Sasayama’s Weblog


2007/07/09 Monday

円安からの転換ストーリーはあるのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:58:33

2007/07/09(Mon)
 
null現在の円安の原因は、日本の低金利、他の諸国の金利水準との金利格差にあり、この金利格差を狙って、日本の主婦を中心とする個人投資家が、FX投資によって、プロを上回る資金量を持って、オーストラリアドルやニュージーランドドルやドルなどの、日本との金利格差の大きい国の通貨を猛烈な勢いで買っていて、このことが、更なる円安に拍車をかけている、といった構造なのだろう。

つまり、以前は、ヘッジファンドなどの外人機関投資家が円キャリートレードをするということで、プロの世界の円キャリートレードであったのが、現在では、日本の個人投資家自らが、円を売ってドルを買うという行為をすることによって、総体としては、図らずもの巨額な円キャリートレードの役割を果たしている、といった構図なのだろう。

これらによる円安傾向に歯止めをかけうるのは、まさに日銀の利上げなのだが、7月11−12日に予定されている日銀会合で、福井総裁が8月の利上げに向けて、どのようなコメントをするか、より利上げに向けてのタカ派的コメントをするのか、が、世界に向けての大きな発信のポイントとなるのだろう。

すでに、欧州中央銀行は、秋にかけての再利上げを示唆しており、アメリカのFOMCも、これまでのインフレ警戒をさらに強める動きであり、このままでは、日本との金利格差は、さらに拡大する見通しである。

問題は、利上げ転換がなされた場合、日本の主婦を中心とする個人投資家が、その利上げに伴い反応した機関投資家の急激な円キャリートレードのワンワインドに耐えられるかどうかなのだが、その辺が、ちょっと心配である。

つまり、日本の個人投資家のほとんどは、ロンガー、すなわち、上げ相場にそなえて金融商品を買い持ち(この場合は、オーストラリアドルやニュージーランドドルやドルで、プラススワップの状態にある。)する人々がほとんどで、ショーター、すなわち、下げ相場に備えて、ヘッジをかけて、売り持ち(この場合は、マイナススワップの状態にある。)している人は少ないというのが心配の元なのであり、これらの日本の個人投資家たちが、急激な通貨変動があった場合の事態に耐えられるかどうか、についての懸念である。

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2007/04/03 Tuesday

「米韓FTAは、苦痛以上の喜びを与えてくれるであろう。」との韓国側の論説

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:20:29

 
null
韓国のアメリカ牛肉輸入再開問題をめぐっては、今回の明らかになった「米韓FTA」と、アメリカ牛肉輸入再開問題と、どちらを優先させるべきかとの確執(韓国政府内の財経部と農林部との衝突)が、韓国政府内部でも、かねてからあった。

しかし、こうして、その全容が明らかになると、アメリカ牛肉輸入再開問題などというものは、いかにも、小さな問題であり、逆に、日本にとっての、今回の「米韓FTA」実現が、いかに大きなショックであるかが、わかるのだが。

この論説「The Korea-U.S. FTA Will Bring More Gain Than Pain 」
は、韓国側から見たその意義付けを、よく語っている。

このサイトでは、まず、もちろん、今回の米韓FTAの実現が、韓国農業やサービス産業に与える打撃は大きいであろうが、韓国経済は失う以上のものを得るであろうとしている。

その例として、この論説では、カナダとメキシコの例を挙げ、北米自由貿易協定の締結が、擬似植民地の発生をもたらすことはなかったとしている。

また、この協定によって、カナダ、メキシコに、敗者や貧者を生むことはなかったとしている。

むしろ、敗者は、これらのドラスティックな連帯を生むことができない国々にもたらされているという。

韓国内部の準備ができていないという批判もあるが、韓国は、土壇場にならなければ改革の進まない国なのだから、外部からのこのようなショックが必要なのだという。

そして、WTO交渉が行き詰っている今の時点での米韓FTAの実現だからこそ、いっそう意味があるのだという。

以上が、この論説の概略だが、翻って、日本にとってみての、頭越しの、この米韓FTAの実現は、かなりのショックである。

それは、今後のWTO交渉の行き詰まりが予測されればされるほど、日本にとっての選択肢は、限られたものとなる。

ブッシュ大統領のファスト・トラック権限は、今年の6月末で終わる。

その時点で、ブッシュ大統領は経済外交面では、実質、レイムダックとなる。

その意味で、今回の米韓FTAの実現は、ブッシュ大統領が放った最後の矢なのかも知れない。

今回の米韓FTAについて、東亜日報
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2007040343028
に次のような社説が載っている。

