Sasayama’s Weblog


2005/11/12 Saturday

タミフルと、リレンザの副作用一覧

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:46:58

2005/11/12(Sat)
 
null今朝の新聞記事「インフルエンザ薬:タミフル問題、学会でも論議」や、「インフルエンザ治療薬 タミフルで異常行動死 」で、タミフル等の抗ウイルス薬(Antiviral Drugs)の副作用についての懸念が広まっていますが、下記に、タミフルとリレンザの副作用一覧を掲げましたので、ご参照ください。
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インフルエンザの抗ウイルス薬には、次の五種類があります。

Tamiflu−タミフルは商品名(brand name 、Roche社)で、一般名(generic name)はoseltamivir  phosphate(リン酸オセルタミビル)

Relenza−リレンザは商品名( GlaxoSmithKline社)で、一般名は、zanamivir(ザナミビル) 

Amantadine−アマンタジンは、一般名(Amantadine Hydrochloride)で、商品名は、別にあり、アマゾロン(Amazolon)、シンメトレル(Symmetrel )のほか、LysovirAdekin, Aman, Amantadina, Amantagamma, Amanta-Hcl, Amantan, Amixx, Antadine, Atarin, Cerebramed, Endantadine, Gen-Amantadine, Influenzol, Lysovir, Mantadan, Mantadix, Paramantin, Paritrel, Protexin, Solu-Contenton, Symadine, Tregor, Viregyt, Virofral, Virosol等、

ぃ劭mantadine−リマンタジンは、一般名(Rimantadine hydrochloride)で、商品名はフルマジン(Flumadine)、日本では未発売(Forest社)。

Ribavirin-リバビリンは、一般名(RN CAS Registry Number (R): 36791-04-5)で、商品名は、Ribazid, Virazole 、Rebetol、Copegus, Desiken, Ribaviran, Ribavirinum, Tribavirin, Trivorin, Viramid, Virazide, Ribavirin など。エアロゾール・タイプでFDA未認可。

以上の五種類です。

1.タミフル(Tamiflu またはoseltamivir)の副作用一覧
Tamiflu® Medicine Guide 」より
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●うずきと痛み (Aches and pains )
●アレルギー反応によるショック(Allergic reactions sometimes leading to shock)
●喘息−既往症として喘息がある方の悪化(Asthma - aggravation of pre-existing asthma )
●気管支炎(Bronchitis )
●肺感染症(Chest infection )
●結膜炎(Conjunctivitis )
●皮膚炎(Dermatitis )
●下痢(Diarrhoea )
●不眠(Difficulty sleeping )
●めまい(Dizziness )
●耳感染(Ear infection )
●耳の異常(Ear problems )
●多形性紅斑(Erythema multiforme)
●頭痛(Headache )
●肝炎(Hepatitis)
●消化不良(Indigestion )
●肝異常(Liver problems )
●リンパ節症(Lymphadenopathy )
●吐き気(Nausea )
●鼻血(Nose bleed )
●発疹・吹き出物(Rash or rashes)
●鼻水(Runny nose )
●静脈洞炎(Sinusitis )
●スティーブンス・ジョンソン症候群、または、皮膚粘膜眼症候群(Stevens Johnson syndrome )
●風邪症候(Symptoms of a cold )
●疲労感(Tiredness)
●腹痛(Tummy pain )
●蕁麻疹(Urticaria )
●嘔吐(Vomiting )

なお、タミフルの日本での発売元の中外製薬のサイト『タミフルの添付文書情報』(平成14年10月30日付厚生労働省医薬局安全対策課長通知 第1030001号に基づき自主改訂、改訂前後の変更点対比表は、こちらのサイトご参照)では、副作用として、次のように書いてあります。
医薬品・医療用具等安全性情報 No.202」(2004年6月)も、ご参照

以下引用
「カプセル剤の承認時までの調査309例において、副作用は、85例(27.5%)に認められた。主な副作用は、腹痛21件(6.8%)、下痢17件(5.5%)、嘔気12件(3.9%)等であった。(承認時)
ドライシロップ剤(1〜12歳の幼小児)の承認時までの調査70例において、副作用は35例(50.0%)に認められた。主な副作用は、嘔吐17件(24.3%)、下痢14件(20.0%)等であった。(承認時)

(1)重大な副作用
1) ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2) 肺炎(頻度不明):肺炎の発症が報告されているので、異常が認められた場合にはX線等の検査により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行うこと。
3) 肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST (GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)等の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5)急性腎不全(頻度不明):急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6)白血球減少、血小板減少(頻度不明):白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7)精神・神経症状(頻度不明):精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等) があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、観察を十分に行い、症状に応じて適切な処置を行うこと。
8)出血性大腸炎(頻度不明):出血性大腸炎があらわれることがあるので、血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2)その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(後略)」」
引用終わり

タミフルの生産過程のビデオが、ロッシュのサイトで見られます。
このサイト「Pandemic influenza and Tamiflu production」の一番下の『Video on Tamiflu production - Quicktime or RealPlayer』をクリックして、ご覧ください。

2.リレンザ(Relenzaまたはzanamivir)の副作用一覧
Relenza™ Medicine Guide 」より
null
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●うずき感 (Aches and pains )
●呼吸困難(Breathing difficulty )
●気管支炎(Bronchitis )
●気管支けいれん(Bronchospasm)
●咳(Cough )
●下痢(Diarrhoea )
●耳感染(Ear infection )
●顔面浮腫(Facial oedema )
●頭痛(Headache )
●鼻の炎症(Nasal irritation )
●吐き気(Nausea )
●発疹・吹き出物(Rash or rashes)
●静脈洞炎(Sinusitis )
●咽喉感染症(Throat infection)
●のどの締め付け感(Throat tightness)
●蕁麻疹(Urticaria )
●嘔吐(Vomiting )

なお、リレンザの日本での発売元のグラクソ・スミスクライン社のサイト『リレンザの添付文書情報』では、副作用として、次のように書いてあります。

以下引用
「2.副作用
国内臨床試験において、総症例291例(40mg/日111例、吸入・鼻腔内噴霧40例を含む)中、50例(17.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された(承認時)。また、海外において、市販後に発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、口腔咽頭浮腫等のアレルギー反応、気管支攣縮、呼吸困難が報告された。
(1) 重大な副作用
1)アナフィラキシー様症状:口腔咽頭浮腫等のアナフィラキシー様症状(頻度不明)が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与
を中止し、適切な処置を行うこと。
2)気管支攣縮、呼吸困難:気管支攣縮、呼吸困難(いずれも頻度不明)が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(1.重要な基本的注意(2)参照)。
(2) その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。(後略)」
引用終わり

