Sasayama’s Weblog


2005/09/07 Wednesday

日本と中南米とのH5N2鳥インフルエンザウイルスの接点

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:21:18

2005/09/07(Wed)

null 2005年9月2日、農林水産省家禽病小委員会委員長である北海道大学の喜田宏教授が、記者会見において、「今回の鳥インフルエンザ流行の感染経路は、非認可のワクチンを接種した結果の可能性がある」ことを明らかにし、養鶏業界に大きなショックを与えている。

また外電でも、the Daily Yomiuri Onlineの
Artificial infection suspected in Japanese bird flu outbreak」やUnited Press Internationalの「Japan to cull 1.5M chickens with bird flu」などを元に、世界に伝えられた。

動物衛生研究所による遺伝子配列解析の結果によると、日本のウイルスはメキシコとグアテマラのウイルス株に94〜97%一致(concordance rate)するという。

そこで、不十分に不活化されたワクチン(あるいは生ワクチン)を使ったため、この事態をもたらした可能性があるというのだ。

しかし、家禽疾病小委員会は、違法ワクチンによる中南米のウイルスと日本との関係をにおわせてはいるものの、遺伝子シーケンス(genome sequence )など、その証拠となりうるものは、何一つ示していない。

そして、うわさだけが先行して疑心暗鬼をうみだしてしまっている。

家禽疾病小委員会の無責任ぶりがかんじられる。

家禽疾病小委員会は、もし、ワクチン原因論を展開するのであれば、におわして反応を見るというのではなくて、遺伝子シーケンスを同時に発表するとか、具体的なことを言うのでなければ、混乱を引き起こすばかりである。

「Research Issues in Animal Surveillance and Pandemic Planning」

Vaccination of chickens against H5N1 avian influenza in the face of an outbreak interrupts virus transmission

「Influenza: Emergence and Control」
にある情報では
「伝統的に香港で商業的に使われている家禽ワクチンは、
A/CK/Mexico/232/94/(H5N2)をベースに作られている。」という。

もし、この情報が正確であるとすると、推測にはなるが、日本と中南米を結ぶ接点は、このあたりにあるようにも思われる。

A/CK/Mexico/232/94/の遺伝子シーケンス(Raw Sequence)は、こちら
http://flu.lanl.gov/search/view_record.html?
accession=AY497191&database=fluA

で見ることができる。

また、サイト「The Influenza Sequence Database 」

「A/chicken/Mexico/」をサーチすると、これだけのウイルス株があることがわかる。

A/chicken/Mexico/31381-Avilab/94
A/Chicken/Mexico/31381-8/94
A/Chicken/Mexico/31381-7/94
A/chicken/Mexico/31381-6/94
A/Chicken/Mexico/31381-5/94
A/Chicken/Mexico/31381-4/94
A/Chicken/Mexico/31381-3/94
A/Chicken/Mexico/31381-2/94
A/Chicken/Mexico/31381-1/94
A/chicken/Mexico/28159-541/95
A/Chicken/Mexico/26654-1374/97
A/chicken/Mexico/232/94
A/chicken/Mexico/15407/97
A/Chicken/Mexico/31382-1/94
A/Chicken/Mexico/31382-7/94
A/chicken/Mexico/37821-771/96

各ウイルスの遺伝子シーケンスは、それぞれの「Accession 」欄の数字をクリックすると出てくる。

H5N2としては、世界にこれだけのウイルス株があるようだ。

さらに、メキシコでは、1995年1月から、鳥インフルエンザ・ワクチネーション・プログラムが実施され、130億服の不活化ワクチンと、八億五千万服の鳥インフルエンザ組み込みの遺伝子組み換え・鶏痘ワクチン(recombinant fowlpox vaccine containing an avian influenza virus gene または、Recombinant fowlpox virus-vector vaccine、Trovac Aih5)が、使用された。

これによって、1995年6月までに、高病原性のH5N2は、根絶されたが、低病原性のH5N2は、根絶されえず、中央メキシコに、今も、循環しているという。
http://www.sld.cu/pipermail/farmepi-l/2004-March/000352.html
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/
entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=
PubMed&list_uids=10737653&dopt
=Abstract
参照

この際、組み込みに使用されたH5N2は、ProMED情報によれば、1994年から95年のメキシコでのH5N2型株を使用したとある。

となれば、以下のうちのどれかということなのだろう。

A/chicken/Mexico/232/94
A/chicken/Mexico/31381-Avilab/94
A/Chicken/Mexico/31381-1/94
A/Chicken/Mexico/31381-2/94
A/Chicken/Mexico/31381-3/94
A/Chicken/Mexico/31381-4/94
A/Chicken/Mexico/31381-5/94
A/chicken/Mexico/31381-6/94
A/Chicken/Mexico/31381-7/94
A/Chicken/Mexico/31381-8/94
A/chicken/Mexico/28159-541/95
A/Chicken/Mexico/31382-1/94
A/Chicken/Mexico/31382-7/94
A/chicken/Mexico/37821-771/96

今後、これらの鶏痘ウイルスや、ニューカッスルウイルスなどにウイルスベクター(poxvirus-vectored)された、多価ワクチン(現行のウイルスワクチンをベースにして外来抗原を発現させるベクターワクチン、multiantigen, multistage vaccine )は、ますます、増えてくるように思われる。

メッドイミューン社とリバースジェネティクス(逆遺伝子)技術に関してライセンス契約を締結されている日本のシゲタ動物薬品工業株式会社のサイトの中に、「H5N1アジア株とH5N2アメリカ・メキシコ株の抗原性比較表」
というサイトがある。

この表の中の「相同性」(homology)の数値を見ると、A/Ck/Mexico/31381-3/94(H5N2)と遺伝子組換えワクチン(H5N1型)との相同性は、85パーセントとなっている。

相同性の観点から見ると、遺伝子組換えワクチン(H5N1型)とH5N2ウイルスとの相同性数値は、異なるN亜型であっても、かなり、高い数値を示していることがわかる。

(相同性検索は、こちらのNCBIサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/で可能。)

