Sasayama’s Weblog


2006/09/20 Wednesday

「利上げだろうが据え置きだろうが問題じゃない」というブルームバーグの今日の論説

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:56:05

2006/09/20(Wed)
 
null利上げか、据え置き継続か、で注目される今日のアメリカFOMCの動向だが、

今日のブルームバーグのDouglas S. Roberts氏の論説「Wednesday’s Fed decision: Bernanke should leave rates alone」では、

まず、グリーンスパンが、なぜ、このように長い間市場をうまくコントロールできたかの秘密について触れ、それは、市場に流動性を付与するには、すばやく、利下げをし、市場の過剰流動性を回避するには、対応を遅くし、問題が静まったあとに、利上げをしたからだ、との論説をしているのが興味深い。

確かに、グリーンスパンの魔術は、利上げをすることそのこと自体に、市場のインフレ期待を高めることに成功してきたことにあるものと思われる。

ちょっと、レイン(RD Laing )の「むすぼれ( knots)」的な精神分析をすれば、

グリーンスパンが利上げした→市場は、このグリーンスパンの行動を、おそらく、彼は、インフレ懸念をしたから、利上げをしたに違いないと思う。→市場は、では、これからインフレ期待が持てるのだと思い、投資活動を活発にする。→結果、インフレ懸念が起きて、市場は、グリーンスパンの思惑に後から付いてくる。

といった具合に。

要は、これらの魔術が通用する条件としては、精神病の患者と医者との関係のように、FED(連邦準備制度理事会)議長と市場との間に、ラポートがあるかどうか次第ということになりそうだ。

この論説では、次のようにも言っている。

「利上げだろうが据え置きだろうが問題じゃない。

要は、そのとき、FOMCがどのようなコメントをつけるかで、どのようにでもなる。

利上げの場合には、「これは一時的な利上げで、これでもって、引き締め過程に入ったわけではない。」とのコメントをつければいいし、

据え置きの場合には、「今回の決定には、更なる事象の検証が必要だ。」とのコメントをしたうえで、

もし、さらなる引き締めがあるとのコメントをすれば、大量株式保有者は、喜ぶだろうし、

もし、FED(連邦準備制度理事会)が、引き締め自体は、主要な関心事項ではなく、経済の弱体化こそ懸念材料だとのコメントをすれば、少量株式保有者は、歓迎する、

といった具合に、どうにでもなる。」

としている。

何やら、こうなってくると、FOMCは、むしろ、レトリックの世界の渦中にいるようなものだ。

追記 2006/09/21 昨日のFOMC声明の概要

昨日のFOMC(連邦公開市場委員会)声明(速報版)の概要は、下記の通りである。
Federal Reserve Release」参照

FOMCは、本日、フェデラルファンドレートを5.25パーセントに据え置くことを決定した。

経済成長の緩和は、住宅市場の冷え込みを一部反映して、続いているように見える。

コアインフレの数値は、上昇しており、資源利用の高度化、エネルギーや他の商品価格の上昇などで、インフレ圧力が持続する可能性を持っている。

しかし、インフレ圧力は、時間とともに軽減していく可能性があり、それは、インフレ期待をも含むエネルギー価格、金融政策の積み重ねによる効果、総需要抑制の他の要素などによっての(インフレ圧力の)推進力の減衰を反映してのものである。

それにもかかわらず、FOMCは、なお依然として、インフレリスクは残っていると判断した。

それらのリスクに対処する必要がある、更なる安定策の度合いとタイミングについては、これからの情報で意味されるインフレと経済成長見通しの展開によって変わりうる。

FOMC委員の投票の結果、Jeffrey M. Lacker委員を除いては、賛成した。

Jeffrey M. Lacker委員は、この会合で、0.25パーセントの引き上げが望ましいと主張した。

以上

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