評したのはいいのだが、その表現が、ちと、えげつなかったようだ。

この地元紙記事中央紙の地方版によると、次のような表現だったようだ。

「県北、県南は一部を除きAかB。中央にもっと頑張ってもらわないといけない」

具体的に自治体名や学校名を挙げて「ここはいい。ここもものすごくいい」

「すべて言ってもいい。そのうち言いますから」

当該地元の市町村長に向かって「お宅の所はすごくいい」

国の借金について計算するくだりで「東成瀬村の中学生ならすぐにできる」「東成瀬が一番なんです

また、校名挙げて学力テストの論評では、横手市内にある中学校の名前の略称を挙げて、成績が 「○○中はガタッと落ちる。あそこが上がれば、横手市はもっと成績がいいんだ」

「大潟村はすごくいい。羽後町もいい。秋田市はもう少し頑張った方がいい」

などといわれたようなのだ。

まあ、情報の中身を知っているもの特有の得意満面な知事の表情が見て取れるような発言なのだが。

学校名を挙げられた自治体の教育委員会幹部は「事実であれば、理解できない言動。なぜそういうことをするのか。子どもも傷つく」といったという。

秋田県は、学力テスト全国ナンバーワンで、県当局者の鼻息が荒いのは、わかるのだが、その座をキープするためかどうかわからないが、ことさら学力テストの市町村対抗を、教育関係者でもない知事があおっているとも捉らえられがちな行動に出るのは、いかがなもんであろう。

それ以前に、この学力テストで成績が上がること自体が、子供の総合的な成長にとって、どれほどのプラスになるのか、という検証もしなければならないのかもしれない。

学力テストは、いわば、子供の「学力という狭い領域での体温計」である。

体温計の示す温度は「温度が上がらなければならないもの」でもなく、「温度が下がらなければならないもの」でもないはずである。

その温度自体は事実に過ぎないのであり、これを目安にどのような価値判断をし、行動をするのかは、別の問題であるはずなのだ。

そして、その処方の当事者は、行政ではなくて、教育の現場にいるものに限られたものであるはずだ。

いわば、「シビリアン・コントロールの教育版」とでもいう考え方が必要なのだ。

(この場合、防衛の場合とは逆に、シビリアン的判断は、教育者サイドにある、ということになるのだろう。ただ、たとえば「日教組憎し」の橋下大阪府知事や宮崎の中山成彬氏などのようなスタンスだと、シビリアンは、われにあり、ということになるのだろうが。)

それは、教育に行政・政治の色がつくことを避けうる防波堤とでもいうべきディシプリンともいえよう。

行政がやりうることは、ただ、その学力テストの市町村別の成績の乖離の裏に、何か、社会的な要因が潜んでいないか、地域的・構造的な貧困要因などが作用していないか、などの社会的な診断の根拠とし、その診断にもとずいての政策的な展開を図ることのみである。

だいたい、医者の控え室で、「体温がもっと上がらないと、先生に見てもらえない」−−などと患者に対してけしかけている看護婦さんなんているはずはないだろう。

なんか、「相撲の新弟子検査で、身長が足りないという事実を踏まえて、今度は、コブを作って検査に臨み入門した(元大関・旭國)」というような話の学力版のような話が、学力テスト全国ナンバーワンの秋田でまかり通っていること自体が、この全国学力テストの虚妄性と限界性と不毛性をそのまま示しているようにも思えるのだが。

いかがでしょうか。
このことについての今年受賞のノーベル賞の諸先生方(とくに英語嫌いの益川敏英先生)のご論評は—-

文部科学省も、今度は、この学力テストをめぐる妙な学力版国体意識をなし崩しにしうるように、ノーベル賞受賞者のご意見も聞かれて、もっと、裏をかいた問題を出して、心機一転を図る必要があるんではなかろうか。

参考サイト
学力テスト1位「秋田に学べ」は大丈夫?」
全国学力テスト:「子供に聞いてみれば」 秋田市長、結果公表に疑問
秋田市長「全面公表方針」批判

2008/10/25 Saturday

東京金融取引所が公表している上場企業を対象にした各社のCDSスプレッド-「危ない会社」度ランキング-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 16:41:22

2008/10/25(Sat)
 

三菱UFJ証券の藤戸則弘氏(「藤戸レポート チューリップ・バブル vs  クレジットディリバティブ・バブル」)によると、CDS(Credit default swap-クレジット・デフォルト・スワップ-)スプレッドは企業の“平均余命”を判断する傾向値であり、
スプレッドが
(1)2%を超えるとイエローカード(CDSスプレッドが200bpsを超える。株価の下落が始まる。)
(2)4%でレッドカード(CDSスプレッドが400bpsを超える。株価の下落が顕著になる。)
(3)7%で破綻を強く意識(CDSスプレッドが700bpsを超える。株価は一日で20パーセントの急落を見せる。)
(4)10%でファイナルカウントダウン(CDSスプレッドが1000bpsを超える。株価は鋭角的に急落)

