2009/05/22 Friday
2009/05/22(Fri)

洗足学園の校長から、感染者からの「申し訳ない」とのお詫びの言葉が紹介されていたが、どうも、感染者からそのような言葉をいわせる日本の風土なりマスコミの風土には、おかしいものがありますね。
いわば、感染者からの「疾病贖罪」意識にたった言葉を間接的にも強要する、暗黙の社会的圧力が、もし、この日本の風土にあるとすれば、まさに、疾病に対する「島国根性」が、まだ、日本にある、ということですね。
沖縄の離島に行くと、昔、飢餓やマラリアなどの風土病やハンセン氏病や妊婦など、ハンディを持つにいたった島人を社会的に切り捨てた、島としての、やむを得ざる疾病拡大防御なり口減らしなりの歴史をかいま見ることがあります。
(例-与那国島のトゥング田や、クブラ割り、与論島の飢餓状態から脱するための三池炭鉱への移住 波照間島のマラリアによる全住民強制疎開 など)
それと同じような意識が、今回の新型インフルエンザ報道にもあるような気がしてなりません。
ウイルスが感染者に対して申し訳ないというのならわかりますが、感染被害者が近隣にたいして、申し訳ないとの言葉を言わせる、無言の社会的な圧力の存在は、先進国として決してほめられたものではありません。
ハンセン氏病への偏見を生んだ風土が日本にまだ生きている、となると、いっそうの息苦しさを感じてしまいます。
それにしても、マスコミの報道記事のなかには、「新型インフルエンザに感染した生徒の容体や様子などについての会見中に涙ぐむ洗足学園中学校・高校の前田隆芳校長」などというおためごかしの解説をつけているものもありますね。
こんな具合に
「八王子市の女子生徒からは21日朝、母親を通じ「周りの人や先生方に本当に申し訳なかったと伝えてほしい」と伝言があったという。会見の中でそのことを説明しようとした前田校長が、言葉に詰まり、めがねを外してハンカチで涙をぬぐう場面もあった。」
新型インフルエンザ患者に対して、知らず知らずに社会的なレッテルを張っているのは、そして、感染者やその家族たち、関係者たち、をこのように泣かせているのは、むしろ、マスコミなんじゃありませんか?
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2009/05/21 Thursday
2009年5月21日
今回の新型インフルエンザには、老人層に患者が少ないことから、老人層には、何らかの免疫体があるのではないかとの憶測が、以前からあった。
私のこのブログ記事
「1968年のH3N2の香港カゼ・パンデミックが、その当時の人間に、H1N1抗体を与えている、との見方」
などでもこれについての諸説を紹介してきた。
ここにきて、昨日のCDCのプレス・ブリーフィングで、CDCのインフルエンザ部副部長のダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士が、 WebMDのDaniel DeNoon氏などの質問に答える形で、次のような説を展開し、話題になっている。
参考
「Press Briefing Transcripts
CDC Telebriefing on Investigation of Human Cases of H1N1 Flu」
オーディオでの記者会見の模様はこちらをクリック(MP3ファイル)
まず、WebMDのDaniel DeNoon氏は、次のような質問をした。
「WHOの戦略アドバイザリー・グループ゜が、過日、老人層には、H1N1に対する交叉免疫があるために、血清中に中和抗体の形成をしめしているとの報告書が出たが、私どもは、そのことが既成の事実であるかどうか、わかりません。
それが本当かどうかについてコメントしいただ:ませんか?」
(注-ここでいうWHO戦略アドバイザリー・グループの報告書とは下記のことを言っています。
「Recommendations of the Strategic Advisory Group of Experts (SAGE) on Influenza A (H1N1) vaccines」
PDF版は、こちら)
これに対してダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士は、次のようにこたえた。
「おそらく、その情報は、今日の午後か明日にMMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report )からでるレポートに基づくものなのでしょう。
現時点でコメントするとすれば、われわれが、これまで得た、血清学上の研究や患者からの血液からいえることは、1957年以前に今回のH1N1と同じようなウイルスに曝露されていたということ、そして、そのことが、今回のH1N1ウイルスに対して、ある人に対して免疫反応をもたらしている 、ということはいえます。」
これに対して、同じような質問としてHelen Branswell氏からつぎのような質問
「今回の新型H1N1に対して抗体は、防御性があるのですか?」
ダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士
「もちろん、それは、難しい問題だと思います。
抗体の防御効果については、より進んだ研究が必要な感じはします。
しかし、現在の検査から判断する限り、反応性への証拠はあり、それらのことからわれわれが推論するとすれば、一定レベルの防御効果は、あるといえますが、断定するまでにはいたっていません。」
さらにHelen Branswell氏から補足質問
「博士はただいま、感染率などの数字を示されましたが、不思議におもうのは、これは、遺伝子組換えによる 抗原シフト(antigenic shift)なのですか?それとも、抗原連続変異(抗原ドリフト)(antigenic drift)によるものなのですか?」
ダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士
「これまで見る限り、今回の新型インフルエンザウイルスに対して、人口の一定割合は、免疫がない状態です。
過去のH1N1が季節性インフルエンザウイルスとして循環してきたもので、今回の新型H1N1は、それとことなったサブタイブではないと見ていますが、以前のH1N1と今回のH1N1との間の距離があまりにあったがために、今回のH1N1には、潜在的なインパクトがあったのではないか、と、思われます。
今回の感染が、シフトかドリフトかについては、議論中です。」
次の一旦ワクチンの話に質疑の話題が跳んだと、再び、老齢者免疫説について
Betsy McKay氏から質問
「1957年以前のH1N1への曝露についてですが、この1957年以前のH1N1が今回のパンデミックと関係しているのでしょうか?
