2010/06/19 Saturday
2010年6月19日
菅総理は、ドーマーの公債命題ってのを知っているのだろうか?
国債の新規発行高=(政府支出―税金)」+(名目金利×国債発行残高)」
つまり健全に国債発行のためには、
�.廛薀ぅ泪蝓璽丱薀鵐�(政府支出< 税収)
と同時に
�◆嵬礁棕韮庁仞�長率>名目金利」
が必要ということ。
時間軸政策が有効なのは、「現在の短期金利の低金利状態が将来も続かせる」と政策当局が国民にコミットメントすることによって、「長期金利も長期に低利水準に推移できる」、との国民との信頼の前提があればの話である。
時間軸効果が期待できれば、インフレの拡大・物価上昇と景気の拡大をもたらしうる。
しかし、自然利子率(完全雇用前提で投資と貯蓄均衡前提での利子率)が低下するとの予測のもとでは時間軸効果は阻害される。
自然利子率(完全雇用前提で投資と貯蓄均衡前提での利子率)が低下するとの予測が抱かれてしまうのは、長期的には潜在成長率の低下であり、短期的には、各種の経済ショックの複合による期待成長率の損傷である。
「自然利子率(完全雇用前提で投資と貯蓄均衡前提での利子率)>貨幣利子率」
の場合は、
「投資超過によるインフレが発生」
だが、
「自然利子率< 貨幣利子率」
の場合は、
「投資不足によるデフレの発生」
となる。
貨幣利子率を引き下げないと、更なるデフレの発生となり、インフレの発生とはならないのだが、貨幣利子率は、ゼロ金利の元では、これ以上下げられないという非負制約の下にある。
貨幣利子率(名目利子率)は下げられないが、実質利子率(名目金利ーインフレ率)は下げられる余地はある。
現在は、名目金利が非負制約の下にあるので、上記公式での部分がデフレによって、プラス要因となって、実質金利を押し上げている状況である。
参考「REAL INTEREST RATE FORECASTS」)
つまり、デフレの罠脱却のためには、自然利子率上昇を左右する技術革新や期待感、実質利子率の低下を左右するマイナス金利政策とインフレ率上昇政策の両方が必要ということになる。
今回の菅政権提示の消費税増税が、これら
�ー�然利子率の上昇
�▲ぅ鵐侫賣┥緇此�
のいずれにも寄与しないばかりが、いずれのブレーキ要因となる。
つまり消費税増税は、プライマリーバランス改善の特効薬のつもりが、他の税収を左右する潜在成長率を損ない、結果プライマリーバランスすら改善できなくなる。
また、デフレの罠を放置したままでの消費税増税は、サプライサイドからの消費税の価格転嫁(前方転嫁)を困難にいっそうさせ、結果、「投資減少→産出減少→消費・投資減少」の負のスパイラルに産業界を陥れる。
まさに、デフレの罠をそのままにして、消費税をUPさせても、「国民の財布→国庫の財布」へのシフトが起きるだけなのだ。
もっとも、これについては、非ケインズ効果を標榜するサイドからは、反論もあるであろう。
つまり、家計や企業の行動が、短期的な見通しだけでなく、長期的な見通しをもふまえての経済行動をとるとすれば、将来の年金不安や国家のデフォルト懸念を元に、家計や企業がてforward looking な経済行動をとるとすれば、当面の増税は、長期的な不安を解消し、あながち、消費税の増税はむしろ当面の消費を増大させるのではないか、といった指摘である。
非ケインズ効果が発現しうる条件として、次のものがある。
�〆眄�改革が今後、継続的に続けられていくということについての、コミットメントが、政策当局と国民との間に、どの程度、硬くなされているのか。
��金融システムの安定性がどの程度あり、それによって、資産価格の下落からのがれうる可能性がどの程度強いのか。
連立政権という不安定な政情の元においては、昨年の総選挙において民主党が確約したマニフェストが次々と保護にされていく現状では、非ケインズ効果は、なかなか発現しにくいのではなかろうか。
たとえ、消費税増税を福祉目的税化し、国民の将来の不安を取り除くためのものとしたところで、それによる非ケインズ効果は、発現し得ないことは明白である。
参考
「Domar, E.D. 1944. “The ‘Burden of the Debt’ and the National Income.” American Economic
Review 34(4): 798–827.」
「ギリシャにおける財政危機に関するノート:日本への教訓」
「Kalecki on the causes of unemployment and policies to achieve full employment」
「Martin Wolf hits several nails on the head «Freethinking Economist」
「To Establish Sustainability of Government Deficits:
Methodology and Application」
「Crowding in」(Paul Krugman)
「Interest Rates and Fiscal Sustainability」
「「デフレの罠」脱却のための金融財政政策のシナリオ」(岩本康志)
「財政再建と望ましいポリシーミックスのあり方」
「量的緩和政策と時間軸効果」
「財政赤字」
「政府支出の増加によって政府債務のGDP比は減少するか」
「デフレからの脱却と財政再建」
「自然利子率について:理論整理と計測」
「財政政策の非ケインズ効果をめぐる論点整理」
「スウェーデン国立銀行「デフレ:問題の概観」 」
「デフレ・インフレの一般理論の紹介とコメント」
「デフレ・インフレの一般理論」(寺下 真弘)
「日本のウイニングショット」
「財政運営の安定性」
「政府債務の持続可能性の考え方」
「公債、租税、および経済成長」
「財政赤字問題の再検討」
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2010/03/22 Monday
2010年3月22日
新しい通信手段ができるたびに、そのメディアと著作権との関係が問題になるのだが、今全盛のツイッター(Twitter)も、その例外ではないようだ。
ツイッターをマイクロ・ブログと考えた場合、ブログと同様の著作権が発生するとみなす意見の一方で、ツイッターの著作権問題は、現在の著作権とはなじみにくい、との意見もあるようだ。
Facebookについても同様の見解があるようだ。
ツイッターの140文字数の作品はcopyrightableなのか?