同じサイトの中の「ワクチン開発の経緯」には、『現在アジアを中心に使用されている鳥インフルエンザH5亜型不活化ワクチンはH5N2型株(Heterologous vaccine)であり、H型が同一であるがN型が異なる株を用いて製造されています。これらの製造方法によるワクチンは、病原体の増殖を抑え、発症及び死亡を抑制するのみの効果であり、病原体の感染自体を防止することはできません。』との記述もある。

また、「A/chicken/Guatemala」でサーチすると、次の種類があることがわかる。

A/Chicken/Guatemala/194573/02
A/chicken/Guatemala/45511-1/00
A/chicken/Guatemala/45511-2/00
A/chicken/Guatemala/45511-3/00
A/chicken/Guatemala/45511-4/00
A/chicken/Guatemala/45511-5/00

これについても、同様に、それぞれの「Accession 」欄の数字をクリックすると、「A/Chicken/Guatemala/194573/02 」の遺伝子シーケンスなど、このように見ることができる。

今では、ウエブサイトで、遺伝子配列を入力すると、どのウイルスかを判定してくれるものもある。

このウェブサイト『WWW Signal Scan』のように、「Select signal classes to scan 」のなかの「Bird」にチェックを入れ、「Please enter or paste a Nucleic Acid sequence to analyze 」の欄に、遺伝子配列を入力して、「submit」をクリックすると、該当のウイルスの特徴を表示してくれるというようなものまである。

結果は、この「Cis-element」(遺伝子発現転写制御領域)リストなどと照らし合わせてみる。

なお、昨年11月10日の薬事・食品衛生審議会のワクチン審議 では、日本の権威者が、鳥インフルエンザ用ワクチンをどう考えているかについて知るためには、きわめて興味深い論議が展開されている。

当日は、いくつかのものについての輸入承認にかかわる審議がされている。

この日の審査の対象となったのは、次の三種類の鳥インフルエンザワクチンの輸入についてである。

。腺鼻複硲毅裡屋〃拭防坡莢愁錺チン(NBI) 輸入元日本バイオロジカルズ株式会社
メキシコのAvi−Mex社が1998年に同国において製造承認を得たもの ワクチン株はH5N2亜型

▲譽ぅ筺璽潺紂璽鵤腺稗 輸入元株式会社シーエーエフラボラトリーズ
米国バイオミューン社製 ワクチン株は、H5N9亜型

ノビリスIA inac 株式会社インターベット
ワクチン株は、H5N2亜型で、A/Chicken/Mexico/26654-1374/94(M5/94)が本製造用株

このうち日本バイオロジカルズ株式会社から輸入申請されているワクチンは、A/chicken/Mexico/232/94を使っている。

遺伝子塩基配列は、こちら参照

また、「Nobilis Influenza H5」ワクチンは、オランダのAkzo Nobel系列のIntervet社のもので、David E. Swayne博士によって、メキシコのウイルス株によって作られたものである。
http://www.avian-influenza.com/Control/efficacy_study.asp
http://www.avian-influenza.com/binaries/95_77040.doc
http://www.undp.org.vn/mlist/envirovlc/022004/post87.htm
参照

この輸入元の株式会社インターベットは茨城県(茨城県かすみがうら市深谷1103)に中央研究所を有し、ワクチンをはじめとする動物医薬品等の研究・開発・承認取得、輸入、販売をしている。

であるとするなら、なぜ農林水産省家禽疾病小委員会は、今回、「茨城のH5N2ウイルスの遺伝子シーケンスを発表しながら、違法ワクチン疑惑説を公表する。」という方法をとらなかったのであろうか?

「動物衛生研究所による遺伝子配列解析の結果によると、日本のウイルスはメキシコとグアテマラのウイルス株に94〜97%一致するという。」というのであれば、遺伝子シーケンスは、公表できる状態にあるということであろう。

いたずらな疑心暗鬼は、現在、OIEやEUで進められている大きな鳥インフルエンザ・コントロール・ツールの変化を見失うことにつながってしまうのではないのか。

違法ワクチン問題を論じるときに、次の二つの視点を明確に分ける必要がある。

ひとつは、法令遵守−コンプライアンス−の問題
もうひとつは、本来、ワクチン接種解禁のあり方の問題
である

この二つを整理しないまま、先日の家きん疾病小委員会は、国民の目の前で、バケツをぶちまけただけで、帰ってしまったようにも、思われる。

それに、遺伝子シーケンスを明確に示した上でのものではなかったということも、混乱に輪をかけている。

少なくとも、疑いにたる状況証拠を示しての記者会見でなければ、いたずらに、疑心暗鬼を生むだけであろう。

この5月、鳥インフルエンザに関するOIEコードを変更したが、これは、コントロール手段として、Stamping Outとワクチネーションとのミックスド・コントロール・ツール(an additional tool for the control and eradication of AI.)を取り入れようとの意図が強いものと思われる。
参照
『 News: OIE: Terrestrial Animal Health Code, Revisions 』
「Manual of Diagnostic Tests and Vaccines for Terrestrial Animals」
Manual of Diagnostic Tests and Vaccines for Terrestrial Animals Chapter 2.1.14.」

ちなみに、OIEでは、このサイト『THE USE OF VACCINATION AS AN OPTION FOR THE CONTROL OF AVIAN INFLUENZA』
の中の4ページ「Table 1. Guidelines for the application of control policies for AI」にみるように、、バックヤード養鶏と企業養鶏とでのワクチネーションで、次のような層別対応をすることを推奨している。