そして、今回の若い世代への感染は、どのくらい広がるのでしょうか?」
ダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士
「後者の質問から答えれば、罹患者の18パーセントは10歳から18歳の若い世代です。
11パーセントは、5歳から9歳の子供です。
大多数の入院している人の年齢幅は、37パーセントが、19歳から49歳の間です。
しかし、なかには、50歳か、それ以上の年齢の人も13パーセント程度、いることはいます。
しかし、学生の感染増加率は、それら老年の感染実数を上回っています。
第一の質問に戻れば、H1N1は、当初、1918年に現れて、その後、毎年の季節性インフルエンザシーズンに現れ、その間に当初のウイルスはドリフトし、1957年にその姿を現しました。
そして、そのH1N1は、H2N2と入れ替わりました。
この1957年の時点がまさに、 それまでの過去のH1N1が、終焉を迎えた時点というわけです。」
ここで、さらに他の質問がはいったあと、Mike Stobbe氏から質問
「CDCが 一定の年齢層に今回のH1N1に免疫があることを認めたとことはわかりました。
その年齢層とは、50歳以上ということでしょうか?」
ダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士
「先ほども申し上げましたが、今日の午後か明日にでるMMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report )に、私よりも、その点について、雄弁に語られていますので、そちらをご参照願います。」
Richard Knox氏の質問
「二点について質問します。
一点は、免疫を持つ人口が少ないことと、ウイルスのアタック率が、家庭もコミュニティも学校も、通常の季節性インフルエンザの場合は、変わらないということとの関係がよくわからないのですが。
二点目は、低い免疫率がアタック率を高めているのか? 」
ダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士
「アタック率は、感染の一部のことであり、感染の症状の進展は、ウイルスを受けたホスト次第ということになります。
今年の12月段階て゜の季節性インフルエンザがシビアになるものとの予測はありえます」
Richard Knox氏
「イリノイ州やウィスコンシン州が、他のカリフォルニア州やニューヨーク州などとくらべて、飛びぬけて感染がひどいのですが、その理由はなになのでしょう?」
ダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士
「その点は、私どもも調査中です。
それらの州の人々が曝露されている、なんらかのファクターかイベントがあるのだと思います。
それは、必ずしも、その土地特有な温度や湿度や地理的条件が反映したものとは限らないものと推測しています。」
つぎにDonald McNeil氏が質問
「血清検査について、もっと詳しく教えてください。」
ダニエル・ジャーニガン(Daniel Jernigan)博士
「これについても明日のMMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report )を見てください、このことについても雄弁にかいてありますから。
ただ、言えることは、血清検査によって、その血液の人が、過去にどのようなウイルスに曝露されたがわかる、ということです。」
以上だが、肝心のMMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report )
http://www.cdc.gov/mmwr/weekcvol.html
の記事だが、まだ、 現時点では、リリースされていないようだ 。
追記2009/05/22
上記でいっているMMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report )の報告書がようやく発表されました。
「Serum Antibody Response to a Novel Influenza A (H1N1) Virus After Vaccination with Seasonal Influenza Vaccine 」
です。
内容は下記のとおりです。
CDCでは、 今回の新型インフルエンザウイルスH1N1に対応するワクチンの製造が数ヶ月かかる見通しであるところから、現在の季節性インフルエンザ用ワクチンで代用しうるウイルスなのかを検証するために、これまでのワクチン研究で集めてきた保存血清見本を 使って、今回の新しいH1N1に対して、交差反応抗体のレベルを検証することにした。
その方法は、まず、予防接種した年度に応じて、大人と子供のコホートにわけて、検証した、
��2005年から2006年にかけての予防接種において、その予防接種の前後の比較
��2006年から2007年にかけての予防接種において、その予防接種の前後の比較
��2007年から2008年にかけての予防接種において、その予防接種の前後の比較
��2008年から2009年にかけての予防接種において、その予防接種の前後の比較
この結果わかったことは、
�〇匐,離灰曄璽箸砲�いては、ワクチン接種前は、今回の新しいH1N1に対しては、なんら、交差反応抗体は、見られなかった。
ワクチン接種前においては、生ワクチン、不活化ワクチンとも、今回の新しいH1N1に対しては、なんら、交差反応抗体は、見られなかった。
��大人のコホートにおいては、18歳から64歳の間の年齢層において、その6パーセントから9パーセントについて、ワクチン接種前に、交差反応抗体が検出された。
60歳以上の年齢層については、その33パーセントについて、交差反応抗体が検出された。
季節性インフルエンザ・ワクチンにおいては、今回の新しいH1N1に対しては、
18歳から64歳の年齢層においては、2倍の交差反応抗体が検出されたのに対して、
60歳以上の年齢層においては、それが、20倍から90倍の交差反応抗体が検出された。
これらのデータから見るに、最近の2005年から2006年の季節性インフルエンザ・ワクチンの接種では、今回の新しいH1N1に対しては、防御抗体を獲得できそうもないように見られた。
お知らせ:
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2009/05/19 Tuesday
2009/05/19(Tue)
このサイト
「More infectious than the flu bug - hysteria」
ですが、気軽に読める内容のコラムですね。
舛添厚生労働大臣も、ご一読いかがでしょうか?
