Sasayama’s Weblog


2009/07/28 Tuesday

「バラマキで社会の不公平を是正しようとすればするほど、不公平格差が拡大していく」という民主党バラマキ・マニフェストのパラドックス

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 15:10:46

2009/07/28(Tue)
 
継ぎ足す竹の余裕がないのに、両足の高さが不揃いの竹馬の足の高さを調整しようとしているうちに、地に足がついてしまった、というような、パラドックスが、昨日、発表された民主党のバラマキ・オンパレード・マニフェストには見られますね。

つまり、継ぎ足せる竹がない限りは、低位均衡に向かわざるを得ない、というパラドックスです。

ここで、連想させられるのは、一昔前の発展途上国の開発戦略論争です。

ここでは、均衡発展(Balanced Growth)か不均衡発展(Unbalanced Growth)かの論争がありました。

ヌルクセ(R.Nurkse)に代表される前者の均衡発展論においては、投資や産出物がすべての経済社会部門において同率的・同時的に拡大させる戦略が主張されました。

一方、ハーシュマン(A.O.Hirschman)に代表される後者の不均衡発展論においては、先に水平的・垂直的な不均衡を作り出すことによって、それにキャッチアップしうる跛行的発展のダイナミズムを生み出すという戦略が主張されました。

その際、ストリーテン(P.Streeten)という学者が、次のような均衡発展論批判を展開したのです。

「バランスにあまりに重きをおくことは、経済の停滞をふせぐよりは、むしろ、停滞を引き起こすことになり、また、経済発展を阻害するボトルネックは、ある条件の下では、成長を抑止するが、他の条件の元では遅れている補足的行動の成長を強力に刺激するものとなる。」

なんか、このストリーテンの均衡発展批判論が、そのまま、今回のバラマキへの批判論に摩り替わりうるものとなるように見えます。

不均衡な経済社会部門をバラマキによって、補填し続ける限り、経済社会全体のパイを増やしうる発展は究極達成できない、ということなのではないでしょうか。

いったい、今回のバラマキに裨益をあずかりえない人は、部門は、階層は、だれになるのだろう?ということをアブリダシ的に検証してみれば、バラマキによってさらに生まれうる不均衡の実態は明らかになるのでしょう。

逆に言えば、バラマキで裨益をうける措置階層区分に該当するものは、だれなのか?ということでもありますね。

「措置階層とは、自立的に誇りを抱けなくなった裨益の民であり、措置とは、最終的には、誇りを取り戻させるための手段であり、そのための補助輪に過ぎない。」

と考えれば、措置をすると同時に、その措置が必要となくなるための脱出回路・卒業回路が用意されていなくてはならないのではないでしょうか。

たとえぱ、いったい、戸別所得補償制度で裨益を受ける農業者たちは、措置階層と名指しされることで、社会的な満足をうることができるのでしょうか?

今必要なのは、それらから脱出できるための、細かな換金回路の用意であり、不均衡発展論にもとづいたビッグ・プッシュ戦略の展開であると思われるのですが。

このことについては、私はねかねてから、中山間地直接支払い制度発足の折からも、主張してきたことです。
参照
「欧州連合(EU)の農村開発政策」
http://www.sasayama.or.jp/library/tosyo-11.html

つまり、直接支払いは、補助金の産直とも言うべきものですが、一見、そのインセンティブの対象のフォーカスは限定されているように見えてて、実は、政策効果発現において、リーケージ(漏れ)が多く、また、直接支払い金受領者に支払い金がいきわたるためのトランザクション・コスト(郵送料・送金料、手数料、連絡事務費など)が、増嵩するなど、インセンティブとしてのフォーカスは甘く、必ずしも、費用対効果には、疑問符がつけられるものであると、認識すべきです。

 

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2009/07/27 Monday

不謹慎かな?「日本にも抑止力としての原子力潜水艦が必要」と思ってしまうのは。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:02:40

2009/07/27(Mon) 06:15
 
こんなことを言うと、一部日本の識者(?)からは眉をひそめられてしまいそうだが、昨日、インドでシン首相夫妻も出席して、南部アンドラプラデシュ州のビシャカパトナム海軍造船所でその進水を祝ったというインド初の国産原子力潜水艦「アリハント」(Arihant)(全長104メートル、最大時速44キロ(24ノット)、排水量5000−6000トン、乗組員100人、ミサイル15発搭載可能、100日間の潜水可能)の雄姿を見ると、そんな思いもする。