3.アマンタジン(商品名Lysovir など)の副作用一覧

Lysovir Medicine Guide」より
null
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●異常筋運動(Abnormal muscle movement)
●興奮(Agitation)
●くるぶし腫脹(Ankle swelling)
●不安感(Anxiety )
●食欲減退(Appetite - decrease or loss of appetite )
●行動変化(Behaviour changes)
●肌色の変色(Changes in your skin colour)
●注意散漫(Concentration - poor concentration)
●錯乱状態(Confusion)
●便秘(Constipation )
●てんかん(Convulsions )
●協調困難(Coordination - difficulty with coordination )
●精神錯乱(Delirium )
●うつ病(Depression )
●下痢(Diarrhoea )
●排尿困難(Difficulty passing urine )
●見当識障害 (Disorientation)
●目まい (Dizziness)
●口渇(Dry mouth)
●失神(Fainting)
●発熱(Fever )
●妄想・幻視(Hallucinations )
●頭痛(Headache )
●心臓不整脈(Heart arrhythmia )
●心拍数の増減(Heart rate - increase or decrease in heart rate )
●不眠症(Insomnia )
●無気力( Lethargy )
●立ちくらみ(Light-headedness )
●低血圧(Low blood pressure)
●躁病(Mania )
●躁鬱(Mood changes )
●筋肉痛(Muscle pain )
●吐き気(Nausea )
●緊張感(Nervousness)
●悪夢(Nightmares )
●光過敏症(Over-sensitivity to daylight )
●動悸(Palpitations )
●精神疾患(Psychosis)
●発疹・吹き出物(Rash or rashes )
●言語不明瞭(Speech - slowing or slurring of speech )
●発汗(Sweating )
●疲労感(Tiredness )
●身震い(Tremor )
●尿失禁(Urinary incontinence)
●視力困難(Vision - difficulty with vision )
●嘔吐(Vomiting )
●歩行困難(Walking difficulty )
●衰弱(Weakness )

4.リマンタジン(商品名Flumadineなど)の副作用一覧
Drug Guide-Rimantadine」より
null
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●腹痛(Abdominal pain)
●不安感(Anxiety )
●便秘(Constipation )
●食欲減退(decreased appetite)
●目まい (Dizziness)
●眠気(Drowsiness)
●口渇(Dry mouth)
●頭痛(Headache )
●不眠症(Insomnia )
●立ちくらみ(Light-headedness )
●吐き気(Nausea )
●嘔吐(Vomiting )
●緊張感(Nervousness)

5.リバビリン(Ribavirin)(商品名Virazole等)の副作用一覧
Net Doctor-Virazole」より
null
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●細菌性肺炎(Bacterial pneumonia)
●血液における未熟赤血球数の増加(網状赤血球増加症)(Increase in the number of immature red blood cells in the blood (reticulocytosis)
●赤血球数低下(貧血)(Lowe red blood cell count (anaemia))
●気胸(Pneumothorax)
●肺機能悪化(Worsening lung function)

以上

抗ウイルス薬(Antiviral Drugs)の副作用についての詳細は、下記のサイトをご参照
 Antiviral Drugs and Influenza 」(抗ウイルス薬の使用法などの概説)
Antiviral Drugs and Influenza -pdf版」(,pdf版)
Antiviral Drugs: Summary of Side Effects 」(抗ウイルス薬の副作用の概要と関係リンク)
Prevention and Control of Influenza」(インフルエンザの防御とコントロールについての総合解説)
Background Information for Clinicians: Antiviral Agents for Influenza」(抗ウイルス薬の処方についての総合概説)
ΑResistant influenza A viruses in children treated with oseltamivir: descriptive study.」(河岡義裕博士などによる、日本の子供のタミフル耐性についての研究論文)
А Wikipedia, Oseltamivir」(タミフルについての一般知識)
New Product Bulletin: Tamiflu (02-00)」(タミフルについての詳細な解説書)
PUBLIC HEALTH BULLETIN」(48ページにわたる、タミフルについての総合解説。副作用(side effect)については、本文本体のページで、12−14ページ、pdfページでは、16-18ページに記載。)
Oseltamivir (Systemic) 」(タミフルについての概要と関係文献リンク)
MLリソース:抗インフルエンザウイルス薬

参考
私のブログでの『タミフル』関連記事

アメリカFDAが日本におけるタミフルの有害事象について言及
激化する世界のタミフル需要に対して、ロシュが、今後の生産計画などを発表
ロシュがタミフルのライセンス生産認容
河岡義裕氏などのタミフル耐性論についての論議が盛んになる。」
「「日本人には、タミフルが効かなくなる」と、香港の薬理学者が警告
鳥インフルエンザ対策に有効とされるVIRA38って、なんだ?」
中国のアマンタジン飼料混入疑惑と、人体のアマンタジン耐性化への影響
タミフルは、われわれを、鳥インフルエンザから救えるのか?」

 

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笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-図書館-掲示板

2005/11/11 Friday

『鳥インフルエンザ・ウイルスの侵入によって、人間の免疫系そのものが、人間を直撃する。』との研究

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 22:39:43

2005/11/11(Fri)
 
nullこのサイト『Bird flu makes human immune system ‘attack itself’』によると、この研究は、今日の「Respiratory Research」のオンライン版に発表されたもので、香港大学の Malik Peiris 氏らの研究によるものである。

原文は、「Proinflammatory cytokine responses induced by influenza A (H5N1) viruses in primary human alveolar and bronchial epithelial cells 」(M CW Chan, C Y Cheung, W H Chui, G SW Tsao, J M Nicholls, Y O Chan, R WY Chan, H T Long, L LM Poon, Y Guan, J SM Peiris
Respiratory Research 2005, 6:135 (11 November 2005))である。

これによると、鳥インフルエンザH5N1が、通常のヒト・インフルエンザH1N1に比して、激しい症状を人間にもたらすのは、人間の免疫系が、『過剰反応』(overreact)をすることによるものなのだという。

すなわち、ウイルスに感染した肺細胞は、通常のウイルスに感染した細胞以上に、サイトカイン(cytokines)やケモカイン(chemokines)等の多くの『化学的メッセンジャー』を作り出し、これらの『化学的メッセンジャー』は、免疫系に対して、これらのウイルスを攻撃するために、多くの白血球を送るように、警告を出すのだという。

これは、H5N1ウイルスに感染した人の肺が、なぜ、マクロファージと呼ばれる白血球で一杯であるのかを説明する理由となるという。

この研究チームによれば、過剰な白血球は、肺組織を損傷しうる化学物質を排出するのだという。

もし、H5N1ウイルスによる死が、このような免疫系の変換によるものだとするなら、感染細胞によって作られたこれらの化学メッセンジャーをターゲットにして、治療することが出来るのではないかといっている。

たとえば、化学メッセンジャーであるサイトカインの働きを阻害したりする薬の投与で、患者自身の免疫系によって、自らを損傷することが、避けられるのではないかということである。(注- Xenova ResearchOX40等が、他のサイトで上げられている。)

しかし、この研究の完成までには、ここ数年かかる見通しとのことである。
以上

追記 2005/11/12 サイトカイン過剰反応説について

細胞間情報伝達分子である「サイトカイン」(cytokines)の過剰な反応については、これまでも、『the Cytokine storm』として、問題視している。

この「Cytokine Storms」については、このサイト「Cytokine Storms
または、このサイトの図示の図示をご参照ください。

スペイン風邪の際のサイトカイン過剰反応説については、the Illinois Department of Public HealthのCraig Conover博士の説(『Killer Flu May Be A Plane Ride Away』参照)や、ミネソタ大学のOsterholm,博士の説(「Preparing for the Next Pandemic」参照)等があります。

以下に、『the Cytokine storm』についてのサイトをいくつか、掲げておきます。
flu wiki Cytokine storm
The New England JournalでのMike Osterholm氏のアニメーション
「New ScientistでのIan R. Humphreys氏らによる論文”A Critical Role for OX40 in T Cell–mediated Immunopathology during Lung Viral Infection ”」
What is the Cytokine Storm?
How the Flu Kills You: The Cytokine Storm
New flu drug calms the ’storm’
Imperial researchers show novel flu treatment eliminates symptoms in mice


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「日本の消費者のアメリカ牛肉ボイコット運動は、ホルモン入り牛肉のボイコットにまで拡大するであろう。」との論評