1.バックヤード養鶏(Backyard)
企業養鶏部門に、まだ、感染が広がっていなくて、飼養密度が高いか低い場合には、殺処分

2.バックヤード養鶏(Backyard)
企業養鶏部門に、すでに感染が広がっていて、飼養密度が低い場合には、殺処分

3.バックヤード養鶏(Backyard)
企業養鶏部門に、すでに感染が広がっていて、飼養密度が高い場合には、ワクチネーション

4.企業養鶏(Industrial)
企業養鶏部門に、まだ、感染が広がっていなくて、飼養密度が高いか低い場合には、殺処分

5.企業養鶏(Industrial)
企業養鶏部門に、すでに感染が広がっていて、飼養密度が低い場合には、殺処分

6.企業養鶏(Industrial)
企業養鶏部門に、すでに感染が広がっていて、飼養密度が高い場合には、ワクチネーション

以上のように、殺処分とワクチネーションとを、その状況によってたくみに使い分け、鳥インフルエンザの感染をコントロールしている。

今回のOIEの鳥インフルエンザに関するコードの主な変更点は、要約すると、次のとおりである。

「1.低高病原性鳥インフルエンザの所在の通知報告
2.家禽の概念には、商業的家禽も含むこと。
3.野生の鳥の鳥インフルエンザの所在の報告も含むこと。
4.区画化(compartmentalization)によって、家禽の分集団の安全性を確保するための概念の導入。
5.ワクチネーションについては、コントロールのための追加的ツールとしてワクチネーションが導入された貿易商品についての新しい基準を組み込む。
また、ワクチネーションは、OIEマニュアルのプロトコルに従った、認可ワクチンでの、実行がされるものとする。」

また、私のブログ「低病原性鳥インフルエンザ対応のEU新司令のもつ意味について-Stamping Out政策からの転換 -」でも紹介したように、先月、欧州委員会は、低病原性鳥インフルエンザに対応した92/40/EEC司令の見直しを、先月8月28日に、採択し、この中で、Stamping Out(根絶)政策からの転換を、強く打ち出した。

今回の違法ワクチン問題から、実りあるものを得るためには、低病原性鳥インフルエンザ蔓延時代での、日本の鳥インフルエンザ対策のコントロール・プロトコルの見直しをする、いい、きっかけにする必要がある。

最後に、日本が、たとえば、部分的にも、ワクチン接種国に転換した場合、問題となるのは、貿易上の問題であると思われる。

すなわち、WTOのSPS協定のベースとなる国際基準として、OIEの陸生動物衛生規約(OIE Terrestrial Animal Health Code)があり、ワクチン接種の基準は、そのなかの「標準診断検査及びワクチンマニュアル」(Manual of Diagnostic Tests and Vaccines for Terrestrial Animals )
に基づく。

これに基づいて、二国間(bilateral )で、家畜衛生条件(Animal Health Requirements)が締結される。

アジアでは、このサイトのような条件になっている。

また、各国でのワクチン接種是非の状況は、このサイトのとおりである。

たとえば、このサイト「タイからの日本国向け加熱処理家きん肉等に関する家畜衛生条件
では、日本への家禽肉輸出の衛生条件として、次の文言が入っている。

(インド・中国からの輸入についても、同様の文言が入っているが、シンガポール、台湾、韓国からの輸入については、ない。)

「4 日本国に輸出される加熱処理をされた家きん肉等の原料に供される家きんについては、次に掲げる条件を満たすものでなければならない。
(1)生産農場においてと殺前少なくとも21日間高病原性鳥インフルエンザ等の発生が確認されていないこと
(2)生産農場において高病原性鳥インフルエンザワクチンを接種されていないこと
(3)5に規定する認定食鳥処理施設において、輸出国の政府機関の検査官が行うと殺の前後の検査により、伝染性疾病に感染しているおそれのないことが確認されたものであること」

また、「台湾から日本向けに輸出される家きん肉等の家畜衛生条件」では、「H5及びH7血清亜型以外の血清亜型のA型インフルエンザウイルスのうち、国際獣疫事務局の標準診断検査及びワクチンマニュアルの定義に基づき高病原性鳥インフルエンザウイルスとされたもの」とある。

ここで、問題は、日本がワクチン接種国になった場合、ワクチン未接種条件をタイや中国などの輸出国に対して、家畜衛生条件のなかで要求できるかどうかなのだが、非常に難しくなるものと思われる。

要は、すべて、今年5月のOIEコードの変更に即しての日本の鳥インフルエンザ防疫方針の変更が、可能かどうかにかかっている。

参考

1.中国でのA/chicken/Mexico/232/94 関連サイト
http://www.oie.int/eng/publicat/rt/2302/PDF/453-465webster.pdf
http://jvi.asm.org/cgi/content/full/78/17/8951
http://library.wur.nl/frontis/avian_influenza/09_ellis.pdf

2.「多年にわたる野外ウイルスの遺伝子変化に対応した、H5 高病原性鳥インフルエンザからのワクチンによる鶏の防御」http://www.nbi.ne.jp/pdf/005_protect.pdf
http://www.nbi.ne.jp/news_all.html
http://www.nbi.ne.jp/index.html

3.中国製ワクチン「禽流感滅活疫苗」
http://www.qiludb.com/web/product.php?class=%D2%DF%C3%E7
http://www.qiludb.cn/web/showproduct.php?sid=163

4.インターネット上で使える遺伝子解析の各種ツール・リンク集
「ExPASy Proteomics tools」

「Genetic Research Tools」

「Affymetrix software」

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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2005/09/04 Sunday

「郵政民営化で、得するのは誰なのか?」-ウォールストリートジャーナル紙8月26日の概訳-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 17:45:18

2005/09/04(Sun)

null2005年8月26日に、ウォールストリートジャーナル紙に掲載された、「Who Gains From a Japan Post Split?–If Privatization Plan Clears, About $3 Trillion in Assets Would Get Redistributed–」を、以下に概訳します。

郵政民営化で、得するのは誰なのか?
–もし、民営化計画が審議通過すれば、約3兆ドルの金融資産が再分配されるだろう。–

著者 AGNES T. CRANE

日本のマンモス郵貯システムの民営化までには、多くの政治的障害があるが、三兆ドルの資産の内のいくらが外債に再配分されるか、その可能性について、すでに、アナリストが計算している。

日本の郵貯は、郵便だけではない。

1.9兆ドルの資産を持つ郵便貯金業務は、もし、単独で、分割されれば、日本一大きな銀行となる。

また、簡保業務は、1.1兆ドルの資産を持ち、シティグループのアナリストたちによれば、もし、貯金業務と簡保業務とが、民営化されれば、これらのファンドのかなりの部分が、他のマーケットに流れ込むであろうと予測している。

日本の郵貯の資産分配を、民間部門のそれと比較すると、もし、民営化が実現すると、シティグループの試算では、米国債、ユーロ債、日本株、外国株が、「勝ち組」になるという。