国産原潜を開発したのは米、露、英、仏、中国に続き6か国目のようだ。

これまで、インドは16隻の伝統的ディーゼル潜水艦に頼ってきた。

原子力潜水艦については、このほか、ロシア製の潜水艦(ロシアから1万2000トン級の最新型原潜「K152ネルパ(Nerpa)のChakra)のリース(長期賃借)に頼ることとしている。

こちらのほうは、現在試験運転中で、年末まで引き渡される予定であるという。

また、2005年には24億ユーロ(約3200億円)をかけ、フランスとスペインが開発したスコルペーヌ(Scorpene)級ディーゼル式攻撃型潜水艦6隻の調達契約を結んでいる。

今回の原子力潜水艦は、それとは別のロシアの技術協力を得た純国産のもののようだ。

船体の設計は海軍が担当し、搭載85メガワットの原子炉開発は、ロシア・フランスから技術を導入をえて、バーバー原子力研究センターで導入・開発した。

また、原潜に装備する核弾頭搭載可能な12基のK−15弾道ミサイル(射程700キロメートル)の開発は防衛研究開発機構(DRDO)が担当した。

このK15は核弾頭の搭載が可能で、2段階のロケットエンジンを利用して海底100メートルからでも発射することが可能のようだ。

船体の建造は、ラーセン&トゥブロ(L&T)がおこなった。

これらのための投下資本は、3,000億ルピー(約6,400億円)であるという。

「アリハント」とは、サンスクリット語で「敵を滅ぼす者」との意味のようだが、この名前自体、挑戦的である。

700 km飛行しうるK-15 ballistic ミサイルも搭載しうる設計になっているという。

ちなみに、アメリカ、ロシア、中国の K-15 SLBMs は、3000km,中国のJL-2 SLBMは、7200kmといずれも長距離化対応となっているようだが、インドで、これから新たに建造される4隻のうち2隻はアリハントと同じ射程距離のミサイル搭載の予定だが、残り2隻は射程距離3500キロメートルの長距離弾道弾の搭載が可能なタイプになるという。

アリハントは今後、2年間の試験航行を経て、2011年の実戦配備を目指している。

これにとどまらず、インドは、2020年までに原潜10隻を配備する予定という。

また、インドはベンガル湾ビシャーカパトナム軍港近くのラムビーリに、原子力潜水艦基地を建設中とのことである。

しかし、インドでは、核政策において、先制核攻撃を禁じており、これらの原子力潜水艦の大儀名分も、地上のミサイル基地が敵の攻撃で全滅した後にも生き延びるための抑止力として必要であるとしている。

2006年3月31日のインドのシヤム・サラン(Shyam Saran)外務大臣のアメリカ講演やヒルとの会見に見られるように、インドの原子力政策においては、巧みに、核拡散防止(Nuclear Non-Proliferation)を大儀名分としてのアメリカの干渉を避けながら、実利のある原子力利用の国家戦略が駆使されてきた。
参照
“Indo-US Relations: An Agenda for the Future” - Foreign Secretary Mr. Shyam Saran’s Address to the Heritage Foundation
http://www.indianembassy.org/India_Review/2006/april-06.pdf

今回のこの国産原子力潜水艦の進水も、そのインドの戦略を遺憾なく発揮している事例のひとつとも思われる。

それに比し、日本はどうであろうか?

「抑止力としての核装備」への動きは、オバマ政権以来の世界の核軍縮路線に逆行する動きとはなってしまうだろうが、そろそろ、海洋国家日本も、ある程度の、この現実路線をとらなけれはならないのではなかろうか。

以下は、やや、桜チャンネル的になりますが、動画で見る、「アリハント」の雄姿です。






 

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2009/07/26 Sunday

24ヶ月以内にアメリカ人口の40パーセントがH1N1新型インフルエンザに感染するであろうとの見方

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:24:26

 

アメリカの総合保険組織が今回発表した見通しでは、今後24ヶ月以内に、アメリカ人口の40パーセントが、H1N1新型インフルエンザに感染するであろうとしている。

この見通しの基礎となっているのは、およそ七万人の死者を出した1957年のデータであるとのことである。

このときは、1918年から1919年にかけてのスペイン風邪ほどのものではなかった。

また、この見通しとして、一億二千万人がH1N1新型インフルエンザに感染し、ワクチン・キャンペーンが成功しなかった場合には、死者の数は、数十万人に上るとしている。

この感染度は、通常の季節性インフルエンザの二倍になるという。

しかし、もし、インフルエンザワクチンがタイミングよく手当てされていれば、そのようなことにはならず、ひとえに、ワクチンの手当ての如何が、その感染拡大の帰趨を決めるものだとしている。

