Sasayama’s Weblog


2006/09/29 Friday

安倍晋三総理が、施政方針演説で引用したアインシュタインの言葉には、裏があったようで。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 22:18:54

2006/09/29(Fri)
 
null安倍晋三総理が、今日の施政方針演説で、『かつて、アインシュタインは、訪日した際、「日本人が本来もっていた、個人に必要な謙虚さと質素さ、日本人の純粋で静かな心、それらのすべてを純粋に保って、忘れずにいてほしい」と述べています。」といったというのだが、これは、アインシュタインの講演旅行を主催した改造社の雑誌『改造』(大正10年9月号)に「アインシュタインの日本印象記」というタイトルで掲載されたもの(注-この雑誌『改造」へは、「文明の再建」というシリーズで、外国の著名思想家の寄稿が、大正10年1月号のバートランド・ラッセルを皮切りとして始まっていた。)からの引用のようである。

参照「アインシュタインの日本印象記」より
 「政治的そして社会的観察はさておき、私が数週間に受けた多くの印象の幾つかについて述べたに過ぎません。
そして花のような日本婦人の特別な本質について沈黙しました–私には困難なので普通の人には詩人にその表現を託すべきである。
しかし私の心に残っているものがあります。
日本人は公平に西洋の知的業績を賞賛し、成功と偉大な理想主義を持って科学に飛び込んでいる。
けれども西洋よりも優れた–すなわち生活の芸術的姿、個人に必要な純真さと謙虚さ、そして日本人精神の純粋さと穏やかさ–これらの偉大な価値を保持することを日本人が忘れないで欲しい。 」
1922年、東京から名古屋に向かう列車の中で筆記する。)
アインシュタインの日本印象記雑誌『改造』(大正10年9月号)
「「アインシュタインの世界旅行 ― Albert Einstein in Japan in 1922 ―」 杉元秀樹 & 杉元 賢治
「慶應義塾を訪れた著名人  」
「山本実彦『改造」の十五年』」

たしかに、アインシュタイン(Albert Einstein)のことを書いた Banesh HoffmannとHelen Dukasとの共著の「Albert Einstein: Creator and Rebel(N.Y.: Viking Press, 1972)」の150ページにも、こう書いてあるようだ。

「アインシュタインは、日本ならびに日本人のピクチャレスクな魅力にとりこになってしまった。

数年後、アインシュタインは、この日本への訪問のことを生き生きと、このように回想している。

『私は、日本の人と国を余りに好きになったので、日本から離れるときには、涙を禁じえなかった。』

「He was captivated by the picturesque charm of the Japanese. Years later he vividly recalled this visit to Japan, saying ‘I loved the people and the country so much that I could not restrain my tears when I had to depart from them.」

しかし、一方、Ronald Clarkの「Einstein : The Life and Times(London: Hodder & Stoughton, 1973)」の288ページと289ページでは、Ronald Clarkによれば、「出ないミルクをしぼりだすような過酷なマラソン講演旅行」を、こと無げにこなしたアインシュタインだったが、たとえ、日本や日本人の簡明さとやさしさを好きになったとしても、彼の日記においても、そして、いくつかの新聞のインタビューでの遠まわしの言及においても、実際には、幻滅した経験であったように、それとなく言っているのだという。

「”Both his brief diary notes and the oblique references in several newspaper interviews suggest that in practice it turned out to be a disillusioning experience, even though he liked what he considered to be the simple, gentle Japanese.”」

なるほど、物事は、両面から見ないと、なかなか、真実は分からないものですね。

日本でのアインシュタインの言動を書いたものには、「杉元賢治編訳『アインシュタイン日本で相対論を語る』(講談社、2001年)」「金子務著『アインシュタイン・ショック』(1)(2)(河出書房新社、1981年)」「清水 馨八郎著『日本人が忘れてしまった「日本文明」の真価 』」などがあるが、上記のアインシュタインの本心を伝えたものは、ないようだ。

参照「Bertrand Russell at Keio University, July 1921(2)」


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2006/09/27 Wednesday

「美醜とり混ぜた国」こそ、真のエネルギッシュな国のすがたなのだ!!!

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 18:01:06

2006/09/27(Wed)
 
nullなんとも、安倍さんが何度も、就任以来口にされる「美しい日本」「美しい国、日本。」「美しい国へ」「美しい国づくり内閣」の言葉に、鼻白むものを感じるのは、私だけであろうか。

このレトリックは、ひょっと間違うと、とんだ揚げ足取りのレトリックに使われてしまうのかもしれない。

すなわち、美しいもので固めた国づくり、醜きものを排除し、ひたすら、リファインされた国の姿をもとめる国づくりという意味で捉えられる危険性があるということだ。

ナチスヒトラーも、表現を変えていえば、人種的に、自らの恣意的な価値判断に基づいての「美しき国」を求めた宰相であったといえよう。

ことほどさように、「美しき国づくり」という言葉には、異なるものを排する独善的な価値観の存在が、影に漂うものが感じられるのだ。

むしろ、真の民主的な国の姿は、決して、美しき国からは生まれ得ない。

混沌とした中に、ひとつのエコロジー的なよりどころがあり、国民それぞれの棲息域があり、そして、「ひとつの価値判断では、美であっても、もうひとつの判断では、醜ともなりうる、多様な価値判断のものさしが交叉し、相互牽制される国」こそ、エネルギッシュな国の姿であると思うのだが。

