Sasayama’s Weblog


2005/08/17 Wednesday

「羊がBSEに母子感染する」という、ショッキングなイギリスの実験結果

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:20:34

2005/08/17(Wed)

null これは、「 Veterinary Record」という雑誌の8月13日号に掲載された「Natural transmission of BSE between sheep within an experimental flock」(S. J. Bellworthy, G. Dexter, M. Stack, M. Chaplin, S. A. C. Hawkins, M. M. Simmons, M. Jeffrey, S. Martin, L. Gonzalez, and P. Hill)
http://veterinaryrecord.bvapublications.com/current.dtl
という論文で紹介されたものだ。

これは,イギリス政府の実験農場での感染実験結果によるもので、二匹のメス羊に5ミリグラムのBSE感染物質を供与したところ、その子羊は、生後546日たって、扁桃腺に感染症候が現れ死亡したという。

その親羊のほうは、何の感染症候もなかったということだ。

しかし、この子羊の感染が、親羊の胎内で感染したものなのかどうかについては、わからないという。

また、遺伝子によって、感染しやすいタイプがあるのではないかとの説もある。

日本のBSE発生例をみても、羊の生産地とBSE発生地とは、シンクロナイズしているようにも見える。

その意味で、今回のイギリスの研究は、興味のもたれるところである。

また、この秋にOTMルール(30ヶ月以上の牛肉の食用ルート進入禁止規則)の緩和を目指しているイギリスにとっても、影響のある問題となりそうだ。

参照 http://www.guardian.co.uk/uk_news/story/0,3604,1550320,00.html
http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn7861

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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2005/08/15 Monday

西ロシアと東ロシアとを結ぶ渡り鳥のフライウエイが焦点

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:36:23

2005/08/15(Mon)
 

null西ロシアにおけるH5N1人感染問題は、より深刻さを見せている状況であるが、日本にとっての問題は、この西ロシアと日本と関係がある東ロシアとの野鳥のフライウェイがつながっているのかどうかということなのだが。

むしろ、この点は、野鳥の専門家のご判断にゆだねたいのだが、たとえば、このサイト「ASIA-PACIFIC MIGRATORY WATERBIRD CONSERVATION STRATEGY : 1996 - 2000」http://www.jawgp.org/anet/str1996.htmでの、「Map 2. Major waterbird flyways in the Asia-Pacific region 」をみると、「Central Asean-Indian Flyway」と「East Asean-Australasian Flyway」と「West Pacific Flyway」との関係を見てみると、ロシア中部において、この三つのフライウェイ同士が、交じり合っているのが気になる。

日本の環境省は、この点をどう考えているのであろうか?

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2005/08/11 Thursday

原油は、一バーレル70ドル台にむかって驀進

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:15:15

 
2005/08/11(Thu)

null 今年の三月の私のブログ「再び世界経済に、原油高の洗礼」http://www.sasayama.or.jp/
wordpress/index.php?p=237
 で、「原油価格は、一バーレル60ドル台に突入することになるであろう。」等といっていたのが、すでに、一バーレル70ドル台の攻防へと移ってきている。

昨日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ガソリンの在庫減を受けた供給不安の高まりを背景に急伸、指標となる米国産標準油種WTI9月当ぎりは一時、1バレル=65.00ドルの過去最高値をつけた。