問題は、ツイッターの限られた140の文字数に、どの程度の著作権の侵害性を認めるか、copyrightableであるかuncopyrightableであるかどうか、という問題に尽きるようだ。
Jeffrey Zeldmanの意見『You cannot copyright a Tweet』では、「Copyright Protection Not Available for Names,Titles, or Short Phrases」で見る限りにおいては、『ある一定量のボリュームの文字・絵画・音楽・図形をふくむ作品』となっているもの、としている。
これに対し、『Copyright of Twitter posts in practice』では、Jeffrey Zeldmanに対し、著作権の適用には、文字数の少なさは関係ないとの反論を試みている。
また、「Is a Twitter Tweet Protected by Copyright?」では内容次第という見解を述べている
すなわち、ヘミングウェイがTwitterを使った場合、ヘミングウェイの言葉「”For sale: baby shoes, never worn.” 」(売ります:赤ちゃん用のくつ。未使用)なら、充分、著作権法の対象になるとしている。
また、Ashleigh Brilliantの17文字からなる警句集も裁判でcopyrightableと判断されたように、著作権法の対象になりうるとしている。
文字数の少なさについても、HashTagを使えば、特定の著作物の全文をTwitterで流すことも出来てしまうので、ひとつのツイッターの文字数で、著作権侵害の程度を測ることはできないとする見解もある。
ツイッターは、フェア・ユースの対象となるのか?
アメリカの場合には、”commentary on an underlying work”など、一定の条件の下、フェア・ユースとして著作権除外が認められている。
このことから、このサイト「Twitter and Fair Use」では、ツイッターへの著作権適用は難しいとの見解を述べている。
一方で、このサイト「Are Tweets Copyrighted ?」のように、「ツイッターは、フェア・ユースの対象とならない。」との意見もあり、ばらばらである。
オリジナリティのあるツイッターとオリジナリティのないツイッター
俳句や短歌などは、文字数は少ないが、オリジナリティはあるわけで、その故に著作権で守られる意義はある。
しかし、ツイッターという思いつき文字の羅列が、著作権で守られるべきオリジナリティのレベルに達しているかといえば、俳句や短歌とは同列にはできないという見解がある。
特に、ツイッターの場以外で、一定の業績を上げている著名人などの場合は、訴訟要件を構成しうるものとして、該当するようだが、一般人の場合には、難しいものとされているようだ。
第一、毎日のツイッター発言について『この発言には、著作権があります』と書き込めるシステムに、ツイッターは、なっていない。
しかも、ツイッター発信は、発信元であるアカウントの持ち主の恣意性に任されている。
もし、アカウントの持ち主が有名人であって、自ら放つツイッター発信に対して著作権侵害の怖れがある場合は、自己責任において、ツイッターを削除するか、あるいは、アカウントを削除すればいい。
しかし、たとえ、訴訟対象となりえても、それに対する対抗措置としては、サービスの停止措置を要求するにしても、タイムラインでツイッターが絶えず流れている以上、その停止は難しいものとされている。
また、ツイッターのもつ有力な機能として、「返信」「リツイート』という機能があるが、ここで、すでに不法な「さえずり」が、リンク交換で、転々すると、著作権の侵害がつづけられるということになりうる。
この場合、オリジナルなツイッター者が、その不法侵害性を訴えてみたところで、実質的には、その訴えは、不可能ということになってしまう。
特定のツイッターを収集し、他の媒体に纏め上げた場合
特定のツイッターを収集し、一定のボリュームに他の媒体に纏め上げた場合には、そこに、著作権が発生する、という見方がある。
たとえば、David Pogueが書いた「The World According to Twitter 」は、多くのTwitter例を集めたものだが、これなどは、著作権法の対象になるとする意見がある。
最近日本でも、一部商業新聞(3月16日夕刊フジ)が、特定政治家のツイッター集を無断で紙媒体である新聞に掲載したが、このような場合には、当然、著作権を主張されるであろう。