「自然論」を書いたエマソンは、1833年1月15日にパリの植物園(le Jardin des plantes)にある標本室を訪れたとき、無数の標本を見て、
「その標本には、それぞれ、野蛮とされるものもあり、美しいとされる標本もある。
しかし、それを野蛮と見るか、美しいと見るかは、所詮は、人間という一生物の持つ属性によるものである。」(Not a form so grotesque, so savage, nor so beautiful but is an expression of some property inherent in man the observer)との啓示を受けたという。

その日の日記に、エマソンは「私は、自分の中に、ムカデを、ワニやコイやワシや狐を感じる。」(I feel the centipede in me,–cayman, carp, eagle, and fox. I am moved by strange sympathies; I say continually “I will be a naturalist.”)と記したという。(参考「Journals: The First Step (Emerson and Thoreau)」)

このように、不潔なもの、不衛生なもの、不健康なもの、危険なもの、についての仕切りなり、価値評価は、、ある程度明確にしうるが、それ以上の美しきものにいたる階梯については、それぞれのものさしがあるのだから、むしろ、仕切り不能の無限の閾値の世界のようにも、見える。

首長族では「首が長いほど美しい」とされるのを、おかしいとは思っても、それを全否定することは、できないのである。

その意味で、この安倍さんの、「美しい国」パラダイムは、ある意味、ノーマライゼーションの概念に逆行する古いパラダイムのように、どうも、私には、思えるのだが。

むしろ、地球公共財を大切にする心こそ、結果として、国を愛する心につながる時代との認識で、レトリックを構成したほうが良かったのではなかろうか。

参照「The Emerson Museum

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2006/09/24 Sunday

USDAが採用しているという、新しいBSE発生確率分析・評価手法『BsurvE』とはどのようなものなのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 12:59:08

2006/09/24
 
nullちょっと、古い話にさかのぼるが、今年、4月28日に、USDAがアメリカ国内におけるBSE発生拡大の見通しについての報告書を発表したが、この報告書の中で、根拠数値に、これまでの、2004年7月からの拡大サーベイランスの数値ばかりでなく、5年前からのサーベイランス数値も取り入れた。

これを「the BSurvE Prevalence B method」 (BsurvE)と「 the Bayesian birth-cohort method」(BBC)という、二つの分析手法で、専門家が分析したものであるという。

これら二つの分析手法による分析結果は、同じような分析結果を示したという。

この結果として、現在四千二百万頭いるアメリカの成牛百万頭に対して、1頭のBSE発生の確率であるという。
USDA RELEASES BSE PREVALENCE ESTIMATE FOR U.S. 」参照 

この調査は、USDAの専門家が、1999年3月31日〜20063月17日までの7年間のサーベイランスの全データに基づき、BSEの有病率を分析をするために行った。

これによると、

米国内に存在する最も可能性のあるBSE症例数は

BSurvE 法では7(5及び95% confidence level 3,24),

BBC法では4(同1,8)

と推定される結果となった。

このため、USDA は、米国内の成牛が4,200 万頭であることから、この推定の上限の値5をとっても、有病率は成牛100 万頭あたり1 頭未満であるという結論を下した。

また不確実なパラメータによる変動の程度は重要でなく、この結論を変える必要はないという。

分析結果ならびに、BSE 強化サーベイランスプログラムについては、下記サイトご参照。
Apr 27, 2006 Summary of Enhanced BSE Surveillance in the U.S.

概して、有症率が低下しつつある場合には、「 the Bayesian birth-cohort method」(BBC)」。
有症率のデータがそろわない場合には、「the BSurvE Prevalence B method」 (BsurvE)」
という仕分けの仕方のようだ。

そこで、一躍、注目を浴びてきたのが、この「the BSurvE Prevalence B method」という分析手法である。

もともと、この手法は、2004年に、EUのTSE Community Reference LaboratoryとイギリスのVeterinary Laboratories Agency Weybridgeとが協力して、2004年3月12日に、Wilesmithなどを中心にして、行った「Strategies for Bovine Spongiform Encephalopathy」というプロジェクトの中で、使われた手法である。

これについては、次のサイトをご参照
1.「Scientific Report of the European Food Safety Authority on the BSE surveillance model (BSurvE) established by the Community Reference Laboratory for TSE
2.「Letter from the EC (D(2004)/KVD/ip/420621) inviting EFSA to provide scientific advice on the general approach used within the BSurvE model.」
3.「Report on the Development of a Method for Evaluation of National Surveillance Data and Optimization of National Surveillance Strategies for Bovine Spongiform Encephalopathy 」
4.「A Project Conducted by the European Union TSE Community Reference Laboratory, Veterinary Laboratories Agency Weybridge, United Kingdom.」
5.「Appendix 3.8.4 on surveillance and monitoring systems for bovine spongiform encephalopathy of the Terrestrial Animal Code 2003.」

日本の食品安全委員会でも、このBsurvEという評価方法の日本的適用についての議論があったようであるが、具体的に、このBsurvEという手法が、どのようなものなのか、どうもピンと来ない方も多いのではなかろうか。

そこで、このサイト「BSurvE Forums 」にもとずいて、具体的に、見てみることにする。

次のサイトから、エクセルに落として見られることをお勧めする。

(このサイト「BSurvE Forums 」の中の「BSurvE_0603.ZIP」をクリックして、開いてみてください。こちらのサイトもご参照)