CDCは、検査が順調にパスすれば、この10月には、一億六千万服のワクチンの手当てが可能であるとしている。

ワクチンの検査はまだ始まってはいないが、、8月には、千人のボランティアによって、アメリカ八箇所で始まるとされている。

一方、アメリカ医学協会の調べによれば、毎年、通常のインフルエンザによって、およそ三万六千人が、死亡しているという。

WHOによれば、この24ヶ月以内に、二億人が感染するであろうとしている。

そのことから、WHOでは、学校閉鎖を各国に要請しているという。

現在、もはや、実際の感染者数の把握は困難となっており、いったん医者にいって軽い風邪の症状のために自宅に帰されたり、医者に行かずに自宅で一般用医薬品(OTC)の服用によって治癒するケースが多いと見られている。

そのようなことから、CDCでは、4月以来のアメリカでの新型インフルエンザ感染者数は、すでに百万人以上になっていると見ている。

参考
Swine Flu Might Infect 40% Of The US Population In The Next 24 Months

 

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2009/07/18 Saturday

秋田県知事選挙と西松問題との後遺症に見舞われている、秋田第二区・衆議院選挙事情

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:36:24

2009/07/18(Sat)
 
今年の4月の秋田県知事選挙に立候補し、敗れた前小坂町長・川口博氏(61)氏が、来月8月30日に予定されている衆議院議員選挙に立候補を検討しているという。

前回、秋田県知事選挙において、民主党秋田県連会長は、自民党系無所属の野呂田芳成氏と、独自かつフライング気味で、この川口氏担ぎ出しに回ったものの、3月に、例の西松事件が秋田県の秋田県立武道館建設にもかかわったとの疑惑から、川口選対サイドでは、県連会長ご尊父の寺田典城前知事との係わり合いを極力薄めるとの戦略から、民主党秋田県連との関係を薄めて、戦い、僅差での敗北(秋田2区だけでみると、佐竹氏7万5246票、川口氏11万8485票)で落ち着いた、という経緯がある。

今回、川口氏の出馬が決まれば、知事選直後の選挙ということで、同情票的なものと、圧倒的な知名度をいかして、当選ラインに限りなく近づきうる戦いをするものと思われる。

となると、今度、複雑となるのは、

これまで、秋田県第二区には、あえて候補者を立てず、社民党との選挙協力をしようとしている民主党と、無所属で出馬を予定している川口氏とは、モロにかち合うということ、

今回の選挙限りで引退する野呂田芳成氏の後継者として指名された金田勝年氏とも、川口氏とはモロにかち合うこと

である。

すなわち、当初、独断かつフライング気味で、知事選挙候補者として川口氏を指名した民主党秋田県連会長も、野呂田芳成氏も、川口氏の放つであろうブーメランによって、今度は、苦しい立場に追い込まれる、という、皮肉な流れとなっているのが、なんとも、面白い。

いい面の皮となるのが、社民党で、こうなれば、知事選挙で協力した川口陣営からも見放され、推薦を得て選挙協力をするはずの民主党からも、山本喜代宏氏(53)への実質的な協力は得られず、川口氏にいれるであろう票の政党票分は、多くは、民主党に流れるであろう、という羽目になるのだが—

虻川信一・民主党党県連総務会長(63)は、川口氏応援のために、民主党を離党したというが、なんとも、稚拙な県連会長には、もう、ついていけないという気持ちなんだろう。

まあ、川口氏が、民主党候補者となれば一件落着だが、こうなると、今度は、野呂田芳成氏のほうが泣きを見ることになる。

社民党のほうは、いまさら、民主党との秋田二区・三区での選挙協力解消とも言えず、下駄の雪さながら、泣いてついていくだけだろうが。

民主党の利害はといえば、まあ、知事選挙以来、ことごとく、間違った独断でここにまできた民主党県連会長の、社民党に対する謝罪・詰め腹辞任で済ませられれば、民主党総体にとっては、川口氏が二区内の民主党票の受け皿になってくれそうである限り、そんなには、実害はなさそうだ。

所詮は、秋田知事選挙と、その最中に勃発した西松問題の後遺症のようには見えるのだが。

2009/08/07追記

民主党県第2区総支部(総支部長・寺田学県連代表)は6日、協議したが、出席した常任幹事14人のうち13人が秋田2区から無所属で出馬予定の川口博・前小坂町長(62)を支援するために「離党」を表明した。

残った常任幹事は、寺田学総支部長ひとりとなった。

13人は、既に離党している虻川信一・前県連総務会長とともに、川口氏を支援する任意団体を立ち上げる方針という。

これによって、民主、社民両党の共闘体制が、秋田2区では、崩壊した。

 