概要は下記のとおり
いまやおなじみのH1N1ウイルスは、インフルエンザ・ウイルスの中でも、新しいメンバーである。
ウイルスは人類とともに歩んできた。
ウイルスは、バクテリアよりも100倍も小さくて、DNAや、周囲をタンパク膜で覆われているRNAからなる。
ウイルスを差別化しうるのは、そのタンパク膜の形や、RNAの遺伝子配列の違い(インフルエンザ・ウイルスの場合)だけである。
ウイルスの大きな差異が生じるのは、RNAが少し変化したとき、または、人間の免疫系がそのウイルスを以前に見たことがない場合、である。
簡単に言えば、ウイルス感染は、我々人間の細胞のひとつに入り込むことによって起こる。
そして、入り込んだあとは、細胞の制御室をのっとって、細胞破壊を引き起こす前に、ひとりでに何千もの複製コピーを作りながら、新しいウイルスが他の細胞に感染するがままにさせることになる。
それは、一種のゼロックスの複写機械のようである。
一方のバクテリアは、ウイルスとはまったく異なる。
DNAやたんぱく質だけでなく、ほとんど無限の数の形と影響力を持った全細胞である。
そのいくつかは人間にとっていいやつだが、そのいくつかは、悪いやつである。
ウイルスとバクテリアとの違いについての認識は、重要なことであり、特に、それらについて、いかに我々の体が感染を扱うのか、そして、医者は、どのように病人をあつかうのか、について理解することは、重要である。
われわれがインフルエンザにかかるということは、基本的には、われわれはウイルス性肺炎にかかる、ということである。
次に、ウイルス血症(viremia)を、循環血液を通じて、いたるところに生じさせる。
ここに、単なるカゼの患者と、合併症状を起こした患者との決定的な違いが生じる。
続く
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2009/05/19(Tue)
このサイト
「新型インフルエンザ流行時に「ネットを止めない」対策が不可欠」では、新型インフルエンザがパンデミックになった場合に、ネット回線やリモートサーバに大量の負荷がかかるのではないのか、との想定で、いろいろな対策の必要性を論じていて面白い。
たしかに、一定地域の全世帯が、いっせいに常時接続状態になったばあいには、おそらく、おそらくADSL電話回線にしてもCATV回線にしても、のろのろ状態となるであろうから、実質上、通信回線の機能は、ストップしてしまうのかもしれない。
P2P.IP接続であれば、このへんは、いくらか緩和されるのかもしれない。
また、仮想サーバーであるVPS(Windows Virtual Private Server)を使う手もあるかもしれないが、そこへ行き着くまでの回線が混んでいては、たいして効果はないかもしれない。
緊急時の衛星回線を利用したのネット接続などの第三の回線の準備も必要なのかもしれない。
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2009/05/18 Monday
2009年5月18日
ようやく国内感染本格化という日本ではあるが、世界の新型インフルエンザに対する関心は、すでに、第二波に向けられているようだ。
今回の新型インフルエンザの第一波への評価は、
�|彁狹�なウイルスではない。、
��感染力はつよい。
��疾病率は高い。
�っ彁猯┐蓮�低い。
といった評価のようである。
これが、第二波到来時においてのウイルスは、どうなっているか?というのが世界の関心のようである。
来月から南半球は冬に入り、今回の新型インフルエンザは、南半球においては、通常の季節性インフルエンザとともに、フル・シーズンに入る。
南半球のフル・シーズンを季節性インフルエンザウイルスとともに回り終えた今回の新型インフルエンザウイルスH1N1が、ふたたび9月に北半球に戻ってくるときに、どのような変異を遂げているのか、そして、どのような形での第二波の到来となるのか、というのが、その関心の源にある。
そこには、過去のウイルスにおける第二波に対するトラウマがあるものと思われる。
1918年のスペインカゼ(H1N1)では、第一波でいきのびたものが、第二波でやられ、また、1968年から1970年にかけての香港カゼ(H2N2→H3N2)においては、北米とヨーロッパとでは、第一波と第二波とで、ことなった特徴が見られたからだ。
1957-1958年のアジア風邪(H2N2)パンデミックにおいても、第一波よりも第二波のほうが、被害が大きかった。
今回の新型インフルエンザウイルスH1N1の特徴として
�ー稠�層が多く罹患し、老年層には、何らかの免疫体があるように見られる。
�⊂評�に豚インフルエンザ特有の嘔吐・下痢がみられる。
�4擬圓瓦箸棒�伏期間にばらつきが見られ、あるものは、一日、あるものは3-4日と、差異が見られる。
�ぅ瓮�シコでの高い致死率についての解明が明らかでなく、今回の新型インフルエンザの毒性についての解明が進んでいない。
�サ╂畧�インフルエンザウイルスに比較して、接触伝染性が強い。
などがあげられている。
第二波は、最初の第一波感染発見から勘定して、最低2ヶ月後から、最大2ヵ年後に到来といわれている。
早ければ今年の9月には、第二波到来の可能性が強い、と、言われている。
そこで、第二波は、どのような形の襲来となるのかについてだが、「Will H1N1 be back in deadly second wave? 」では、今回のH1N1が、今後季節性インフルエンザとなって、再び、第二波として来襲する場合には、どのような影響をアジア地域に与えるかを論じている。
ここでは、過去の福建株(H5N1)の第二波などを例に挙げている。
2003年から2004年にかけての福建株は、2003年12月の季節性インフルエンザシーズンと重なり、フランスでは、二百万人罹患、スペインでは、前年より20倍の罹患率となった。
特に子供の罹患がひどく、イギリスでは、7人の子供が死に、アメリカ・コロラド州では、5人の子供が死んだ。
いずれも、例年の季節性インフルエンザでは、1人か2人の死亡であったのが、である。
ワクチン計画の失敗にも懸念が残るという。
それは、1976年の豚インフルエンザ(H1N1)発生時のワクチン計画失敗のトラウマによるものだ。
今回のH1N1についてみても、、
現在のH1N1がシフトするのか?