開くと、入力項目がいくつか見えるが、エクセルの黄色いシェルの部分に、数値を入力していけば、評価結果が出てくるというもののようだ。

褐色のシェルは、状況によって変わりうるデータ項目ということのようだ。

なお、下記の説明の中での「4つのサーベイランス層」(surveillance strata (streams): )というのは、次の四分類のことのようだ。
1.clinical suspect-臨床でのBSE疑い
2.casualty slaughter-死亡と畜牛
3.fallen stock-農場内で倒れた牛
4.healthy slaughter−健康な、と畜牛
参照「Terrestrial Animal Health Code - 2006
私のブログ「アメリカUSDAの監査局が、「ダウナー牛の食ルート混入」を認める
のなかの「参考3.USDA 監査庁報告書の問題の箇所」の部分

以下は、エクセルに落としたスプレッドシートの説明になる。

入力項目
Age Data−対象コホートの月齢の分布を見るためのもの。
Test Data -サーベイランスによる検査のデータ

以下は、上記の入力の結果の出力形態。

Exit Constants-Exit定数データの要約−係数のままの出力。
Input Graphs-月齢データと、検査データをグラフ化した出力。

BSEの状態のアセスメント

Parameters-月齢の特化によって、4つのサーベイランス層の中で、感染・非感染牛が、取り除かれる確率。

Test Results-検査結果の普遍化をするための、サーベイランス検査結果の準備。

Prevalence A-現行の牛の数の中でのそれぞれのコホート群の中での、最初の感染 拡大の評価。

Inf Status-現行の牛の数におけるBSE拡大の評価と、感染した牛のそれぞれの月齢別コホートからの感染動物の割合の評価とから、要約した感染状態。

Prevalence B-非感染国または、感染コホートが独立している国においての、現行の牛の数を前提にしての今後の感染限界の評価。

BSE Surveillance Assessment

Surveillance A-感染拡大が進んでいく中での4つのサーベイランス層の中での感染評価。

Surveillance B-サーベイランス検査の評価。

Surv Graphs-4つのサーベイランス層でのサーベイランス検査の割合。

Surveillance Resource Allocation

RA Tables-サーベイランス検査のポイントの割り当てと、ポイントターゲットの計算。

RA Graphs-資源配分表のグラフ化。

Surv Status-現在の国内サーベイランス評価。

RA Sort-ランキング分類表と、ポイント別結果要約。

詳細については、「”Development of a Method for Evaluation of National Surveillance Data and Optimization of National Surveillance Strategies for Bovine Spongiform Encephalopathy”
ご参照。

以下は、スプレッドシートに記された英語原文である。

BSurvE
A model for evaluation of national BSE prevalence and surveillance.
Version 06.03

Introduction:
This spreadsheet contains an example analysis by the BSurvE model. For a full description of the model, please refer to: “Development of a Method for Evaluation of National Surveillance Data and Optimization of National Surveillance Strategies for Bovine Spongiform Encephalopathy”, Morris et al, 12 March 2004.
The following worksheets are included:
Input Data
Age Data Defining the cohort age distribution.
Test Data Surveillance testing data.

Exit Constants Summary of exit probability data.
Input Graphs Graphical representation of Age Data and Test Data.
BSE Status Assessment
Parameters Determination of the age-specific removal probabilities for infected and uninfected cattle in the four surveillance streams.
Test Results Preparation of surveillance testing data for use in prevalence estimation.
Prevalence A Estimation of initial infection prevalence for each cohort in the standing population.
Inf Status Infection Status: summary of the estimated BSE prevalence in the standing population, and the estimated proportion of animals from each birth cohort which became infected.
Prevalence B Estimation of upper prevalence limit in the standing population in uninfected countries, or where the infection rate is cohort-independent.

BSE Surveillance Assessment
Surveillance A Estimation of BSE infection in the four surveillance streams at varying prevalences.
Surveillance B Evaluation of surveillance testing.
Surv Graphs Proportion of surveillance testing in the four streams.
Surveillance Resource Allocation
RA Tables Resource Allocation Tables: allocation of points for surveillance tests and calculation of points targets.
RA Graphs Resource Allocation Graphs: graphical representation of the Resource Allocation Tables.
Surv Status Surveillance Status: evaluation of the current national surveillance programme.
RA Sort Resource Allocation Table Sorting: ranking and summarising points gained.
A yellow cell denotes required user-defined input.
A tan cell indicates data which may be altered under certain circumstances.

以上

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2006/09/20 Wednesday

「利上げだろうが据え置きだろうが問題じゃない」というブルームバーグの今日の論説

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:56:05

2006/09/20(Wed)
 
null利上げか、据え置き継続か、で注目される今日のアメリカFOMCの動向だが、

今日のブルームバーグのDouglas S. Roberts氏の論説「Wednesday’s Fed decision: Bernanke should leave rates alone」では、

まず、グリーンスパンが、なぜ、このように長い間市場をうまくコントロールできたかの秘密について触れ、それは、市場に流動性を付与するには、すばやく、利下げをし、市場の過剰流動性を回避するには、対応を遅くし、問題が静まったあとに、利上げをしたからだ、との論説をしているのが興味深い。

確かに、グリーンスパンの魔術は、利上げをすることそのこと自体に、市場のインフレ期待を高めることに成功してきたことにあるものと思われる。

ちょっと、レイン(RD Laing )の「むすぼれ( knots)」的な精神分析をすれば、

グリーンスパンが利上げした→市場は、このグリーンスパンの行動を、おそらく、彼は、インフレ懸念をしたから、利上げをしたに違いないと思う。→市場は、では、これからインフレ期待が持てるのだと思い、投資活動を活発にする。→結果、インフレ懸念が起きて、市場は、グリーンスパンの思惑に後から付いてくる。