「盧大統領のFTAリーダーシップは隣国の日本とも対比される。米国の官民はずっと昔から日本に「日米同盟の深化のためにも両国間のFTAが必要だ」と助言してきたが、日本の政治指導者たちは勇気が出せなかった。日本も農村問題がかかっているためだ。盧大統領のように農民に向かって、「いまや農業も市場論理に支配されるほかない」と話せる指導者がいなかったのだ。日本では今になって、韓米FTAが日本経済に不利に働く可能性を懸念する声が出始めている。」

なるほど、日本にとっては、耳の痛い話ではあるが、もっとも、これからのノムヒョン大統領は、韓国国会での批准問題という内なる敵に向かって、駒を進めることになる。

この難関を克服できるかどうか、米韓大統領のレイムダック競争にならなければ、と念じている。

http://english.chosun.com/w21data/html/news/200704/200704030008.html


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2007/03/05 Monday

いよいよ高まる円キャリートレード巻き戻しの恐怖

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 13:59:27

2007/03/05(Mon)
 
null円キャリートレード巻き戻し(unwinding)の懸念が、今日になって、ますます、世界に広まっている。

今日の円は、対ドルで115.47円、対ユーロで152.24円と、異常な円高を見せている。

その背景に、これまで、低利な円を借りて世界市場の運用にまわしてきた、ヘッジファンドなどが、ニューヨーク株式市場暴落の後、急速に、これまでの円キャリートレードの巻き戻し(unwinding)に入っているからだ。

この点をちょっと詳しくいうと、こういうことなのだろう。

すなわち、円も金利も安いときに、円ベースで借り入れて、これを円売りドル買いで、ドルに換えて、運用資金をドルロングポジション、円ショートポジションにして、円を売り持ちにしておく。

その後の円相場にもよるが、調達時の低金利と、円をドルに買えるときの為替差益と、円が安くなることで、ドルロングポジション、円ショートポジション自体も、利益を生み出すという、一挙三得が得られる。

しかし、いったん、日本の金利が上がり始めると、その金利が中期的に上がる前に、円ベースの借り入れを返そうとする動きが強くなる。

円ベースの借り入れ返済金を確保するために、ドル売り円買いが急激に増える結果、円があがる。

円が上がることによって、今度は、ドルロングポジション、円ショートポジションに損が出始めるので、急速にポジション解消にはいるうごきがでてくる。

ポジション解消によって、更なる円高に見舞われ、円キャリートレードの巻き戻しによる動きがいっそう強くなってくる。

このサイト「The Carry-Trade Gravy Train」によれば、2006年10月下旬において、円をショートポジションに売り持ちしていた契約数が、137,300あり、その契約金額が140億ドルあったという。

このときのドル円相場は、120円近くにまで円安が進んでいた。

ところが、2006年11月に入って、これらの円ショートポジションの解消が始まり、2006年12月には、円をショートポジションに売り持ちしていた契約数は、23,500に急減し、また、契約金額も、25億ドルに激減していたという。

