Sasayama’s Weblog


2005/07/27 Wednesday

中国・四川省で発生のブタ連鎖球菌による奇病問題のその後

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 23:39:58

2005/07/27
 
null中国・四川省・資陽市を中心とした地域で、原因不明の病が発生し始めたのが、6月24日ごろであったが、その後感染者と死亡者が拡大している。

中国衛生部が7月27日発表した情報によると、7月27日現在、四川省資陽市で発生した人のブタ連鎖球菌への感染者数は、既に131例(実験室診断8例、臨床診断76例、擬似診断47例)にも上り、この内、死亡者は27人、重症患者は21人、完治し退院したのは11人、他の患者は今入院治療中であるという。

病人の年齢は、30歳から70歳までで、発病初期には、高熱で倦怠感、悪心、嘔吐があり、その後、皮下出血となり、この写真の患者のように全身が真っ黒になるという症状を見せている。

しかし、人から人への伝染は、確認されていないという。

なお、四川省の冷凍豚肉には、要警戒とのことだ。

当局は、これらの人の感染原因を、死んだ豚や病気の牛をと畜した従事者であったと発表した。

感染地区は、四川省資陽市から内江市にかけての75村40町に及び、このような広い範囲で感染が拡大したことについて、疑問視されているという。

7月25日になって、中国当局は、この17人の死者を出した四川省での病気について、「SARSでもないし、鳥インフルエンザでもなく、おそらくブタ連鎖球菌(Streptococcus suis type 2)(中国語では、第二型豬鏈球菌感染症)によるものである」との見解を出した。

今日になって、その原因として、農民が安いということで使っている「黒心飼料」(ヤミ飼料と訳すべきか?)のホルモン入り飼料が、共通の疑惑原因となってきた。
http://news.china.com/zh_cn/domestic/945/20050727/12518940.html
参照

このヤミ飼料は、高楼镇の街頭で、12元という安価で買えるもので、同等のものは、100元内外もするという。

いくつかの種類の粉を子袋分けして、これを街頭で売り、それを買った農家は、それらの幾種類を混ぜ合わせて使うのだという。

今回、ブタ連鎖球菌に感染した農民の多くか、この「黒心飼料」を使っていたところから、共通の原因候補として浮かびあがってきたようだ。

しかし、以前から使っていた飼料なのに、なぜ、この6月から7月にかけての一ヶ月の間に、急に、感染原因となったのか、など、依然として、謎はのこっているようだ。

「黒心飼料」(ヤミ飼料)の製造実態については、このサイトhttp://finance.nen.com.cn/74324787014402048/20040811/1468616.shtmlにあるように、黄色い芽豆に人口着色剤を入れて、緑豆粕に見立てるなどの悪質ぶりで、蚊だらけの不衛生な中で作られているようで、この記事では、当局から、手入れを受けたとかかれている。

この「黒心飼料」関係ニュースは、このサイト参照

ここにきて、中国・四川省のブタ連鎖球菌死亡説に中国外から疑問の声 があがってきた。

その疑問のひとつは、死亡率が20パーセントと異常に高く、また、症状を見せてから、一日以内に死んでいることが、ブタインフルエンザのこれまでの常識と、著しくかけ離れているということ。

また、ブタの疾病が、人間に感染することはまれであり、しかも、感染したとしても、その死亡率は、10パーセント以下であること。
などである。

香港大学のSamson Wong教授は、「過去のケースでは、36時間以内に死ぬのは、一人か二人である。また、皮下出血の例も、バクテリア関連の文献を見ても、二三の例があるだけである。」としている。

また、香港の消費する豚肉の15パーセントは、四川省から輸入しているところから、香港のCentre of Public HealthのSian Griffiths氏は、「表皮の向けた傷口から、血流に細菌が入る可能性がある。」と注意している。

WHOのスポークスマンのSian Griffiths氏は、「このように多くの死者を見る理由がわからない。」としている。

過去のブタ連鎖球菌感染は、1998年で、そのときは、22人がかかった。

また、Sian Griffiths氏は、中国四川省での、実験室での診断が、わずか5人であり、残りの70人もの多くが、臨床診断でブタ連鎖球菌によるものと診断されているところから、「もっと、他の病因も考えなければならない。」としている。

ブタ連鎖球菌感染の症状として、耳が肥えないというのが特徴であるが、四川省の場合は、そのような症状は、まだ見られないとしている。

中国の科学者は、このブタ連鎖球菌の遺伝子の7つを解析したが、それによれば、これまでのブタ連鎖球菌のものと変わった点はないとしている。

ということは、四川省でのブタ連鎖球菌は、変異していないということである。

しかし、香港大学のSamson Wong氏は、「この7つの遺伝子以外に、もっと強毒に変異しているものもあるかもしれない。まだ、結論付けるのは早い。」としている。
参照http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/HKG37051.htm

streptococcus suisについては、このサイト「Infections caused by Streptococcus suis」
http://www.medvet.umontreal.ca/reseau/ang/theme/strepsuis.htm
「SPECIFIC DISEASES OF PIGS」
http://www.fao.org/docrep/003/t0756e/T0756E05.htm
「Streptococcus suis」
http://genome.jgi-psf.org/draft_microbes/strsu/strsu.home.html
「Streptococcus suis」
http://www.thepigsite.com/FeaturedArticle/Default.asp?Display=1122
ご参照

その他参考サイト
http://www.forbes.com/business/feeds/afx/2005
http://www.secretchina.com/news/gb/articles/5/7/24/121886.html

なお、豚連鎖球菌関係中国サイトは、このサイトまたは、このサイト 参照

2005/07/31追記 中国のブタ連鎖球菌発生、新たに5つの都市で。エボラウイルスの可能性も出て来た。

新たに感染者が発見された都市は、
四川省の成都(Chengdu), 自貢(Zigong), 遂寧(Suining), 瀘州(Luzhou), 綿陽(Mianyang)
である。

また、これまでに発生が確認された都市は、資陽(Ziyang)と内江市(Neijiang)である。

最初の発生の確認が先月6月24日であるから、この一ヶ月で、一挙に面積的に拡大したようだ。

7月30日現在で、感染者174例,うち、実験室診断19例,臨床診断104例,擬似感染51例。このうち、退院12例,危篤状態28例,死亡34例。
地域分布は9市、26区)、96街道)、164村ということである。

http://bjyouth.ynet.com/article.jsp?oid=5995213
http://english.eastday.com/eastday/englishedition/nation/userobject1ai1300006.html参照

今日のRecombinomics
http://www.recombinomics.com/News/07300501/Ebola_Recombinant.html
では、このブタ連鎖球菌による患者とされる一人から、エボラウィスのSZ77++A3231が見つかったことを報じている。

http://www.renminbao.com/rmb/articles/2005/7/29/36997.html
http://secretchina.com/news/gb/articles/5/7/28/122245.html
http://www.peacehall.com/news/gb/china/2005/07/200507310411.shtml もご参照

そして、このSZ77++A3231ウイルスは、鳥にも感染しうるとしている。

以下はRecombinomicsの推測であるが、今回の四川省での奇病は、ブタ連鎖球菌によるものではなく、エボラウイルスと鳥インフルエンザウイルスとが、再結合して伝播したのではないかとみている。

また、エボラウィルスのSZ77++A3231については、「Ebola in China」
http://derekpgilbert.com/?p=1844
においても、Dr. Henry Nimanの見解が書かれており、ここでは、この中国のエボラウイルスは、H5N1とrecombined した新種ウイルスとの見解を示している。

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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