といった具合に。

要は、これらの魔術が通用する条件としては、精神病の患者と医者との関係のように、FED(連邦準備制度理事会)議長と市場との間に、ラポートがあるかどうか次第ということになりそうだ。

この論説では、次のようにも言っている。

「利上げだろうが据え置きだろうが問題じゃない。

要は、そのとき、FOMCがどのようなコメントをつけるかで、どのようにでもなる。

利上げの場合には、「これは一時的な利上げで、これでもって、引き締め過程に入ったわけではない。」とのコメントをつければいいし、

据え置きの場合には、「今回の決定には、更なる事象の検証が必要だ。」とのコメントをしたうえで、

もし、さらなる引き締めがあるとのコメントをすれば、大量株式保有者は、喜ぶだろうし、

もし、FED(連邦準備制度理事会)が、引き締め自体は、主要な関心事項ではなく、経済の弱体化こそ懸念材料だとのコメントをすれば、少量株式保有者は、歓迎する、

といった具合に、どうにでもなる。」

としている。

何やら、こうなってくると、FOMCは、むしろ、レトリックの世界の渦中にいるようなものだ。

追記 2006/09/21 昨日のFOMC声明の概要

昨日のFOMC(連邦公開市場委員会)声明(速報版)の概要は、下記の通りである。
Federal Reserve Release」参照

FOMCは、本日、フェデラルファンドレートを5.25パーセントに据え置くことを決定した。

経済成長の緩和は、住宅市場の冷え込みを一部反映して、続いているように見える。

コアインフレの数値は、上昇しており、資源利用の高度化、エネルギーや他の商品価格の上昇などで、インフレ圧力が持続する可能性を持っている。

しかし、インフレ圧力は、時間とともに軽減していく可能性があり、それは、インフレ期待をも含むエネルギー価格、金融政策の積み重ねによる効果、総需要抑制の他の要素などによっての(インフレ圧力の)推進力の減衰を反映してのものである。

それにもかかわらず、FOMCは、なお依然として、インフレリスクは残っていると判断した。

それらのリスクに対処する必要がある、更なる安定策の度合いとタイミングについては、これからの情報で意味されるインフレと経済成長見通しの展開によって変わりうる。

FOMC委員の投票の結果、Jeffrey M. Lacker委員を除いては、賛成した。

Jeffrey M. Lacker委員は、この会合で、0.25パーセントの引き上げが望ましいと主張した。

以上

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2006/09/17 Sunday

アメリカ20州で、生ホウレソウにO-157

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 18:40:23

2006/09/17(Sun)
 
nullウィスコンシン州など、アメリカ23州に、O-157(E. coli O157:H7)汚染のサラダ用の生ほうれん草が出回っており、一人が死亡、146人が感染、76人が入院、20人は、溶血尿毒症症候群(HUS)を示している、ということのようである。

New Mexico のある患者の冷蔵庫から、Doleブランドのほうれん草に 、D-N-A fingerprinting test でDNAが一致した、E. coli O157:H7が発見されている。
Probe finds E. coli in spinach package』参照

この生ほうれん草を出荷したのは、カリフォルニア州San Juan Bautistaにある有機野菜の生産を得意とするNatural Selection Foods であるという。

感染者が発生している州は、

Arizona(?) 、California(1), Connecticut(2),Colorado(?)、 Idaho(4), Illinois(1),Indiana(8), Kentucky(6), Maine(2), Michigan(4), Minnesota(2), New Mexico(5), Nevada(1), New York(7), Ohio(10), Oregon(5), Pennsylvania(4), Tennessee(?), Utah(15), Virginia(1), Washington(2), Wisconsin(32)、Wyoming(1),

であり、
参照「Authorities work to pinpoint source of E. coli contamination

リコール対象となっている商品のラベル名、ブランド名は、下記の通りである。

Bellissima;
Cheney Brothers;
Coastline;
Compliments;
Cross Valley;
D’Arrigo Brothers;
Dole;
Earthbound Farm;
Emeril;
Farmers Market
Fresh N’ Easy,
Fresh Point;
Green Harvest;
Hy-Vee,
Jansal Valley;
Mann;
Mills Family Farm;
Natural Selection Foods;
Nature’s Basket;
O Organic;
Premium Fresh;
President’s Choice;
Pride of San Juan;
Pro-Mark;
Rave Spinach;
Ready Pac;
River Ranch;
Riverside Farms;
Snoboy;
Superior;
Sysco;
Tanimura & Antle,
The Farmer’s Market
Trader Joe’s

参照「E. coli warning now for all spinach
Toss ‘em Out

また、カナダやメキシコも、警戒態勢に入っているようだ。

nullこのNatural Selection Foodsへの三分の一の出資者は、Tanimura & Antleであり、このTanimura & Antleの経営者であるジョージ・タニムラ (George Tanimura)氏は、日系人の福祉向上と日本農業者の指導育成に当たったことで、平成16年には、日本国から旭日中綬章の叙勲を得ている。

今回の事件に当たっては、これまでにも、食中毒事件の解決に定評のあるWilliam Marler弁護士が、解決に乗り出しているとのことである。
参照「 E. coli Attorney Calls on Spinach Industry to Pay Victims’ Medical Bills