毒性はどうか?
タミフル耐性を持って再来襲するのか?
などによって、今回軽微で終息した地域が、第二波では、思わぬ人的被害をあたえるのか?
などなど、わからないことが多いようだ。
ここにきて、WHOは、現在のレーティング・システムの改善を志向しているといわれている。
すなわち、現在のSARSやH5などの強毒性を前提とした感染の範囲の広狭をしめすアラートシステムと、今回の弱毒性であっても感染力の強いウイルスを前提とした毒性の強弱に応じたアラートシステムとの、二つのカテゴリーを縦横にグリッドしたマトリックスのかたちでの、ハイブリッドなポートフォリオ・アラート・システムを考えているようにも見える。
(一部報道では、WHOは、(1)健康被害の大きさ(2)社会的インパクトの強さという二つの指標にたった、フェーズにかわるカテゴリー概念の導入を検討中との話もあるようだ。)
ここに、 DALY (Disability-Adjusted Life Year)という指標がある。
これは、「疾病の負荷」(Burden of Disease)を示す指標である。
インフルエンザによって、85歳の人が亡くなるのと、21歳の人が亡くなるのとでは、疾病が人口から生産的な人口を奪う率が異なるという、やや、顰蹙を買いそうな概念ではあるのだが。
若い人が死ぬエイズは、死亡数は少ないが、そのDALY値は高いのに対して、老人がかかる脳疾患は、死亡数は多いが、そのDALY値は、低い。
同様に、今回のH1N1は、死亡数は少ないが、若い人にのみかかかるという意味で、そのDALY値は高いとされる。
参考「Is H1N1 scare just a false alarm?」
いずれにしても、今回の軽微で終わった地域が、第二波でも、軽微で終わるかは、わからない。
いま必要なのは、第二波到来に備えた、定期的なH1N1やH3N2のモニター/定点観測であるものと思われる。
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2009/05/17 Sunday
2009/05/17(Sun)
1968年の香港カゼのパンデミックは、H3N2であったが、このときにヒトに与えた抗体が、今回の新型インフルエンザウイルスH1N1にも効力を発揮する抗体を与えているのではないか、との謎を、アメリカCDCは、想定しているようである。
このことについては、二年前の私のブログ記事
「H5N1鳥インフルエンザ・ウイルスに対して、H1N1ウイルスのN1部分に対する自然免疫が、効果を発揮しているとの学説」
とも、関係してくるのであるが、ここでは、H1N1ウイルスのN1部分での自然免疫がH5N1ウイルスにたいして、効力を発揮しているとの研究成果であった。
これが、さらに、H3N2ウイルスの自然免疫がH1N1ウイルスにたいして、効力を発揮している、となれば、H3N2→H1N1→H5N1への自然免疫の連鎖が起きている、と、見ることも出来るというわけだが。(cross-reactive N1 NA immunity )
いずれにしても、過去のパンデミックによって得た自然免疫が、HAの差異を越して、N2部分の共有によって、H3にもH1にもH5にも、効力を発揮している、と見たほうがよさそうだ。
今回のH1N1パンデミックにおいて、なぜ低年齢にのみ感染者が多いかは、これで謎解きが出来るはずだが。
このCIDRAPの記事
「Fewer senior swine flu cases may hint at protection」
においては、
なぜ今回のH1N1が若いヒトのみをおそうのか?について触れていて、その理由として
「過去にこれまでその人がどのようなワクチン接種を受けていたかがポイントになる。」として
「メキシコにおける感染者の51パーセントが20歳未満であること、アメリカにおける感染者の58パーセントが18歳未満であること、などから、それより年取ったヒト、特に60歳以上の人には、何らかの免疫体が備わっているのではないか、という推測ができる。」としている。
ちなみに、これまでのパンデミックをみてみると、
1918年はH1N1
1957年から1958年まではH2N2
1968年はH3N2
1976年豚インフルエンザではH1N1
となっている。
今回のH1N1新型インフルエンザ・ウイルスは、これまでの上記のウイルスとは、似ていないものではあるが、なぜか、60歳以上の人は、今回の新型インフルエンザウイルスに対して、抗力を示している。
CDCは、これらのことについて、現在検証中である。
また、今日のワシントン・ポスト紙の記事「Age of Flu Victims Has Big Implications」では、今回の新型インフルエンザの犠牲者の年齢分布が、重要な鍵を握るとしている。
すなわち、1918年のスペイン風邪、1957年のアジアカゼ、1968年の香港カゼ、1977年のソ連型カゼに共通して言えることは、このいずれのときにも、若い世代が、多く罹患していたとしている。