いわゆる有名人のツイッター集なるものが他の媒体で編集された場合には、差し止め請求はできるのかもしれない。
その他の問題
ツイッター上において、不法ダウンロード・サイトのリンク交換がおこなわれる危険性もありうる。
著作権以外のツイッター上における法的侵害問題については、名誉毀損問題や商標侵害問題などがある。
今後の展望
ツイッターのコピーがcopyrightableであるかuncopyrightableであるかどうか、という問題については、今後、個々の訴訟において示される司法見解に待つしかない。
その意味では、Kyle-Beth Hilfer が『Tweet Tweet The Rockin’ Copyright Debate』で述べているように、事実集約的プロセス(fact-intensive process)において、ツイッターのコピーがcopyrightableであるかuncopyrightableであるかが決定されていくと見られる。
したがって、それらの司法見解が一定の定着を見るまでは、あらゆる可能性を予測した対応が望まれるというしかない。
参考
「Copyright and Twitter」
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2010/02/01 Monday
2010/02/01
注目の今年のダボス会議も、終幕したが、今年は、中国の意気軒昂ぶりと、金融規制に対する賢人の無策ぶりのみが、際立つ会議ではあった。
その辺の事情を、ニューヨークタイムズ記事『Leaders in Davos Admit Drop in Trust』では次のように伝えている。
以下は、この記事の翻訳である
今年のダボス会議で、持ち帰られる成果があったとすれば、それは、政府や企業、とりわけ銀行業に対する信頼は、アルプスのリゾート地の氷結した街路で、確かな足元を確保するのと同じように、心もとないものとなっている、ということだ。
金融制度が、一年前のダボス会議で多くのスピーカーが垣間見たような深淵からは引き戻されえたということについては、全体的に安堵が広がっていた。
イギリスの銀行であるHSBCのStephen K. Green氏が、「信用においては、巨大な崩壊があったにせよ、われわれが一年前にいたところよりも、いい場所にいる。」という言い方をしたように。
世界経済協議会における四日間にわたる非公式会合において、銀行家、中央銀行そして政治家は、マーケットや銀行を規制するためのベストの前進策についての合意には、なんら至らなかった。
多くの銀行家のように、グリーン氏は、『大西洋の両サイドにおける政治的イニシアティブ』の必要性を認めはしたが、政治家に、その領域を譲ろうとはしなかった。
『これは非常に重要なことであり、我々は、赤ん坊をあったかい風呂水から投げ出すことはしない。』と彼は言った。
金融サービス産業のメンバーは、如何に彼らが、公的な評価をうしなかったかということに気づき、悲しげに見えた。
民間株式会社が、 オバマ政権の銀行規制案を支持するかどうかについての論評において、企業買収グループCarlyle Groupの最高経営責任者であるDavid M. Rubenstein氏は、次のような軽口をたたいた。
「我々のポジションは、決まっていない。なぜなら、 もし、我々が賛成を表明すれば、このオバマ提案はとおらないであろう事を、我々は、 恐れているからだ。」
おそらく、巨満の投資家やGeorge Sorosは、もっとも簡潔に、その両価性を足し算している。
彼は言う。
「あなたは、銀行規制を最小限にとどめたいとおもっているのだろう。 なぜなら、規制は、マーケットにゆだねるよりも、悪いものとなるからだ。しかし、あなたは、その規制なしで済ますことはできない。」
だから、これまで、新しい国際通貨制度やドルに替わる新しい準備通貨の創設をするよう促してきたフランスのNicolas Sarkozy大統領から、この雪いっぱいの会合の依然中心となっている、怒れる労働組合の代表や、スーツを着込んだ白人のビジネスマンにいたるまで、ひとつの確実性は、次なる不確実性へとつながっているようにも見えるのだ。
多くの有力な参加者は、次のように言う。
「この三年間の間に経験した金融恐慌、救済、 解決策の模索は、前例のないものであった。」と。
このこと自体が、解決策の模索を困難にしているのだ。
すなわち、いつをもって、混乱から抜け出したとするのか、我々は、その時期をどう定義づけるのか?