「負け組」になるのは、これまで日本のソブリン債(国債・政府保証債)を日本の郵貯が選好してきたことで利益を得ていた日本債券市場であろうとされる。

ロンドンの ING Financial Markets のエコノミストのRob Carnell氏によれば、日本の郵貯の貯金・簡保部門は、これまで、日本の国債を187兆円(1.7兆ドル)を保持しており、これは、現在の発行済み国債の四分の一を占めるという。

一方、これら日本の郵貯の貯金・簡保部門は、外国証券に対しては、たった、8.5兆円しか投資していない。

10年もの日本国債のイールド(利回り)は、1.5パーセント未満であり、10年もの米国債のイールドが、4.17パーセントであるのと対照的であるところから、なぜ、郵貯・簡保の新たな所有者が、よりいい見返りを得るために、他を見回すのかを、推測するのは困難ではない。

シティグループは、郵貯民営化による運用資産の所有者の変更によって、1.375兆ドルが、それまでの日本の債券運用から引き上げられるものとみており、これには、日本国債、地方債、社債が含まれると同時に、民営化後の運営体は、ビジネス先をあらゆる方面にシフトさせ、より有利な投資先や顧客先を探すであろうとしている。

アナリストの見積もりによると、1270億ドルは、米国債に行き、640億ドルは、ヨーロッパの確定利付き債に行き、そして、桁外れに、5210億ドルは、日本の普通株に行くと見ている。

これらは、非常に大きな数字であるが、配分のシフトは、10年間に渡って行われるので、金融市場に与えるインパクトは、緩慢なものとなるであろう。

検討中の案によれば、郵貯の民営化は、郵便システムを、郵便、窓口サービス、郵便貯金、簡易保険の四つの業務に分割するもので、2007年までは、スタートしない。

貯金・保険部門は、2017年までは、完全民営化されないであろう。

INGのCarnell氏のいうに、「これは、マーケットの心理の背後にある、もろもろの要因のひとつである。」とは言うが、近い将来において、巨大な放流を見せることが確実な、何者でもない。

これらの事態に至る前に、日本の小泉首相は、国会議員にこの民営化法案を可決してもらわなければならない。

小泉首相は、9月11日の選挙で、何らかの変化が生じることを望んでいる。

8月上旬には、小泉自民党に反逆者が出、民営化法案否決の手助けをしてしまった。

これに対応して、小泉首相は、衆議院を解散し、抜き打ち選挙を挙行し、これによって、小泉首相は、新たな議会構成が、改革に好意的になることを望んでいる。

ニューヨークのEurasia Groupの政治リスクコンサルタントである Ross Schaap氏は、「小泉連立内閣は、絶対多数を維持する公算である。」という。

これまでのところ、投票者は、この方向に傾いているように見える。

もし、小泉首相の賭けが、報われるならば、このことで、この15年間、日本の成長を阻害していると、アナリストたちが非難してきた、日本国家の硬直性を軟化させる方向に向かって、重要なステップを踏み出すことになるであろう。

「このことで、マーケットは、何らかの反応があるであろう。」として、投資家たちが、高成長率を予測して、日本国債を売る動きを見せるであろうことを、INGのCarnell氏は、示唆した。

以上

原文は、下記のとおり。

Who Gains From a Japan Post Split?

If Privatization Plan Clears, About $3 Trillion in Assets Would Get Redistributed

By AGNES T. CRANE
DOW JONES NEWSWIRES
August 26, 2005; Page C4

There are plenty of political hurdles to clear before Japan’s mammoth postal system heads toward privatization, but the possibility of reallocating some of its $3 trillion in assets into foreign bonds already has analysts crunching the numbers.

Japan Post is more than just mail. The postal savings operations, with $1.9 trillion in assets, would constitute Japan’s largest bank if broken out into a stand-alone entity. It is also a life insurer that manages approximately $1.1 trillion, according to Citigroup analysts who expect a good portion of these funds to flow into other markets if the banking and insurance operations fall into private hands.

By comparing Japan Post’s asset allocation with those in the private sector, Citigroup calculates that U.S. Treasurys, European bonds and Japanese and foreign stocks would be the big winners if the reform goes through. The big loser would be the Japanese bond market that has benefited from the postal system’s preference for domestic sovereigns.

The banking and insurance arms hold around 187 trillion yen, or about $1.7 trillion, in Japanese government bonds, or about one-quarter of the current outstanding stock, according to Rob Carnell, an economist at ING Financial Markets in London. In contrast, they have invested only about 8.5 trillion yen in foreign securities.

With the 10-year JGB benchmark yielding less than 1.5% compared with 4.17% on a comparable Treasury note, it isn’t hard to fathom why new owners of the postal savings and insurance would cast around for better returns.

Citigroup estimates a change in ownership would drain $1.375 trillion out of Japanese bonds, including JGBs and municipal and corporate debt, as either new management searches for more lucrative investments or customers shift their business elsewhere. The analysts estimate that $127 billion would go into U.S. bonds, $64 billion into European fixed income, and a whopping $521 billion into Japanese equities.

These are big numbers, but any shift in allocation would take place over a 10-year period, blunting the impact on financial markets. According to the proposal on the table, the privatization process that splits the postal system into four separate operations — mail delivery, an over-the-counter service company, a bank and an insurance company — wouldn’t start until 2007. The savings and insurance arms wouldn’t be fully in private hands until 2017.

“It is one of those things in the back of the markets’ mind,” but it is certainly nothing anyone expects to make a huge splash in the near term, said Mr. Carnell of ING.

Before any of this happens, Japanese Prime Minister Junichiro Koizumi has to get the lawmakers to pass the reform bills. He is hoping next month’s elections will make the difference.

Earlier this month, rebel members of his own party, the Liberal Democratic Party, helped to vote down the bills. In response, the prime minister dissolved the lower house and called for snap elections on Sept. 11, in a bet that a new configuration of lawmakers would be more friendly toward reform.

“The greatest likelihood [is] that Koizumi’s coalition will be able to maintain a majority,” said Ross Schaap, an analyst at political risk consultancy Eurasia Group in New York. So far, the voters appear to be leaning in that direction.