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2009/07/15 Wednesday

新進党の末期とおんなじようになってきた自民党の阿鼻叫喚

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 22:36:38

2009/07/15(Wed)
 
nullあのときは、新進党の議員総会の場で、公然と党首を非難し、その場で立ち去り、離党届を出したと思ったら、次の日には、自民党に入党、なんて輩が、新進党の末期には、毎日のように、数多く出た。

今の自民党の閣僚の中におられるかたも、また、現在では某県の知事さんになられている方も、あの時は、そうだった。

なかには、一億円の引き抜き資金が手当てされ、それで、超高級外車を買って乗り回していた鞍替え議員もいた、なんて話も、北のほうには、あった。

いずれも、当時の自民党幹事長加藤紘一さんの引き抜きにあった面々である。

それが、10数年を経て、今度は、せっかく入党させてもらった自民党から脱出しようと、あがいている。

当の加藤さんはどうだが、わからないが。

何やら、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のかんだた(犍陀多)を見るような感じだ。

いさぎよくないですね。

みなさん。

みぐるしいですね。

みなさん。

私は、同期だから言うのではないが、古賀誠さんが辞任したい気持ちも、よくわかる。

要は、みんな政権末期になっても、そのおかれた危機的状況がよくわかっていないのである。

古賀さんは、そのおかれた危機的状況がよくわかっていたからこそ、何にも行動しないよりも、あらゆる奇手をも使おうと、東国原カードに、必死だったはずなのだ。

いったい、古賀さんを批判してた丸山弁護士議員なんてのは、単なるタレントの東国原さんたちに対するやっかみを根拠にしたものに過ぎないようにも聞こえてしまうのだが。

親の心、子知らずとはこのことなのだろう。

阿鼻叫喚は、今日も続くのだろう。

それにしても、両院議員総会ならぬ、解散後の議員バッチをはずした片院議員片院前議員総会なんてのは、聞いたことがないのだが。

昨年9月に書いたブログ記事「自民党総裁選挙と、女王蜂亡き後のミツバチの行動との類似点」は、今にして読み返してみると、今の状況を、的確かどうかはわからないが、ここで予測していた『蜂子出し』が始まったようである。

その他のこれまでの関連ブログ記事は下記のとおり

「総総分離と東国原知事出馬の可能性は?」

「すでに分党過程に突入した自民党

自民党は、分党によって生き残る道を考えるときにきている。」

「このあたりで、自民党は、のれん分けした方がいいのかも。」

 

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2009/07/14 Tuesday

再び呼び戻されたスペイン風邪の亡霊

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 12:16:04

2009/07/14(Tue)

新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に対する免疫を持つ可能性があるのは、スペイン風邪が流行した1918年以前に生まれた90歳以上に限られることが、河岡義裕・東京大学教授らの研究で分かった。

60代以上に免疫があると予想した米疾病対策センターと違い、ほとんどの年代が感染する危険性があると指摘しており、13日付英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

本文は、、このサイト
In vitro and in vivo characterization of new swine-origin H1N1 influenza viruses
で読むことができる。

再び、A/WSN/33(H1N1)(1933年に人から分離されたH1N1インフルエンザウイルス)の亡霊が呼び戻された形だ。

分析の対象となったウイルス名は、下記の通り

A/California/04/09 (CA04)
A/Wisconsin/WSLH049/09 (WSLH049)
A/Wisconsin/WSLH34939/09 (WSLH34939)
A/Netherlands/603/09 (Net603)
A/Osaka/164/09 (Osaka164).
A/Kawasaki/UTK-4/09 (H1N1)
A/Kawasaki/UTK-23/08 (H1N1).

A/duck/Alberta/35/76; H1N1
A/swine/Hokkaido/2/

A/Victoria/3/75 (H3N2)

A/WSN/33 (H1N1

なお、上記のウイルスのうち、A/California/04/09 (CA04)については、4月28日に東京大学医科学研究所ウイルス感染分野ならびに感染症国際研究センターが米国疾病予防管理センター(CDC)より分与を受けたもので、5月1日に日本に到着したものである。

また、
A/Kawasaki/UTK-4/09 (KUTK—4)A/Kawasaki/UTK-23/08 (H1N1)は、タミフル耐性のある患者からのウイルス、

A/Victoria/3/75 (H3N2)は、季節性インフルエンザウイルス

A/Wisconsin/WSLH049/09 と A/Netherlands/603/09 (H1N1)とA/Osaka/164/09 (H1N1)は、非劇症型症状の感染者から採取されたもの
A/Wisconsin/WSLH34939/09 は、病院の患者から採取されたもの、

