2005/11/11(Fri)
このサイト『Bird flu makes human immune system ‘attack itself’』によると、この研究は、今日の「Respiratory Research」のオンライン版に発表されたもので、香港大学の Malik Peiris 氏らの研究によるものである。
原文は、「Proinflammatory cytokine responses induced by influenza A (H5N1) viruses in primary human alveolar and bronchial epithelial cells 」(M CW Chan, C Y Cheung, W H Chui, G SW Tsao, J M Nicholls, Y O Chan, R WY Chan, H T Long, L LM Poon, Y Guan, J SM Peiris
Respiratory Research 2005, 6:135 (11 November 2005))である。
これによると、鳥インフルエンザH5N1が、通常のヒト・インフルエンザH1N1に比して、激しい症状を人間にもたらすのは、人間の免疫系が、『過剰反応』(overreact)をすることによるものなのだという。
すなわち、ウイルスに感染した肺細胞は、通常のウイルスに感染した細胞以上に、サイトカイン(cytokines)やケモカイン(chemokines)等の多くの『化学的メッセンジャー』を作り出し、これらの『化学的メッセンジャー』は、免疫系に対して、これらのウイルスを攻撃するために、多くの白血球を送るように、警告を出すのだという。
これは、H5N1ウイルスに感染した人の肺が、なぜ、マクロファージと呼ばれる白血球で一杯であるのかを説明する理由となるという。
この研究チームによれば、過剰な白血球は、肺組織を損傷しうる化学物質を排出するのだという。
もし、H5N1ウイルスによる死が、このような免疫系の変換によるものだとするなら、感染細胞によって作られたこれらの化学メッセンジャーをターゲットにして、治療することが出来るのではないかといっている。
たとえば、化学メッセンジャーであるサイトカインの働きを阻害したりする薬の投与で、患者自身の免疫系によって、自らを損傷することが、避けられるのではないかということである。(注- Xenova ResearchのOX40等が、他のサイトで上げられている。)
しかし、この研究の完成までには、ここ数年かかる見通しとのことである。
以上
追記 2005/11/12 サイトカイン過剰反応説について
細胞間情報伝達分子である「サイトカイン」(cytokines)の過剰な反応については、これまでも、『the Cytokine storm』として、問題視している。
この「Cytokine Storms」については、このサイト「Cytokine Storms」
または、このサイトの図示の図示をご参照ください。
スペイン風邪の際のサイトカイン過剰反応説については、the Illinois Department of Public HealthのCraig Conover博士の説(『Killer Flu May Be A Plane Ride Away』参照)や、ミネソタ大学のOsterholm,博士の説(「Preparing for the Next Pandemic」参照)等があります。
以下に、『the Cytokine storm』についてのサイトをいくつか、掲げておきます。
「flu wiki Cytokine storm 」
「The New England JournalでのMike Osterholm氏のアニメーション」
「New ScientistでのIan R. Humphreys氏らによる論文”A Critical Role for OX40 in T Cell–mediated Immunopathology during Lung Viral Infection ”」
「What is the Cytokine Storm? 」
「How the Flu Kills You: The Cytokine Storm 」
「New flu drug calms the ’storm’」
「Imperial researchers show novel flu treatment eliminates symptoms in mice」
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