Sasayama’s Weblog


2004/11/12 Friday

政権交代は、陰陽師の感覚ではなしえない

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:26:33

 
2004/11/12
民主党の菅直人さんが、10月23日のホームページの日記「今日の一言」で「それに加えて新潟で地震。あい続く天災をストップさせるには昔なら元号でも変えるところだが、今必要なのは政権交代ではないか。 」といわれて、物議をかもしているが、むしろ、それをいうなら、「あい続く天災をストップさせるには昔なら「遷都」するところだが、今必要なのは「中央集中機能の分散」ではないか。 」とでもいったほうがよかったかもしれない。
改元には、通常の即位改元のほかに、祥瑞改元、代始改元、天文変化改元、天災改元、厄運改元、疱瘡改元、疫病改元、不予改元、火災改元、飢饉改元、地震改元、兵革改元、践祚改元、異変改元 など、さまざまあるようで、これは、ほとんど、陰陽師の世界に属するようだ。
このうち、天災改元は、地震改元も含めて、59回あるようだ。
http://homepage1.nifty.com/kitabatake/rekishi9.html参照
これら、天災改元が、科学的根拠のない陰陽師の世界であるのに対して、災害と遷都との関係は、非常に科学的な配慮の元に行われたらしい。特に、天然痘の蔓延による都市衛生環境の行き詰まりが遷都の有力要因になったと同時に、都市周辺農村とのエコロジカルな資源供給関係の変化も、攘災招福を期待する遷都の有力要因になったようだ。
海外の遷都においては、都市そのものが、災害に襲われてのやむを得ざる遷都の例もある。
今日的に災害と遷都との関係を見れば、中心都市の全都市機能の遷都という意味よりは、分散的都市機能の移転という意味での遷都が、災害との関係で捉えられる。
今回の災害においても、乗用車や二輪メーカーにメーター類を納入している計器メーカー、日本精機(長岡市)の小千谷市の子会社「エヌエスアドバンテック(株)」工場がストップし、本社工場をストップさせた。
フィリップス・ジャパンは、今回の新潟中越地震のおきる一週間くらい前から、地震のあることを予測し、社内体制を整えていたようで、「社内情報共有のイントラネットの画面に、「震度5以上の大規模地震がいつ来てもおかしくない状況です」と表示し、従業員の非常用食料の交換と、入れ替え制の防災講義、避難訓練などを先週から実施していたとの話もある。
(ちなみに、この情報は、このサイトによるもので、これが、新潟中越地震のあった4日前の10月17日の情報なのだから、驚く。)
また、オランダ・アムステルダムに本拠地を置くKoninklijke Philips Electronics NV.のFrank Butstraenさんは、次のように話している
「フィリップスでは、東欧やインド、東南アジアにIT工場を立地する場合、しっかりしたコスト分析とリスク分析をする。このような地域では、政治情勢が流動的であるので、工場がオープンした後も、それらの分析は続ける。」という。
また、ワシントンに本拠を置く、Nasdaq Stock Market Inc., の副社長Gregor Bailar氏は、地震大国日本への立地について、「日本の現地では、自然の力に簡単におじぎをするが、決して屈服はしていない。一端は操業停止になるが、翌日には立ち直る。しかし、今後ともそうであるかといえば、この点は、よく調査をする必要がある。」という。
このように、海外企業が、日本への立地にさいして、予想以上に地震のリスク対処を考慮に入れているようで、東南アジアでの工場立地について、香港と日本とでのデュアル立地によって、地震災害発生に備えている企業も多いようだ。
これらも、民間ベースにおける分災対応の例だ。
政権交代は、陰陽師の感覚ではなしえない。
この非常時に、政権党に対抗しうる災害スキームをいかに構築できるかによって、政権交代が可能かどうかが決まるのだ。
政治家が、単に、ボランティアと一緒になって汗を流すことばかりが、減災の道ではないことを、政治家は、もっと、知るべきである。

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