If Mr. Koizumi’s gamble pays off, it would mark an important step toward softening up the nation’s rigidities that analysts blame for hamstringing Japan’s growth over the past 15 years. “Through that you’d get some kind of market reaction” in which investors sell Japanese government bonds in expectation of higher growth rates, ING’s Mr. Carnell said.

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それでもニューオーリンズは、再生する−都市計画者たちの見解-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:43:34

2005/09/04(Sun)

nullこのサイト「Can New Orleans ever come back?」は、都市計画者たちの見たニューオーリンズ都市再生の可能性についての論評であり、興味深い。

ニューオーリンズ自体が、古きよきアメリカの文化的遺産の宝庫だけに、都市計画者たちの、ニューオーリンズ再生にかける意気込みは、すさまじいものがあるようだ。

「第二次世界大戦での壊滅的打撃を受けた、ドイツのドレスデンや、日本の広島でさえ、立派に再生したじゃないか。」というのが、彼らの勇気のよりどころとなっている。

「ましてや、21世紀のテクノロジーを持ってすれば、十分、この地区は再生できる。しかし、問題は、どのサイトに都市再生すれば、将来とも、ミシシッピー川の氾濫に耐えられる都市づくりができるか、これが問題である。」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAnastasia Loukaitou-Sideris氏はいう。

さらに、問題は、長期的な都市再生の思惑と、短期的な都市再生の思惑とが、ぶつかり合うことであるという。

1871年のシカゴの火災や1906年のサンフランシスコの地震の時にも、当初は、根本的な防災対策を施した長期的なプランが練られた。

シカゴでは、木造建築の被害の教訓で、火災に耐えられる金属フレーミングによる世界初の超高層ビルが、当初計画された。

サンフランシスコでは、アンカレッジをまねた都市区画による計画がなされた。

しかし、市会議員からなどの政治的圧力で、これらの長期構想は、葬り去られ、短期的な要請に基づく都市づくりが先行してしまったという。

特に、ニューオーリンズの場合、貧困層の被害者が多いことが、これらの都市再生を困難にさせているという。

1992年のハリケーンAndrewの被害の後、破壊されたアパートメントは、広く立派になったが、帰ってきた貧困層が住むには、あまりに、高いものであったという。

となると、新しく再生の地のニューオーリンズは、居住者のいない、土着性のない、観光客目当てのディズニーランドのような都市になるのであろうか。

また、財政的な思惑もある。

ルイジアナ市民の多くは、都市再生そのものには、賛成であるが、その財政負担については、意見が異なるようだ。

アメリカ連邦緊急事態管理局(FEMA)や、この地に立地して巨大な利益を得ている石油産業に、その負担を期待する向きもあるようだ。

参考
「Perry-Castañeda LibraryMap Collection 」から

「New Orleans, Louisiana 1728 “La Nouvelle Orleans en 1728.”」

「New Orleans, Louisiana 1728 “Plan de la Nouvelle Orleans Capitale de la Louisiana 1728.” 」

「New Orleans, Louisiana 1763 “Plan et Projet, de la Nouvelle Orléans. August 9, 1763.” 」

「New Orleans, Louisiana 1770 “Plan of New Orleans in 1770, by Capt. Pittman of the British Army.”」

「New Orleans, Louisiana 1788 “Plan showing the boundaries of the great Conflagration of New Orleans on the 21st of March, 1788.”」

「New Orleans, Louisiana 1798 “New Orleans in 1798 in accordance with an ordinance of the Illustrious Ministry and Royal Charter.” 」

「New Orleans, Louisiana 1816 “Plan of the City and Environs of New Orleans.” 」

「New Orleans, Louisiana 1841 “New Orleans, La. Showing Area Built in 1841. The fainter lines show Streets of 1880.”」

「New Orleans, Louisiana 1849 “Diagram showing the inundated District Sauvé’s Crevasse May 3rd 1849. Fac-similie of an old drawing.”」

「New Orleans, Louisiana (undated) Appletons’ Hand-Book of American Travel. 」

「New Orleans, Louisiana 1873 Appletons’ Hand-Book of American Travel, 」

「New Orleans, Louisiana 1878 “New Orleans, La. Showing the Area Closely Built in 1878. With houses then existing in the suburban part of the city.”」

「New Orleans, Louisiana 1880 - Location of Cemeteries “New Orleans, La. Showing Location of Cemeteries.”」

「New Orleans, Louisiana 1880 - Location of Markets “New Orleans, La. Showing Location of Markets.”」

「New Orleans, Louisiana 1891 U.S. Geological Survey 」

「New Orleans, Louisiana 1908 The New Encyclopedic Atlas and Gazetteer of the World. 」

「New Orleans, Louisiana 1917 Automobile Blue Book, 」

「New Orleans, Louisiana - Detail 1920 Automobile Blue Book」

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低病原性鳥インフルエンザ対応のEU新司令のもつ意味について-Stamping Out政策からの転換 -

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:29:08

2005/09/04 

null欧州委員会は、低病原性鳥インフルエンザに対応した92/40/EEC司令の見直しを、先月8月28日に、採択した。

これ
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.
do?reference=IP/05/501&format=HTML&aged=0&language=EN

が決議の内容である。

これまでの旧司令(92/40/EEC)の対策の問題点として、次の点が挙げられる。

1.処理コストが高いこと、
2.動物福祉にもとること、
3.ヒト感染鳥インフルエンザの危機が迫っていること、

これらの問題意識の元に、最近の科学的知見に基づき、低病原性鳥インフルエンザの変異を防ぐための対策を盛り込んだのが、今回の新司令だ。

新司令の目的として、次の点が挙げられる。

1.効果的サーベイランスの方法
2.コントロール措置や防止策、
3.健康上のリスク
4.経済的費用
5.社会に対するマイナスのインパクト、

新司令は、この5点を、ともに、最小にする事を目的としている。

ことに、低病原性から高病原性に変異する近年のウイルスの特色を踏まえ、ワクチン接種の鳥と、感染した鳥とのディバイドが、対策のポイントになるとしている。

この新司令は、2007年1月1日から実施することになり、旧司令(92/40/EEC)は、そのときをもって廃止される。

参照
http://europa.eu.int/comm/
food/animal/diseases/controlmeasures/avian/index_en.htm

http://www.forth.go.jp/hpro/bin/hb2141.cgi?key=20050429-0110
http://europa.eu.int/comm/food/
animal/diseases/controlmeasures/avian/
directive_avian_en.pdf