このころのドル円相場がと゜うであったかというと、急激に円高が進み、11月には、117−116円、12月には、115円を割る円高が進んでいた。

これは、この間において、ショートポジションの買戻しが入り、円キャリートレードの巻き戻しが発生したと見ている。

こうして、円相場が上がってくればくるほど、円キャリートレードの解消の動きそれ自体が加速してくる。

ということなのだろう。

今回の急激な動きの背景には、今回の株暴落によるヘッジファンドの巨額な損失というものも、背景にあるようだ。

いったい、世界で、どのくらいの金額の円キャリートレードによる借り入れがこれまであったのか、日本の財務省も把握できていない、不気味さである。

このサイト『 Yen carry trade fears grow 』では、アジア経済に再び、金融危機を招きかねない状態と、憂いている。

ドイツ銀行のエコノミストMichael Spencer氏は、『この円キャリートレードの総額がどのくらいか、検討もつかない。』といっている。

また、Michael Spencer氏は、「昨年9月時点でのBISの統計では、オフショアへの円の借り入れが、1530億ドルとしているが、実際にポジションを構築しているのは、これの数倍とみなければならない。』としている。

となると、この金額分の投資額が、市場から、退場し、円キャリートレード借り入れの返済に充てられるとしたら、世界規模での株式市場の収縮が起きるはずである。

しかし、このサイト「Yen strength raises fears over carry trade」において、ミスター円こと、榊原英資氏は、「今週の動きは、円キャリートレードの終わりを示すものではなく、今年いっぱいは、円は、115−120円のレンジの中で推移するだろう。」としている。

その理由として、日米の金利格差の継続を挙げ、「市場では、今年の5月に、日銀は、第三次の利上げをするのではないかとの観測が流れているが、現在の日本と世界との金利格差は、あまりにも大きいので、円キャリートレードの流れを変えるまでには、いたらないのではないか。』との超楽観的観測を示している。

しかし、この榊原氏の見解は、単なる日米の金利格差のみに目がいった楽観論であり、円キャリートレード巻き戻しのもうひとつの側面であるヘッジファンドによる「これまで、レバレッジを利かせてポジションを組んでいたドルロングポジション、円ショートポジション解消による更なる円高の加速」という側面を完全に無視した、お人よしの見解のように、私には、思える。

Michael Spencer氏によれば、この円キャリートレードの巻き戻しで、もっとも影響を受けるのが、インド、マレーシア、インドネシアであるという。

さらに、フィリピンと、インドネシアは、外貨準備高が少ないため、円キャリアトレードの巻き戻しで、大きな影響を受けるという。

この混乱のいったんは、日本政府にも日銀にもあるだろう。

つまり、日米の金利格差を長いこと放置しておいて、円キャリートレード借り入れの増えるがままにしてきた付けが、ここにきて、世界恐慌の前夜にも似た状況を引き起こしているのである。

さらには、運用の行き場を失った日本の投資家が、外資運用先に投資した額は、760億ドルともいわれている。

これ自体が、現在、ドルベースのまま、急速な減価をも見ているのである。

円キャリートレードについては、私が大分以前に書いた『『円は、来年も、キャリー・トレードの中心となる。』とのアナリスト達の見方』をご参照

参考
現在のドル円相場の状況
現在のユーロ円相場の状況とドルユーロ相場の状況


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2006/12/13 Wednesday

FOMC声明で、ドル売り加速

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:01:42

2006/12/13(Wed)
 
null昨日のFOMC声明は、予想通り、利率据え置きではあったが、従来のコメントに、とくに「経済成長の減速化は、部分的には、住宅市場の相当な(substantial)冷え込みを反映してのものである。」との一項が付け加えられたことによって、これが、来年の利下げを示唆したものと、受け取られ、ドルが売られた。

このように、近時のドル安は、日米金利格差縮小への思惑を要因としたもので、それが、日銀が、第二次利上げに踏み切っての日米金利格差縮小なのか、FEDが、利下げに踏み切っての日米金利格差縮小なのか、いずれの要因も、ドル売りにつながるという市場環境になってきているようだ。

昨日のFOMCの声明文は、下記の概訳の通り。

なお、今回も、Jeffrey M. Lacker氏は、0.25%の利上げを主張し、反対投票をした。

「連邦公開市場委員会は、本日、フェデラルファンドの利率を5.25%の据え置きとすることを決定した。

経済成長は、年間を通じて、減速化してきており、これは、部分的には、住宅市場の相当な(substantial)冷却化を反映してのものである。

昨今の各種指標は、いろいろな傾向を示しているが、つまるところは、経済は、来るべき四半期に向かって、穏やかなペースで、拡大しているように見受けられる。

コアインフレの数値についてみれば、上昇しており、資源利用の高度化もあるところから、依然、インフレ圧力は、あるものと見られる。

しかし、インフレ圧力は、時を経るにつれ、緩和の基調にあり、これは、エネルギー価格(高騰)からの(インフレ圧力)推進力が減少していること、インフレ期待の抑制、通貨政策措置や他の総需要抑制要因の累積的効果発現によるものと見られる。