A/duck/Alberta/35/76 H1N1は、「Characterization of the Reconstructed 1918 Spanish Influenza Pandemic Virus」
http://www.eclips.consult.com/eclips/article/Medicine/S0084-3873(08)70357-2
でも使われた鳥インフルエンザウイルス

A/swine/Hokkaido/2/は、北海道大学大学院獣医学研究科微生物学教室取得のクラシックな豚インフルエンザウイルス

A/WSN/33 (H1N1)は、スペイン風邪から合成のウイルス

ということだ。

ちなみに、今回の河岡教授の研究と対照的な結果を出したCDCの「1957年以前生まれ人間免疫説」研究で分析に使用した新型インフルエンザウイルスも、河岡教授が使用したウイルスとおなじ、A/California/04/2009 であった。 

今回マスコミが注目している「新型インフルエンザに対する免疫を持つ可能性があるのは、スペイン風邪が流行した1918年以前に生まれた90歳以上に限られる」の部分についてだが、ここの点は、CDCが以前に発表した「1957年以前生まれ人間免疫説」と対立する点である。

分析の対象は、河岡グループもCDCももおなじ
A/California/04/09
である。

CDCのほうは、これまでのワクチン研究で集めてきた保存血清見本を 使って、今回の新しいH1N1に対して、交差反応抗体のレベルをコホート別に検証したものである。
参考
詳説-1957年以前生まれ人間には、新型インフルエンザに対する免疫をもつとの説

河岡教授のほうは 、
1999年に老人ホーム入居者及び職員から集めた血清(ドナーグループ1)

2009年4月に病院の入院患者と職員から集めた血清(ドナーグループ2)
について、
KUTK-4(A/Kawasaki/UTK-4/09 (H1N1)(普通の季節性インフルエンザウイルス)

CA04(A/California/04/09 )(今回の新型インフルエンザウイルスで、感染拡大の初期にメキシコからカリフォルニアへわたったと思われるもの)
に対する抗体価を検証したところ、
ドナーグループ1は、CA04(A/California/04/09 )に対し、高い抗体価を示した人が多かったのに対して、
ドナーグループ2は、KUTK-4(A/Kawasaki/UTK-4/09 (H1N1)に対し、高い抗体価を示した人が多かったということ
また、ドナーグループ2は、CA04(A/California/04/09 )に対しては、高い抗体値を示したのは、1918年以前生まれが2人と,1977年,1978年生まれが各1人いた、ということだ。

その図が、このサイト
の4ページの「Figure 3 | Neutralization activities in human sera against viru」にかいてある。

ただ、疑問に思うのは、ドナーグループ2(2009年4月に病院の入院患者と職員から集めた血清)が、すでに、どの程度、新型インフルエンザウイルスに曝露されているのか、それとも、全然、新型インフルエンザウイルスには曝露されていなかったのかがよくわからない。

(論文には、”collected in April and May of 2009″と書いてある。
もし、この時点だとすると、新型はすでに4月には、国内に進入しているとの説もあるので、曝露の機会があったのかどうかについての検証が必要な気がする。)

それと関連するのだが、CA04(A/California/04/09 )に対して、高い抗体値を示した人が、1918年以前生まれの2人だけでなく、1977年,1978年生まれ各1人いたということは、これらの人は、過去にいかなるウイルスに曝露されていたんだろうか?、という素朴な疑問もわいてくる。

参考
Swine flu is worse than seasonal flu, research suggests
詳説-1957年以前生まれ人間には、新型インフルエンザに対する免疫をもつとの説
Serum Cross-Reactive Antibody Response to a Novel Influenza A (H1N1) Virus After Vaccination with Seasonal Influenza Vaccine
http://www.nature.com/news/specials/swineflu/index.html

2009/07/11 Saturday

懸念される新型・季節性・両H1インフルエンザ・ウイルスにおけるタミフル耐性変異の同時的・加速的進行

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 19:23:34

2009年7月10日

本日GenBankに登録された日本の札幌の患者から6月15日に採取されたウイルス(A/Sapporo/1/2009)のシーケンスが、4月にニュージャージーで採取されたベルギーからきた22歳の女性患者からのウイルス(A/New Jersey/1/2009A)のシーケンスと一致したという。

この日本のA/Sapporo/1/2009の宿主は、ハワイからきた20歳の男性である。

さらに、この札幌のウイルス(A/Sapporo/1/2009)のシーケンスは、6月11日に香港の空港で採取されたサンフランシスコから来た16歳の女性の旅行者のウイルス(A/HongKong/2369/2009)のシーケンスとの比較では、香港のウイルスの持つタミフル耐性変異H274Yを除いては、一致したという。

