2009/05/09(Sat) 09:16
なんとも、珍妙なコメントを、麻生総理はしたものである。
麻生首相は9日朝、カナダから米国経由で成田空港に帰国した日本人が新型インフルエンザに感染していたことを受けて「『国内で患者が発生した場合』には当たりません」とする談話を発表したというのだが。
すなわち、
「本件感染は、我が国で確認されたものですが、空港における検疫の段階で対処したものであり、(政府の)新型インフルエンザ対策本部で決定した『基本的対処方針』の『国内で患者が発生した場合』には当たりません」
とのことである。
このコメントになんの意味があるのだろう?
以下の参考に見るように、『国内で患者が発生した場合』にあたろうがあたるまいが、守るべき対処方針に差が出るはずはないのである。
この総理発言にも、微妙な日本特有の「清浄国神話」の一端が図らずも現れたと見るのは、私だけであろうか?
こんなお医者さんのブログ「内科開業医のお勉強日記」
「新型インフルエンザ検疫成功と報じる馬鹿 不顕性感染伝播に関して何も分かってないのに・・・ 」
がありましたが、これには、納得。
国内感染については、正直、ようやく、といった感じだ。
潜伏期間中に検疫をすり抜けてしまう、ワンショットの水際作戦というものが、いかに無力なものだったのか、が、わかっただけでも、日本にとってはいい教訓なのかもしれない。
日本の対策としては、「感染者が出るのは当たり前」「不顕性感染者がすでに国内に潜在しているのは当たり前」、といった認識からスタートして、では、なにを優先すべきなのか、といった、タスク・フォースの見直しなり優先順位の見直しなり、ミチゲーション的対策を、この際、H5対応も含め、考えなおしたほうがいいのではないのだろうか?
舛添厚生労働大臣のハアハア記者会見は、もう、いらない。
参考
『基本的対処方針』の『国内で患者が発生した場合』
五.国内で患者が発生した場合には、ウイルスの特徴や感染拡大の恐れに応じて、四に加え、弾力的、機動的に以下の措置を講ずる。
(一)積極的疫学調査の徹底
(二)患者や濃厚接触者が活動した地域等における感染拡大防止措置の徹底
○ 外出にあたってのマスク着用、うがい、手洗い、咳エチケットの徹底等の呼びかけ
○ 不要不急の外出自粛の要請
○ 時差出勤や自転車・徒歩等による通勤の要請
○ 集会、スポーツ大会等の開催自粛の要請
○ 必要に応じ、学校・保育施設等の臨時休業の要請
○ 事業者に対し不要不急の事業の縮小の要請
(三)抗インフルエンザウイルス薬等の円滑な流通と適切な使用
(四)医療従事者や初動対処要員等の保護
なお、今月5月1日における対処方針の改定では、国内で患者が発生した場合の措置として、不要不急の外出自粛の要請や学校の臨時休校の要請などを挙げ、同時に、「弾力的、機動的に対応する」とし、感染が確認された段階で市町村などと協議したうえで、地域を限定することも含め、必要な措置に限って実施する方針を示した。
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