なお、日本の輸入ほうれんそうの99パーセントは、中国産である。

関連ビデオは、ここをクリック

この問題に関する新情報については、こちらをクリック

追記 2006/09/18 Salinas Valley は、O-157の常襲地帯

今回、O-157汚染のホーレンソーを出荷したSalinas Valley の地帯は、1995年以来、レタスを中心に、8回のO-157汚染問題を引き起こしており、その結果、8つの州で、217人の感染者を出してきたという。

そのうちの二人は、死亡している。

この間のアメリカ全体でのO-157発生件数は、19件というから、実に、そのうちの四割強が、この別名「世界のサラダボール地帯」ともいわれるSalinas Valley地域から発生していることになる。

今回のほうれん草汚染事件発生に先立って、先月8月23日に、これから、このSalinas Valley地域のレタス生産施設を中心にして、モニターを開始すると発表したばっかりであった。

Agencies To Inspect Local Lettuce For E. Coli: Salinas Valley: Practices, facilities targeted in state, federal effort」参照

原因としては、畜産牛の排泄物の水系への混入などが考えられているが、決定的な証拠(smoking gun)を、FDAは、つかんでいるわけではないようだ。
Bad spinach sign of wider problem?」参照

追記 2006/09/19  アメリカのO157汚染ほうれん草は、台湾にまで波及

null台湾がアメリカから輸入したほうれん草がO157感染の疑いがあるとして、Natural Selection Foodsの台湾の代理店「圃榮實業有限公司」や還有好市多(Costco Wholesale )や、佳蘭園藝工程有限公司を通して卸された台湾のスーパーマーケットが、商品棚からの撤去を始めた。
『美遭汙染菠菜主鋪貨全台4個點 衛生署:已要求全面下架』参照

撤去された商品は、「Natural Selection Foods」が出荷した「Earthbound Farm」、「River Ranch」等31品で、

ブランド名は
「PRIDE OF SAN JUAN」
「歐式沙拉包」(NSF SPRING MIX )
などである。

撤去を始めたスーパーは、台北のマーケットで、その主な店としては、

台北市101購物中心、
大葉高島屋、
漢神百貨(高雄)、
興農超市(台中玉門路)

などがある。
参照「美國疑遭污染菠菜 衛署估逾2000盒分銷全台

null英語表記では、次の店のようである。

the Taipei 101 shopping center, (台北101購物中心)
Dayeh Takashimaya, (大葉高島屋百貨公司JASONS超市)
Hanshin Department Store (漢神百貨JASONS超市)
the Sinon supermarkets (興農超市)

参照
DOH finds 3 more U.S. spinach vendors
林太太,妳吃的是毒菠菜…」

なお、台湾関連汚染ほうれん草情報は、こちらのサイトをクリック

参考資料「Spinach Q&A

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2006/09/14 Thursday

謎の多いセレウス菌感染経路−台湾などで起こった意外な犯人例-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:59:36

2006/09/13(Wed)
 
null自治医科大学附属病院(栃木県下野市)で、20人以上がセレウス菌に院内感染したということだが、世界には、セレウス菌院内感染の意外な犯人例がいくつもあることが分かる。

たとえば、このサイト「Nosocomial Pseudoepidemic Caused by Bacillus cereus Traced to Contaminated Ethyl Alcohol from a Liquor Factory 」によると、1990年の9月から10月にかけて、台湾の国立台湾大学医学院付設医院で、別々の分棟に入院していた15人の患者が感染した例だが、原因は、皮膚消毒用のエチルアルコールだったという例だ。

そして、そのエチルアルコールは、工場段階で汚染されていたということだった。

この台湾の病院では、工場から出荷のエチルアルコールが、95パーセントのアルコール。

それを病院で、皮膚消毒用に、70パーセントにしていたようだが、そのいずれからも、セレウス菌が発見されたということのようだ。

そして、病院の薬局部門のタンクからも、セレウス菌で汚染された95%アルコールが見つかったということで、主犯は、工場出荷元ということになったようだ。

では、95パーセントのエチルアルコールでさえ、セレウス菌の殺菌力がないのかということなのだが、これは、セレウス菌が有芽胞菌であるため、熱やアルコールに強いことと関係してくる。

有芽胞菌にはアンフィバシラス属、バシラス属、クロストリジウム属、スポロサルシナ属などが存在し、極めて高温に強く、100℃での煮沸によっても完全に死滅させることが出来ず、また、消毒薬などの化学物質やX線などに対して芽胞は極めて高い耐久性を示すという。
参照「芽胞
Bacteria Descriptions
Ecological diversity: Microbes are distributed more widely than any other organisms.」

ちなみに、このサイト「PHYSICAL METHODS OF STERILIZATION OF MICROORGANISMS」では、セレウス菌の殺菌には、摂氏132度の熱風が必要とのことである。

エチルアルコールの殺菌力( germicidal activity )について記した『Guideline for Hand Hygiene in Health-Care Settings
では、
「アルコールをベースにした溶液の汚染は、めったに、報告されていない。
ただひとつの報告例として、セレウス菌胞子によって、エチルアルコールの汚染が引き起こされた擬似感染のクラスターが報告されている。」
( Contamination of alcohol-based solutions has seldom been reported.
One report documented a cluster of pseudoinfections caused by contamination of ethyl alcohol by Bacillus cereus spores )

として、この台湾の病院の例が、その論文(Hsueh PR, Teng LJ, Yang PC, Pan HL, Ho SW, Luh KT. Nosocomial pseudoepidemic caused by Bacillus cereus traced to contaminated ethyl alcohol from a liquor factory. J Clin Microbiol 1999)とともに、紹介されている。