それにもかかわらず、連邦公開市場委員会としては、一定のインフレリスクが残っていると判断した。

これらのリスクに対応した追加的措置の程度とタイミングについては、今後入ってくる情報の意味するインフレと経済成長の見通しの進展に従う。」

2006/12/14追記 FOMC声明後の為替相場は、ユーロ高に推移

ドル・円 116円65銭、ユーロ・円上昇に連れ高。

ユーロ・円 155円02銭から155円50銭。ユーロ導入後高値更新。

ユーロ・ドル 1.3266ドルから1.3289ドル。小動き。

ユーロ高の理由は、昨日のFOMCの声明では、日米の金利格差が、どの程度になるかの方向感がわからず、結果、金利差がわかっている日本とユーロとの金利格差に注目して、金利の安い円が売られ、ユーロが買われた、ということが理由らしい。

ユーロ・ドル間は、ほぼ一定なので、結果、ドル・円も、ユーロ高にひきづられた形で、ドル高となったという構図のようである。

欧州中央銀行(ECB)の利上げと、日本銀行の利上げとどちらが早いのか、これへの思惑もあるのかもしれない。

このサイト「Flush Times for Europe’s High-Yield Market」では、欧州中央銀行(ECB)は、年内に、現在の3.25%を、0.25%アップ、そして、さらに、2007年はじめに、0.25%アップの方向とのことである。

この日本ユーロ金利格差を維持するためには、日銀は、0.5%の第二次利上げをしなければならない勘定となるのだが。

相変わらずもたもたしている日銀だが、利上げは明日の短観次第で、ということだが、市場では、日本銀行の年内利上げは難しいとの見方が、急速に強まっている。

個人消費の低迷を気にする安倍さん、そして、さらには、安倍さんの支持率低迷が、日銀の第二次利上げ戦略までをも狂わせ兼ねない状況となっているようだ。

日銀は「企業部門の好調さが家計部門に波及する」として個人消費はいずれ持ち直すとの認識のようだが、ちょっと、この辺は、ずれているような。

日銀は、企業の短観ばかりでなく、消費者の懐具合の短観もやってくれよ。


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2006/12/08 Friday

「バーナンキは、声高にインフレの危険性を叫べども、市場は、耳をふさいで、聞かないふりをしている」との論評

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:41:24

2006/12/08(Fri)
 
nullこのサイト「The Fed that cried wolf」では、FEDのバーナンキ議長や他の関係者たちが、いくらインフレーションの到来の危険性を声高に話しても、市場は、まだ、来年初頭の利下げがあるのではないかと、聞こえていても、聞こえないふりをしているというのだ。

「誰もが、金利の緩和を、理知的にも、論理的にも、予測しうる状況にはない。」と、シカゴのハリス・プライベート銀行のJack Ablin,氏は、いう。

昨今、発表される各種経済指標は、いずれも、予想よりは、いい数字を出している。

FEDが景気指標よりも、インフレーションの警戒をしているのは、利上げをしようとしているのか、少なくとも、インフレーションの動向が定かになるまでは、金利の据え置きをしたいということなのだろう。

「市場の誰も、FEDのいうことなんか信じていない。彼らは、自分の仕事をしようとしているだけなのだ。彼らの使命は、インフレとの戦いなのだ。」と、ボストンにあるEvergreen Investments のアナリスト、John Lynch氏はいう。

しかし、依然として、市場関係者は、来年初頭にかけて、利下げがあるのではないかと、期待している向きが多い。

その理由として、経済の減速化に対応して、FEDは、利下げをするのではないかと期待しているがために、近時のダウ平均は、高騰をつづけており、債券市場も、近い将来の低金利に賭けているのだという。