になるという。

【上場企業のCDSスプレッド(参考値)】

(スプレッドは、上乗せ固定部分の保証料率ともいうべきもので、当該会社のリスク度が高くなり、CDSが発動する可能性が高くなるにつれて、高くなる。
一般市場において日々変動する変動金利部分(ロンドン銀行間金利である円LIBORなどの基準金利)に、この対象企業特有の固定部分の保証率を上乗せしたものの合計が、その企業に対する保証率になるということである。
bpsとは、Basis Point Spreadの意味で、1% = 100bpsである。
したがって、下記スプレッド数値のbps数値をパーセント数値に換算するには、「bps数値÷100=パーセントスプレッド数値」とする。
120bpsは、1.2%と同じ意味となる。 )

◇企業名/スプレッド(bps)

アイフル/1970

武富士/1704

日本航空/1167

↑ファイナルカウントダウン(1000bpsを超える)

ソフトバンク/868

↑破綻を強く意識(700bpsを超える)

プロミス/539

オリックス/458

全日本空輸/437

住友不動産/437

↑レッドカード(400bpsを超える)

アコム/385

西松建設/383

大成建設/368

◆日興コーディアルグループ/365

荏原製作所/328

NECエレクトロニクス/310

鹿島建設/297

パイオニア/293

東芝   288

丸紅/286

IHI/285

日産自動車/274

三洋電機   268

伊藤忠商事/248

野村證券   233

野村ホールディングス/229

大和証券グループ本社   220

↑イエローカード(200bpsを超える)

↓以下は200bps以下企業

富士重工業   184
サッポロホールディングス   175
大林組   160
清水建設   150
日本板硝子   144
南海電気鉄道   137
古河電気工業   137
みずほコーポレート銀行   137
損害保険ジャパン   136
住友商事   135
神戸製鋼所   131
阪急阪神ホールディングス   130
丸井   128
近畿日本鉄道   128
三井住友銀行   127
スズキ   125
住友金属工業   125
三菱東京UFJ銀行   120
三井住友海上火災保険   117
イオン   117
東武鉄道   113
本田技研工業   112
川崎汽船   105
日本電気   105
王子製紙   103
三井不動産 103
東京海上日動火災保険 97
トヨタ自動車   97
三井物産   97
ヤマハ発動機  96
商船三井   95
三菱化学   94
三菱商事   94
日立キャピタル   90
積水ハウス   88
相模鉄道   88
三菱地所   87
豊田通商   85
日本郵船 80
JFEスチール  79
富士通 77
新日本製鐵   76
JFEホールディングス   76
川崎重工業 74
三菱重工業   73
ブリヂストン   73
日立製作所   72
東レ   72
カシオ計算機   71
ソニー   71
セイコーエプソン   70
アサヒビール   69
帝人   66
日本たばこ産業   66
三井化学   65
ニコン   65
三菱電機   64
シャープ   63
コニカミノルタホールディングス   60
シチズンホールディングス   59
東京急行電鉄   57
伊勢丹   56
KDDI   54
リコー   53
新日本石油   52
住友化学   50
京浜急行電鉄   48
小松製作所   47
クボタ   46
アドバンテスト   45
日本通運   45
凸版印刷   42
ヤマトホールディングス   42
麒麟麦酒   42
住友電気工業   42
キヤノン   41
旭化成   41
味の素   40
東海旅客鉄道   40
イトーヨーカ堂   39
中国電力   37
中部電力   37
日本電信電話   36
関西電力   36
エヌ・ティ・ティ・ドコモ   35
旭硝子   35
パナソニック   35
パナソニック電工  35
東京電力   35
西日本旅客鉄道   35
東日本旅客鉄道   32
大阪瓦斯   30
東京瓦斯   29
小田急電鉄   29
京王電鉄   23

(東京金融取引所調べ=10月24日。単位はbps)

一位アイフルの10月中CDS(bps値)推移一覧

参照「2008年10月ヒストリカルデータ」

10/01 1400 → 10/02 1400(0-前日比増減率、以下同じ-) →10/03 1431(2.2)→ 10/06 1462(2.16) → 10/07 1487(1.70)→ 10/0/1512(1.68)→ 10/09 1525(0.85)→ 10/10 1537(0.78)→ 10/14 1587(3.25)  → 10/15 1605(1.13)→ 10/16 1617(0.79)→ 10/17 1630(0.80)→ 10/20 1614(−0.89)→ 10/21 1614(0)→ 10/22 1678(3.96) → 10/23 1790(6.67) → 10/24 1970(10.05)