このように、鳥インフルエンザ対策について、EUがこれまでの旧司令(92/40/EC)でのStamping Out(スタンピングアウト、根絶)政策から、新司令に移行したことで、日本の防疫政策方向も、これまでの淘汰一遍やりの政策を変えなければならないようだ。

EU新司令の方向転換の背景には、次のようなものがある。

すなわち、生産サイクルの短期化と、家禽飼育の密集化によって、疫病のコントロール、バイオセキュリティーの確保がしにくくなった、ということ。

さらに、アニマル・ライツに基づいた動物福祉の観点からの大量殺処分に対する疑義が生まれてきたこと。
つまり、人間の健康的視点からは、問題ないのに、なぜ、大量の動物の殺戮が行われるのかということに対する疑念が生じてきたということである。

また、殺処分によって、国民経済的に見ても、膨大なロスと、コストが生じるということである。

それは、同時に、消費者にとってのロスでもあるからだ。

これほど、低毒性ウイルスが蔓延している状態の元では、鳥の健康面から見た場合はともかく、人間の健康を中心に、鳥インフルエンザ問題を考えて見た場合、国内的には、殺処分は、あまり効果があるとは思われないということだ。

そこで、これまでのStamping Out政策のオルタナティブとして、コントロールのオプション政策としてのワクチネーション政策への転換という方向が、生まれてきた。

要約して言えば、今回のEUの在来型のStamping Out(皆殺し)対策からの脱却は、次の考えにもとずくものと思われる。

1.鶏段階での弱毒性のままの状態では、人への影響がない。→2.鶏へのオプションとしてのワクチネーションは、人への影響がない。→3.であれば、鶏の弱毒性のままにある段階で、部分的にワクチネーションで対応したほうが、社会的にも、経済的にも、プラスである。

しかし、ここで、立ちはだかる問題は、貿易上の問題である。

現在、ワクチン接種禁止をしているのが、タイ、韓国などであり、ワクチン接種をしているのが、インドネシア、中国などであり、そのような国々のハザマの中での得失を考えているのが、日本ということになる。

おそらく、日本のワクチネーション政策転換にためらいを見せているのは、この貿易上の問題であると思われる。

これまでは、ワクチネーションによって、自然感染の鳥か、人口感染の鳥かが区別つかなくなるということで、ワクチネーション採用の国は、輸出を拒否され、不利をこうむってきた。

しかし、ワクチンが、在来型の不活化ワクチン(homologous-問題となっている株と同一の亜型をもとに製造したワクチン- とheterologous-H の型は同一であるが N の型が異なる株を用いて製造されたワクチン-)だけでなく、遺伝子組み換えワクチン(recombinant vaccines)が生まれてくるのにあわせて、よりワクチン使用をオプション政策に取り入れた、戦略的な、鳥インフルエンザ対策がとられる時代に入ってきたといえる。

8月5日にこのブログで提案した「低毒性時代の日本の鳥インフルエンザ対策についての、ひとつの提案」http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=429も、今から、結果的にみれば、このEUの新司令と同じような考え方にたっている。

日本の場合、低病原性というのは低毒ではあっても、H5なので、日本の法的な取り扱い上は、高病原性鳥インフルエンザという扱いになるところに、いろいろな問題を引き起こしているように見える。

すなわち、これほど、低毒性ウイルスが蔓延している状態においては、在来型のStamping Out(皆殺し)政策は、有効でないし、社会的・経済的損失も大きいし、低毒性の鶏の段階では、人間への影響がないにもかかわらず、ロスが大きい、ということである。

であるならば、そのオプション政策として、積極的にワクチネーション政策を取り入れたほうがいいのではないか、という問題意識である。

参考-サイト「The use of vaccination as an option for the control of Avian Influenza」http://www.thepoultrysite.com/
FeaturedArticle/FATopic.asp?AREA=HealthAndWelfare&Display=121
は、上記に書いたような方向転換について、わかりやすく書かれている。

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2005/09/03 Saturday

政治家の被災地訪問の難しさ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:02:13

2005/09/03(Sat)

nullブッシュ大統領が、シーアイランド・サミットで、日本の小泉総理に会ったとき、「ウチのバーニーが、『コイズミによろしく』と言っていた」といって話題になったブッシュ大統領のスコッチテリアの愛犬「バーニー」だが、今回のニューオーリンズの災害被災に当たっては、ブッシュ大統領に悪い印象を与えてしまったようである。

ブッシュ大統領が夏期休暇先のテキサスからワシントンへ帰ってきたのが、ニューオーリンズ被災(8月29日)の二日後(8月31日水曜日の午後)というから、それだけでも、非難を浴びる要素となるのだが、その休暇から帰って、ヘリコプターから降り立つときの映像が、まことにまづかった。

ヘリコプターのタラップを一足先に降りたブッシュ大統領が、タラップの上で待っているバーニーを抱え下ろして、放ってやった。

普通なら、ヒューマンに見える映像だが、被災地のかたから見れば、「何だ。大統領は、被災のわれわれよりも、犬のほうが大切なのか。」と、映ってしまったのではないのか。

このサイト「Katrina: Hip-Hop Reacts and Responds」で、被災地の一市民は、こう語っている。

「私は、ブッシュ大統領が、犬を抱えて出てくるところを、テレビで見ました。なんと、彼は、休暇中だったんです!!事態が悪化しているのに、誰も、そばにいないんです。」(”I seen [George W. Bush] walk out [on television] with a dog. He was on vacation!” “When things go wrong, no one’s around.”)

このサイト「Nagin throws in with Bush police state」では、こうもいっている。

「もし、バーニーがニューオーリンズにいたなら、ブッシュ大統領は、愛犬を救うために、十万の部隊を派遣したであろう。」(If Barney had been in New Orleans, Bush would have had 100,000 troops in there to rescue him.)