この原因は、このいずれの場合も、ある程度の抗体が作用していたと見ている。
今回の新型インフルエンザにおいても、平均罹患年齢は、15歳であって、罹患者の三分の二が18歳以下であると言うことだ。
今回の新型インフルエンザが若い人にのみ影響している理由として、二つのことがあげられているとしているる
第一は、若い人ほど、その行動範囲が広く、濃厚接触の度合いがおおきい、ということであるる
第二の理由として、幾人かの専門家は、いくつかの仮説をあげている。
New York Medical CollegeのEdwin D. Kilbourne氏の仮説はつぎのとおりだ。
すなわち、いまの若い世代のうち、一定の割合の人たちは、これまで、H1N1との感染の機会がないか、または、H1ワクチンの接種の機会がなかったのではないのか?という仮説である。
今回のインフルエンザ感染の地理的な分布を見ると、著しい差が地理的にみられるが、これは、1968年にパンデミックとなった香港カゼの北米大陸とヨーロッパ大陸との感染度の違いと一致しているという。
このときは、1968年から1969年の冬にかけての第一波で、北米大陸の死亡者数の四分の三が、インフルエンザによるものであったのに対して、1969年から1970年の冬にかけての第二波において、フランスやイギリスでは、それを上回る四分の三以上が、インフルエンザによるものであったとしている。
つまり、この第一波と第二波との間において、ウイルスはH2N2からH3N2にシフトしたと、専門家は、見ているようだ。
このことから、ヨーロッパ人においては、北米人よりも、H2N2への曝露歴は、少なく、最近になって、ヨーロッパ人は、抗体を獲得したと、見ている。
そして、このことが、ヨーロッパ人をして、北米人よりも、「半分新しい(Half-New)H3N2」の到来に対して部分免疫を持っているのではないか、との推測をしている。
一方、第ニ波においては、N2部分の変異によって、ヨーロッパ人は、H3N2への抗体力が低下していたため、北米人よりも、インフルエンザによる死亡率が高くなってしまった、と、見ている。
今回においても、新型インフルエンザH1N1が、第二波において、どのような変異(ウイルスの免疫回避– immune evasion-によるウイルスのH部分またはN部分におけるチェンジ・コート-changes coats-)をするかによって、大陸別の犠牲者の数が、どう変化するのか、が注目されると、このワシントンポストは、結んでいるのだが。
参考
「Serological Profiles after Consecutive Experimental Infections of Pigs with European H1N1, H3N2, and H1N2 Swine Influenza Viruses」
「INVESTIGATION INTO PERPLEXITIES IN THE SERODIAGNOSIS H1N1 SUBTPYE SWINE INFLUENZA VIRUS INFECTIONS」
「Predicting Antigenic Variants of Influenza A/H3N2 Viruses 」
「Immunity to Influenza A Virus in Humans By Brian Murphy」
「The role of cross-immunity and vaccines on the survival of less fit flu-strains 」
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2009/05/16 Saturday
2009/05/16(Sat)
成田での感染者発見を水際作戦成功と勝ち誇った関係者には悪いが、今回の兵庫の高校生の場合は、外来診療医から当該検体を早期に採取しておいたのに、発熱外来関係からの検体の検査が優先され、この高校生の検体の検査には、のべ3日の遅れがあったということは、何を意味しているのだろう?
男子生徒を診察した医師から、季節性インフルエンザの疑いがあると検体が届いたのが5月12日だったが、その検体を遺伝子検査にかけたのは、診察した医師から届けられてから3日後だったという。
理由として、同じ日に市の発熱外来からも検体が届き、研究所はそちらを優先したため、男子生徒の検体の検査に取りかかったのは15日午後になったという。
(神戸の医療関係者の話として、「メキシコ、アメリカ、カナダ渡航者以外のインフルエンザ患者の検体は、送っていただいても検査しません。そんなキャパシティはありませんので」と検査機関からことわられたとの話も一部あるようだが。)
もし、成田での感染者発見を、事実上の国内感染者第一号発見とみなし、第二段階到達とみなしておけば、こんなことには、ならなかったのではなかろうか?