そして、西においては、オバマ大統領に見るように、政治家に対して、広範囲にわたる痛みを和らげるようにとのプレッシャーが増している。
最近のオバマ大統領のウォール街への攻撃は、実体経済と雇用に焦点をあわせた一般教書とともに、このダボス会議での討論に対しても、一定の背景となるものを与えている。
オバマに同行して、このダボス会議に来た唯一の政府高官である、オバマ大統領の経済顧問であるLawrence H. Summers氏は、土曜日に開かれた満員の聴衆の前で、オバマ大統領が、なぜ、この金融機関規制問題を最優先にしているのかについて、今のアメリカにおいては、25歳から54歳にいたる人の五人に一人は、失業者であるということを特筆することで、その理由を示唆した。
アメリカ経済は、2009年の最後の第四半期において、力強く成長したものの、いつまでも続く失業は、彼が述べたように『統計上の回復と人的不況』の状態をうみだした。
経済の回復につれて、これまで7か8あったものが、1に低下すると予測するのは、理にかなったことではある、と、 彼は言う。
しかし、1960年代半ばには、その年代では、95パーセントの雇用を確保していたことをおもえば、今の事態は、それとはあまりにもかけ離れている。
これらと対照的に、同じ討論でも、中国人民銀行副総裁の朱民氏のプレゼンテーションは、楽観的なものであった。
「中国にとっては、この一年は、いい年であった。」
朱民氏は、統計数字をすらすらというまえに、 こうきりだした。
その統計数字は、エコノミストの心すらギョッとさせるものであった。
たとえば、 鉄鋼生産における二億トンの過剰生産能力は、2008年のEU加盟27カ国において作られる鉄鋼一億九千八百万トンにほぼ等しいものである。
今年の中国のダボス会議に向けた代表団は、この40年のダボス会議で最大のものであった。
この中国の代表団は、次期首相と予想されている中国副総理李克強氏によって、率いられたものだ。
彼らの風貌には、二年前のそれよりも、より、自信にあふれたように見え、それは、ダボス会議の参加者の多くが言うように、、世界の力の西から東、とくに中国への明らかなシフトの反映である。
この西から東への力のシフトの効果や、それが、東西の協力につながるのか、それとも対立につながるのか、は、西の政治家、とりわけアメリカの政治家の関心事である。
中国は、『信頼こそ、このダボス会議での答えである』とも言う。
「中国人とアメリカ人とヨーロッパの人々と、われわれ中国人との間には、相互理解が欠けている」と、中国の元政治家で北京のシンクタンクCIFF中国國際金融論壇の成思危氏は言う。
「これらの関係を安定的なものに保つ唯一の方法は、相互の信用を構築することである」と成思危氏は言う。
しかし、世界の力のバランスが中国と南アジアに傾くことで、ヨーロッパやアメリカや日本は、自らの経済力の低下や急速な失速を目の当たりにすることになる。
相互信頼の構築は、このような痛みが続くであろうとの恐れや、現世代の労働力世代が親の時代よりも繁栄しないことへの恐れがある限りは、これまで以上に難しいことであろう。
世界の多くは、この力の西から東へのシフトを気にかけているし、それをどう予測していいのかわからないでいる。
「世界を支配するスーパーパワーから多極世界への過渡期においては、多くの不確実性を見なければならないし、多くの偶発性も見なければならない。」と、ドイツ銀行会長のJosef Ackermann氏は言う。
ダボス会議におけるいくつかの討論から生じている困難性の一部は、グローバリゼーションや相互関連性の進展にもかかわらず、 解を 見出すことが、個々の国家や企業や銀行の肩に、大きくかかっているということだ。
世界経済の方向をコントロールする本体として、これまでのG7に取って代わって出現したG20へと相互団結することで、政治家やエコノミストは、アジア最初の会議となる今年11月に韓国ソウルで開かれるG20会議に先立って、6月までに、 政策提案を策定するものと思われる。
アメリカやヨーロッパにおける失業者たちとは程遠い存在であるこのグループが、これら失業者たちの痛みを和らげることができるかどうかは、わからない。
しかし、 Ackermann氏は、次のように言う。
「いち早く、 このシステムに自信を回復させる何かが起こらなければならないのだ、ということを、我々のすべては知っているのだ。」と。
By ALISON SMALE
Jack Ewing and Katrin Bennhold contributed reporting.
以上、 翻訳終わり
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2010/01/29 Friday
2010/01/29(Fri)
今日の鳩山さんの施政方針演説なんだが、生硬な表現が目立ちましたね。
意外に、鳩山さんは、レトリック下手なんですね。
安倍さんの『美しい日本』にも鼻白むものがありましたが、今日の『いのち』には、それ以上の『くささ』がありましたね。
『人間圏』なんて、英語の”Humanosphere”の直訳なんだろうし『いのち』ってのも、英語の”Biosphere”の直訳なんだろうし。
これをそのまま、もっとも大衆的・俗物的な国会の場にもってくるのには、所詮ムリがあるんですよね。。
妙な環境学者の入れ知恵があったのかしら?
そうか。鳩山さんのネタがわかってきたぞ。
国連開発計画(UNDP)による「人間開発指数(HDI)」やBritish Columbia 大学の「Human-Ecological Dysfunction」や京都大学の杉原薫さんたちのグローバルCOEプログラムの「生存基盤指数」の概念などの直訳的な演説への導入なんだな。
あっさりネタばれとは、なさけないですね。
おそらく、鳩山さんの今日の演説ネタは、京都大学グローバルCOEプログラムの「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」 に多くをよっているようですね。
ここにも、稲盛さんの影かな?