原因は、Bloomberg等によれば、製油所の稼働率低下と、変わらぬ需要の堅調によるものとしている。

ここ四週間のアメリカのガソリン消費量は、前年同期に比し、1.4パーセントの増、末端のガソリン価格は、前年同期比27パーセント増となっている。

暖房用灯油についても、1978年の取引所開所以来の最高の高値に達し、前年同期比57パーセント高い、一ガロン1.842ドルとなっているという。

アメリカへの一日あたり原油輸入量は、先週、過去二番目に高い水準に達し、一日あたり一千百十万バーレルとなった。

製油所の稼働率は、95パーセントで、先週に比して、0.8ポイントの下落となり、低下傾向にあるという。

ロンドン市場においても、一バーレル64.20ドルに達した。

総じて、ガソリンの在庫量の減少が、原油価格の先行きに影を落としているという構図のようだ。

ヘッジファンドの、原油をめぐる取引も、依然、活発化している。

さらに、ガソリンの高値は、ディーゼルエンジン用軽油需要の増加につながっているという。

これらの原油高は、株式市場にも大きな影響を与えつつある。

一方、日本においても、給油所のガソリン全国平均価格が、レギュラー1リットル当たり128.4円(8日時点)で、前週比0.9円値上がりした。

ハイオクガソリンも0.9円高の139.6円。原油価格の高騰を反映し、レギュラー、ハイオクともに6週連続の値上がりとなった。

政治の混乱をよそに、原油高の日本経済に与える影響は、より深刻化している。

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2005/08/10 Wednesday

立体商標権が認められる。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:25:11

 
2005/08/10

null 福岡市の老舗菓子メーカー「ひよ子」が販売するひよこ形の菓子に認められた立体商標登録について、同市の製菓会社「二鶴堂」が登録は不当として取り消しを求めた審判で、特許庁は改めてひよ子の立体商標登録を認める審決を行った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050809-00000186-jij-pol参照

これまで、立体商標権について争われた例は、きわめて少ないが、立体商標権の代表的例としては、ケンタッキーの カーネルサンダースの人形や、牛乳容器のテトラバック、不二家のペコちゃん人形、サトー製薬のサトチャン人形などが、その例であろう。

この立体商標権について、日本では、平成9年4月1日から、商標登録が認められているが、各国の見解は、ばらばらで、国際的な統一見解は無い。

ちなみに、このサイト「REQUEST FOR ACTION BY THE INTA BOARD OF DIRECTORS」http://www.inta.org/policy/res_threeD.htmlによれば、EUでは、EU指令において、明確に立体商標権の有効性を認めているが、「商品の性質そのものにより形成された形」「一定の技術的対価を得るための形」「その商品に対して、本来的な価値を与える形」については、これから排除している。

また、WTOのTRIPSでは、「商品やサービスを差別化しうるいかなる形」をも認めるという方針があり、このことを根拠にして、立体商標権は認められうるとする見解がある。

しかし、国内で、立体商標権を保護しない国国に対しては、この見解は、強要しえないとしている。

さらに、マドリッド合意においては、立体商標権は、検討中としたが、北米自由貿易協定においては、立体商標権は認められ。さらに、アンデス協定においては、限定条件つきで、立体商標権は認められた。

すなわち、その限定条件とは、通常の機能を供与するための形や、機能的・技術的な優位性を確保するための形は、立体商標権の保護対象から除かれるということだ。

カナダでは、特殊性を確保するための形は、立体商標権の対象になるとし、アメリカでは、立体商標権を認める条件として、その商品やサービスの本質として備わる形、その形で、特異性を有しうる形、非機能的な形については、立体商標権として認めるということのようである。

一方、立体商標権は、他の知的財産権とオーバーラップ゛する領域、たとえば、工業デザインの権利や著作権の権利が及ぶ領域については、立体商標権として守るべき必要は無いというのが、一般的見解のようである。

総じて、非機能的、示差性を現す立体商標については、守るべき、とする見解が強いようだ。

最近、アメリカで、立体商標権が争われた判例としては、「Wal-Mart Stores, Inc. 対 Samara Brothers, Inc」のアメリカ最高裁判例がある。
http://www.law.tohoku.ac.jp/~serizawa/WalMart.html参照

これは、Samara Brothers Inc社がデザイン・製造をおこなっている子ども服の写真を元に、Wal-Mart Stores, Inc社が、Judy-Phlippine, Inc.社に生産を委託したことに対して、Samara Brothers Inc社が、「製品のデザインは、登録されていないtrade dressの侵害」として、1946年連邦商標法(Lanham Act)に違反するとして、訴えていたものである。