医療体制に関するガイドラインによれば、
第一段階:国外もしくは国内において新型インフルエンザ患者が発生したが、当該都道府県内にはまだ患者が発生していない段階
においては、
発熱相談センターの設置をするとともに、
「新型インフルエンザ患者が未発生でも、疑われる患者(当該疾患の可能性を訴え受診を希望する患者を含む)等が多数発生し、入院を必要とする例もあると予想される。このような場合も感染症指定医療機関等が患者を受け入れることになるが、新型インフルエンザが否定された時点で患者を退院もしくは一般病院に転送してよい。」
とある。
また、
第二段階:当該都道府県内に新型インフルエンザ患者が発生し、入院勧告措置に基づいて感染症指定医療機関等で医療が行なわれる段階
においては、
発熱外来の設置をおこなうとともに、
一般病院及び診療所等の対応としては
「新型インフルエンザが疑われる患者は、発熱相談センターを介して感染症指定医療機関等を受診することが期待されるが、直接患者が感染症指定医療機関等以外の病院、及び診療所(以下、受診医療機関)を受診した場合、以下の対応をとる。
○ 受診医療機関は、患者が「要観察例」に該当すると判断した場合、直ちに最寄りの保健所に連絡する。
○ 受診医療機関は、患者に新型インフルエンザ検査を実施することができる感染症指定医療機関等への転送について、保健所に相談する。
○ 受診医療機関は、新型インフルエンザ検査が検査機関において約半日以上かかることから、あらかじめ患者に対し、感染症指定医療機関への任意入院(新型インフルエンザの検査結果が出るまでは、任意の扱いとなる)を勧奨する。その場合、病院の他の病室等へ新型インフルエンザウイルスが流出しないような構造設備を持つ病床を使用する」
とある。
また、発熱外来の設置については
「○ 発熱外来は、新型インフルエンザの患者とそれ以外の患者とを振り分けることで両者の接触を最小限にし、感染拡大の防止を図るとともに、新型インフルエンザの診療を効率化し混乱を最小限にすることを目的とする。」
とある。
こうしてみると、これらのマニュアルの上では、あたかも、旧型インフルエンザと新型インフルエンザとが、発熱相談センターと発熱外来の設置によって、整然と患者振り分けが出来ると想定していたのであるが、実際は、今回の神戸の高校生のように、渡航歴がないがために、この旧型・新型のふるいが裏目に出て、かえって、検査の実施が後回しにされてしまったというわけだ。
もし、成田でのH1N1発見段階を第二段階とみなしていれば、このようなことはなかったのではないのか、とも、いいたくなる。
つまりは、「水際作戦には限界があり、不顕性感染者の入国の可能性は大いにある、との前提に立った、リスク・ミチゲーション戦略」とはなっていなかった、ということだ。
言葉を変えていえば、妙な水際作戦成功の功名取りが、結果としては、不顕性感染者の二次感染拡大を助けてしまっていた、とも、いえるのではなかろうか?
参考
「清浄国神話に毒された「『国内で患者が発生した場合』には当たりません」総理コメント」
「今回のH1N1は、通常の季節性インフルエンザと同様の対応をすべし」
お知らせ:
日本からシカゴのオプション売買ができるためのマニュアル「シカゴ・オプション売買戦略マニュアル」(A4版273ページ、5,900円)をこのたび書き上げ、発刊しました。
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2009/05/14 Thursday
2009/05/14(Thu)
Wisconsinは、例の1998年に、人・豚・鳥の三種類の宿主を持つ豚インフルエンザ・ウイルス(Triple reassortant swine influenza viruses )が、発見されているところだ。
このときのウイルスは、A/Wisconsin/87/2005 H1N1 であった。
水曜日現在のウィスコンシンの感染者は、508人、前日は496人であった。
州で感染者がもっとも多いのが、イリノイ州で、水曜日現在555人となっており、この一週間で倍増となっている。
これらの州は、養豚経営の盛んなベルト地帯で、今回の新型インフルエンザの遺伝子配列に、1998年にノースカロライナ、テキサス、ミネソタ、アイオワの4州で発見されたH3N2合併結合変異ウイルス(A/Swine/North Carolina/35922/98は、豚とヒトとの合併結合変異ウイルス、 A/Swine/Texas/4199-2/98とA/Swine/Minnesota/9088-2/98とA/Swine/Iowa/8548-1/98の三つは、豚とヒトと鳥との合併結合変異ウイルス)との相同性がみられたとのコロンビア大学からの報告がされているのが、なんとも気になるところなのだが。
このサイト「Swine flu scare puts spotlight on factory farms」では、アメリカの養豚地帯ウィスコンシンの不安を次のように伝えている。
水曜日のProMED において、今回のH1N1ウイルスの起源を、1998年のノースカロライナのハイブリッドにあるとみて、トレースを始めた、との記事や、同日のAP電で、ウィスコンシンで豚インフルエンザがみっかった、などの記事で、養豚地帯に底知れぬ恐怖が広がりつつあるのだという。
ウィスコンシンには、200あまりの養豚工場があり、特にCAFOでは畜産が環境に与える負荷単位ともいうべきanimal units単位換算では、千以上に相当する家畜の糞尿処理施設をもつという。
これらは、牛700 豚2,500 七面鳥55,000 の処理量に該当するという。
ウィスコンシンの養豚関係者は、今回のことによって、消費者の豚肉への需要が低下してしまうのではないか、と、不安がっているという。
現に豚肉価格は、このところ、低下を続けているという。
これらの養豚業への懸念はいまに始まったことではないという。
昨年4月末に、「The Pew Commission on Industrial Farm Animal Production 」(PCIFAP)が出した報告書「 Putting Meat on The Table: Industrial Farm Animal Production in America 」では、「豚の大集団におけるウイルスの再生産が、突然変異や遺伝子再集合によって、ヒト→ヒト感染の可能性が強い新しいウイルスを生み出す機会を増やしている。」との指摘をしているという。
参考「Pew Commission Says Industrial Scale Farm Animal Production Poses “Unacceptable” Risks to Public Health, Environment」
また、この報告書では、「養豚場における抗生物質の多用が、ブドウ球菌(Staph)の薬剤耐性を生みだし、また、処理水の周辺への浸透が、O-157(E-Coli)などの感染を引き起こしているという。
2003年には、「the American Public Health Association」が、同様の理由で、養豚工場一時操業休止を勧告したという。
ウィスコンシンの住民からは、長い間、苦情が寄せられているが、その苦情のおもなものは、地下水の汚染、糞尿の山の処理、呼吸困難につながる、におい、や、バクテリアの飛翔等についてのものであったという。
しかし、これらに対しての養豚工場の関係者からの回答は、いつも、「当方としては、安全に操業している」との回答のみであったという。
また、これらの工場への外部からの立ち入りは、厳重に制限されているという。
なお、現在のウィスコンシンでの豚の生産高は、全米の38パーセントに当たるという。
その他では、アイオワ、ミネソタ、イリノイ、インディアナ、が、全米トップ5以内の豚生産州であるという。
5月11日現在のアメリカの州別H1N1感染者数一覧は下記のとおり(◎印は、養豚地帯州)
イリノイ487.◎
ウィスコンシン384.◎
カリフォルニア191.