また、今回の自治医科大学で懸念されているという、洗濯機とリネンと点滴針を通じての感染に似た感染例としては、1999年におきた、洗濯機と、人工呼吸器回路(ventilator circuit )、NNU(新生児ユニット)、LTS(低温蒸気殺菌器) の複合汚染による新生児感染例があるようだ。

参照「An outbreak of Bacillus cereus respiratory tract infections on a neonatal unit due to contaminated ventilator circuits.」

更に、1994年に発表されたイギリスの、この研究「Contamination of hospital linen by Bacillus cereus.」は、外科手術後の二人の患者がセレウス菌に感染したことについての調査報告書である。
参考「Bacillus cereus meningitis in two neurosurgical patients: an investigation into the source of the organism.」 

これによると、バッチ処理で、絶え間なく洗濯されている洗濯機で洗ったリネンが、ひどくセレウス菌で汚染されていたとのことである。

この洗濯機では、洗剤や、化学添加物や、給水で、汚染源は、きれいになっていたが、洗濯機に入れたリネンは、セレウス菌胞子で汚染されており、洗濯過程が終わった後も、セレウス菌胞子は、残っていたという。

このことから、セレウス菌の胞子は、洗浄の熱湯消毒段階でも、また、化学消毒液の添加でも、希釈の過程においても、生き残っていたと見られる。

それらのリネンに残っていたセレウス菌の胞子は、湿ったまま、ビニール袋に収納されたまま周囲の温度が上昇したりしたことによって、増殖していったものと見られている。

洗濯機の水を多くすることで、セレウス菌の胞子をいくらか、減少させることは、できるという。
「LAUNDRY AND TEXTILE (LINEN) SERVICES INFECTION CONTROL」参照

なお、このサイト『Purification and characterization of laundry detergent compatible alkaline protease from Bacillus cereus』や「Purification and Characterization of Bacillus cereus Protease Suitable for Detergent Industry 」のように、洗剤のもたらすph環境が、セレウス菌の増殖に貢献しているとの説もある。

また、1998年、オランダ・アムステルダムのthe University Hospital Vrije Universiteitでは、人工呼吸器のゴム風船状空気送り器の感染での新生児感染例もあったようだ。
参照「Outbreak of Bacillus cereus Infections in a Neonatal Intensive Care Unit Traced to Balloons Used in Manual Ventilation

各種院内感染例については、
The Journal of hospital infection」ご参照

また、Medscapeでの検索でも、「セレウス菌」でサーチすると、
こんなに出てくる。

Googleでも、こんな具合だ。

この論文「Management of suspected nosocomial infection: an audit of 19 hospitalized patients with septicemia caused by Bacillus species.」は、2000年10月に発表されたものだ。

これは、日本の愛知県小牧市民病院で、2000年4月から8月にかけて、入院患者29人の血液培養から、バチルス桿菌が発見されたもので、そのうちの19人が敗血症になったことについてのものだ。

そのうちの15人は、セレウス菌感染によるもの、二人は、枯れ草菌感染によるもの、一人は、リケニホルミス菌感染によるものであったという。

また、一人の死者が出たが、この患者は、敗血症を発症しておらず、死因は、基礎疾患であった新生物に起因するものと、見ている。

なお、この新聞記事では、「九月十三日に県庁で会見を開いた島田和幸院長は「まさかタオルやシーツなどから感染するとは夢にも思わなかった」と、誰も予想しなかった事態に驚きをあらわにした。」というが、記者会見前に、ちょっとサイトで調べてみれば、上記のような前例が、世界のみならず、日本国内にあったことが分かったはずであり、「夢にも思わなかった」というようなことはいえなかったはずだ。
参考「自治医科大学付属病院 Bacillus cereus血流感染症について

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2006/09/11 Monday

アルツハイマー症を自己防御で防ぎうる物質の発見

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:07:18

2006/09/11(Mon)
 
null今日は、アルツハイマー症関連の二つの論説の紹介となる。

ひとつは、アルツハイマー症(認知症)を自己防御で防ぎうる物質の発見についてである。

これは、2006年9月7日号の Neuronに発表された論文「A Genomic Screen for Modifiers of Tauopathy Identifies Puromycin-Sensitive Aminopeptidase as an Inhibitor of Tau-Induced Neurodegeneration」で、概要は、次の通り。

アルツハイマーの原因としては、知能の低下や脳細胞の死につながっていると見られる脳細胞に見られる繊維質の束のもつれ(”tangles”)が原因と見ており、この縺れを生じさせるのが、「タウ」(tau)(上記写真の白い塊ご参照)というタンパク質なのだが、この縺れを切り離す酵素が発見され、これが、PSA(PSA/Npepps-puromycin-sensitive aminopeptidase-ピューロマイシン感受性アミノペプチダーゼ)と呼ばれるものということだ。

将来、このPSAの作用を拡大させる物質が発見されれば、アルツハイマー症を自己防御できる体制が、体に備えることができるとしている。
Alzheimer’s ’self-defence found’
もご参照

この「タウ」(tau)というタンパク質の存在は、『狂牛病殺人事件???』で述べたとおり、殺された斉藤綱男さんが発見し、学会で発表する直前に殺されたものだ。

それにしても、このタウという物質、この発見者斉藤さんの名前にちなんで、別名、Saitohin (STH) と名づけられていたとのことである。
A polymorphic gene nested within an intron of the tau gene: Implications for Alzheimer’s disease」参照