これに対して、米最高裁は、、「デザインに識別性 があるとして保護されるためには、二次的意味を示さなければならない。」として、「一般にマークは、消費者にとって、その出所を同定するところに意味があり、消費者は、これらのシンボルを、製造者の指標とみなしがちであるのに対して、製品のデザインの場合には、その性質を出所と同視する消費者の傾向は存在しない。また、出所特定的なデザインというものは、ありそうもない。」として、米商標法違反には当たらないとの判決を下してものである。

以上

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2005/08/09 Tuesday

三度目のハプニング解散

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 19:32:56

   
2005/08/09(Tue)

null 突然の解散というのは、なんとも、すさまじいものがある。

私の経験したハプニング解散の第一回目は、1980(昭和55)年5月16日に「大平内閣不信任案」が、賛成243票、反対187票で可決された時だった。

そのころ、私は、前年10月7日の総選挙に初挑戦し、敗れ、浪人中だった。

その日は、どうも、雲行きが怪しいというので、東京行きの特急列車に飛び乗った。

秋田から福島あたりに来ると、すでに、駅頭で売られている福島民報が、解散を伝えていた。

この後、ハプニングはまだ続き、選挙中に倒れ入院していた大平首相が投票の10日前に、心筋こうそくで急逝した。

当時は、立会演説会というものがあり、その後の立会演説会では、私たちは、黒ネクタイを締めて、演説し、勝利した。

二回目のハプニング解散は、1993(平成05)年06月18日の宮沢内閣不信任(255対220で可決)による解散であった。

このときも、私は浪人中で、地元での会合の合間にテレビで、不信任案可決を見た。

自民党分裂と新党立ち上げと、あわただしい、その後が続いた。

それこそ、修羅場に近い毎日だった。

政党の分裂と解散が重なると、なんでもありの世界となる。

政界が、夜盗の世界と対して大して変わらない場と化すのを、まざまざと、この目で見た。

もっとも、このときには、前段があった。

前の年の1992年5月に、細川さんが、日本新党を結成し、1993年の6月27日の東京都都議会選挙で大勝した。

その余波を買って、いわゆる新党ブームが、衆議院選挙を揺るがしたのであった。

このとき、私は、ポスターの写真をスタジオで撮り終え、東京都議会選挙での日本新党の躍進結果を聞き、その時点で、私自身の勝利を確信し、結果、そのとおりとなった。

この二つのハプニング解散に比べると、今回の小泉ハプニング解散は、大分、要素が異なる。

わくわくするものが、あまり無い。

新時代の到来を予感させる受け皿というものが感じられない。

同時に、体を張って、党を割るという事態も、このままでは見られないようだ。

ということは、悲劇性も、見られないということになる。

しかし、そうはいっても、政権政党の歴史の分岐点は、意外と近いのかもしれない。

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2005/08/05 Friday

低毒性時代の日本の鳥インフルエンザ対策についての、ひとつの提案

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:25:35


2005/08/05(Fri)

null 私の掲示板では、これまでに、Tさん、Hさん、Nさんなどから、低毒性ウイルス時代での、わが国の鳥インフルエンザ対策の盲点についてのご指摘がありました。

ここで、これまでの議論を以下にまとめ、私の掲示板としての提案をして見たいと思います。

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現在の日本の鳥インフルエンザ対策の問題点と、提案

現在の家畜伝染病予防法ならびに、各県の高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアルなどに基づく、日本の鳥インフルエンザ対処方針では、農場で、鳥インフルエンザ抗体陽性が確認され、 動物衛生研究所でのPCR検査陽性となった場合には、PCR検査陽性分については患畜とします。