ニューヨーク190.
アリゾナ182
テキサス179.◎
ミシガン130.◎
ワシントン128.
マサチューセッツ88.
ウタ63.
テネシー54.◎
フロリダ54.
デラウエア44.
アイオワ43.◎
コロラド39.
インディアナ39.◎
ソースカロライナ32.◎
ニューメキシコ30.
コネチカット24.
メリーランド23.
カンサス18.◎
オレゴン17.
バージニア16.◎
ミズーリ14.◎
オクラハマ14.
ネブラスカ13.◎
ノースカロライナ11.◎
ケンタッキー10.◎
ペンシルバニア10.
ルイジアナ9.
ネバダ9.
ミネソタ7.◎
ニュージャージー7.
ロードアイランド7.
オハイオ6.◎
ハワイ6.
アラバマ4.◎
ワシントンDC4.
ニューハンプシャー4.
メイン4.
ジョージア3. ◎
ソースダコダ1.◎
バーモント1.
アイダホ1.
合計2600
なお、感染者ゼロの州は
Alaska, Arkansas◎, Mississippi, Montana, North Dakota, West Virginia, and Wyoming
である。
なお、アメリカの養豚地帯は下記の州である。
北部:
Illinois,
Indiana,
Iowa,
Kansas,
Michigan,
Minnesota,
Missouri,
Nebraska,
Ohio,
South Dakota
Wisconsin
南部:
Alabama,
Arkansas,
Georgia,
Kentucky,
North Carolina,
South Carolina,
Tennessee,
Texas
Virginia
地図はこのサイト
「Commodity Costs and Returns: Methods」
ご参照
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参考
「Update influenza A (H1N1) Regional report, Vol. 6, No. 27」
At 555, Illinois has highest number of H1N1 flu cases in US
Wisconsin Has 508 Confirmed Flu Cases
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2009/05/09 Saturday
2009/05/09(Sat) 09:16
なんとも、珍妙なコメントを、麻生総理はしたものである。
麻生首相は9日朝、カナダから米国経由で成田空港に帰国した日本人が新型インフルエンザに感染していたことを受けて「『国内で患者が発生した場合』には当たりません」とする談話を発表したというのだが。
すなわち、
「本件感染は、我が国で確認されたものですが、空港における検疫の段階で対処したものであり、(政府の)新型インフルエンザ対策本部で決定した『基本的対処方針』の『国内で患者が発生した場合』には当たりません」
とのことである。
このコメントになんの意味があるのだろう?
以下の参考に見るように、『国内で患者が発生した場合』にあたろうがあたるまいが、守るべき対処方針に差が出るはずはないのである。
この総理発言にも、微妙な日本特有の「清浄国神話」の一端が図らずも現れたと見るのは、私だけであろうか?
こんなお医者さんのブログ「内科開業医のお勉強日記」
「新型インフルエンザ検疫成功と報じる馬鹿 不顕性感染伝播に関して何も分かってないのに・・・ 」
がありましたが、これには、納得。
国内感染については、正直、ようやく、といった感じだ。
潜伏期間中に検疫をすり抜けてしまう、ワンショットの水際作戦というものが、いかに無力なものだったのか、が、わかっただけでも、日本にとってはいい教訓なのかもしれない。
日本の対策としては、「感染者が出るのは当たり前」「不顕性感染者がすでに国内に潜在しているのは当たり前」、といった認識からスタートして、では、なにを優先すべきなのか、といった、タスク・フォースの見直しなり優先順位の見直しなり、ミチゲーション的対策を、この際、H5対応も含め、考えなおしたほうがいいのではないのだろうか?
