2005/09/01(Thu)
ハリケーンで数千人の死者が出ているというアメリカのニューオリンズ。
ニューオーリンズは、大分前にいったことがあるが、私にとっても、懐かしい場所だ。
興銀から通産省に出向されていた吉川さんと一緒に雲助タクシーに乗ってしまって、ひやひやな思いをした地でもある。
なんといっても、ジャズの生演奏を聞かせてくれるプリザベーションホールがどうなっているのか、気になる。
このサイトhttp://www.preservationhall.com
を見ると、アトランタに一時避難しているみたいですね。
名物の the Lake Pontchartrain Causewayも、一部破壊されたらしい。
このニュース「New Orleans mayor fears thousands may have perished」で、Ray Naginニューオーリンズ市長は、この分では、数ヶ月居住不能のため、都市を捨て去ることになるだろうといっている。
もともと、湿地帯に近いのだから、内水によって、このような被害が出たのだろうと思っていたら、原因は、よもや、崩壊するとは思われなかった北のポンチャートレイン湖、南のミシシッピ川の二つの堤防の決壊であった。
この断面図をご参照。
減災対策をとっているミシシッピー川の制御は、まだまだといったところなのだろう。
以前、アメリカの実務担当者から、ミシシッピー川の氾濫原(遊水池)の利用についての話を聞く機会があった。
それによれば、これまで川の水路に少しでも近く堤防をつくっていたものを、川の流れからよりとおくに堤防をつくることで、川全体の災害に対するキャパシティを高めることが、今の課題であるという。
それには、これまでの何百年にわたる川の流れの変化を重ね合せ、その最大公約数の右岸、左岸に堤防をつくることにより、川のキャパシティを高めるのだという。
その結果、堤防の内側に広大な氾濫原(遊水池)ができるが、これをいかに、公的に利用するかが、これからの課題なのだといっていた。
しかし、今回の氾濫で、これらの試みを一からやり直すことになってしまった。
減災への方針転換を取る日本の国土交通省にとっても、今回のニューオーリンズの氾濫は、貴重な事例となるであろう。
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