これらのことから言えるのは、この三人は、4月から6月の間に、アメリカで感染しながらも、検出されず、海外に出て初めて、検疫によって、初めて、感染が確認されたということである。

この三人に引き続いて、昨日になって、スペインのカタロニアで検出されたA/Catalonia/387/2009も、そして、スウェーデンのVastra Gotlandsで検出されたA/Stockholm/37/2009も、そのシーケンスは、上記の三人のシーケンス(香港については、タミフル耐性変異H274Yを除いた部分において)と、一致したという。

この二人は、いずれも6月に感染したもので、このうち、スウェーデンの患者は、アメリカから来た2歳の男の子であるという。

これまで、タミフル耐性変異H274Yが見られたのは、日本の大阪の患者からのものであり、デンマークの患者からのウイルスについては、タミフル耐性変異があるとされながら、そのシーケンスは、まだ、明らかにされていない。

日本の大阪の患者から採取のウイルスのシーケンスは、上記のA/Sapporo/1/2009、A/New Jersey/1/2009、そして、タミフル耐性変異H274Yを除いたA/HongKong/2369/2009のシーケンスとは、異なるものであったという。

上記の香港のウイルスから発見されたタミフル耐性変異を持つウイルスの宿主の女性は、タミフルを服用していず、さらには、他の抗ウイルス薬も飲まずに回復した程度の穏やかな症状を持ったものであったという。

これらのことから、このケースの場合は、ランダム変異(random mutation )の誘発と再集合によるH274Y変異なのではないかと、推測する向きもあるようだ。

ただ、この、ランダム変異・再集合をしめす証拠はまだ見つかっていないようだ。

では、なぜ、タミフル耐性変異H274Yをもったウイルスがアメリカで現れないのか、ということについてだが、それは、あまりに多くの感染者数や感染疑い者数の増加によって、アメリカ当局CDCでは、すでに、5月14日の段階で、これまでの疑い例の99%を最終的に新型インフルエンザの感染者と確認、疑い例を含めた方が米国の感染実態をより正確に反映できると判断し、その厳格な区別を放棄してしまったため、アメリカでは、事実上、サーベイランス機能が作用していない状態であるため、と見られている。

これらから懸念されるのは、タミフル耐性変異H274Yを持ったウイルスが、この香港のウイルスの宿主の女性のように、穏やかな症状のまま、アメリカではウイルスが循環しているにもかかわらず、これらの症例について、もはや、検査も報告もされていない事態になっているのではないか、ということだ、

このことから、これまで発見されたタミフル耐性H274Y変異をもったウイルスの伝播以上に、実際には、アメリカ国内においては、すでに、季節性・新型を問わずに、広がっているのではないのか、との推測をする向きもある。

ちなみに、季節性インフルエンザウイルスであるA/Brisbane/59/2007(H1N1)ウイルスは、すでに、その100パーセントにタミフル耐性H274Y変異を持っているという。

これらの変異は、タミフルを服用していない患者から採取のウイルス(NA遺伝子の系統樹上では、クレード1とクレード2C)または、タミフルを多用していない国の患者からのウイルスにも見られているという。

さらに、これらのクレード1とクレード2Cが分岐してのサブ・クレード間において、ジャンプし、遺伝子ヒッチハイキング(対立遺伝子に連鎖し、中立な遺伝子が動く)や再集合を繰り返しているものと思われるという。

これに加えて、H1N1新型インフルエンザウイルスのパンデミックによって、タミフルの多用が世界的に増すことで、H274Y変異は、H1N1季節性インフルエンザウイルス(A/Brisbane/59/2007)においても、また、H1N1新型インフルエンザウイルスにおいても、加速していくものと見込まれている。

参考
Widespread Evolutionarily Fit Tamiflu Resistant Pandemic H1N1

備考
A/HongKong/2369/2009のシーケンス

“MNPNQKIITIGSVCMTIGMANLILQIGNIISIWISHSIQLGNQNQIETC
NQSVITYENNTWVNQTYVNISNTNFAAGQSVVSVKLAGNSSLCPV
SGWAIYSKDNSIRIGSKGDVFVIREPFISCSPLECRTFFLTQGALLND
KHSNGTIKDRSPYRTLMSCPIGEVPSPYNSRFESVAWSASACHDG
INWLTIGISGPDNGAVAVLKYNGIITDTIKSWRNNILRTQESECACVN
GSCFTVMTDGPSDGQASYKIFRIEKGKIVKSVEMNAPNYYYEECSC
YPDSSEITCVCRDNWHGSNRPWVSFNQNLEYQIGYICSGIFGDNPR
PNDKTGSCGPVSSNGANGVKGFSFKYGNGVWIGRTKSISSRNGFE
MIWDPNGWTGTDNNFSIKQDIVGINEWSGYSGSFVQHPELTGLDCI
RPCFWVELIRGRPKENTIWTSGSSISFCGVNSDTVGWSWPDGAELP
FTIDK”