残りの移動制限区域内の農場の飼養鶏については疑似患畜とします。

また、これら、患畜または擬似患畜と、発生が確認された日の28日前以内に、同居していた飼養鶏を「おそれ畜」とします。

日本では、病原性の強弱にかかわらずH5亜型及びH7亜型のウイルスはすべて高病原性鳥インフルエンザとして取扱うこととしています。

したがって、H5亜型及びH7亜型ウイルス確認の場合には、病原性の強弱にかかわらず、発生農場及び発生農場と同一飼養者が管理している農場の飼養鶏は、すべて殺処分とします。

しかし、Tさんのご指摘では、PCR検査が有効なのは、病気で死ぬ間際あるいは直後の、ウイルス粒子のある段階での検査で、その発症衰弱・へい死の原因がある特定のウイルスによるものではないかとの推定に基づいて、あるかないかの判別をするだけであり、 「PCR検査」の陽性陰性が、「ウイルスの感染経験」を判別「確定」するものたりえていない、とのご指摘です。

すなわち、健康状態でのPCR検査は、もちろん、感染未経験は陰性になるが、一方で、「感染経験ありで、特異抗体を獲得し、ウイルスを排出(増殖)しない状態」のときもまた、陰性になってしまい、たとえ、キャリア(ウイルス保持個体)であろうとも、ウイルスがあるとは判断することができないということです。

このご指摘のとおりであるとすると、低毒性の鳥インフルエンザウイルスが蔓延している現在の日本の状態からすれば、現在の対処方針では、動物衛生研究所でのPCR検査陰性となったばあい、感染経験ありで、特異抗体を獲得し、ウイルスを排出(増殖)しない鶏や、キャリア(ウイルス保持個体)の鶏を、見逃してしまうことになります。

つまり「PCR陰性ならば、放置」という、二値的対応が、 時系列的には、新たな、感染の原因を作ってしまっている、ということになります。

そこで、Hさんからの提案では、抗体陽性やPCR陽性農場で、高病原性でないH5系の感染が疑われる場合、その農場のみにワクチンを接種することによって、もしかして農場にまだ潜んでいる野外ウイルス株を押さえ込むことにより、感染拡大を防ぐという方法を提案されています。

このHさんのご提案の延長線上には、移動制限区域内の農場の飼養鶏についてのワクチン接種も、考えられているものと思われます。

このような第三の道というか、オルタナティブな方針を採ることによって、PCR検査陰性の農場が、次から次へと、低毒性ウイルスの時間差攻撃で、 後に、感染拡大の温床となるような事態を防ぎ、いたずらな、経済的損失を与える「抗体陽性やPCR陽性なら殺処分」「PCR陰性ならば、放置」という、二値的対応に起因した、いたちごっこを避けることができるという提案です。

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2005/08/03 Wednesday

鉄と牛肉の関係

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:23:46


2005/08/03(Wed)

null
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政府は1日、世界貿易機関(WTO)協定に違反している米国の「バード修正条項」(アンチダンピング(AD)税・補助金相殺関税の収入を提訴者側の国内企業に配分することを内容とする法律、 `Byrd Amendment’ または「 US Continued Dumping and Subsidy Offset Act of 2000 (`CDSOA’)」または、通称「山分け法」(US – Offset Act))の対抗措置として、ベアリングを中心とした15品目に15%の税率を上乗せする対米報復関税を、9月1日に発動することを決めた。

このことについて、中川経済産業大臣は「これだけでみれば(悪影響は)ないが、BSE(牛海綿状脳症)との絡みがないことを望む」と、米国内の不満の矛先が米国産牛肉の輸入再開問題に向かう可能性を警戒したというのだが。

しかし、この中川発言は、言わずもがなの発言で、見方によれば、対米報復関税のスケープゴートとして、牛肉問題を、アメリカ側に差し出しているような感じさえするのは、おもいすごしであろうか?