ひょっとして、松井孝治官房副長官か平田オリザさんが、環境理論にそぐわない余計な情緒的修文加工を施しすぎて、「ワケワカメ」になってしまったのかもしれないのだが。
参考
京都大学のGlobal COEプログラム
生存基盤指数のひとつの基礎、HDI
「生存基盤指数」では、
地球圏(Geosphere)・ 生命圏(Biosphere)を中心とした環境関連指標と、
人間圏(Humanosphere)を中心とした人間関連指標を統合することで、
両者のもつ問題点を乗り越えることを目指している。
実験
鳩山総理の施政方針演説の冒頭部分の『いのち』を『生存基盤』に変えてみました。
たった、これだけで、ぐーんと格調高く、また、切実さを伴った主張となり、かつ、わかりやすくなりますよ。
つまり、たった一つの言葉の変換によって、酒の甘口が辛口に変化するようなものとなるわけです。
やはり、ゴーストライターの入れ替えが必要のようですね。
【1・はじめに】
いのちを、守りたい。
(あらゆるいのちの)生存基盤を守りたいと、願うのです。
生まれくるいのち、そして、育ちゆくいのち(の生存基盤)を守りたい。
(まさに、沖縄の言葉「ぬちどう宝」こそ、政治の原点なのです。)
若い夫婦が、経済的な負担を不安に思い、子どもを持つことをあきらめてしまう、そんな社会を変えていきたい。未来を担う子どもたちが、自らの無限の可能性を自由に追求していける、そんな社会を築いていかなければなりません。
働く(ひとびとのベースとなる)生存基盤を守りたい。
雇用の確保は、緊急の課題です。しかし、それに加えて、職を失った方々や、さまざまな理由で求職活動を続けている方々が、人との接点を失わず、共同体の一員として活動していける社会をつくっていきたい。経済活動はもとより、文化、スポーツ、ボランティア活動などを通じて、すべての人が社会との接点を持っている、そんな居場所と出番のある、新しい共同体の在り方を考えていきたいと願います。
いつ、いかなる時も、人間を孤立させてはなりません。
一人暮らしのお年寄りが、誰にもみとられず孤独な死を迎える、そんな事件をなくしていかなければなりません。誰もが、地域で孤立することなく暮らしていける社会をつくっていかなければなりません。
世界の(あらゆるいのちの源泉となりうる)生存基盤を守りたい。
これから生まれくる子どもたちが成人になった時、核の脅威が歴史の教科書の中で過去の教訓と化している、そんな未来をつくりたいと願います。
世界中の子どもたちが、飢餓や感染症、紛争や地雷によって(彼らの安寧のための)生存基盤を奪われることのない社会をつくっていこうではありませんか。誰もが衛生的な水を飲むことができ、差別や偏見とは無縁に、人権が守られ基礎的な教育が受けられる、そんな暮らしを、国際社会の責任として、すべての子どもたちに保障していかなければなりません。
今回のハイチ地震のような被害の拡大を国際的な協力で最小限に食い止め、新たな感染症の大流行を可能な限り抑え込むため、(ライフラインとしての)生存基盤を守るネットワークを、アジア、そして世界全体に張り巡らせていきたいと思います。
地球の(環境がはぐくむ、あらゆる種のいのち、そして、)生存基盤を守りたい。
この宇宙が生成して137億年、地球が誕生して46億年。その長い時間軸から見れば、人類が生まれ、そして文明生活を送れるようになった、いわゆる「人間圏」ができたこの1万年は、ごく短い時間にすぎません。しかし、この「短時間」の中で、私たちは、地球の時間を驚くべき速度で早送りして、資源を浪費し、地球環境を大きく破壊し、生態系にかつてない激変を加えています。約3000万とも言われる地球上の生物種のうち、現在年間約4万の種が絶滅していると推測されています。現代の産業活動や生活スタイルは、豊かさをもたらす一方で、確実に、人類が現在のような文明生活を送ることができる「残り時間」を短くしていることに、私たち自身が気付かなければなりません。
私たちの英知を総動員し、地球というシステムと調和した「人間圏」はいかにあるべきか、具体策を講じていくことが必要です。少しでも地球の「残り時間」の減少を緩やかにするよう、社会を挙げて取り組むこと。それが、今を生きる私たちの未来への責任です。本年、わが国は生物多様性条約締約国会議の議長国を務めます。かけがえのない地球を子どもや孫たちの世代に引き継ぐために、国境を越えて力を合わせなければなりません。
私は、このような思いから、2010年度予算を「(いのち、そして、喫緊の)生存基盤を守る予算」と名付け、これを日本の新しい在り方への第一歩として、国会議員の皆さん、そして、すべての国民の皆さまに提示し、活発なご議論をいただきたいと願っています。
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2010/01/25 Monday
2010年1月25日
ロストーの発展五段階説(「伝統的社会」→「離陸のための準備段階」→「離陸」→「成熟化へのドライブ」→「大量消費時代」)は、いわば、右肩上がりの離陸論であった。
そして、このロストーの理論どおり、世界経済は、G5国(イギリス→アメリカ→フランス→ドイツ→日本)をリーダーに、次々と、ロストーの予言したテイク・オフを果たし、そして、持続型の水平飛行に入っている。
しかし、ロストーは、この水平飛行から、再び、着陸するシェーマまでは、見通せていなかった。
かねてから、ロストーの発展理論(Rostovian take-off model)に対しては、二つの指摘があり、そのひとつはlinear systemのもとで、発展をとらえており、non-linearityによる発展の失敗を捕らえていないということ、もうひとつは、大国にのみ当てはまりうる理論であると言うことのようである。