舛添厚生労働大臣のハアハア記者会見は、もう、いらない。
参考
『基本的対処方針』の『国内で患者が発生した場合』
五.国内で患者が発生した場合には、ウイルスの特徴や感染拡大の恐れに応じて、四に加え、弾力的、機動的に以下の措置を講ずる。
(一)積極的疫学調査の徹底
(二)患者や濃厚接触者が活動した地域等における感染拡大防止措置の徹底
○ 外出にあたってのマスク着用、うがい、手洗い、咳エチケットの徹底等の呼びかけ
○ 不要不急の外出自粛の要請
○ 時差出勤や自転車・徒歩等による通勤の要請
○ 集会、スポーツ大会等の開催自粛の要請
○ 必要に応じ、学校・保育施設等の臨時休業の要請
○ 事業者に対し不要不急の事業の縮小の要請
(三)抗インフルエンザウイルス薬等の円滑な流通と適切な使用
(四)医療従事者や初動対処要員等の保護
なお、今月5月1日における対処方針の改定では、国内で患者が発生した場合の措置として、不要不急の外出自粛の要請や学校の臨時休校の要請などを挙げ、同時に、「弾力的、機動的に対応する」とし、感染が確認された段階で市町村などと協議したうえで、地域を限定することも含め、必要な措置に限って実施する方針を示した。
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2009/05/09(Sat)
今回の新型インフルエンザが発生してまもなくの2009/04/26 の私のブログ記事
「肝心のポイントがまだわかっていないメキシコ・カリフォルニアのH1N1豚インフルエンザ問題」
で、
「今回の問題のポイントは、今回発見のH1N1が人・豚・鳥などの三種類の宿主を持つ豚インフルエンザ・ウイルス(Triple reassortant swine influenza viruses )なのかどうか?が最大のポイントである」
としたが、
その後2009年5月3日のブログ記事
「新型インフルエンザについてのコロンビア大学などの予備的分析結果について」
に書いたように、
「今回のH1N1は、北米の豚インフルエンザウイルスとヨーロッパ/アジアのインフルエンザウイルスとによるものであり、
このうち北米の豚インフルエンザウイルスは、1998年に北米でみつかっている新しいH1N1であって、
これは、H1N2とH3N2との二つのウイルスからなる合併結合変異ウイルス(reassortant virus)であり、
特記すべきは、その合併結合変異ウイルスを構成する片方のH3N2は、1998年に北米のテキサス、ミネソタ、アイオワで見つかっているもので、こちらのほうは、ヒトと豚と鳥の、三つの宿主から異なる核酸を得る、トリプルの合併結合変異ウイルス(Triple reassortant swine influenza viruses )である。」
ということがわかってきた。
このことについて、さらにThe New England Journal of Medicineの2009年5月7日号記事
「Triple-Reassortant Swine Influenza A (H1) in Humans in the United States 2005-2009,」
V. Shinde and Others
では、今回みつかったヒトと豚と鳥の、三つの宿主から異なる核酸を得る、トリプルの合併結合変異ウイルス(Triple reassortant swine influenza viruses )は、何も目新しいものではなく、
2005年12月以来、11症例アメリカで見つかっているものだ、としている。
その最初のTriple reassortant swine influenza viruses の例として挙げられているのが、私のブログ記事「肝心のポイントがまだわかっていないメキシコ・カリフォルニアのH1N1豚インフルエンザ問題」
で例としてあげている、2005年12月7日に、ウィスコンシンの17歳の少年が呼吸器疾患となり、その原因がH1N1であったケースである。
そして、2007年6月には、さらに1例が発見された。
これらの症例を含め、2005年12月から2009年2月までの間に、11症例が見つかり、そのほかに最近時のケースでは、調査中とのことである。
このCDCの論文では、この11のケースについて、詳細な分析を試みている。
��11患者の平均年齢は、10歳である。最低16ヶ月最高48才で、8人が18歳以下であった。
��豚への曝露歴は、11人中9人であり、そのうち、直接豚に触ったものは、5人である
��潜伏期間は、3日から9日である
�ぞ評�としては、90パーセントのひとが発熱、100パーセントのひとが咳き、60パーセントのひとが、頭痛、30パーセントのひとが下痢となっている。
�ト�症時期は患者1.2.3は、2007年以前、患者4-11は、2007年
�Υ擬�1は、ウィスコンシン、患者2は、不明、患者3は、アイオワ 患者4と患者5は、オハイオであり、この二人は、父親と娘との関係である。。
��当初、患者7をのぞいては、インフルエンザAであるが、サブタイプではH1N1か H3N2か、判然としないとの診断を受けた。
患者7は、A型H1N2との診断を受けた
�┫擬�11人中、6人が男であった。
��季節的な発見時期は、8月が1人、10月が2人、11月が2人、12月が1人、1月が2人、2月が1人であった。
��豚への曝露の場所は、養豚場が3人、農業祭が4人、生体市場が1人、と畜場が1人、なっている。
��11人中8人が、豚に病気の症状があったとし、11人中5人が豚に触ったとし、3人は、豚に1.8メートル以内に近づいたが豚に触ったかどうかについては記憶がないとし、1人は、農業祭にはいったが、豚の展示場には行かなかった、としている。
��入院したのは、患者3.6.7.9であった。このうち患者3は、4歳の子供、患者7は、16歳である
患者6と9の病状は、シビアであった。
患者6は、48歳、患者9は、26歳であった。
��すべての患者に対して、タミフル投与がされた。
このうち、患者5は、発症後、一日以内、患者4は、発症後3日以内投与であった。
��確定診断の結果は、11人の患者のうち10人は、H1N1、1人は、H1N2であった。
以上
お知らせ:
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