山分けのとばっちりが、牛肉とは、情けない。

http://news.webindia123.com/news/showdetails.asp?id=103104&cat=Business
http://news.xinhuanet.com/english/2005-08/02/content_3301166.htm参照

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050802-00000057-kyodo-bus_all

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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2005/07/28 Thursday

アメリカのBSE検査体制の杜撰さを露呈した、今日の疑惑牛発見

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:49:20


2005/07/28(Thu)

nullUSDAは、7月27日、BSE感染疑いの牛が新たに一頭見つかったと発表した。

確認検査のため検体を英国のウェイブリッジ研究所に送付し、結果は来週中にも出る見通しである。

最終的に感染が確認されれば米国では3例目となる。

問題の牛は「少なくとも12歳以上」の高齢牛で、今年4月に出産に伴う合併症で死亡した。発見場所や飼育環境は公表していない。

しかし、カナダ産ではなく、アメリカ国内産であるとしている。

また、食品としては流通していないという。

USDAの公式発表
http://www.aphis.usda.gov/lpa/news/2005/07/bsestatement_vs.html(記者会見の模様については、http://www.usda.gov/wps/portal/usdahome?contentidonly=true&contentid=2005/07/0280.xmlを参照)
によると、このサンプルは、拡大サーベイランスプログラムに基づき、民間獣医から任意に提出されたもの(この獣医は、遠隔地の農場からのサンプルを、求めに応じて集めている方らしい。)で、サンプル自体は、今年の4月に採取されたものであるが、獣医が、IHC検査にかけられるように、ホルマリン防腐材入りで、保管していたもののようである。

このサンプルは、7月19日になって、 The National Veterinary Services Laboratories (NVSL) に届けられた。

今回6月に検査プロトコルが変わる(新鮮なサンプルを、氷詰めにして、48時間以内に届ける。遠隔地などで、48時間を超えそうな場合は、冷凍を許す。)以前に採取されたものなので、冷凍された上で、ホルマリン入りとなっているということである。

4月に採取したサンプルを、 何で、今頃になって提出になったのかといえば、USDAの言い分によると、当の獣医が、先週まで、提出を忘れていたためという。

今回の検査では、ホルマリン漬けのサンプルのため、迅速検査(ELISA、Bio-RAD)やウエスタンブロット検査はできないで、即、IHC検査にかけられたもので、この段階で、Inconclusiveとなったため、イギリスの ウェイブリッジのthe International Reference Laboratoryと、アイオワ州AmesのNational Veterinary Services Laboratoryで、さらに、平行して、同種のIHC検査がされるということである。

また、通常のステイニング(staining、染み)のできる以外のところにステイニングがあり非定型BSEの疑いがある、という点と、と畜場に入らないで、発見されたケースという点も、これまでのケースと違う点である。

しかし、この疑惑牛が、出産に伴う合併症で死亡牛であったにせよ、ダウナーであったのか、中枢神経異常を見せていた牛なのか、単なる死亡牛であったのか、の詳細について、USDAは、明らかにしていない。

また、公式発表では、「死亡牛は、Destroyedされた。」としているものの、サンプル採取後の屍骸が、農場内で埋められたのか、焼却されたのか、焼却されたとすれば、どこで焼却されたのか、などについては、よくわからない。

また、該当農場が、まだ、隔離されていないのも、異常である。

ここで、なんとも、不可解なのが、この「防腐剤入り」ということと、「4月のサンプルを今頃」、という二点である。

「防腐剤入り」というのは、ホモジェネート(ミキサーで破砕した細胞のジュース)したウエスタンプロット検査などができないことを意味し、 また、「4月のサンプルを今頃」というのは、ひょっとして、昨日の、コンシューマーズユニオンの指摘に触発されて、獣医が、あわてて提出してきたとも考えられる。

いずれにしても、この二点は、アメリカの拡大サーベイランス・システムの杜撰さを、世界のアメリカ牛貿易相手国に、図らずも示した形となってしまった。

これについて、US Meat Export Federationの会長のPhilip Seng氏は、次のように語っている。
「US mad cow flubs raise safety fears」http://www.thestandard.com.hk/stdn/std/World/GG29Wd08.html参照