つまり、大衆消費社会の爛熟後の遷移(“transition”)までは、見通せていなかったということが言えそうだ。
しかし、見事テイクオフし、今日までどうやら持続的水平飛行を果たしてきた日本の『失われた20年』の惨状を見ていると、私にとっては、『ロストーの発展五段階説を超えた可逆的なシェーマやシナリオ』が必要なのではないかと、思いたくなるのだが。
つまり、その着陸先は、もともと、飛び立った離陸時の段階に再び着陸というのではなく、それとは、異次元での着陸先ということになりそうなのだが。
経済成長という価値観やGDP世界第二位という価値観などとトレードオフしうる新たな価値観とのコンバーター回路がそこに必要ということになる。
経済学には、開発理論はあっても、経済発展成熟後の持続可能理論についての予言は、環境関係の理論以外には、見当たらない。参考「エントロピー派経済理論の私的整理」「環境経済学の種類」
しかし、エントロピー理論だけでは、解決できないものがそこにあると思われるのは、私だけであろうか。
ひとつの着陸先としては、『経済は収縮するが、高質化する。』という着陸先であり、『人口は、社会的にも出生的にも、矮小化するなかで、パー・キャピタでの快適性は、保たれうる。」という着陸先であり、といった具合である。
また、グローバル化のスキームの後に、どのような差別化のスキームが確立しうるのか、ということにもなるのかもしれない。
さらに、経済成長をドライブする技術革新ではなく、他の価値観をドライブする技術革新の出現というシナリオも考えられる。
あるいは、地域経済なり地方都市を、生命系やクラスターになぞらえて、その内発的かつ持続的発展力を醸成するというような、ジェイコブスの考えに似た地域発展戦略といったものも、考えられるであろう。参考「ヨーロッパのアメニティ都市」
それらの、ポスト・ロストーの進路については、『THE GHOST OF ROSTOW』に、ちょっとだけ触れられているようなのだが、
この新しいパラダイムを見つけうれば、何も、衰弱国家は、責任逃れのための、たとえば、少子化対策といったごときの、その場しのぎの「ないものねだり」をする必要はないというわけなのだが。
つまりは、コンパクト・シティならぬコンパクト・ステート・ニッポンとなるための立国デザインの構築が必要というわけなのだろう。
果たして、どうなのだろう?
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2010/01/21 Thursday
2010年1月21日
今日も、ニューヨークタイムズでは、小沢問題にゆれる日本について書いている。
この記事「Japan Stalls as Leaders Are Jolted by Old Guard 」がそうで、ここでの「Old Guard」とは、検察のことである。
この中では、鳩山さんの『戦ってください』発言が取り上げられ、この発言をもって、『第二次世界大戦後の総理大臣の中で、検察官に対しての政治的なコントロールを行使するために、法的権力をもった唯一の首相である。」としている。
そのほか、検察に対する民主党内部の対決姿勢や、インサイダーについて寛容な日本の政治風土などについても、縷々、書かれている。
このように連日海外メディアによって報じられる日本の姿というものは、私どもにとって、決して心よいものではないのだが。
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2010/01/20 Wednesday
2010年01月20日
今日のニューヨークタイムズの記事「Probe Widens Into Japan Ruling Party Kingpin」(広がる日本の政権政党大物への捜査)では、小沢問題の今後の日本の政治・経済に及ぼす影響について書いている。
それにしても、この題名で使われている「Kingpin」だが、そもそもは、ボーリングの5番ピン(真ん中のピンで、1番ピンの後ろにあるピン、まさにいいえていますなぁ。)という意味のようで、これにヒットすれば、ストライクというような意味で、一般的には、中心人物とか大物という意味のようだが、その大物も、「the crime lord Kingpin」とか「drug kingpin」とか、裏の世界の大物という意味で使われる場合が多いようだ。
この記事では、次のように書いている。
日本の株式市場では、このスキャンダルが景気底入れのための補正予算や本予算の審議を遅らせることにつながるのではないか注視している。
また、もし、日本の民主党が、このスキャンダルの影響を追加補正予算で相殺することに手間取ると、日本政府は、日本の債券利回り上昇圧力に見舞われるであろう、としている。
さらに、このことによって、鳩山政権は、「社民党と国民新党という二つのしばしば意見の異なる小政党への依存度を少なくするために、次の参議院選挙に勝つ」との前提となる国民の民主党支持を損なっていくことになるとしている。
連立政党によらねばならぬという損失が、議会でのデッドロックを生み出し、また、日本の人口の老齢化による深い構造的問題に対処する努力を妨害することになる、としている。
そして、あるアナリストの言として「小沢氏は、検察と戦っているが、その他の民主党議員たちは、大衆からの認知と戦ってる。」としている。
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2010/01/09 Saturday