また、ベネズエラのチャベス大統領は、ブッシュ大統領の初動の遅延に対して、「あのひと(ブッシュ大統領)は、休暇の王様(’king of vacations’ )で、テキサスの牧場に座ったまま、何もしないでいて、人々に高いところに逃げろとばかり言う。これが、カウボーイの精神構造なんだ。」と、手厳しく非難した。
「Chavez Frias: Bush failed Katrina evacuation; calls him the cowboy King of vacations」参照

さらには、ニューオーリンズの市長は、ブッシュ大統領に対して、「大統領権限を、全部私にくれ。そうすれば、私は、何でもやる。戒厳令(martial law)の適用もしてくれ。」(”Now get off your asses and fix this. Let’s do something and let’s fix the biggest goddam crisis in the history of this country.”. )といった。
「Transcript of radio interview with New Orleans’ Nagin」
参照

ブッシュ大統領の被災地救援の遅れの不始末に対する批判は、日に日に高まるばかりのようだ。
「Bush criticised on chaos in New Orleans」参照

「イラクよりも、ニューオーリンズを」といいたいところなのだろう。

しかし、ブッシュ大統領は、「このようなハリケーン被害復旧の中にも、イラクへの巨額の出費をつづけるのか?」という問いに対して、こう答えたという。

「われわれは、そのどちらの出費にも行えるに十分な資源がある。われわれは、テロリストからこの国を守ると同時に、この被災地域の再建も、行うのだ。( “We’ve got plenty of resources to do both. We’ll secure our country from the terrorists and we’ll rebuild this area. We’ve got what it takes to do more than one thing.”)」
「Bush seen as doing too little, too late 」参照

かくも、被災に当たっての、政治家の一挙手一投足には、慎重さを要するのである。

私も、長いこと、災害対策委員なるものをおおせつかり、全国の被災地を、飛び回ってきた。

昭和57年7月kの長崎水害の時には、鳴滝の被災地現場で、たった今発見された遺体とすれ違ったこともあった。

昭和61年8月の宮城県の吉田川の洪水による鹿島台水害視察の時には、地元の伊藤宗一郎先生団長の下に視察したが、出迎えた地元の方から「まよえ」(弁償しろ。)の大合唱が湧き上がったこともあった。

宿に着けば、ビール一杯も飲むこともできない。

それは、気の使う仕事であった。

新潟の豪雪視察のときだったか、視察団の一人が、帰りの荷物整理で、視察先でいただいた資料を、駅のゴミ箱に捨てたということで、騒ぎになったこともある。

これほどデリケートな、災害視察なのである。

ブッシュ大統領の犬(ポチではない。)についても、そこまでは、考えなかったのは、無理もないのだが、なんとなく、あの映像で、どうも、ブッシュさんは、弱者の味方ではないな、と、私自身も、思ってしまった次第である。

このサイト「Bush’s belated visit fails to appease his critics as estimated death toll tops 10,000 」
では、今回のニューオーリンズの自然災害は、もはや、ブッシュ政権の政治的災害へと転化してきた(He is on top of a natural disaster that is turning into an political disaster for his administration. )と書いてある。

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2005/09/01 Thursday

あわれ、ニューオーリンズ−減災方針の見直しもあるか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 14:22:07

2005/09/01(Thu)

null ハリケーンで数千人の死者が出ているというアメリカのニューオリンズ。

ニューオーリンズは、大分前にいったことがあるが、私にとっても、懐かしい場所だ。

興銀から通産省に出向されていた吉川さんと一緒に雲助タクシーに乗ってしまって、ひやひやな思いをした地でもある。

なんといっても、ジャズの生演奏を聞かせてくれるプリザベーションホールがどうなっているのか、気になる。

このサイトhttp://www.preservationhall.com
を見ると、アトランタに一時避難しているみたいですね。

名物の the Lake Pontchartrain Causewayも、一部破壊されたらしい

このニュース「New Orleans mayor fears thousands may have perished」で、Ray Naginニューオーリンズ市長は、この分では、数ヶ月居住不能のため、都市を捨て去ることになるだろうといっている。

もともと、湿地帯に近いのだから、内水によって、このような被害が出たのだろうと思っていたら、原因は、よもや、崩壊するとは思われなかった北のポンチャートレイン湖、南のミシシッピ川の二つの堤防の決壊であった。
この断面図をご参照。

減災対策をとっているミシシッピー川の制御は、まだまだといったところなのだろう。

以前、アメリカの実務担当者から、ミシシッピー川の氾濫原(遊水池)の利用についての話を聞く機会があった。

それによれば、これまで川の水路に少しでも近く堤防をつくっていたものを、川の流れからよりとおくに堤防をつくることで、川全体の災害に対するキャパシティを高めることが、今の課題であるという。

それには、これまでの何百年にわたる川の流れの変化を重ね合せ、その最大公約数の右岸、左岸に堤防をつくることにより、川のキャパシティを高めるのだという。

その結果、堤防の内側に広大な氾濫原(遊水池)ができるが、これをいかに、公的に利用するかが、これからの課題なのだといっていた。

しかし、今回の氾濫で、これらの試みを一からやり直すことになってしまった。

減災への方針転換を取る日本の国土交通省にとっても、今回のニューオーリンズの氾濫は、貴重な事例となるであろう。

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農林水産省は、もっと幅広い人畜共通感染対策を

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 12:07:25

2005/09/01(Thu)

null以前、私の掲示板で、「農林水産省に人畜共通感染対策室的なものを設ける必要があるのではないか?」などと、提案したことがあるが、ますます、そのような感じを強くしている。

それは、単に、農畜産業従事者のためだけでなく、地域保健対策としても、これから、ますます、重要なことになってくるからだ。

人畜共通感染症は、鳥インフルエンザやブリオン病に限らず、多方面にわたりうるし、これらが、それぞれ、相互に関連しあっている可能性も否定できない。

このサイト「Probable Human Infection with a Newly Described Virus in the Family Paramyxoviridae 」
http://www.cdc.gov/ncidod/eid/vol4no2/chant.htm
は、1998年のちょっと古いサイトだが、具体的な例を挙げて、農畜産業従事者のかかりうる人畜共通感染症の例について述べている。