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:03:14

2005/11/11
 
nullこのサイト「MORE THAN ONE REASON FOR THE THREATENED BEEF BOYCOTT 」では、日本の消費者のアメリカ牛肉ボイコット運動は、現在のアメリカのホルモン入り牛肉へのボイコット運動にまで、拡大するであろうとして、それが新たな脅威であるとしている。

すなわち、このサイトでは、アメリカの牛肉は、すでに、過剰な性ホルモンによって汚染されているとして、その実態を伝えている。

アメリカでは、牛がフィードロットに入ると、耳朶に性ホルモンの小粒を埋め込まれる。

このプロセスが、と畜される前、100日間の肥育期間の中間点で、繰り返されることによって、牛の体重を増やすこととなり、一頭につき、80ドルの利益が上がるという。

ホルモンの中身としては、自然のエストラジオール、黄体ホルモン、テストステロン、合成のゼラノール、トレンボロン、メレンゲステロール等が使われる。

FDAやUSDAは、依然として、これらのホルモンが、アメリカ牛肉に含まれるレベルは、正常レベルとして、それ以上の検査をすることを放棄しているという。

しかし、ヨーロッパでは、このアメリカの主張に対して、懐疑的である。

情報公開法に基づき得られたFDAの報告では、アメリカ牛肉の中には、過剰なホルモンが残留していることがわかった。

Synovex-Sという耳朶埋め込み式ホルモン注入においては、エストラジ二オールと黄体ホルモンとの組み合わせがされているが、これを使った場合には、正常値の20倍が、牛肉に残留していることがわかった。

これでいくと、8歳の子供が、一日に二個づつ、ハンバーカーを食べることによって、エストラジオールの総量は、この子供の総ホルモンの量を約10パーセント、上昇させることになるという。(S. Epstein, “None of Us Should Eat Extra Estrogen,” Los Angeles Times 24 Mar. 1997.)

特に、自然のホルモンレベルがまだ低い幼児ほど、この上昇率は高いという。

性ホルモンの上昇は、生殖器系がん発生率を高めることになり、アメリカでは、1975年以来、閉経後乳がんの37パーセント、睾丸か゜んの46パーセント、前立腺がんの88パーセントが、これにリンクしているという。

エストロゲン入り殺虫剤や食物に含まれるフタル酸汚染物質、化粧品に含まれるフタル酸やパラベンなどの内分泌系破壊作用については、認識されてきているが、牛肉に残留するホルモン汚染は、これらよりも、強力であるにもかかわらず、認識は薄いのが現状である。

近年、オハイオ州立大学の研究によると、牛にゼラノールを埋め込んだ実験では、その牛の肉や血液に、料理するに耐えられないほどの重大なホルモン効果を生み出したとしている。

実験室でのテストでは、人間の乳腺細胞に対して、正常細胞・がん細胞ともに、重大な影響を及ぼしたという。

さらに、これまで、アメリカ人は、日本人に比して、乳がんのリスクが、5倍高いとされていたが、最近のロスアンジェルスのがん罹患比率に関する研究では、日本からアメリカへの移住者が、二代経るうちに、がん罹患率が上昇してきたとの研究がある。
これは、食生活の西欧化が、乳がんの原因となっていることを示したものであるという。
以上

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2005/11/10 Thursday

激化する世界のタミフル需要に対して、ロシュが、今後の生産計画などを発表

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:05:28

2005/11/10(Thu)
 
null昨日、ロシュのWilliam Burns氏が発表したところによると、今後のロシュ(ロッシュ)のタミフル生産は、次のとおりであるという。

これまでのタミフルの生産実績は、2002年5,500,000服.2003年18,000,000服.2004年27,000,000服.2005年55,000,000服.であった。

これを、2006年には、150,000,000服.2007年には、300,000,000服にする予定であるという。

また、ライセンス生産先の候補予定リスト(shortlist)150社を、今月末までに公表する予定であるという。

さらに、低開発国など貧困国に対しては、タミフルの錠剤ならびにバルクパウダーともに、一定のディスカウントをする予定であるという。

また、TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する 協定)に関して、製薬会社の特許が優先 するのか、公衆衛生が優先するのか、の問題についてロシュとしては、社会的責任を優先するとして、世界の国の中で、「強制許諾権」(compulsory licensing.)にふみきる場合は、それにこだわらないとし、「むしろ、われわれが恐れているのは、ライセンスにこだわった結果、海賊版( pirates)のタミフルが横行することを懸念している」ともいった。

最後に、William Burns氏は、「当面の需要に量的にこたえることも、我々の課題であるが、同時に、この需要が急速に衰えた場合の財政的リスクも、考えなければならない。」とした。

Roche ‘not on a collision course’ with governments over Tamiflu production 」参照


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2005/11/08 Tuesday

もうひとつのエコナ問題-ジアシルグリセロール アシルトランスフェラーゼの過剰発現-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:56:58

2005/11/08(Tue)
 
nullエコナの問題を追及していくと、ひとつのキーワードにぶち当たる。

過剰発現(Overexpression)という言葉である。

次のサイト「Overexpression of Diacylglycerol Acyltransferase-1 Reduces Phospholipid Synthesis, Proliferation, and Invasiveness in Simian Virus 40-transformed Human Lung Fibroblasts」は、専門的で、なかなか、理解するのが、難しいのだが、おぼろげながら解釈すると次のようなことらしい。

すなわち、

肥満の原因は、トリアシルグリセロール(TAG)が脂肪組織に蓄積することによるものとされている。

また、脂肪酸移送(fatty acid transport protein )には、アシル CoA シンセターゼ(Acyl-CoA synthetase enzymes (ACSs) )という酵素(acyl carrier protein)が関係しているとも、いわれている。

そこで、トリアシルグリセロールが合成される最終の過程で働く、ジアシルグリセロール アシルトランスフェラーゼ(DGAT(Diacylglycerol Acyltransferase))という脂肪合成酵素が、脂質合成(lipid synthesis )に関与する遺伝子の発現を制御することによって、肥満を未然に防ぐことが出来るのではないのか、という考え方がある。
参照サイトhttp://www.nih.go.jp/eiken/chosa/kiban_yamazaki.html

ところが、このジアシルグリセロール アシルトランスフェラーゼ(DGAT(Diacylglycerol Acyltransferase))が、過剰発現(Overexpression )することで、リン脂質合成の形成を減少させ、これによって、細胞や細胞膜の形成に影響を与える。ということのようなのである。

このジアシルグリセロール アシルトランスフェラーゼの活動如何のシグナルを送るのが、ジアシルグリセロル(diacylglycerol、DAG、エコナまたはEnovaの80パーセント主成分)であるとの仮説がある。

つまり、ジアシルグリセロル(diacylglycerol、DAG)は、トリアシルグリセロール (triacylglycerol、肥満に関係)の形成に関係すると同時に、 リン脂質合成(phospholipid synthesis、細胞膜の形成・アポトーシス(細胞死)やカスパーゼ活性に関係)の形成にも関係しているという、二面性の機序があるということのようだ。

別の論文では、「DAGは、リン脂質形成(phospholipid synthesis)の前駆体(precursor)」との表現も見られる。

nullとかく、エコナの問題というと、「発がん性があるのか?、ないのか?」とか、「中性脂肪が減少するのか?しないのか?」とか、「健康にいいのは、TAGかDAGか?」などの、表面に現れた現象面にこだわってしまうのだが、上記のDAGのもつ機序の二面性−両刃の刃的捉え方-という視点(もっと下世話に言えば、リン脂質合成(phospholipid synthesis)と脂質合成(lipid synthesis )をめぐってのTAGとDAGとDGATとの五角関係とでもいうのかな?)から捉えると、これは、もっとシリアスな問題であることが、うすうすながらわかるのだ。