「この不手際が世界に報道されるとことは、アメリカの牛肉貿易市場にとっては、決して、いいイメージを与えないであろう。アメリカ牛肉を遠ざける、いい口実になってしまうからだ。」という。

また、Tom Harkin上院議員(アイオワ州選出、民主党)は、「これらのUSDAの侵した失態は、日本・韓国など、アメリカ牛肉貿易再開問題を抱える諸国にとっては、アメリカ牛肉の安全性についての疑義を抱かせる要因になるであろう。」という。

さらに、the Center for Food SafetyのJoe Mendelson氏は、今回のケースのように、農場内での歩行困難牛や中枢神経異常牛のサンプル集めを民間の獣医に依存している拡大サーベイランスの現状について、「これらのUSDAの不手際は、他にも同様のケースがあるのではないかという、疑心暗鬼を呼び起こさせる。もし、これらの牛について、サンプルが採取されても、今回のケースのように、サンプルが提出されないケースがあるとしたなら、拡大サーベイランス自体の意義があるののかどうかということが、問われることになる。」といっている。

http://www.bradenton.com/mld/bradenton/news/breaking_news/12239657.htmもご参照

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2005/07/27 Wednesday

中国・四川省で発生のブタ連鎖球菌による奇病問題のその後

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 23:39:58

2005/07/27
 
null中国・四川省・資陽市を中心とした地域で、原因不明の病が発生し始めたのが、6月24日ごろであったが、その後感染者と死亡者が拡大している。

中国衛生部が7月27日発表した情報によると、7月27日現在、四川省資陽市で発生した人のブタ連鎖球菌への感染者数は、既に131例(実験室診断8例、臨床診断76例、擬似診断47例)にも上り、この内、死亡者は27人、重症患者は21人、完治し退院したのは11人、他の患者は今入院治療中であるという。

病人の年齢は、30歳から70歳までで、発病初期には、高熱で倦怠感、悪心、嘔吐があり、その後、皮下出血となり、この写真の患者のように全身が真っ黒になるという症状を見せている。

しかし、人から人への伝染は、確認されていないという。

なお、四川省の冷凍豚肉には、要警戒とのことだ。

当局は、これらの人の感染原因を、死んだ豚や病気の牛をと畜した従事者であったと発表した。

感染地区は、四川省資陽市から内江市にかけての75村40町に及び、このような広い範囲で感染が拡大したことについて、疑問視されているという。

7月25日になって、中国当局は、この17人の死者を出した四川省での病気について、「SARSでもないし、鳥インフルエンザでもなく、おそらくブタ連鎖球菌(Streptococcus suis type 2)(中国語では、第二型豬鏈球菌感染症)によるものである」との見解を出した。

今日になって、その原因として、農民が安いということで使っている「黒心飼料」(ヤミ飼料と訳すべきか?)のホルモン入り飼料が、共通の疑惑原因となってきた。
http://news.china.com/zh_cn/domestic/945/20050727/12518940.html
参照

このヤミ飼料は、高楼镇の街頭で、12元という安価で買えるもので、同等のものは、100元内外もするという。

いくつかの種類の粉を子袋分けして、これを街頭で売り、それを買った農家は、それらの幾種類を混ぜ合わせて使うのだという。

今回、ブタ連鎖球菌に感染した農民の多くか、この「黒心飼料」を使っていたところから、共通の原因候補として浮かびあがってきたようだ。

しかし、以前から使っていた飼料なのに、なぜ、この6月から7月にかけての一ヶ月の間に、急に、感染原因となったのか、など、依然として、謎はのこっているようだ。

「黒心飼料」(ヤミ飼料)の製造実態については、このサイトhttp://finance.nen.com.cn/74324787014402048/20040811/1468616.shtmlにあるように、黄色い芽豆に人口着色剤を入れて、緑豆粕に見立てるなどの悪質ぶりで、蚊だらけの不衛生な中で作られているようで、この記事では、当局から、手入れを受けたとかかれている。