参照「Influenza A virus (A/Hong Kong/2369/2009(H1N1)) segment 6 neuraminidase (NA) gene, complete cds
Tamiflu Resistant Pandemic H1N1 Surveillance Failures in US

 

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2009/07/10 Friday

エコスクールは本当にエコなのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 14:51:17

2009年7月10日
 
null文部科学省の奨励・補助もあり、全国各地で、学校の緑化を目指したエコ・スクールの建設が盛んのようである。

内容は、ビオトープ、校舎の屋上緑化、校庭の緑地化、校舎の外壁の緑化、庇設置などがその内容のようである。

一見、まことに時代の流れにあった、ふさわしいエコスクールの建設のようにも見えるが、しかし、その全体スキームが、持続可能なスキームのもとにあるのか、といえば、中には、必ずしも、そうでないものも、散見されるようだ。

たとえば、上記の例で言えば、校舎の外壁緑化だ。

ここでは、特に、潅水を必要としない外壁緑化なのか、それとも、潅水を必要とする外壁緑化なのか、によって、その評価は大きく分かれうる。

これは、屋上緑化についてもいえる。

緑化技術には、潅水を必要としない無潅水緑化工法と、潅水が必須な潅水緑化工法とがある。

前者の工法は雨水の貯留システムと、保湿力のある特殊な土壌により、長期間の雨が降らなくても、緑化植物が、水を吸い上げられるようになっている。

また、選定する緑化植物も、セダムなどの乾燥に強い植物が選定されている。

後者の工法の場合、一日、100平方メートル当たり、一日、200リットルの水が必要であるという。

また、外壁緑化の手法としては、地面から植物が、自力で這い上がる登攀型と、下へ垂れ下がる下垂型などがあるが、前者は、這い上がりうる高さに限界があるようなので、高い校舎には不適当のようだ。

前者であれば、植栽される土壌は地植えとなるが、後者の場合は、地植えとならないために、直射日光と風などにより土壌が乾燥しがちとなりうる。

エコスクールの中には、メンテナンスが校舎内からできるようにしたシステムの採用をしているところや、雨水・天水を利用した低コスト型の屋上緑化・壁面緑化を採用しているところも、いくつかはあるようだが、その多くは、自動潅水システムによるプラント型のもののようである。

この自動潅水装置頼みの壁面緑化が、果たして、持続性の観点から見て、エコの名前に値するのかどうなのか、非常に疑問である。

まして、手動潅水と異なって、この自動潅水にかかる水道代は、馬鹿にならないようである。

これらの潅水を、水道に寄らずに、地下水に依存している学校もあるようだ。

これは、本末転倒なスキームである。

本来、雨水の保水機能を緑化植物に果たさせようとするのが、屋上緑化・壁面緑化の目的である。

ちなみに、ドイツでは、屋上緑化を行なった家は、下水道料金が50%以上免除されることになっているようだが、これも、ひとえに、屋上緑化が雨水の保水機能を促進させているという価値評価の元にあるからである。

また、自動潅水システムが、いわば、緑化植物の生命線ともなりうるだけに、その定期的なメンテナンスにも、かなりの労力が求められるようだ。

このように、ヒートアイランド対策と雨水の保水機能促進のための壁面緑化のはずが、その緑化植物の枯死を免れるために、かえって、水資源を多使用しているという皮肉な例も、東京都区内のいくつかのエコスクール優秀校といわれる小学校にはすでに見られているようだ。

本来、屋上緑化や壁面緑化は、ドイツの”fassaden begrünen” 等を真似たものだ。

その原初的な形態は、ほとんど、かやぶき屋根にぺんぺん草をはやしたような、ごく素朴なものであった。

それを、地球温暖化やヒートアイランド現象などの危機を理由に、過剰な装置にしたてあげてしまったことに、日本の誤りがあるようにおもえる。

つまり、エコのトレードオフとなりうるものを勘違いしたがために、大きなループホールを抱えた「擬似エコのスキーム」となってしまっているのである。

参考
ドイツでの屋上緑化・壁面緑化の意義のスキーム図

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(冒頭の写真は、東京都杉並区立荻窪小学校の壁面緑化)