「FEDの見通しが間違っているのか、債券市場の見通しが間違っているのか、まだ、わからない。しかし、アメリカ経済は、多くの人々が考えている以上に、力強い成長を、結果として遂げるのではないか。

しかし、そこでは、住宅市場の動向如何が、大きな鍵となる。

もし、住宅市場が、このまま低水準であるならば、来年の金利引き下げはあるとみている。」
と、Evergreen Investments のアナリスト、John Lynch氏はいう。

一方、「住宅市場に影響を与えるモーゲージ金利は、長期金利の影響を受ける。

来年、住宅市場は、インフレ圧力をかけることに、転じてくるのではないのか。」
と、クリーブランドの Allegiant Asset Management Co.のBrian Stine氏は、いう。

「インフレを回避するために、金利をどうしょうかと、FEDが悩む必要は、ないのであって、FEDは、ひたすら、近い将来において、安定を心がけていればいい話であって、例え、来年、予想以上の経済成長になったところで、金利を引き上げる必要はないのだ。

FEDは、健全な経済成長のために、タッチ・アンド。ゴーの姿勢で、金利をコントロールしていけばいいのだ。」

ともBrian Stine氏は、いう。

しかし、それでも、市場の一部に「FEDが来年利下げするだろう。」との観測が正しいことを伺わせる要因も、あるという。

それは、コアインフレの動向であるという。

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2006/12/07 Thursday

今年の年次改革要望書に、郵貯問題は、どう書かれていたのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:54:40

2006/12/07(Thu)
 
null12月5日に発表された年次改革要望書には、日本の郵貯問題について、どう書かれていたのか、ざっとみてみると。

何しろ、大部なので、はしょり気味にはなるがお許しを。

郵貯問題は、おおむね次の箇所で扱われている。

1.8ページの「PRIVATIZATION」「 RECOMMENDATION HIGHLIGHTS Level Playing Field - Savings and Insurance:」

2.30ページからの「COMPETITION POLICY
I. Improving Antimonopoly Compliance and Deterrence」において、31ページの「G.」

3.39ページから始まる「Annex - 31」の「III. Policyholder Protection Corporation (PPC).」

4.41ページから44ページにかけて、「Annex - 33」の「PRIVATIZATION」の「II. Japan Post」

以上の4カ所において述べられている。

まず、1.においては、
「日本の郵貯改革については、アメリカとしても、大きな関心を抱いていた。」
として、
「これらの改革が、マーケットオリエンテッド(市場志向)な形で進められれば、日本の経済にとって、潜在的な力になるであろう。」
とし、
「これらの進められ方については、透明性が求められ、かつ、他の競争相手の銀行業務の民間部門と、最高レベルのプレイイングフィールド(競争の場)になることが不可欠であると思っている。」
としている。
そのためには、
「郵貯は、民間の競争相手と、同じ税制、法的規制、監査水準のもとに、おかれるべきである。」
としている。

2.においては、民営化後の郵貯が
「競争阻害行為をしないようにすることが必要である。」
としている。

3.においては、
「もし、日本が、郵貯ファンドを元にしての、アメリカのPolicyholder Protection Corporation (PPC)のシステムに習いたいのであれば、歓迎をするし、そのためには、法制度の備えが必要だ。」
としている。

4.においては、
「郵貯改革後に必要なのは、他の金融業務との対等な競争関係を生み出しうる諸制度の改正と用意である。」
とし、そのためには、
「政府保証の伴うものはなくし、民間企業と同一の税制、諸規制などの下での、競争がされることが必要である。」
とし、それには、
「新郵貯は、アームス・レングス・ルール(arm’s length rule)(情実融資など、通常と異なる条件で取引することを禁止したルール)を基礎にしたものでなければならない。」
とし、そのためには、
「内部でのリスク移転を避けたものでなければならない。」
とし、そこに、
「金融システムの安定のために、金融庁の果たすべき役割が、大きくなる。」
としている。
また、
「郵貯の果たすべき、ロジスティクス(物流)の役割について、アメリカは、重大な関心を持っており、これらの業務についても、前期と同様、民間競合企業と、同一の税制、諸規制などのイコールの条件での競争環境が整備される必要がある。」
としている。