(企業同士のCDSスプレッドを横並びに見るよりも、このように、一企業のCDSスプレッドの時系列的な推移を見たほうが、リスク管理には、意味があるようだ。
たとえば、上記のゴチック時点での数値の跳ね上がり要因は、何によるものか、といった具合に。)

参考 

CDS参考値 2008年10月24日」

CDS参考値 過去データ

「CDS参考値について 」

クレジットデフォルトスワップ(CDS)参考値公表制度要領

The Relationship Between CDS Spreads
And Equities Market Volume and Volatility With Respect to Credit Events For Single-Name CDS within CDX.NA.IG Index

CDSスプレッドの公式

藤戸レポート チューリップ・バブル vs  クレジットディリバティブ・バブル

財務アナリストの雑感■  シーズン2

日本企業のCDS値を見ながらCDSについて考えてみる

なお、アメリカの企業のCDSスプレッドのデータを得るには、次の方法があります。

 CMA - QuoteVision -」から得る。
こちらのサイトからエクセルデータをダウンロード

こちらのサイトからダウンロード

その他のデータが得られるリンク
Markit
Markit-2-
CreditEx RealTime
Swapswire
GFI CreditMatch
Tradeweb
MarketAxess
Bloomberg

参考
CDS Spread Market Quotes

Watson’s Ramblings

 

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2008/10/22 Wednesday

補助金返還に、ポイント制のインセンティブ導入を

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:08:42

 
null会計検査院が指摘した国の補助金を巡る不正処理問題の根源に、年度内に交付された補助金を使い切らないと、翌年、当該メニューについて、減額査定される恐れがあるという、事情がある。

つまり、補助金を交付される地方サイドには、補助金を返還しても、それに見合うインセンティブがなく、むしろ、翌年の減額査定というディス・インセンティブがあるがために、「国の補助金は、その年度内に使い切らねばならない」という予算制度上の決まりがあるにもかかわらず、やむを得ず、「預け」の手口などによる不正経理処理がされてきたという事情があるようだ。

ここで、私が提言したいのは、地方サイドに対して、ポイント制(point system )による「補助金返還へのインセンティブ」を、この際用意したら、という提言である。

これは、ヨーロッパなどで行われている壜やペットボトルの回収のためのインセンティブに使われている「デポジット制」の応用のスキームである。

デポジットとは、「預かり」という意味であり、まさに、今回の不正経理の手口である、業者への「預け」の手口を、そのまま、国への「預け」にすりかえる、というスキームである。

ただし、全額預けということではなく、預け分の一定割合を、年度を越えて、預けた自治体が、優先使用できるというスキームである。

ヨドバシカメラなどのポイント・カード制度のように、当年度にあまった補助金を返還した自治体は、その返還した金額に応じて、一定割合でポイントがたまり、そのたまったポイント分については、翌年度に、使途自由で、返還した自治体が使える、という仕組みである。

このように、補助金返還がされるたびに、その返還分の一定部分が、翌年度以降の補助枠の実質的な拡大となりうるというインセンティブを設けることによって、地方自治体は、率先して、「補助金を交付されて、結果、不要となった補助金の返還」に動くようなシステムが用意されれば、より効率的な補助金行政が実現できるのではなかろうか。

そのためには、いくつかの点での「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の手直しが必要であろう。

第17条〜第21条の「補助金等の返還等 」 については、17条(決定の取消)第18条(補助金等の返還)はそのままでよいとして、第11条(補助事業等及び間接補助事業等の遂行)については、前年度に補助金の返還があった場合の特例措置を規定する必要があるように思える。

問題点としては、財務省と各省庁の直轄補助との関係であるが、これについても、補助金返還のインセンティブを用意する必要があるのか、ということだが、各省庁を通じての県への補助とは別扱いというわけにはいかないだろう。

新たな款項目を設けなくてはならなくなるかもしれないが、この辺について、当の財務省が硬直的な考え方をもたれては、困るのだが。

どうだろうか、この提案は?

参考
補助金についての一般的話し

 

『サムライ米国債』はいかが?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 06:05:43

2008/10/22(Wed) 09:27
 
nullブログ『債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら 』の中の記事「怪しいニューヨーク」を見ていたら、面白い構想が書かれていた。

つまり、米国債がアメリカの公的資金支出と裏腹の関係にある以上、ドル建ての米国債を、ソブリン債といえども、他国が青天井で買い続けることはできない。

まあ、アメリカの抱きつき詐欺で、共倒れってリスクのことかな?

ってことで、では、日本向けは円建て米国債を、中国には、元建て米国債を、ってことなら、為替リスクは、購入側の国には、一応は、なくなるわけだから、買い手はあるんじゃないかっていう発想なんですね。

まあ、サムライ米国債というか、ご当地米国債というか、ってことかな?