2010/01/09(Sat)
昨晩のアメリカのペイロール(雇用統計)は、12月の非農業部門就業者数が前月比8万5000人減少、減少幅は、市場予想の2万5000人減を大きく上回った。
これを受けて、ユーロ・ドルは、1.4263から1.4392に、また、ドル・円は93.43円から一気に92.27円台にまでなった。
結局、ドル・円は、一昨日の菅さんの口先介入前の円高水準に戻した格好となった。
菅さんの口先介入効果は、春の淡雪のごとく、わずか、30時間の効果しかなかったということになる。
所詮は市場にはかなわぬものと、菅さん、もってめいすべし。
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2010/01/08 Friday
2010/01/08(Fri)
今日のフィナンシャルタイムズの記事「Japan’s new finance minister in U-turn」なんか見ても、おおむね、好意的なとらえ方はされているようですね。
もっとも、この記事、日本人記者が書いたもんですけど。
問題は、日銀との協調だということが強調されている。
(The biggest challenge for Mr Kan, however, would be to work with the BoJ to tackle deflation, analysts said. )
白川日銀総裁が菅さんにあおられうるかどうか、このあたりがポイントになるのでしょうかね。
もっとも、日銀側は、成長への期待を高めるのは、政府の役割で、自分たちは、国民の期待が本格的になったら、いつでも、それに必要な流動性確保はいたしますよ、ってスタンスなのですよね。
すなわち、「デフレの主要因は、バブル崩壊後の国民の自信の喪失であり、これが需要不足を生み出しているのであり、日銀は、これについては、なすすべはないのだから、この自身回復がなせるのは、政府からの強いコミットメントしかないのだし、日銀は、もし、政府からの強いコミットメントがあれば、それに応じて、順々としたがっていくし、その結果、期待成長率が上昇していけば、日銀としては、そのような国民なり市場からの期待にいつでもこたえられるような、新型オペによるものも含めて、潤沢な通貨供給の供えはしておく。」というスタンスなのでしょう。
つまり「デフレスパイラルを防ぐために流動性を潤沢に供給し、金融市場や金融システムの安定をしっかり維持していく」までのことはいたしますが、それ以上のことは、日銀の出る幕ではありません、というスタンスなのでしょう。
だから、この名前のごとく、水のごとく、シラーっとした白川日銀総裁のスタンスに対して、今後、菅さんの”イラ菅”が、いつ極点となって昂じるのか?って言う構図になるんではないでしょうかね。
まあ、菅さんなら、タブーなしに、米国債(売却あるいは、日銀による米国債購入、政府短期証券(外国為替資金証券)と両建て関係にある埋蔵金的な米国債もふくめて−最も、こちらは、有力な国債利子収入の原資でもあり、利を生んでいく金の卵的なものなので、一概に民主党さんがいっているような静態的な意味での埋蔵金扱いは、できないのではないのでしょうかね?)にまで、言及するとも思われますが。
こりゃあ、究極の市場口先介入です罠。
それにしても、民主党政権になってから、直嶋発言、藤井発言、そして、今回の菅発言などなど、大臣の口先介入(verbal intervention)が多くなっているような気はしますね。
秋田の秋田弁(あつた弁)ナマハゲアニメ「んだがらしゃ」流にいうと、「大臣発言~~利用すぃて~~FX!取引すぃてる~~民主党関係者~~いねぇがゃ? ~~アヤスカっ!、アヤスカっ!、オメ、ほずぃねぇごど~~、するなでぃぁ~~」—といいたいのですが。
モラルハザード&インサイダー、皆さん大丈夫ですか?
もっとも、せっかくの昨日の大臣の口先介入も、今晩のアメリカ12月雇用統計にはかなわないのが、一抹の救いではありますが。
蛇足ですが、アメリカ雇用統計を利用したFX戦略をここでご紹介
米国の雇用統計(ペイロール)は、毎月第1金曜日のNY時間午前8時30分(日本では、米国が夏時間の場合は、21時30分、冬時間の場合は22時30分)に、米労働省から発表される。
この時刻にあわせて、EUR/USDをその直前で、ロングとショートと両建てにしておく。(両建て禁止のブローカーの場合は、別口座で、それぞれれたてとけばいい。ただし、この場合は、保証金余力にご注意。)
発表があって、
ロング(予測値よりも雇用統計の数値が悪いとみる。)の場合は、チャートがピーンと跳ね上がったところで、
ショート(予測値よりも雇用統計の数値が良いとみる。)の場合は、チャートが急激に下がったところで、
利確決済。
残ったほうは、市場が落ち着いてからクローズ。
こちらのほうが、下手な日本の大臣の口先介入よりも、実入りが多いと思いますよ。
民主党関係FX取引者さん—(wwww)
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2010/01/07 Thursday
2010/01/07(Thu)
菅直人さんの財務大臣ご就任によって、俄然、脚光を浴びだしてきたような小野善康さん、まあ、菅さんと同じ東工大ご出身というような世俗的な連想から生まれているものなのでしょうが。
小野善康さんについては、私のサイトでも
「本当に「言論不況」なのか。」
「小泉構造改革の視点の誤り−公的部門と私的部門とでは、やるべきことがちがうのに−」