もう一つは、 「改めて、BSEとアルツハイマー症との関係を問う必要がある」との論説である。

この論説「Mad Cow Disease and Alzheimer’s  Is there a connection? 」では、これまで、謎とされていたBSEとアルツハイマー症との関係について、改めて、問う必要があるとの説を展開している。

ここでは、これまでに、これらの二つの関係ありとの説を展開してきた、『Brain Trust: The Hidden Connection Between Mad Cow and Misdiagnosed Alzheimer’s Disease 』などの著書もあるColm Kelleher氏の主張や、Michael Greger博士の「American Beef Supply at Risk」などに見られる説を、改めて紹介している。

そして、アルツハイマー症と、現在されている患者について「アルツハイマー症とvCJDとの関係」を検証すべき時に来ているとしている。

追記 2006/09/12  さらにアルツハイマー症関連の二つの話題

別の敬老の日が迫っていることを意識したわけではないが、更に、アルツハイマー症(認知症)関連の二つの話題をご紹介。

ひとつは、急激な体重の減少は、アルツハイマー症発症の前触れ との説

ワシントン大学のDavid Johnson氏らの研究によると、449人のアルツハイマー症発症前後の状態を見たところ、発症前に、急激な体重減少が起こっていることがわかったという。

この449人のうち、125人が、アルツハイマー症発生前後で、8ポンド(3.629 kg)の体重減少に見舞われたという。

この研究は、Neurologyの最新号Vol. 63 No. 9, September 2006の論文「Early-Onset Alzheimer Disease in Families With Late-Onset Alzheimer Disease: A Potential Important Subtype of Familial Alzheimer Disease

で発表された。

もうひとつの話題は、果物や野菜のジュースを飲むと、アルツハイマー症を回避できるとの話題。

これは、シアトルとハワイに住む日系アメリカ人1836人についての10年間にわたる追跡調査に基づくもので、この調査の最初の段階では、アルツハイマー症の症状がないものについて、調査し、毎週少なくとも三杯の果物・野菜ジュースを飲んだ人と、毎週一杯以下しか飲まなかった人とを比べたところ、三杯以上飲んだ人の76パーセントが、アルツハイマー症の懸念がなかったという。

この研究は、the American Journal of MedicineのVolume 119, Issue 9で、『Fruit and Vegetable Juices and Alzheimer’s Disease: The Kame Project 』として発表された。

なお、この研究は、The Kame Project (Seattle Kame Project: A Community-Based Study of Aging & Dementia in the Japanese American Community of Seattle and King County, Washington)の一環として、行われた。

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2006/09/09 Saturday

アメリカ経済の今後について、Sandra Pianalto氏が「インフレ期待のつなぎとめが必要」との見解

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:47:19

2006/09/09(Sat)
 
nullアメリカ経済の低落見込みが、日本の日経平均の足を引っ張リ、デフレ脱却宣言の遅延をも招いているという近頃の構図なのだが、FOMCの委員でもあるクリーブラント連邦準備銀行総裁のSandra Pianalto氏は、今後のアメリカ経済の見通しについて、昨日、次のように語っている。

「FOMCしか、インフレをコントロールできないのだから、われわれ、FOMCの委員たちは、インフレに対しては、油断なきようにしなければならないとは思うが、それには、適切な判断が必要だ。

金融政策の落としどころをどこにするかについては、常に、難しいものがある。

なぜなら、金融政策が、実際に効力を発揮するまでには、常に、遅れがあるからだ。

これまで、FOMCは、17回にわたる利上げをしてきたが、実際のところ、この経済効果となると、十分には感じられるものが少ない。

私は、この8月において、利上げの休止をしたことについては、これは、更なるインフレ安定化政策が必要かどうかを判断する前に、より情報の蓄積をするチャンスであると思う。

私の考えにある、もうひとつの重要なポイントは、インフレ期待の安定性というものである。

中央銀行が、このインフレ期待をつなぎとめる(anchor inflation expectations )ということは、非常に重要なことであると、思う。」

さらに、Sandra Pianalto氏が、近頃の商品価格やエネルギー価格の上昇が、インフレにつながることについての懸念があり、FOMCは、インフレリスクがこれ以上高まらないようにするとの態度を強調することについて、触れ、

「これまでにも、われわれは、インフレーションデータに一時的な影響を与えるような、相対的な価格変動を経験してきたが、その代表例が、エネルギー価格だ。

われわれ(FOMC)は、石油を生産することはできないのだから、米連邦準備制度理事会 が、それらのエネルギーコスト上昇分を相殺することはできない。

それにもかかわらず、米連邦準備制度理事会 は、長期的に、メディアを通して、インフレをコントロールすることは、できる。」

といった。

また、Sandra Pianalto氏は、

「生産者が、上昇コストを消費者に転嫁することは、難しくなってきており、それは、最終消費者に近い生産者ほど、彼らの価格設定力は、弱くなってきている。」

「インフレ期待についての理解が深まればなるほど、FOMC内部での、そのことについての議論の進展を助けることになり、特定のインフレターゲット策を採用するかどうかの議論にもつながってくる。」

「インフレ期待についてのいくつかのミステリーを解きほぐすことは、中央銀行が、数値的インフレ目的を、金融政策過程に組み込むことを助けることになる。」

「しかし、明白な数値目的があるかどうかにかかわらず、インフレ期待をつなぎとめることは、中央銀行が、物価安定目的を強化するために、インフレーションを低いままにとどめ、安定化させるためには、必要なことだ。」

