2008/10/29(Wed)
このところ、金融機能強化法の対象の是非をめぐって、東洋経済が、やつぎばやに、農林中金についての記事を下記のように出している。(いずれも、民主党参議院議員の署名記事なのだが。)
「金融機能強化法が復活、農水官僚が支配する農林中金の巨額損失救済の疑惑」
じつは、私が農林中金在職中に、昭和48年、第七次農林中央金庫法改正という一大問題があり、そのときに、総合企画本部にいたわたくしは、このことを、一般に理解を求めるためのキャンペーンを、東洋経済さんにお願いし、相当な予算を組んで、一大キャンペーンをはったことがある。
第七次農林中央金庫法改正の主な中身は、それまで法律上に規定されていた50年の存立期間が満了することに伴うもので、世論のなかには、この機をもっての廃止論もあったという、農林中金にとっては、存亡の危機に瀕した時でもあった。
すでに、その当時の関係者(森本修理事長、林武志理事、安井理事、井川光義さん、土肥幸一郎さんなど)のほとんどは、鬼籍にはいられているのだから、その当時のことを知る人間は、私と東洋経済の大西良雄さん(同社常務取締役・第1編集局長をつとめられ、現在は退社されて経済ジャーナリストとしてご活躍のようだが。)くらいしかいないとおもうが。
大西さんと私とは、農林中金存続必要性強調キャンペーンの間中、全国の優れた農業の事例を求めて、全国を歩き回った。
新潟の西蒲原郡の土地改良区(西蒲原土地改良区)を取材したときには、大西さんが、旅先で、高熱を出され、はらはらさせられたこともある。
これらの取材の結果は、毎月一回の東洋経済の特集ページに記載された。
これをきっかけに、その後も、私は、大西さんとは、勉強会を開くなど、親しくさせていただいていた。
そんな関係に、かつてはあった東洋経済と農林中金とが、今回、はからずも、金融機能強化法をめぐってバトルらしき関係におちいっているのは、私としては、なんとも、複雑な心境である。
同時に、民営化後の農林中金の透明性確保の不足、民営化にもかかわらず、ことあらば官・政依存の「いいとこ取り的民営化体質」、市民対象の広報不足のおごり、ヘッジファンド以下の、ヘッジをかけない乱暴・無謀な農林中金の海外資金運用の実態も、そこに、見えてくるのだが。
関係する私のブログ記事
「はたして「グッド・タイム」なのか?農林中金の値下がりサブプライム関連投資」
「JAバンク(農協)は、ライファイゼン原則に回帰すべし」
「金融危機で、韓国が米国債売却の可能性について言及」