上記引用の論文は、下記サイトで見ることが出来ます。
「”Overexpression of Diacylglycerol Acyltransferase-1 Reduces Phospholipid Synthesis, Proliferation, and Invasiveness in Simian Virus 40-transformed Human Lung Fibroblasts”  Carolina Bagnato and R. Ariel Igal, Member of the Carrera del Investigador Científico、June 2, 2003」
http://www.jbc.org/cgi/content/full/278/52/52203

ご参考
03/06/16 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会会議事録
Identification of a gene encoding an acyl CoA:diacylglycerol acyltransferase, a key enzyme in triacylglycerol synthesis

以下に、これまでの、エコナに関する問題点を要約し、メモとしてまとめました。
また、同様の記事は、私の2005年9月28日のブログ記事「エコナ(DAG)の安全性を食品安全委員会の場で検証することは、適切なのだろうか?」にも、まとめておりますので、こちらのほうも、ご参照ください。

エコナについての問題点整理メモ
                     

1.発ガン性(carcinogenesis )について

(1)諸説について

●エコナ(DAG)の主成分であるdiacylglycerolがPKC (protein kinase-C )の活性化を促し、その活性化が、発ガンの過程で起きているとの研究がある。
PKC (protein kinase-C )にあるジメチルヒドラジン(dimethylhydrazine)が、結腸癌を引き起こすという研究がある。
Alterations in protein kinase C in 1,2-dimethylhydrazine induced colonic carcinogenesis.」参照

●エコナ(DAG)の主成分であるdiacylglycerolが、Ha-ras癌遺伝子を含む細胞のクローン拡張を促す要因になっているとの研究もある。
Diacylglycerol is an effector of the clonal expansion of cells containing activated Ha-ras genes」参照

●diacylglycerol自体が、細胞表面のレセプターに対してリレーでシグナルを送る場合、その信号を増幅してしまう「第二次情報伝達物質 (脂質セカンドメッセンジャー)」(Second Messengers、セカンドメッセンジャーとしては、ヾ直ヌクレチオド、▲ぅ離轡函璽觧哀螢鷸澄↓ジアシルグリセロール、ぅルシウムイオンなどがあるとされる。)としての役割があり、この増幅によって、細胞内に大きな生化学的変化を生じさせることになるとする研究もある。
Second Messengers」参照

(2)平成17年5月に発表された飯郷正明さんの「ジアジルグリセロールの発がんプロモーション作用に関する研究」について

●商品名「エコナ」(米国商品名「DAG」)(花王)という商品を含む基礎飼料をラットに与えて、動物実験をしているのだが、その肝心の商品名「エコナ」(米国商品名「DAG」)(花王)という商品における「1,2DAG(sn-1,2-diacylglycerol)」と「1,3DAG(sn-l,3-diacylglycerol)」の比率は、この研究報告書では明らかにされていない。

●この実験に使われた”DAG”の「1,2DAG(sn-1,2-diacylglycerol)」対「1,3DAG(sn-l,3-diacylglycerol)」比率が、花王のアメリカでの商品名”DAG”の「1,2DAG」と「1,3DAG」の比率と同一なものなのかどうかについても、花王サイドからは、明らかにされていない。

ちなみに、「1,2DAG」(sn-1,2-diacylglycerol)のほうが、PKC活性化が高く、発がん性が高いとされている。

●花王は、「エコナ」について、1,2−ジアシルグリセロールと1,3-ジアシルグリセロールの比を明らかにはしていない。

●食品安全委員会における「高濃度にジアジルグリセロールを含む食品の安全性」の審議なるものは、化学成分としての「DAG」の審議なのか?花王さんのアメリカでの商品名としての「”DAG”」(DAGに占めるdiacylglycerolの構成比を80パーセント以上とし、そのdiacylglycerolにおける、1,3-diglyceride(発がん性が低い) と 1,2-diglyceride(発がん性が高い) との構成比を7対3の比率)の審議なのかが、明らかになっていない。

●今回の食品安全委員会に対する再諮問の内容の一番最後に「なお、今後の追加試験計画を立てるにあたり、特殊な遺伝子組み換えラット安全性の評価を目的として用いることの妥当性とそのラットを用いた試験結果の評価方法について、ご意見があれば伺いたい。」とあるのは、「発がん高感受性トランジェニックラット」を使った実験で、「雄において、”DAG”が直接接触する舌にのみプロモーション作用を示唆する結果」とした結論を覆すためのものなのか。

2.中性脂肪低減効果(inducing the separation of neutral lipids)について-Diacylglycerol (DAG)とtriglycerides (TAG).との対比-

●2000年10月4日の肥満学会で、筑波大学の鈴木正成氏らが、エコナの体脂肪低減効果を疑問とする研究成果を発表した。 (日経バイオビジネス2002.12.)

●京都バイオサイエンス研究所長の西岡一 氏が、消費者リポート第1241号(2003年11月17日発行)で、「この物質は発癌のプロモーターの可能性がある」とした。

●肥満の原因は、トリアシルグリセロール(TA-G)が脂肪組織に蓄積することとなるとされている。
そこで、DGAT(ジアシルグリセロール アシルトランスフェラーゼ-TG合成の最終段階で働く酵素でジアシルグリセロール(DG)からTGを合成-)の遺伝子等脂肪合成に関与する遺伝子の発現を制御することによって、肥満を未然に防ごうとする考えがある。
しかし、DGAT(Diacylglycerol Acyltransferase)の過剰発現が、phospholipid synthesis(リン脂質合成)の減少を招き、細胞膜に影響を与える、などの研究がある。
これは、DAGが、triacylglycerol (トリアシルグリセロール-肥満に関係)と phospholipid synthesis(リン脂質合成−細胞膜の形成やカスパーゼ活性に関係)との双方の仲介項になることによるものとされる。

3.FDAの見解について

●FDAは、2000年8月11日に、「一般に安全と認められる食品(GRASS)」(No.GRN00056)として認め、さらに、2002年8月19日に、当初の申請者である「KAO Corporation(Kao)」が、合併法人「Archer Daniels Midland-Kao(ADM-Kao)」となったため、2000年8月のNo.GRN00056を。合併新会社の「ADM-Kao」に移すことを、No.GRN00115として、申請したものである。

この申請において、Kaoは、「DAGは、DAGに占めるdiacylglycerolの構成比を80パーセント以上とし、そのdiacylglycerolにおける、1,3-diglyceride(発がん性が低い) と 1,2-diglyceride(発がん性が高い) との構成比を7対3の比率にした。」とした。

●FDAは、2000年8月11日に、「一般に安全と認められる食品(GRASS)」と認めたものの、次に付いての条件を、Kao側に対して、付している。

すなわち、

.マーガリンが、植物からとった食用油であるのに対して、エコナ(DAG)は、食用油ではない。
それ故に、FDAは、エコナの主成分であるジアシルグリセロール(diacylglycerol)がGRAS( Generally Recognized as Safe 一般に安全と認められる食品素材)とする花王の主張に対しては、異議をはさまなかったが、その使われ方については、これまでのマーガリンに代替される使われ方ではなく、補助的使われ方がされることを前提として、花王に対して、今後、更なる安全性の検証をもとめた。

.DAG オイルは、標準のマヨネーズに使用することは、法的には、認められない。
DAG オイルを使用するのは、スプレッドについて、植物油の代わりに、ホームユース向けの商用の処方として、使う場合となる。