サムライ米国債が無事に洋行帰りでアメリカご帰還の時の償還為替リスクは、アメリカ本国持ちってことですかね。

果たして、この構想、マジで考えるに値する構想なのか、ちょっと、眉唾物ではありますね。

第一、それ以前に、それぞれの国のソブリン債よりも、有利な条件にあるサムライ米国債との競合に立たせられるその国のソブリン債の販売環境が、サムライ米国債に劣後するという屈辱的状況に、その国の財務担当省が、耐えられるんでしょうかね?

ちなみに、過去にも、この種の現地通貨建て米国債構想があった。

ローザ・ボンド(Roosa Bond)とカーター・ボンド(Carter Bond)である。

このうち、ローザ・ボンド(Roosa Bond)は、ロバート・ローザの発案によるもので、1960年代から1971年にかけて、スイス・フラン建てで発行されたものであり、カーター・ボンド(Carter Bond)は、1978年のドル防衛プログラムの一環として、西ドイツにおいてマルク建てで発行されたものである。

これらの歴史については、『THE FORUM HALL OF FAME』をご参照
 

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2008/10/19 Sunday

金融恐慌下で巨利を得ているNassim Taleb氏のオプション戦略

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:45:15

 
nullこのブルームバーグの記事「Taleb’s `Black Swan’ Investors Post Gains as Markets Take Dive 」については、池田信夫氏も氏のブログで触れられているが、私の専門のオプションの戦略の観点から、この記事の内容を、もう少し、詳しく見てみたい。

このブルームバーグの記事によれば、日本でも「まぐれ(Fooled by Ramdomness)」などの著書で有名なNassim Taleb氏がアドバイザーをしているUniversa Investments LP(カリフォルニアのサンタモニカに本部がある)では、近時の金融市場の激動のさなかに、10億ドルのファンドで50パーセント増の巨利を得たとされる。

その巨利の原動力となった戦略が、the Black Swan Protection Protocol という戦略で、その内容は、オプションによるヘッジ戦略であったとされる。

Nassim Taleb氏の有力なパートナーであったMark Spitznagel氏によれば、その戦略は次のようなものであったという。

基本的には、S&P500を原資産とするOTMのオプションの買い持ち(ロング)と、「仝鎚務堯↓S&P500インデックス先物、ヨーロッパの株式」との組合せによるものだという。
(OTMとはOut-of-The-Moneyの略、コールであれば、原資産の相場よりも、高い行使価格を持つオプション。プットであれば、原資産の相場よりも、低い行使価格を持つオプション。オプションの満期日には、無価値となりうるオプションで、オプションのプレミアムが安く、買いやすい。)

おそらく、この記事から察すれば、オプションと株式・先物とを組み合わせた「シンセティック・ロング・コール」と「シンセティック・ロング・プット」の戦略を採用しているものと推測される。

この「シンセティック・ロング・コール」と「シンセティック・ロング・プット」の戦略をわかりやすく説明すれば次のようになるだろう。

「シンセティック・ロング・コール」戦略(Synthetic Long Call)
株を買い持ち(ロング)する一方で、OTMのプットのオプションを買い持ち(ロング)する。
株式相場が世界的に大幅下降すると、株式のほうでは、レバレッジなしの損失が発生するが、OTMのプットのオプションのほうで、レバレッジの利いた大幅な利益が生じる。
null.
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「シンセティック・ロング・プット」戦略(Synthetic Long Put)
株を売り持ち(ショート)する一方で、OTMのコールを買い持ち(ロング)する。
株式相場が世界的に大幅下落すると、OTMのコールのオプションの方で、損失が発生するが、レバレッジのある損失ではあるが、もともと、OTMのコールなので、最大損失は、当初買ったオプションの安いプレミアムの金額に限定される。
一方、株式の方では、相場の下落に応じた利益が、こちらのほうはレバレッジなしに、発生する。
null.

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この両戦略のミソは、オプションのポジションのほうを、どちらも、損失限定のロング(買い持ち)としたこと、、しかも、オプション・プレミアムが安いOTMのオプションをロングにしたこと、なのだろう。

(もっとも、株式・先物のデルタ値(=1)とOTMオプションのデルタ値(=期近のOTMだと、0.02くらいになっているかも知れない。)とのデルタ・バランスはとっておかなければならない。
具体的なデルタ・バランスは、次のようにする。
一株式は、1デルタ、一オプションは、100株とすると、
OTMオプションのデルタ値が0.2とすると、
OTMロング50単位に相当する株式数は、
50(オプション単位)×0.2(デルタ値)×100(乗数-オプション一単位に相当すする原資産(この場合は株式)の一定の倍率)=1000株
つまり、オプションのデルタ値が0.2の場合は、オプション50単位のロングで、1000株のショートまたはロング(オプションがコールの場合は、ショートの株式をヘッジ、オプションがプットの場合は、ロングの株式をヘッジ)の株式をヘッジできるということになる。
オプションのデルタ値が0.02の場合は、OTMロング50単位で100株の株式をヘッジできるということになる。
逆に、たとえば、デルタ値0.3のオプション何単位で、株式千株をヘッジできるかを試算するには、
1000株÷(0.3デルタ値×100乗数)=1000÷30=33オプション単位
ということになる。)