この「黒心飼料」関係ニュースは、このサイト参照

ここにきて、中国・四川省のブタ連鎖球菌死亡説に中国外から疑問の声 があがってきた。

その疑問のひとつは、死亡率が20パーセントと異常に高く、また、症状を見せてから、一日以内に死んでいることが、ブタインフルエンザのこれまでの常識と、著しくかけ離れているということ。

また、ブタの疾病が、人間に感染することはまれであり、しかも、感染したとしても、その死亡率は、10パーセント以下であること。
などである。

香港大学のSamson Wong教授は、「過去のケースでは、36時間以内に死ぬのは、一人か二人である。また、皮下出血の例も、バクテリア関連の文献を見ても、二三の例があるだけである。」としている。

また、香港の消費する豚肉の15パーセントは、四川省から輸入しているところから、香港のCentre of Public HealthのSian Griffiths氏は、「表皮の向けた傷口から、血流に細菌が入る可能性がある。」と注意している。

WHOのスポークスマンのSian Griffiths氏は、「このように多くの死者を見る理由がわからない。」としている。

過去のブタ連鎖球菌感染は、1998年で、そのときは、22人がかかった。

また、Sian Griffiths氏は、中国四川省での、実験室での診断が、わずか5人であり、残りの70人もの多くが、臨床診断でブタ連鎖球菌によるものと診断されているところから、「もっと、他の病因も考えなければならない。」としている。

ブタ連鎖球菌感染の症状として、耳が肥えないというのが特徴であるが、四川省の場合は、そのような症状は、まだ見られないとしている。

中国の科学者は、このブタ連鎖球菌の遺伝子の7つを解析したが、それによれば、これまでのブタ連鎖球菌のものと変わった点はないとしている。

ということは、四川省でのブタ連鎖球菌は、変異していないということである。

しかし、香港大学のSamson Wong氏は、「この7つの遺伝子以外に、もっと強毒に変異しているものもあるかもしれない。まだ、結論付けるのは早い。」としている。
参照http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/HKG37051.htm

streptococcus suisについては、このサイト「Infections caused by Streptococcus suis」
http://www.medvet.umontreal.ca/reseau/ang/theme/strepsuis.htm
「SPECIFIC DISEASES OF PIGS」
http://www.fao.org/docrep/003/t0756e/T0756E05.htm
「Streptococcus suis」
http://genome.jgi-psf.org/draft_microbes/strsu/strsu.home.html
「Streptococcus suis」
http://www.thepigsite.com/FeaturedArticle/Default.asp?Display=1122
ご参照

その他参考サイト
http://www.forbes.com/business/feeds/afx/2005
http://www.secretchina.com/news/gb/articles/5/7/24/121886.html

なお、豚連鎖球菌関係中国サイトは、このサイトまたは、このサイト 参照

2005/07/31追記 中国のブタ連鎖球菌発生、新たに5つの都市で。エボラウイルスの可能性も出て来た。

新たに感染者が発見された都市は、
四川省の成都(Chengdu), 自貢(Zigong), 遂寧(Suining), 瀘州(Luzhou), 綿陽(Mianyang)
である。

また、これまでに発生が確認された都市は、資陽(Ziyang)と内江市(Neijiang)である。

最初の発生の確認が先月6月24日であるから、この一ヶ月で、一挙に面積的に拡大したようだ。

7月30日現在で、感染者174例,うち、実験室診断19例,臨床診断104例,擬似感染51例。このうち、退院12例,危篤状態28例,死亡34例。
地域分布は9市、26区)、96街道)、164村ということである。

http://bjyouth.ynet.com/article.jsp?oid=5995213
http://english.eastday.com/eastday/englishedition/nation/userobject1ai1300006.html参照

