2005/09/01
ハリケーン後のアメリカのガソリン事情は、パニックに近いものがあるようだ。
ハリケーンが去った昨日のガソリン価格は、一ガロン3ドルに跳ね上がったという。
洪水による交通寸断で、ガソリン供給の混乱が生じているのに加えて、多くのガソリンスタンドでは、自らの車をガソリン満タンにしようとの人々であふれかえっているという。
ガソリン価格は、一夜にして、オハイオでは、50セント、ジョージアでは40セント、メーンでは30セント、跳ね上がったという。
これらの値上がりが、流通価格の値上がりに、徐々につながっていく展開であるといい、関係者の中では、これは、1970年の石油パニックの再来とも見ている。
the Georgia Institute of TechnologyのFred Allvine氏によれば、「この事態は、多くの人が考える以上の最悪の事態である。」という。
ガルフ湾に面した地区では、メキシコ湾沿岸パイプラインや石油精製施設への電気の供給が再開されたとしても、風水害の評価が完全に終わるまでは、パイプラインや石油精製所の復旧には、いたらないであろうと、見ている。
また、ガソリンの小売段階では、物価便乗値上げ(price-gouging )が、社会問題になりつつある。
ジョージア州では、他のガソリンスタンドのガソリン在庫がなくなった時点で、2−3のガソリンスタンドが、一ガロン6ドルの値上げをしたことで、州知事が、これらの便乗値上げ業者に対して、制裁措置をする行政命令を出した。
このような事態に対して、連邦政府は、戦略備蓄石油の放出をアナウンスしたほか、EPA(環境庁)では、厳格には大気保全基準に合わないガソリンの、一時的販売を、ガソリン小売業者に認めるとの声明を出した。
ジョージア州やノースカロライナ州では、住民にガスの備蓄を呼びかけ、また、公務員に対して、不要な旅行の制限を命令した。
また、アトランタでの車相乗りプログラム(vanpooling program )への参加者が、ここに来て、50パーセント増えたという。
これらのガソリンの高値は、人々の行動形態にも影響を及ぼし始めているという。
カリフォルニア居住の人々の三分の二の人々は、買い物を、これまでとは異なって、安いガソリンの手に入りやすいところでのショッピングに切り替えたという。
そして、あまり動かない行動形態にきりかえたという。
今後のガソリン価格の予測として、AAA-Northern New EnglandのMatt McKenzie氏によれば、今月末には、一ガロン3.70ドルから3.80ドルに跳ね上がるという。
参照
「Gasoline prices soar above $3 a gallon in Katrina’s wake
」
http://www.timesdaily.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20050831/APF/508311253&cachetime=5
「アメリカのハリケーンによる被害で、原油一バーレル100ドルという最悪のシナリオも。」
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=447
「アメリカの「戦略備蓄石油の放出」との報道」
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=444
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