このことで、相場の下落でコールに損失が発生しても、レバレッジが利いたとしても、OTMオプションなので、少ない最大損失ですみ、一方、プットのほうは、相場の下落で、レバレッジの利いた巨利を得ることができた、ということなのだろう。

そのことは、『Fooled by Randomness by Nassim Taleb 』の著述にも、現れている。

すなわち、90パーセントの損失の機会の恐れ、10パーセントの利益の機会の期待があっても、後者の10パーセントの利益の機会に、損失の100倍の利益の確保が可能なら、トータルでは、損失の10倍の利益を生みうる、という考え方である。

通常、この「シンセティック・ロング・コール」と「シンセティック・ロング・プット」の戦略は、たとえば「S&P500を原資産とするインデックス・オプションやETFオプションと、S&P500の先物やETFとの組合せ」や、「個別株オプションと個別株との組合せ」や「S&P500を原資産とするインデックス・オプションと、ベータ・ウェイティング(インデックスが動いた率に対して、個別株が、何パーセント連動して動くか、その変数を掛けたもの)した上での個別株との組合せ」などによるのだか、ここで、原資産上では両者まったく関係がない「ヨーロッパ株式とS&P500オプションの組合せ」というのが、まさに、裁定取引(アービトラージ(Arbitrage)といい、異なった動きをする金融商品を組み合わせて、その利ざやを稼ぐ取引)の妙なのだろう。

このブルームバーグの記事によれば、the Black Swan Protection Protocol 戦略では、損失を数パーセント以下にとどめうるように設計されているという。

また、Nassim Taleb氏は、今回の金融危機で問題になっている”Credit Default Swap”には、決して触らないようにしていたという。

なお、私が今年2008年4月に刊行した『シカゴ・オプション売買戦略マニュアル』が、今回の金融恐慌後、妙に売れ行きがいいのは、ここにきて、金融恐慌に強みを発揮したオプションのメリットが、見直されてきたのであろうか?

ちなみに、ここで、オプションの歴史を振り返ってみれば、オプションが見直されたのは、1934年の大恐慌以降のことであったということだ。

その意味で、今回のオプションの見直し機運は、ちょっと、不気味な現象ではある。

なお、Nassim Nicholas Taleb氏のオプション戦略の一端は『Nassim Nicholas Taleb:Profiting from market uncertainty』や『The Black Swan: Quotes & Warnings that the Imbeciles Chose to Ignore』や『We Don’t Quite Know What We are Talking About When We Talk About Volatility 』に垣間見ることができる。

 

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2008/10/13 Monday

金融危機で、韓国が米国債売却の可能性について言及

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:24:12

2008/10/13(Mon)
 
nullここに来て、私が4年前に書いたブログ記事「米国債保有は、日本の財政再建の最後の足かせとなるのか?」に、再び、多くのアクセスをいただいているのだが、それを裏付けるかのように、各国で、その国保有の米国債の売却について言及する動きが激しくなってきたようだ。

ちなみに、韓国企画財政部の姜万洙(カン・マンス)長官は10月11日に、金融危機が長期化し実体経済まで悪化すれば、韓国のような新興国は外貨準備高で解決するしかなく、米国債などを売れば先進国も苦しくなると説明した。(このような強気の発言だが、韓国は、米国とFTAを組んでいる以上、このようなことはできない、と、踏んでいる消息筋もあるようだ。せいぜい、韓国でできることは、米国債を担保に米連邦準備理事会(FRB)からドルを受ける「米国債−ドルスワップ」程度であり、これを飛び石として今後の展開につなげるという見方だ。)

一方、米国の公的資金導入に伴う財政逼迫状況に、米国債購入で協力しようとする動きも、中国などある。

米国の7000億ドルの公的資金投入の原資となる米国債について、中国が2000億ドル分の買い増しに応じるとの観測(香港紙・明報によれば、第1段階として700億−800億ドル分を購入する予定としているが、真偽の程は明らかではない。)もあるようだが、内実は、下記のもののようで、決して、潔いものではないようだ。