今日のRecombinomics
http://www.recombinomics.com/News/07300501/Ebola_Recombinant.html
では、このブタ連鎖球菌による患者とされる一人から、エボラウィスのSZ77++A3231が見つかったことを報じている。

http://www.renminbao.com/rmb/articles/2005/7/29/36997.html
http://secretchina.com/news/gb/articles/5/7/28/122245.html
http://www.peacehall.com/news/gb/china/2005/07/200507310411.shtml もご参照

そして、このSZ77++A3231ウイルスは、鳥にも感染しうるとしている。

以下はRecombinomicsの推測であるが、今回の四川省での奇病は、ブタ連鎖球菌によるものではなく、エボラウイルスと鳥インフルエンザウイルスとが、再結合して伝播したのではないかとみている。

また、エボラウィルスのSZ77++A3231については、「Ebola in China」
http://derekpgilbert.com/?p=1844
においても、Dr. Henry Nimanの見解が書かれており、ここでは、この中国のエボラウイルスは、H5N1とrecombined した新種ウイルスとの見解を示している。

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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アメリカのコンシューマーズ・ユニオンが、USDAの拡大サーベイランス・プログラムについて、公開質問状

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 20:04:07


2005/07/27(Wed)

nullアメリカのコンシューマーズ・ユニオンが、昨日、USDAに対してUSDAが実施する拡大サーベイランス・プログラムについて、そのデータが公開されていないとして、次の点にわたる公開質問を行った。

1、地理的分布
サーベイランスプログラムへの参加が任意であるところから、サンプルの地理的分布が偏っているのではないか。
地理的なサンプルの偏在を是正するためには、強制的なサンプル提出に改めるべきではないのか。

2.月齢
一般的には、老齢牛からBSEが検出されるとしているが、イギリスの例などでは,月齢20ヶ月や21ヶ月からも発見されている。
また、乳牛は、肉牛に比べ、老齢であり、また、肉牛よりも、蛋白質補給の機会が多いことから、BSEにかかかる割合が多いと考えられている。
したがって、老齢乳牛のサンプルを取る必要があると考える。
現在、どのような年齢層でのサンプル収集をしているのか、公開願いたい。

3.ハイリスク牛
現在の拡大サーベイランスプログラムでは、成牛であって、中枢神経異常を示している牛のサンプルや、臨床的症状が十分に確認されなかった、死亡牛や歩行困難牛のサンプルは収集されていない。
この点を改めるべきではないのか。

4.狂犬病(恐水病)検査陰性の牛
狂犬病(恐水病)検査が陰性であって、攻撃的な牛については、BSEを疑うべきである。
しかし、OIGの報告書によれば、狂犬病(恐水病)検査が陰性である牛について、BSE検査はされていない。
この辺を改善すべきではないのか。

5.中枢神経症状(CNS)を持つ牛
OIGの報告書によれば、2002年から2004年にかけて、中枢神経異常を持つ牛は、680頭あり、そのうちの357頭が、成牛であり、そのうち、BSE検査を受けたのは、162頭にしか過ぎなかったという。
2004年4月には、テキサス州San AngeloのLone Star Beefと畜場で、そのと畜場のFSISの職員が、、あきらかにCNS症状を持つ牛を、検査を受けさせようと頼んでも、検査されなかったという事件があった。
その後、2004年6月から、今までに、CNS症状を持つ牛何頭を検査したのか、その数字を明らかにしてほしい。

6.農場での死亡牛
農場での死亡牛は、ハイリスクであるにもかかわらず、風聞を押されて、そのサンプルが出てこない。
また、それをトレースすることもできない。
今回のアメリカ二頭目のBSE牛も、この死亡牛であった。
2004年6月から今まで、何頭の牛が、農場で死んだのか、その数字を明らかにしてもらいたい。
以上
原本については、こちらのサイトhttp://www.consumersunion.org/pub/campaignmadcow/002530.html参照

http://www.yubanet.com/artman/publish/article_23199.shtml

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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