と、述べた。

以上が、昨日のSandra Pianalto氏の、コメントである。

この最後の「インフレ期待をつなぎとめることが重要」発言によって、米国債価格は、上昇した。

参照「Inflation risks remain but Fed vigilant - Pianalto

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2006/09/08 Friday

アメリカ下院が、馬肉禁止法案を可決

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 12:57:25

2006/09/08(Fri)
 
null日本への馬肉輸出にも影響を与えうる馬肉禁止法案(American Horse Slaughter Prevention Act )(H.R.2428.IH)(To provide for the protection of the last remaining herd of wild and genetically pure American Buffalo. )が、アメリカ下院を263対146の大差で、通過し、上院(法案ナンバーは、[S.1915.IS]となる。)に送られた。 

政党別では、民主党の下院議員のほとんどが賛成に回ったのに対して、共和党は、都市部選出議員と農村部選出議員とで、賛否が別れた。

今回の法案成立にいたる過程においては、馬好きの有名人の証言が寄与したとの説が強い。

特に、Willie Nelson, Clint Eastwood, William ShatnerMary Tyler Moore. そして、テキサスの石油王 T. Boone Pickens らのバックアップが利いたとしている。

上院の賛否の行方は、分からないが、毎年九万頭分、18,000トン、 六千百万ドルの馬肉の生産がストップするとなると、アメリカ馬肉の主要輸入国のフランス、ベルギー、日本にとって、かなりの影響を与えるものと見られている。

なお、日本の馬肉輸入は、アルゼンチン、 ブラジル、カナダ、オーストラリア、アメリカの順であり、馬刺用馬肉では、カナダがトップとのことである。

世界では、およそ、主要14カ国で、毎年70万トンが生産されており、そのトップ6位は、 1 China, 2 Mexico, 3 Kazakhstan, 4 Italy, 5 Argentina, 6 Mongolia とのことである。

参考
House bill bans slaughter of horses in U.S. for consumption abroad

House approves bill to shutter horsemeat industry

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2006/09/05 Tuesday

いい加減なビンテージ・リストに逃げ込んだPSE問題の帰結

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:15:42

2006/09/05(Tue)
 
nullPSE問題も、下火になって、しばらくヴィンテージリスト(「特別承認に係る電気楽器等一覧」)なるものを見ていない間に、いつの間にか、このリスト、膨れ上がってしまっていた。

電子楽器のほうは、型番だけではさっぱりだが、オーディオのほうなら、型番だけで、何とか分かる。

そこで、ザーッと、アキュフェイズ、ラックスマン、マランツ、フィリップスあたりを見ていくと、なんと、普及品、高級品如何にかかわらず、すべての製品が、このヴィンテージリストに載っているではないか。

まあ、上記のメーカーなら、ヴィンテージにふさわしいとしても、アイワも、fostexも、ヴィンテージリスト掲載だって?

アイワさんやfostexの社員さんも、これでは、照れくさいやら、片腹痛いってわけでしょうね。

別にわたくしも、アイワも、fostexも、いい音がでていないとは、いっていなくて、私自身も、fostexのマルチチャンネルのネットワークを、今のアキュフェーズのそれに変える前に使ってきたので、コストパフォーマンスでは、いい音をしているとは思っている。

でも、断じて、fostex製品は、ビンテージではない、とも、確信を持って、思っている。

それに、OEMでは、しっかり残っているようなもの(TEACのドライブのOEMやフィリップスのピックアップであるCDM-4のOEMなど)の、取り扱いもあるのだろう。

ことほどさように、ビンテージとは、何か、という定義なり、アシキリは、むずかしいということなのだろう。

そんなあいまいな避難所を、署名の大義名分にしてしまった日本シンセサイザープログラマー協会さんにも、責任があるのだろう。

最初は、「錦鯉だけは、かくまってくれ。」って話だったのに、いつのまにか、ドジョウまでも、かくまったりしているようなリストの存在は、どう考えても、おかしい。

そもそも、坂本龍一さんたちが署名集めの時にいっていた、ビンテージってのは、どんな程度のものを指していってたのだろうか。

「音楽商売に支障の出る」というような意味で使ってたような気がするのだが。

当初の署名の趣意書では「ビンテージと言われている、現在もそのほとんどが現役で使用されている機器類(1950年代から1990年代に生産された機器類すべて)が対象製品として該当するので、検査機関の基準値を満たすことは到底不可能。」と書かれていたのだが、最終の署名の趣意書には、この文言から、「検査機関の基準値を満たすことは到底不可能」の部分が削除されていたはずだ。

どうも、このリスト、中古屋さんが、メーカーさんの製品リストそのままに、申請し、掲載されてしまったというわけのようだ。

もし、中古業者さんと経済産業省さんとが、お互いのこれまでの経緯での傷と抱えた弱みを舐めあう形で、馴れ合いで、PSEヘイブンの避難港ともなるべきビンテージリストの意味なき拡大を、暗黙の合意の下に進めているのだとしたら、これは、とがめられてしかるべき問題だとおもう。

片方で脱税を見逃していて、片方で課税を強化する、それに似た不公平な政策を、中古業者と経済産業省は、中古消費者抜きで、ビンテージリストを避難港にしていくつもりなのであろうか?

中古消費者を抜きにしたこのようなPSE問題の処理の仕方については、中古業者も経済産業省も、ある意味、同罪であるといえる。

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