.エコナのアメリカでの商標であるDAGについて、消費者は「主成分であるdiacylglycerolのDiとAcylとGlycerolの省略形」としては、認めないので、diacylglycerolをそのまま使うべきである。

.エコナ(DAG)のトランス脂肪酸表示について、エコナ(DAG)の製造過程が、植物油からトランス脂肪酸を抽出し、それをさらに、再エステル化し、ジアシルグリセロール (diacylglycerol)を作るというやり方であるので、水素添加にかんしての 「認められうる製造工程”an accepted process”」とはいえない。

以上


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2005/11/05 Saturday

大原一三先生を悼む

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 19:28:03

2005/11/04(Fri)
 

null昨日、元衆議院議員の大原一三先生がご逝去されたという。

私も、大原先生も、大蔵委員会が長く、よく、ご指導いただいた。

いつの時たったか、私が、浪人生活を経て、国会にカムバックしてきたとき、「笹山君が浪人してたなんて、思わなかったな。いつも、国会にいたような気がしてて。」といってくれて、なんとなく、うれしかった。

飄々とされた方で、晩年は、時の政権へのご意見番として、矢継ぎ早に、政策ビジョンを発表されていた。

2003年10月には、早々と引退表明され、その後は、研究所を開設され、「日本人の忘れ物」(2003年) 時事通信社「官庁大改造」(2004)扶桑社 などの出版で、引き続き、大原ビジョンを発表されていた。

私は、よく思うのだが、ご活躍の時代に、ブログを持たせてあげたかった政治家が幾人かいる。

一人は、石橋湛山先生である。

石橋湛山先生は、東洋経済を主体として、言論活動をされ、60歳を過ぎられて、政界に入られた方であるが、もし、今のブログ時代に、言論活動をされたら、どのような活躍をされたであろうか、と、時々、思う。

もうお一方は、宮沢喜一先生である。

先生は、国会で待ち時間が出来ると、国会前に止めてある車の中で、外国紙を読み漁っていた、という伝説の持ち主でもある。

もし、宮沢喜一先生が、政界引退後、ブログと、ネットを駆使し、バイリンガルでの情報発信をされたら、どのような、興味深いサイトが出来るのだろう、と、つくづく、思うことがある。

ご引退後は、「聞書」という形でのご出版や、テレビ出演などしかされていないようなのだが、その点、実に残念である。

そして、もうお一方が、この大原一三先生である。

大原先生のサイトは、このようにあることはあるのだが、残念ながら、お自らはタイピングをなされなかったらしく、コンテンツは、先生の迸る御言説からすれば、やや、不足気味である。

先生も、初当選が、新自由クラブだったせいか、その後、いろいろな意味で、ご苦労されたことと思う。

これからが、大原ビジョンの開花するときであろうことを思うと、昨日の大原先生のご逝去は、まことに残念のきわみである。

謹んで、ご冥福を祈りたい。

下記に「大原一三氏-敬愛すべき政治家−」という、生方史郎さんのサイトがありましたので、ご紹介しておきます。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ubukata/20040725.html

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2005/11/03 Thursday

韓国と中国が、それぞれ、寄生虫卵入りキムチの生産企業名を公表-公表企業名一覧-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:29:17

2005/11/03
 

null寄生虫卵(기생충 알이)入りキムチ( 김치 )をめぐって、韓国と中国が、双方、責任を問うているが、ここに来て、韓国と中国が、それぞれ、寄生虫卵などが検出されたキムチの製造企業などを公表した。

寄生虫入りキムチ問題をめぐる、韓国・中国のこれまでの経緯は、次のとおりである。

2005年10月21日、韓国の保健福祉部と食品医薬安全庁が、「中国産輸入キムチから、寄生虫卵が検出された。」とし、9種類のキムチ名を公表した。

2005年10月27日、韓国の食品医薬品安全庁は、10月21日に引き続き、中国に輸入された中国産キムチのうち、12社の製品から、寄生虫が検出されたと、発表した。

2005年10月31日、中国国家品質監督検験検疫総局(AQSIQ、質検総局)は、韓国産キムチ製品7品目、とうがらし製品2品目、焼肉用調味料1品目から、寄生虫の卵が検出されたと、発表し、その企業名などを公表した。

2005年11月03日、韓国の食品医薬品安全庁は、韓国でキムチを製造している16社の製品から寄生虫の卵が見つかったと発表した。

韓国KBSでの報道ビデオは、サイト「[뉴스 9] 국산 김치 3.2%서 기생충알 검출」でどうぞ。
300k または 56K をクリックしてください。

詳細は、下記のとおり

2005年11月03日に韓国側が発表した企業名

01.「명동식품」ミョンドン食品・ミョンドンカルカックス蝓‐ι別勝.ムチ 所在地 大邸・北区

02.「내고향식품영농조합법인」ネゴヒャン食品・営農法人 商品名 白菜キムチ 所在地 光州・光山区

03.「남양농협」ナムヤン農協・ナムヤン農業協同組合 商品名 ボギキムチ 所在地 京畿道・一山区

04.「㈜울엄마」螢Ε襯ンマ 商品名 ボギキムチ  所在地 京畿道・安山市

05.「전원김치」田園キムチ 商品名 ボギキムチ  所在地 忠清北道・堤川市

06.「 ㈜한성식품 진천공장」螢魯鵐愁鷽品・鎮川第一工場 商品名 ボギキムチ  所在地 忠清北道・清原郡

07.「살미농협 초정식품」チョジョンキケチ・サルミ農協チョジョン食品 商品名 白菜キムチ  所在地 忠清北道・清原郡

08.「㈜참식품」螢船礇狄品 商品名 ボギキムチ  所在地 忠清北道・忠州市

09.「주영식품」ジュヨン食品 商品名  ボギキムチ 所在地 忠清南道・唐津郡

10.「청정식품」清浄食品 商品名 ボギキムチ  所在地 全羅北道・完州郡

11.「미인김치」美人キムチ 商品名 白菜キムチ    所在地 全羅北道・益山市

12.「영식품」ヨン食品 商品名 白菜キムチ   所在地 全羅北道・任実郡

13.「㈜남산식품」螢淵爛汽鷽品 商品名 ボギキムチ  所在地 慶尚北道・慶州市

14.「시원식품」シウォン食品 商品名 ボギキムチ  所在地 慶尚北道・金泉市

15.「원식품」ウォン食品 商品名  白菜キムチ  所在地 済州・済州市

16.「무궁무진식품 」ムグンムジン食品 商品名 ボギキムチ  所在地 済州・済州市

参照「먹거리 불안 “이대론 안된다”」
朝鮮日報」
一覧表

2005年10月31日に、中国側が発表した企業名と商品名

キムチ7品目
01.东源食品 商品名“士大夫”切段泡菜;2005年10月24日生产的200克装
02.东源食品 商品名“士大夫”棵状泡菜;2005年10月1日生产的1000克装
03.斗山株式会社 商品名“中加吉”切段泡菜;2005年10月22日生产的80克装
04.斗山株式会社 商品名“中加吉”儿童泡菜;2005年10月21日生产的500克装
05.得特赛门 商品名“得特赛门”切段泡菜;2005年10月20日生产的80克装
06.CJ株式会社 商品名“海味泡菜”棵状泡菜;2005年10月20日生产的1000克装
07.pulmuone 商品名棵状泡菜;生产的有效期至2005年11月19日的1000克装