そのひとつは、パラミクソウイルス(Paramyxoviridae)への農畜産業従事者の豚を介しての1997年8月の感染例である。

このパラミクソウイルス(Paramyxoviridae)科には、ニューカッスル病(Newcastle disease virus)や、大コウモリ(fruit bat)を自然宿主としているヘンドラウイルス(Hendra virus以前は、馬モービリウイルスEquine morbillivirus (EMV)と呼ばれていた)や、豚などを介してのニパウイルス(Nipah virusまたはHendra-like virus)などがある。

このサイト「Newcastle Disease Virus 」http://pathport.vbi.vt.edu/pathinfo/pathogens/NCDV.htmlでも、ニューカッスル病の人への感染例などが掲載されている。

これに対して、鳥インフルエンザは、オルソミクソウイルス(Orthomyxo virus)科に属している。

また、蚊によって媒介されるとする鶏痘ウイルス(Fowlpox virus)は、ポックスウイルス科 (Poxviridae)のアヴィポックスウイルス属(Avipoxvirus)に属する。

先に 「トリインフルエンザの抑止・根絶におけるワクチンとその使用」をみてびっくりしたのだが、ワクチンベースでは、これら科の違う鶏痘ウイルスワクチン(ポックスウイルス科)やニューカッスル病ウイルスワクチン(パラミクソウイルス科)に、鳥インフルエンザ遺伝子を組み込んで、鳥インフルエンザワクチン(オルソミクソウイルス科)として、使われているということであった。

ちなみに、メキシコでは、1995年1月から、鳥インフルエンザ・ワクチネーション・プログラムが実施され、130億服の不活化ワクチンと、八億五千万服の鳥インフルエンザ組み込みの遺伝子組み換え・鶏痘ワクチン(recombinant fowlpox vaccine containing an avian influenza virus gene または、Recombinant fowlpox virus-vector vaccine)が、使用された。

これによって、1995年6月までに、高病原性のH5N2は、根絶されたが、低病原性のH5N2は、根絶されえず、中央メキシコに、今も、循環している。

http://www.forth.go.jp/hpro/bin/hb2141.cgi?key=20050308-0030 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=9454926
http://66.102.7.104/search?
q=cache:xLbkVIfiVa0J:www.cvm.uiuc.
edu/faculty/path/tripathy.html+recombinant
+fowlpox+virus+vaccine++avian+mexico&hl=ja

参照

この鳥インフルエンザ組み込みの遺伝子組み換え・鶏痘ワクチンは、メキシコで使うために、Boehringer Ingelheim Vetmedica社が、ライセンスを持つものである。

また、これらは、1999年から2001年にかけて、グアテマラやエルサルバドルでも使われた。

この報告書「Failure of a recombinant fowl poxvirus vaccine containing an avian influenza hemagglutinin gene to provide consistent protection against influenza in chickens preimmunized with a fowl pox vaccine.」
によると、この鳥インフルエンザ組み込みの遺伝子組み換え・鶏痘ワクチンは、第一回目は、効くが、二回目には、効かないことで、低病原性鳥インフルエンザウイルスには、有効でないとしている。

こうなると、行政も、これら関連ワクチンの管理をしっかりしなければならないのではなかろうか。

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アメリカのハリケーン後のガソリン事情

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:08:13

2005/09/01

null ハリケーン後のアメリカのガソリン事情は、パニックに近いものがあるようだ。

ハリケーンが去った昨日のガソリン価格は、一ガロン3ドルに跳ね上がったという。

洪水による交通寸断で、ガソリン供給の混乱が生じているのに加えて、多くのガソリンスタンドでは、自らの車をガソリン満タンにしようとの人々であふれかえっているという。

ガソリン価格は、一夜にして、オハイオでは、50セント、ジョージアでは40セント、メーンでは30セント、跳ね上がったという。

これらの値上がりが、流通価格の値上がりに、徐々につながっていく展開であるといい、関係者の中では、これは、1970年の石油パニックの再来とも見ている。

the Georgia Institute of TechnologyのFred Allvine氏によれば、「この事態は、多くの人が考える以上の最悪の事態である。」という。

ガルフ湾に面した地区では、メキシコ湾沿岸パイプラインや石油精製施設への電気の供給が再開されたとしても、風水害の評価が完全に終わるまでは、パイプラインや石油精製所の復旧には、いたらないであろうと、見ている。

また、ガソリンの小売段階では、物価便乗値上げ(price-gouging )が、社会問題になりつつある。

ジョージア州では、他のガソリンスタンドのガソリン在庫がなくなった時点で、2−3のガソリンスタンドが、一ガロン6ドルの値上げをしたことで、州知事が、これらの便乗値上げ業者に対して、制裁措置をする行政命令を出した。

このような事態に対して、連邦政府は、戦略備蓄石油の放出をアナウンスしたほか、EPA(環境庁)では、厳格には大気保全基準に合わないガソリンの、一時的販売を、ガソリン小売業者に認めるとの声明を出した。

ジョージア州やノースカロライナ州では、住民にガスの備蓄を呼びかけ、また、公務員に対して、不要な旅行の制限を命令した。

また、アトランタでの車相乗りプログラム(vanpooling program )への参加者が、ここに来て、50パーセント増えたという。

これらのガソリンの高値は、人々の行動形態にも影響を及ぼし始めているという。

カリフォルニア居住の人々の三分の二の人々は、買い物を、これまでとは異なって、安いガソリンの手に入りやすいところでのショッピングに切り替えたという。

そして、あまり動かない行動形態にきりかえたという。

今後のガソリン価格の予測として、AAA-Northern New EnglandのMatt McKenzie氏によれば、今月末には、一ガロン3.70ドルから3.80ドルに跳ね上がるという。

参照
「Gasoline prices soar above $3 a gallon in Katrina’s wake

http://www.timesdaily.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20050831/APF/508311253&cachetime=5
「アメリカのハリケーンによる被害で、原油一バーレル100ドルという最悪のシナリオも。」
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=447
「アメリカの「戦略備蓄石油の放出」との報道」
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=444

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