やなんかで、何度か取り上げさせていただきました。
この後者で取り上げたのですが、小野善康さんが主張される「合成の誤謬」では、ミクロで正しいことでも、それと同じことを私的部門も公的部門も同じやり方で同時にやれば、それは、マクロでは、誤ったやり方になるというのが、ミソですね。
いわゆる、部分最適・全体最悪の構図です。
で、ここに、絡んでくるのが、山形浩生さんです。
このサイトやこのサイトでの山形vs小野のやり取りなんか、面白いですね。
山形浩生さんは、小野善康さんの言われる「良い公共投資を延ばすことの必要性」「需要創造型の良い公共投資」とは一体何なのかを、小野さんは指し示していない、と批判しています。
これに対して、小野さんは、構造改革と景気対策とは、全く別物であり、前者は、過去の損失の配分問題であり、後者は、カネからモノへの回帰問題だとしておられます。
で、その、カネからモノへの回帰を図るにはどうしたらいいのか、については、確かに、山形さんがおっしゃられるように、小野さんは、具体的な案を示しておられません。
私が察するに、それは、「需要サイドでのビッグ・プッシュ政策」なのではないかと、思っています。
では、「需要サイドでのビッグ・プッシュ政策」とは、なになのか?ということなのですが、残念ながら、まだ、答えはないようです。
子供手当てや農業者戸別所得補償などの直接支払い型の財政支出がそうであると主張される向きもあるでしょうが、少なくとも、それは、マッシプなという意味で、需要創造型の分散型ビッグ・プッシュではあるが、財政負担からいって、持続可能型のビッグプッシュではないとは言えそうです。
ひとつだけ、答えらしきものを言うとすれば、『デマンド・サイドでのビッグ・プッシュ』とは、『サプライ・サイドでの、おなじみのビッグ・ブッシュ』と異なって、「indivisibilities on the demand side」を喚起するものであるということです。
では、デマンドサイドにおける「indivisibilities」(不可分性)とは、何でしょう?
思い出すのは、過去の大量消費時代での大衆喚起による「indivisibilities 」の結果としての具現化ですが、これが、現代に再現できるはずはありません。
また、デフレの罠の存在は、せっかくのデマンド・サイドでのビッグ・プッシュを、音もなく無力化し、吸い取っていきます。
まさに、デマンド・サイドでのビッグ・プッシュの吸血鬼は、デフレの罠であるといえます。
『デマンド・サイドでのビッグ・プッシュ』が、阻害されなくいきわたるためには、やはり、日銀さんがいわれるような期待成長率の上昇にまたなけれはならないのでしょうか?
あるいは、範囲の経済学(Scale of Economies)を意図した今日的なビッグ・プッシュの手法、あるいは、範囲としての「indivisibilities」(不可分性)、を考えるべきなのでしょうか?
つまり、ネットワークによって一体化されたという意味での「indivisibilities」(不可分性)ということになるのでしょうか?
その場合の範囲の経済の効果発現を助長しうる外部経済とは、これまで(昔、ローゼンシュタイン・ロダンが均衡発展論批判において指し示したような)とは異なった社会インフラの具備なのでしょうか?
期待成長率に救いを求める構図は、小野善康さんの言のはしはしにも、見えかくれしています。
山形浩生さんは、ポール・クルーグマンのインフレターゲット論をいち早く日本に紹介したかたでもありますが、では、ご自身がリフレ論者であるかどうかについては、不透明な部分もあるようです。
一方の小野善康さんは、反インフレターゲット論者であると見受けられますが、そうかといって、完全な反リフレ論者であるともいえないようです。
一方、菅直人さんが最近言われている『第三の道』というのが、ちょっと、その内容が見えてこない(あれから一ヵ月半もたって、いまだに『深く考慮中』では困るんですが—)のですが、私なりに解釈すれば、サプライ・サイド経済政策とデマンド・サイド経済政策とのハイブリッドの道をさしているのかな?なんて、かってに考えています。
私自身として、最近出版されたアンソニー・ギデンズの『日本の新たな「第三の道」」なんてのが、いい線を指し示しているようにも見えます。
すなわち、市場至上主義を完全否定するのではなく、それに、福祉改革をハイブリッドに組み合わせた政策志向こそ、日本型社会主義国ニッポンの進むべき道なのかなあ?などと、考えています。
たとえば、非営利組織に対して外部経済の形成を促すようなビッグ・プッシュを与えることは、どうなのでしょう?
形の上では、デマンドサイドとサプライサイドとの中間へのビッグ・プッシュ(分水嶺へのインセンティブとビッグ・プッシュとでもいったほうがいいのでしょうか?)となりえます。
また、非営利組織が文字通りの非営利組織であると言う前提(このごろは、まがいものの非営利組織が多いのでなんともなのですが)ではありますが、投下されたインセンティブが、生産刺激的にも需要刺激的にも、不胎化されうるニュートラルなインセンティブとはなりえます。
これこそ、現代版バージョン『混合経済』の再来のスキームの到来ですね。
この場合は、トライアングル(公・私・非営利)の混合経済のスキームとなりえますが。
過去の混合経済のスキームが、1929年の大恐慌後に広まったスキームであるのと同じように、リーマンショック後の世界経済の混乱期に再び生まれつつある。ニューバージョンの混合経済のスキームへの模索の始まり、というわけです。
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