焼肉用調味料1品目08.大尚食品(株) 商品名“清净园”烤肉酱;生产的有效期至2005年12月23日的500克装

とうがらし製品2品目09.大尚食品(株) 商品名“清净园”辣椒酱;生产的有效期至2005年12月23日的500克装
10.海餐得(株) 商品名“太阳草”辣椒酱生产的有效期至2007年1月30日的500克装

上記、中国側リストの企業名と、韓国語企業名との対比は、下記のとおりである。

01.02の「东源食品」は、韓国名「동원식품」であるが、これは、中国側が「東遠F&B公司」、韓国語名は、「동원F&B 」と、間違えたものとされている。
03.04の「斗山株式会社」は 「두산」である。
05の「得特赛门」は、「등이다」である。
06の「CJ株式会社」は、「CJ」である。
07の「pulmuone」は、「풀무원」である。
08.09の「大尚食品(株)」は、「청정원」である。
10の「海餐得(株)」は、「해찬들」である。
参照「‘한중 김치전’은 일어나지 않는다

2005年10月27日に、韓国側が発表した、中国から輸入の寄生虫卵入りキムチの流通業者名と、商品名

01.輸入業者チョデガム「수입업체 조대감」(チョデガム・キムチ)
02.チォンジギ「청지기」(キムチ)
03.フンフン流通「흥흥유통」(ソン家キムチ)
04.プルン流通「푸른유통」(キムチ)
05.J&C貿易「제이엔씨무역」(ミガ白菜キムチ)
06.未来流通「미래유통」(白菜キムチ)
07.彗星流通「혜성유통」(キムチ)
08.チァンジ食品「짠지식품」(ポギキムチ)
09.ハナグリーン通商「하나그린통상」(イ家白菜キムチ)
10.チォンロクフードコ「청록푸드코」(キムチ)
11.ウソン食品「우성식품」(白菜キムチ)
12.大韓食品「대한식품」(キムチ)
参照
朝鮮日報」
혹시 국산김치도?
식약청, ‘기생충 김치’ 수입업체 21곳 공개

なお、韓国側は、10月21日にも、中国から輸入されるキムチ(중국산 김치)の9種類に、寄生虫卵のあることを報道した。

これによると、127の中国企業が、230のインターネットサイトで、販売しているキムチから、見つかったものだという。
参照「중국산 김치 전면 통관보류 .. 9개제품에서 기생충 알 검출

この報道に対して、中国側は、これを無視している。

参照「十种韩国食品 我国停止入境

2005年10月21日に、韓国側が発表した、中国から輸入の寄生虫卵入りキムチの流通業者名と、商品名

01.フンフン流通「흥흥유통」((ソンガネキムチ)
02.螢ムチ大家「㈜김치대가 」(オドシキムチ)
03.大家食品「대가식품 」(ペチュキムチ)
04.清道食品「청도식품 」(ソンマッキムチ)
05.チャンドル食品「찬들식품 」(グリーンキムチ)
06.ファウォン通商「화원통상 」(ベチュキムチ)
07.ヌ゛ボン「부봉 」(セセムギキムチ)
08.ハナグリーン通商「하나그린통상」(イガネベチュキムチ)
09.大韓食品「대한식품」(キムチ)
参照
「[중국산 김치서 기생충알 검출]안심하고 먹으라더니…」
「< 표> 기생충알 검출 중국산 김치

以上が、韓国・中国両国が発表した生産企業等名一覧である。

寄生虫卵入りキムチの日本への輸出疑惑動向について

null韓国の報道によれば、このうち、日本へ輸出されたものが、韓国・中国それぞれ気弔鼎弔△襪箸気譴討い襦

韓国の寄生虫卵入りキムチが発見された企業の一つが、これを、昨年、10万ドル分、日本へ輸出していたと、報道されている。

この企業(企業名は伏されているが、一部報道では、上記02のネゴヒャン食品・営農法人とされる。)は、今回発見された16企業のうち、三番目に大きい企業とのことである。

また、この韓国サイト「“국산재료로 양심껏 만들었는데…”광주업체‘내고향식품’의 하소연 」によると、問題の企業は、日本へは、最近まで開かれていた博覧会(박람회)の出展店に対して、韓国を代表して輸出していたとしている。

また、このサイト「국산김치서도 기생출 알… 업계 “시장 위축될라” 우려」では、次のように書いてある。

「이 회사는 농림부 지정 ‘전통식품 품질인증서’와 ‘CLEAN 사업장’ 인증서를 받았으며 올해 초에는 일본 나고야에서 열린 ‘아이치식품박람회’에 한국 대표로 참석했다.」(概訳-この問題企業は、今年、韓国の農林省から、クリーンな企業としての証明をされ、日本の名古屋で開かれた博覧会では、韓国を代表して、出席していた。)

さらに、このサイト「30년 신뢰 한순간에 와르르」では、次のように書いてある。
「기씨 역시 지난해 광산구민상과 신지식인으로 선정될 만큼 광주지역에서는 알아주는 김치제조업체로 통한다.지난 3월 25일부터 9월 25일까지 일본 나고야에서 열린 `2005 아이찌 박람회’에는 한국 김치대표로 참가했다. `아이찌 박람회’는 세계 1등상품을 전시, 판매하는 행사로 세계 120개국이 참가했다.」
(概訳-この光州のキムチ産業を代表する問題企業は、日本の名古屋で、3月25日から、9月25日まで、世界120国が参加し、開かれた博覧会に、韓国を代表して、参加した。)

このサイト「광주 대표적 김치업체에서도 ‘기생충 알’ 검출」によれば、この企業は、日本に対して、二つのタイプのキムチを輸出していたといわれる。

null韓国が、今年の8月末までに日本へ輸出したキムチの量は、輸出総量23,327t の93パーセントに当たる 21,620t であった。
参照「기생충알 검출 업체 1곳 일본에도 수출

パック入りキムチ生産のシェアは、次のとおりである。

 두산 」71.2%, 「풀무원 」9.2%, 「동원F&B 」6.8%,ぁ농협 4.3%」, ァ한울농산 」2.6%, ΑCJ 」1.8%

このサイト『‘김치종주국’ 위상에 먹칠 우려 』によると、問題企業が日本へ輸出した量は、43トンであるとしているが、真相は明らかでない。

この中国側のサイト「中國究竟爲何禁止進口韓國泡菜?」によると、未確認情報ではあるが、中国の検査当局が、故意にかどうか、該当商品名を間違って記載しているようで、混乱があるようだ。

上記の中国側の発表では、「”東源”の“士大夫泡菜”」となっているものが、「東遠集団(東遠F&B公司)の“Yangban泡菜”」との説もあるのだが、確認されていない。

中国側の「동원식품」と「동원F&B 」との誤認であるという。
参照「동원F&B “기생충알 김치 업체는 우리 아닙니다”

東遠集團は、中国に加工工場を持っているが、それは、全量、日本へ輸出されているとしていう。

null日本の厚生労働省によると、中国と韓国で寄生虫の卵が見つかったキムチは、中国が21社の24 工場、韓国が23社で、そのうち中国2社韓国2社の合わせて4社が日本へキムチを輸出していた としている。(実名は明らかにされていないが、中国側が、10月31日に名指ししたキムチ三社「ネゴヒャン食品・営農法人」(내고향식품영농조합법인)「東遠(トンウォン)F&B 」(동원 F&B)「斗山(トゥサン) 」(두산)、そして、コチジャン1社「清浄園 」(청정원)の4社であるとおもわれる。)