ちなみに、この記事「End of US era - now China calls the tune」では、アメリカが公的救済(公的保証ではなく、公的保護であるとしているのだが、市場価値以上の救済とはならないという意味であろう。)にのりだしたフレディマックとファニイメイのGSE(Government Sponsored Enterprises )2社の発行した債券総額は、5兆ドルであり、このうち、中国が五千億ドルから六千億ドルを保有しているものとみられ、一方、7月発表の統計によれば、この一ヶ月間で、外国の中央銀行などが購入した米国債は、343億ドルであるとされ、その代わりに、連邦政府機関債(エージェンシー・ボンド、agency bonds)と呼ばれるフレディマックとファニイメイなどの発行した債券が、577億ドル売られたとされる。

特に注目すべきなのは、中国は、エイジェンシイ・ボンドの売却代金のほとんどを、米国債の購入に当てたとされることである。

それでも、中国は、エイジェンシイ・ボンド保有のリスクから逃れられているわけではないという。

中国自らのものを含め、投売りによる市場価値の実質減価についてのリスクは、依然保有している分については、あるということなのだろう。

中国は、フレディマックとファニイメイの債券保有で、四千億ドルから六千億ドルの損失をこうむっているとされる。

いわば、中国のエイジェンシイ・ボンドから米国債への買い替えは、そのまま、アメリカ財政のリスクの移転に過ぎないものであり、中国は、その意味で、アメリカの財政危機と、運命共同体の立場になったとみられても、おかしくないだろう。

つまり、アメリカがフレディマックとファニイメイの公的救済の原資として米国債発行し、それを中国などが、フレディマックとファニイメイのエイジェンシイ・ボンドの買い替えとして、購入するのだから、まさに、これらの国は、アメリカの蛸の足を、代わりに迂回して食わされていることになる。(中国の外貨準備高は2008年5月末現在で1兆7970億ドルであり、外貨準備高に占める米国国債の比率は30%近い。)

このことは、中国に劣らず大量の米国債を保有している日本とて同じ事情なのだろう。

参考 米国債など米国証券投資の近況

2008年8月の対米証券投資統計によると、エイジェンシィ・ボンドの、売越額は295億ドル、米国債の買越額は348億ドル(7月は343億ドルの買い越し)
外国政府機関による中長期米国債の買越額は48億ドル(7月は101億ドルの買い越し)
8月の日本の投資家による米国債の保有額は5859億ドル(75億ドル純減)
中国の投資家の保有額は5410億ドル(223億ドル純増)
英国は3704億ドル(159億ドル純増)

なお、現在の米国債の市場動向には、次のような特徴が見出せる。

(得府による金融システム救済策用に、借り入れ需要が高まるとの見方が強まった。
株式市場におけるマージン・コール(追加担保差し入れ請求)に充てる資金調達のため米国債を売却する投資家がふえている。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、米国債の保証コストが過去最高に上昇した。
ぅ▲瓮螢が当初中期債の増発をするのではないかとの憶測があったが、その後、中期債の増発ではなく、短期債の増発ではないかとの思惑の修正があった。
ジ酋發鮹簡櫃吠胴餾弔鯊澆啓擇蠅垢觝跳凜譽飮埔譴、機能しなくなりつつある。

最近の米国債の相場は、こちらのサイトや、こちらのサイト「Daily Treasury Yield Curve Rates」ご参照(イールド金利の上昇は、債券価格の下落を意味しています。)

その他参考となりうる私のブログ記事
中国が「第二の橋本発言」で、保有米国債売却を匂わす。」

参考
2008年7月末時点での各国の米国債保有高

参照「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」

5,934億ドル 日本
5,187億ドル 中国
2,908億ドル 英国
1,739億ドル 産油国
1,484億ドル ブラジル
1,335億ドル カリブ金融センター
758億ドル ルクセンブルグ
741億ドル ロシア
606億ドル 香港
451億ドル スイス
423億ドル 台湾
418億ドル ノルウェー
411億ドル ドイツ
360億ドル メキシコ
353億ドル 韓国
324億ドル トルコ
318億ドル タイ
314億ドル シンガポール
266億ドル カナダ
149億ドル オランダ
(21)139億ドル ポーランド
(22)134億ドル エジプト
(23)131億ドル チリ
(24)130億ドル インド
(25)124億ドル スウェーデン
(26)120億ドル ベルギー
(27)112億ドル アイルランド
(28)1,395億ドル その他

総計26,764 億ドル

 

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2008/10/11 Saturday

環境問題解決のスキームは、トレード・オフのスキームだけで、十分なのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 13:21:49

 

昨年秋から、明治大学の学部間共通総合講座という講座で、年一回、90分程度、「環境と政治」というようなテーマで、講義らしきものを受け持っている。

今年も、今週の木曜日(2008年10月9日)に、行なった。

前回は、政経学部の学部生と院生のみであったが、今年からは、法学部や情報コミュニケーション学部などの方も、見えているらしく、教室は、昨年よりも、かなり広い階段教室。