 

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2009/07/08 Wednesday

抗菌剤であれば、安全なのか?という議論

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:40:57

2009/07/08(Wed)
 
バクテリアを殺す抗菌剤の定義については、やや、あいまいで、FDAにおいても、抗菌剤必ずしも抗生物質とはイコールではないとされてはいるが、消費者が食品メーカーに対して、抗菌剤の使用のクレームをしても、その根拠とするラベル表示がないことが、問題になっているようだ。

このサイト
Debate over using anti-microbials in livestock」では、一般に、農場経営者や牧場経営者たちは、抗菌剤の使用は、害がないものと、消費者に対して説明しているのだが、はたして、どうなのだろう?との問題提起をしている。

この点について、科学者たちは、抗菌剤と抗生物質との違いは、単に意味論の違いだけである、としている。

すなわち、FDAによれば、抗菌剤は、抗生物質を含む、バクテリアを殺す製品の傘の中にあるというのだ。

抗生物質は、菌類(fungi)のような生きているマイクロ有機体から作られるのに対して、抗菌剤は、されにとどまらず、合成の製品をも含む、という。

しかし、この定義だと、合成はよくて、生きているマイクロ有機体は、だめ、ということになってしまう。

タイソン・フードの広告では、「抗生物質は使われていない」との売込みだが、ここでも、抗菌剤は使われている。

たとえば、タイソンで使われているイオノフォア(Ionophore)は、生体内の特異的な反応を与える電解質(イオン)を取り込むことを促進させるが、これを孵化する前の鶏に注入することで、抗菌的効果を果たさせている。

とくに、動物の腸内におけるコクシジウム症や寄生虫症に対して、効果があるとされている。

これらについて、カンサス州立大学のマイケル・アプレイ氏は、抗菌剤使用食品を「抗生物質フリー食品」と呼ぶのは、消費者に対して不誠実(disingenuous)であるとしている。

なぜなら、これらの抗菌剤の大量の使用が消費者の体に与えるマイナスの影響というものが、十分には、検証されていないからだという。

しかし、一方、これらの抗菌剤の使用が、家畜動物の死亡率をおさえたり、健康によい影響を与えているとの説もある。

つまり、これらの抗菌剤の賢明・適切な使用は、大量な抗生物質の使用を避けうる手段となるとの意見だ。

 

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抗菌剤であれば、安全なのか?という議論

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:39:39

2009/07/08(Wed)
 
バクテリアを殺す抗菌剤の定義については、やや、あいまいで、FDAにおいても、抗菌剤必ずしも抗生物質とはイコールではないとされてはいるが、消費者が食品メーカーに対して、抗菌剤の使用のクレームをしても、その根拠とするラベル表示がないことが、問題になっているようだ。

このサイト
Debate over using anti-microbials in livestock」では、一般に、農場経営者や牧場経営者たちは、抗菌剤の使用は、害がないものと、消費者に対して説明しているのだが、はたして、どうなのだろう?との問題提起をしている。

この点について、科学者たちは、抗菌剤と抗生物質との違いは、単に意味論の違いだけである、としている。

すなわち、FDAによれば、抗菌剤は、抗生物質を含む、バクテリアを殺す製品の傘の中にあるというのだ。

抗生物質は、菌類(fungi)のような生きているマイクロ有機体から作られるのに対して、抗菌剤は、されにとどまらず、合成の製品をも含む、という。

しかし、この定義だと、合成はよくて、生きているマイクロ有機体は、だめ、ということになってしまう。

タイソン・フードの広告では、「抗生物質は使われていない」との売込みだが、ここでも、抗菌剤は使われている。

たとえば、タイソンで使われているイオノフォア(Ionophore)は、生体内の特異的な反応を与える電解質(イオン)を取り込むことを促進させるが、これを孵化する前の鶏に注入することで、抗菌的効果を果たさせている。

とくに、動物の腸内におけるコクシジウム症や寄生虫症に対して、効果があるとされている。

これらについて、カンサス州立大学のマイケル・アプレイ氏は、抗菌剤使用食品を「抗生物質フリー食品」と呼ぶのは、消費者に対して不誠実(disingenuous)であるとしている。

なぜなら、これらの抗菌剤の大量の使用が消費者の体に与えるマイナスの影響というものが、十分には、検証されていないからだという。

しかし、一方、これらの抗菌剤の使用が、家畜動物の死亡率をおさえたり、健康によい影響を与えているとの説もある。

つまり、これらの抗菌剤の賢明・適切な使用は、大量な抗生物質の使用を避けうる手段となるとの意見だ。

 

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