なお、11月5日になって、韓国報道では、日本が検査の対象としているのは、「동원 F&B」(「東遠F&B公司」、)、「두산」(「斗山株式会社」),「등이다」(「得特赛门」)、「CJ」(「CJ株式会社」)、「 풀무원」(「pulmuone」),「청정원」(「大尚食品(株)」),「해찬들」(「海餐得(株)」)、など、中国側が10月31日に発表した7企業であるとの情報が流れている。
日,7개 한국산 김치 업체 전수검사
갈길막힌 한국산 김치』参照

この韓国KBSニュースビデオ「[국제] 日, 한국산 김치 등 통관 보류 전수 검사 」では、早速、日本の反応を伝えている。(サイト写真の右斜め下の300Kまたは56Kをクリックするとビデオが見られます。)

2005/11/08追記

韓国報道が伝えるところによると、日本政府は、韓国産キムチに対する通関保留措置を解除して全量検査を 韓国側の簡易検査に替えるとした。

日本の厚生労動省は、2日から韓国産キムチに対して日本の各検疫所で実施 してきた精密検査を、積み出し前に韓国国内で公認機関が実施する簡易検査 に替えると、韓国政府に通知した。

厚生労働省はまた、今後半月間に寄生虫卵が発見されない場合には通常的な 標本検査体制へ戻すこととした。
参照
Japan to resume Korean kimchi imports
「”日 국산김치 전수검사 조만간 해제”

なお、今後の日本輸出関連キムチについての、
韓国報道速報は、このサイト

中国報道速報は、このサイト

どうぞ。

以下は、現地で発表された表一覧

1.韓国側発表「韓国の寄生虫入りキムチ」リスト(2005/11/03発表)
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2.中国側発表「中国の寄生虫入りキムチ」リスト(2005/10/30発表)null
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上記表の韓国語版
국산 김치서도 기생충알 검출」より引用

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3.中国からの輸入キムチで、寄生虫が検出された企業名の韓国側発表(10月21日発表)と、中国側発表(10月31日発表)との対応比較表
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中, 기생충김치 ‘눈에는 눈’ 」より引用

4.中国側が発表した寄生虫入り韓国キムチについての韓国側の異論
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参照「‘중국 보복성 조치’파장·업계 반응

5.韓中キムチ戦争の経緯
「[한―중 불붙은 김치전쟁] 중 보복성 짙어…‘제2 마늘파동’ 가능성 」より引用

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6.2005年9月25日から、11月3日までの、寄生虫入りキムチ問題の経過
参照「中, 대서특필 않고 단신 처리
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7.キムチ原料キャベツの、中国産と韓国産キャベツとの違い(左が韓国産、右の二つが中国産(중국산 ))
参照「국산 배추와 중국산 배추 이렇게 구분하면 된다
null

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2005/11/02 Wednesday

メトロノームのようにくりかえされるFOMCの利上げに、もはや、市場は反応せず。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 15:58:51

2005/11/02(Wed)
 
nullアメリカFOMCは、昨日、12回目の利上げに踏み切り、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を0.25%ポイント引き上げ年4.0%としたが、市場の反応は鈍いようだ。

もともと、この0.25パーセント刻みの『計られたようなペース」(measured pace)の利上げには、もはや、市場には、チックタックと音を刻むメトロノームのようにしか聞こえないのかもしれない。

今回の利上げの大義名分は、ハリケーンの後始末の保険金支払いによる特需が、景気を刺激することへのインフレ懸念対応の利上げということなのだが。

次の会合は、12月13日のようである。

問題は、むしろ、グリーンスパンの来年1月までの在任中は、この調子の利上げが続くとしても、来年2月以降、新しいバーナンキ議長が、どのような政策展開を図るかに、興味は移ってきているようだ。

このサイト『FOMC Set to Play the Dozens 』では、バーナンキ議長になっても、変化は少ないとする見方が強いとしている。

その理由として、ハリケーンの被害が一過性のものに終わり、エネルギー価格も、低下を見せているし、個人消費支出も、9月には、0.9パーセントと、月間では、1981年以来の増加率を示したこと、などをあげている。

では、現在のアメリカFOMCの計られたペースでの利上げが、いつの時点で終わるのかということについては、おそらく、グリーンスパンがバーナンキにバトンタッチした来年1月31日の時点で、一挙にレートを二段階上げの4.5パーセントにするか、または、12月13日と1月31日との二回に分けて、トータル0.5パーセントの利上げをして、静かな状態で、バーナンキに引き継ぎ、この時点で、計られた利上げの過程は終わるのではないか、という見方のようである。

この1月31日の次のFOMCの会合は、来年3月28日であるが、この時点で、バーナンキが、グリーンスパンの計られたペースでの利上げ路線を継続するかどうかは、疑問とされている。

なぜなら、バーナンキは、強硬なインフレターゲット論者であり、彼の持論からすれば、インフレ抑制路線を継承することは、なかなか、想像できないからであるとされている。
しかし、この憶測に対しては、議会の制約もあり、ここ、数年は、バーナンキ色は出せないのではないかとの見方もある。

これまで、すっかりグリーンスパンに翻弄された感じなのだが、どうも、私は、これは、グリーンスパンさんのマジックだったのではないのかとも、見ている。

すなわち、FOMCの利上げをすること自体が、市場のインフレ期待を生む、という形での、市場誘導のマジックということだ。

ふりかえってみれば、グリーンスパン神話は、先見性への神話ではなく、うまく、直前の状況を先取りした神話の後作りだったということだ。

ちなみに、2002年1月12日の経済見通しでは、当初、グリーンスパンさんは、アメリカ経済についての非観的な見通しを述べたのだが、その数日後、楽観的な見通しに修正してしまったというような経緯もある。

占い師が、自らのカリスマ性を失わないがために、言を変えるというようなものなのだろうか。

この「計られたペースでの利上げ」も、インフレ傾向が見られるから、利上げをするのではなくて、FOMCが利上げをすること自体が、市場のインフレ期待を生み、さらに、それに対して、計られたペースでの利上げをするという、マジックのように見える。

さて、このアメリカの金利動向を受けての日本のゼロ金利脱出のタイミングが、上記のことからすれば、来年の1月31日と、3月28日の前後が、その踏ん切りをつけるタイミングとも、見て取れる。

すなわち、もし、バーナンキになって、これまでの計られたペースでの利上げがストップすれば、その段階で、日本は、ゼロ金利脱出の好機ともいえるが、バーナンキが、グリーンスパンの計られた金利引き上げ路線を継続すれば、その好機が生まれないことになり、日米の金利格差は、ますます、広がり、それが、円安誘導の大きな要因になっていくということだ。

つまり、バーナンキさんのインフレターゲットの持論は、アメリカで生かされるのかどうかではなく、日本で生かされるかどうかが、来年1月か3月のバーナンキさんの動向によって決まってくるという、皮肉な結果となりかねない。

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政策的な環境受忍限度か?疫学的な環境受忍限度か?-プリオン専門調査会の答申に思う-

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2005/11/02(Wed)
 
null10月31日の「BSE発生で禁止された米国、カナダ産牛肉の輸入について、再開を容認する答申案をまとめることを了承した」食品安全委員会プリオン専門調査会の吉川泰弘座長の記者会見ビデオニュースをこのサイトで聞いてみて、やや、判じ物めいたものを感じた。

この吉川座長の結論についてのご説明では、アメリカ・カナダと日本とのBSEリスクの同等性評価においては、
「科学的同等性を評価することは困難である」
との結論であって、
「科学的評価ができなかったということではない。前提条件を置けば、科学的評価はした。」
といわれる。