まあ、昨年とおんなじようなことをしゃべればいいようなもんだが、それでは、進化がないと思って、日ごろ私が、環境スキームについて、考えていることまで、しゃべってしまった。(私の板書は、かなり汚いもんなんで、学生さん、お目汚しで、ごめんなさいね。)

つまり、話したかったことは、現在の環境解決スキームは、そのほとんどが、トレードオフのスキームから成り立っていることへの疑念についてだ。

特に取り上げたのは、次の4つのスキームだ。

汚染者負担(PPP)原則

もはや、古典的な原則だが、国の段階では、金科玉条のごとく、守られているのだが。
私的企業がいったん垂れ流した外部不経済を、再び、当該企業に内部化させると いう、まことにスマートな発想なのだが、実際の外部不経済には、市場(企業)の失敗による外部不経済以外に、政府の失敗(官僚や国会議員の不作為)による外部不経済も伴っている。

当該企業が内部化できないことはわかりながら、いたずらに汚染者負担(PPP)原則をかざすばかりで、時の浪費をもって、実は、当の被害者の老齢化を待っているというような例は、水俣病問題以外にも、たくさんある。

そもそも、外部不経済には、企業が利益拡大のみを目指したがために生じた「一方向外部経済」(One-Directional External DisEconomy)とともに、一地域において、面的に発生する外部不経済は、その地域の被害者が加害者でもある、という複雑な因果関係の下に生じている外部不経済(相互外部不経済-Reciprocal External DisEconomy-)もある。

このような一見スマートな汚染者負担原則でもってすべてを解決できるような妄想を政策当事者が抱くことは、「時のアセス」の観点から言えば、解決の遅れをすべて被害者の犠牲に負わせてしまうという欠陥となってしまう。

No-Net-Loss原則

ミチゲーションの考え方は、たとえば、湿地の開発行為による損傷について見た場合、開発行為による湿地の環境価値の損失を、開発者が新たに創造しうる湿地の環境価値が補いうれば、その開発行為は是認されうる、という考え方が、No-Net-Loss原則の考え方なのだが、ここには、時間的な要素が含まれていない。

すなわち、垂直的なトレードオフさえ図られれば、オンサイトでの湿地の損傷と、オフサイトでの湿地の創造とが、環境価値が一致することによって、この環境問題は解決しうるという考え方なのだが、果たして、どうなのだろうか。

このNo-Net-Loss原則に、時間的な要素を取り込むべし、としたのが、以前、このブログでも紹介したことのある久野武さんの『拡大ミチゲーション論』だ。

つまり、No-Net-Loss原則が、オンサイトとオフサイトとのトレード・オフだ けでなく、期近と期先との間のトレード・オフも成り立ちうるスキームを作れば、より柔軟なトレードオフも成り立ち、早期の環境問題解決に資するスキームとなるのではなかろうか。

排出権取引

A国排出枠の余力を排出権化し、これを、自国の排出枠が不足しているB国と排出権の取引をすれば、トレードオフの関係が生じ、環境問題の解決に資する、という考え方だが、Patrick Dixon氏の指摘(「Carbon Neutral?」)のとおり、きわめて、漏れ(リーケージ)のおおいトレードオフのように見える。

第一、国の排出枠そのものが、一見、計量化されているようで、実は、バーチャルなもので、政治的に決められたものである。

狐の世界のハッパによる取引に近い滑稽さも、伴ったものだ。

また、排出枠の購入費用を 購入者側の国の環境対策費に使途限定しうる「グリーン投資スキーム」(GIS)も、これによって、乗数的に購入者側の国の排出枠の余力が生じるという保障もない限り、奇麗事のスキームにも見える。

環境スワップ(DNS)

発展途上国の累積債務の返済負担を軽減する代わりに,保護区の設定など, 自然保護政策を確約させ、環境 NGO が金融機関から債権を割引価格で購入し,金融機関は途上 国の現地通貨を債務国に提供する,という形をとるのだが、ここにもリーケージは生じないのか?、疑念が残る。

以上が、今回、講義の中で指摘した点だが、この指摘の共通にあるのは、「環境解決スキームに時間の概念を」ということである。

私は、時間の概念を取り入れた環境解決スキームを考える上で、参考にしたいのが、オプション概念である。

つまり、オプションの概念のポイントは、「一定の期日までにおいて、一定の権利価格以上にならなければ、当初約束した権利価格での原資産取得権利の権利取得価格は、無価値になってしまう。」(これは、コールの場合で、プットの場合は、逆に「一定の期日までにおいて、一定の権利価格以下にならなければ、当初約束した権利価格での原資産取得権利の権利取得価格は、無価値になってしまう。」ということになる。)という、原資産取得権の期限付きのトレードオフの概念である。