これを砕いていえば、
「前提条件を置けば、科学的評価はした。」→
「前提条件を置けば、科学的同等性を評価することができた。」→
「前提条件が遵守されれば、科学的同等性を保ちうるが、前提条件が遵守されなければ、科学的同等性を保ちえない。」→
「前提条件が遵守されるか、されないかは、食品安全委員会の職責にはなく、日本のリスク管理省庁の職責にもなく、アメリカのUSDAにある。」→
「したがって、今回の諮問に対しては、前提条件が遵守されうる担保は、日本国内にはなく、日本側で、科学的同等性を評価することは困難である。」
ということになる。

この辺のところは、いみじくも、毎日新聞の高木昭午(科学環境部)さんが、10月19日付けの「記者の目:米国・カナダ産牛肉輸入再開」で、明快に論破されていた。

高木さんのご意見の趣旨は、次に集約されていた。

「リスクの同等性の判断は、科学的には無理で、政治判断の領域だ。科学者たちが集まる調査会に政治判断をさせ「日本並みの安全が科学的に保証された」と輸入を再開すれば、消費者をだますことになる。調査会は科学的議論に徹してほしい。政府は政治判断を科学者に押し付けず、自ら責任を取るべきだ。」

私も、昨年、次のサイトのブログ記事で同様の趣旨を書いたことがある。

それは、イギリスのOTMルール見直し(月齢30ヶ月以上の牛の肉を食用に回さないルールの見直し)と、日本の意思決定システムとの対比についてである。

「イギリスにおいては、The Core Stakeholder Groupの報告のなかで、ピーター・スミス氏らの試算を経て、OTMルールをはずすことについてのvCJDへの安全性を確認し、The Core Stakeholder Group から、三種類の代替案が提示され、それに基づき、それぞれの案の費用対効果を試算し、そのうちの代替案のひとつを採用するという、一連の手続きを経ている。
今回の日本の全頭検査見直しの手続きにおいては、後段階での検証がないまま、いわば、プリオン調査会が、全頭検査見直しの先頭-矢面-に立つ形での諮問を迫られているのは、望ましいあり方とはいえないのではなかろうか。」

すなわち、今回の諮問についても、本来は、食品安全委員会は、いくつかの条件を置いての代替案を複数提示すればよかったのだ。

さらに私は、今年の4月に行われた食品安全委員会のパブリックコメントで、次のようにコメントしたことがある。
参照「食品安全委員会に対して提出したパブリックコメントの内容

ここで、私は、「「リスク管理の受忍限度」のフレームワークに、食品安全委員会は、どのようなスタンスで持って、関与すべきなのか?」として、次の点を上げた。

「食品安全委員会としては、国内の牛肉の安全指標としては、cattle oral ID50 の概念での安全性を検証しなければならないのに対して、輸入牛肉の安全指標としては、human oral ID50 の概念での安全性を検証しなければならないことになる。
しかし、human oral ID50 での安全性の検証が不可能な現状では、輸入牛肉の生産国での cattle oral ID50 の概念での安全性を検証するほかは、すべがないことになる。」

つまり、ここでは、食品安全委員会が、そもそも踏み込み得ない、他国のリスク管理の検証の役割をも、になわされてしまっていることへの危惧を述べたのだ。

そもそも、このボタンの掛け違いは、どこで生じてしまったのだろう。

もう一度、1年前の2004年10月25日合意の「米国産牛肉の日米高級事務レベル会合合意の内容」を見てみよう。

ここでは、「5.BEVプログラム概説」
のなかで、
「2で述べたBEVプログラムは、2005年7月に、適用可能なように、修正が検討されるであろう。
日米両国の当局者による共同の再検討では、OIEやWHOの専門家により行われる、科学的見地からの検討を考慮に入れることになるであろう。
この再検討の結果については、なさるべき行動を含め、日米両国政府の合意・判断によりなされるであろう。
日本の場合、これは、食品安全委員会の検討にゆだねられる。」
とある。

この項目は、この時点では、当初、月齢20ヶ月未満でスタートして、今年の7月時点で、月齢30ヶ月以下に修正することを意図して、この項が付け加えられたものだ。

しかし、結果、この項が、日本においては、日本のリスク管理官庁を飛び越え、日本の食品安全委員会へ、丸投げ検討する形を、ここで、許してしまっている。

もともと、日本の食品安全委員会は、アメリカのリスク管理にわたる部分までも抱え込む必要はなかったのだ。

また、日本の民主党を始めとした野党にも、食品安全委員会を、国会に参考人として、呼んでは、スキャンダラスまがいの問題を問いただしていた。

大いなる勘違いである。

食品安全委員会は、国会の参考人出席にも、応じる必要は、さらさらなかったのだ。

先にあげた毎日新聞の高木昭午さんの抱かれたと同様の疑問を、群馬大学の中澤港さんが、自らのホームページに、このような形で書かれている。

中澤さんは、この中で、
「vCJDのリスクが差としてはあまり変わらないだろうという根拠は牛肉の同等性なんかにあるのではないのだから,どうしても外圧に屈したければ,ヒトへの感染率がこれまで低かったから,という正論で押さねばなるまい。」
「(日米間での牛肉のBSEリスク比較に)同等でない証拠が少ないからといって,同等であるとはいえない。」
と、書かれている。

中澤さんのいわれる意味は、こういうことなのだろう。

「アメリカと日本との牛肉の安全性の同等性を、無理にこじつけて、正論としていうには、リスク管理の差に、その理由を求めるのではなくて、ヒトへの感染率の低さに求めなければ、論理として成り立たない。」

もっとも、欧米人と日本人とのコドン129遺伝子のM/M型とM/V型の違いまで、ここで、問題にされてのことでは、なさそうではあるが、ここで中澤さんが指摘されたがったのは、古くて新しい「環境受忍限度」(Environmental and Tolerable Exposure Limits )(Environmental Quality Standards(EQS) and Maximum Permissible Limit(MPL) )をめぐる問題であるともいえる。

ちなみに、中澤さんは、環境リスク評価がご専門で、例の中西準子さんの『環境リスク学』について、次のような指摘をされ、また、中西さんが、次のような答えをされ、一時、話題になったことがある。

私の思うに、環境の受忍限度には、政策的な受任限度と、疫学的な受忍限度の二種類があるものと、思う。

私が、水俣病補償問題に取り組んだときに、いやというほど感じたのは、この二つの受忍限度の落差である。

政策的な受忍限度には、いわゆる患者に対する補償の際のアシキリに、そのまま、つながってしまうという、不条理さが、常にある。

このアシキリは、いわば、政治的なしきい値(閾値)(threshold level)の設定といえる。

そこで、おそらく、疫学的には、補償されるものと、補償されないものとは、シームレスにつながっているものを、政治的な閾値でもって、病像論などという者を、もっともらしく持ち出して、どこかで、バッサリ、二値化しているというのが、現実なのではないのだろうか。

リスク管理の当事者である担当官庁は、常に、国家賠償法の対象になった場合のアシキリを考えての、政策的な受忍限度を、デ・ファクトな基準として採用したがる。

しかし、本来、疫学的な受忍限度は、デ・ジュールな基準でいかなければならないものと、思うのだが。

BSE問題に、多数決の論理を持ち込んでしまったのが、今回の10月31日の食品安全委員会プリオン専門調査会の結論であるといえる。

しかし、中澤さんが、まさに言われるように、「同等でない証拠が少ないからといって,同等であるとはいえない。」のが、疫学の世界なのだ。

こうして、食品安全委員会を隠れ蓑にして、いつまで、日本の国民なり消費者に対して、政策的な環境受忍限度の強要が続くのであろうか。

暗澹たる思いのする昨今である。

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