「問題解決が期限内であればトレードオフは成立しうる」ということで、このスキームにおける時間の要素は、トレードオフの成立を時間的に促進しうる要素ともなりうる。
(オプションについてもっと詳しく知りたい方は、私が書いたマニュアルをご参照)

環境オプションとでもいうかんがえかたが、あらゆる環境解決スキームに必要な感じがしている。

これについては、また、日を改めて、論じることにしたい。

同時に、環境問題の解決が司法の場に移された場合、これまでの応報的司法から、修復的司法の立場に立った、被害者・加害者和解プログラム(VORP Victim offender Reconciliation Program)や、被害者・加害者仲裁プログラム(VOM Victim Offender Mediation Program)のスキームが導入されるべきである。

なお、以下は、当日の講義内容のポイントである。

ご参考までに、記載しておく。

講義メモ

わが国における環境政治家の役割の変化について
     
1.代議制の形骸化と環境NPO/NGOの変質

(1)これまでの「政・官・民」の力関係から、「NPO/NGO・官・民」の力関係へ

(2)代議制の形骸化と、環境NPO/NGOの変質を促した要因

これまでの「政・官・民」の力関係は、グー・チョキ・パーの関係 政治家は、予算を取れなくなってきたし、小選挙区なので、専門力を行使できなくなってきた。

官僚は、許認可権限を奪われたり、委託研究による民間への甘いえさが行使出来なくなってき た。

民は、業界圧力としての政治家への働きかけが出来なくなってきた。

このような中で、新しい「三権」として「NPO/NGO・官・民」の力関係が生まれてきた。

一方、環境NPO/NGOは、これまでの抵抗型の活動から、提案型の活動にシフトしてきた。
特に諫早干潟問題における山下弘文さんらの活動が契機になった。

また、行政側も、パブリックコメントなどを通じて、代議制をスルーして、直接、環境 NPO/NGOに働きかける比重が多くなってきた。

2.住民の具体的な環境要望を法制度の実現にまで向かわせるための手順

(1)マスコミ報道などを契機にしての政策変更を促すキーワードの発生と、そのキーワードに関心 を示すNGO/NPOやオブ二オンリーダー、政治家、官僚の発生

(2)その機会を捉えての政治家を中心にしての勉強会やシンポジウムの開催を仕掛けるとともに、 NGO/NPOとの接触・情報交換などの機会の発生

(3)それらを契機にして、これらのテーマを省益にしたい官僚の取り込みと、これらのキーワード を法制化する際の、インセンティブの確定と、調査費などの予算措置の確保

(4)法制化を議員立法(衆法)でやるのか、内閣法(閣法)でやるのかの選択。議員立法でやる場合、担当 する委員会の選択。野党窓口の確保。野党との修正合意の根回し。 内閣法でやる場合は、キーワードが複数省庁にまたがる場合、その繋ぎとして、まず、議員立法 先行型で行う必要もあり。

(5)議員立法でやる場合は、与野党の委員会理事間で合意をはかり、委員長提案で、討論省略、一 挙に採決する方法もある。

(6)パブリック・コメントによる内容修正のフォロー

3.トレードオフのスキームによる環境利害調整の限界

排出権取引−A国排出枠の余力と、B国排出枠の不足との間にリーケージはないのか?

汚染者負担原則-私的企業がいったん垂れ流した外部不経済を、再び、当該企業に内部化させると いう発想でいいのか?

No-Net-Loss原則-ミチゲーション・バンキング−オンサイトとオフサイトとのトレード・オフだ けでなく、期近と期先との間のトレード・オフも成り立つのではないのか?

環境スワップ(DNS)-発展途上国の累積債務の返済負担を軽減する代わりに,保護区の設定など, 自然保護政策を確約させ、環境 NGO が金融機関から債権を割引価格で購入し,金融機関は途上 国の現地通貨を債務国に提供する,という形をとるのだが、ここにもリーケージは生じないのか?

4.環境政治家に求められる新たな役割

(1)先進的な司法見解の取り入れと、行政に対する牽制力の発揮

(2)提案するNGOからの提案の積極的取り入れと、それをたたき台にして省庁と、解決策を探る努 力

(3)官僚任せにしない、政治家自身の環境要望のシーズ探し 特に、改革特区制度を利用した環境要望の実現化

(4)環境紛争を長期化させない、時のアセスの観点からの「和解スキーム」の確立。

(5)環境価値のオプション的なトレードについての新しいスキームの構築-拡大ミチゲーション構 想など。

(6)貧弱な議員立法のインセンティブの改善

(7)NPO提案を法制化に結びつけられうるようなアドボケート・プランナーの活用

(8)憲法における「環境権」の位置づけ

(9)代議制とNPOとを結びつけうるNPO of NPO的存在の充実

(10)その他の新しい政策スキームへの取り組み

以上