参考「Annual Reform Recommendations from the Government of the United States to the Government of Japan under the U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative December 5, 2006

以下は、該当箇所抜き書き_____________________________________________

8ページ

PRIVATIZATION
The United States continues to take great interest in Japan’s effort to privatize and reform Japan Post. The
United States recognizes the potential benefits for Japan’s economy if these steps are taken in a fully marketoriented
manner. The United States also views it essential that these reforms are undertaken transparently and
bring about a level playing field between Japan Post and private sector competitors in Japan’s banking,
insurance, and express delivery markets. The United States continues to urge Japan to take necessary steps to
ensure equivalent conditions of competition are achieved in these markets.

RECOMMENDATION HIGHLIGHTS
Level Playing Field - Savings and Insurance:
Ensure Japan Post is required to meet tax, legal,
and regulatory obligations and is subject to the
same supervisory standards as private firms;
ensure Japan Post does not actively leverage its
Government ties to secure new advantages.
Competitive Conditions and New Products:
Create a level playing field in Japan’s banking and
insurance sectors before postal financial
institutions are permitted to introduce new lending
services, underwrite new or altered insurance
products, and originate non-principal-guaranteed
investment products.
Level Playing Field - Express Delivery: Apply
equivalent customs clearance procedures for
mail/packages handled by Japan Post as applied to
private express carriers; adequately disclose
relationships to ensure cross-subsidization does not
occur between competitive and non-competitive
services.
Transparency: Ensure strong transparency in the
implementation of Japan Post reforms, including
providing interested parties meaningful
opportunities for input and exchanges of views as
the process proceeds.
_____________________________________________

30ページ

COMPETITION POLICY
I. Improving Antimonopoly Compliance and Deterrence
_____________________________________________

31ページ
G.
Promote Competition in Sectors Undergoing Privatization. Ensure, through
appropriate JFTC studies and other steps, that privatization and reform of Japan
Post is undertaken in a manner that promotes effective competition in the relevant
markets. Carefully monitor the practices of newly privatized entities, including
new Japan Post entities, to ensure they do not engage in anticompetitive behavior.

_____________________________________________

39ページ
Annex - 31

III. Policyholder Protection Corporation (PPC). As Japan begins preparations to review
the Life and Non-Life Policyholder Protection Corporations, the United States

recommends Japan adopt measures, including a shift to a post-funded system, to help
ensure that a more efficient, sustainable safety net system is created before the current
system expires. The United States welcomes confirmation from Japan that the Financial
Services Agency and relevant advisory groups will provide meaningful opportunities for
input as the review process moves forward. The United States urges that the preparation
of related draft legislation and other measures is undertaken in a transparent manner.
_____________________________________________
41ページから44ページにかけて
Annex - 33

PRIVATIZATION

II. Japan Post. The United States welcomes a market-oriented reform of Japan Post. If
implemented vigorously, the United States recognizes the potential benefits for the
Japanese economy of these reforms by stimulating competition and leading to a more
productive use of resources. The implementation of a fully market-oriented reform is
also necessary to eliminate long-standing advantages that Japan Post has been accorded
over U.S., Japanese, and other private companies and to ensure that new advantages are
not created. As the implementation of these reforms progresses, it is important that all
necessary measures are taken to fully realize the legislation’s principle of establishing
equivalent conditions of competition between Japan Post and the private sector.
A. Level Playing Field for Postal Savings and Insurance and Financial System
Stability. The United States welcomes confirmation by Japan that the Postal
Savings Bank and Postal Insurance Corporation, from the outset of the
privatization process in October 2007, will no longer be allowed to offer products
that carry government guarantees and will be required to meet the same tax, legal,
and regulatory obligations and, along with the Post Office Corporation, be subject
to the same supervision and disclosure standards as private sector companies.
The United States also welcomes confirmation that relationships among the new
postal companies must be on an arms-length basis and that no schemes exist that
allow for cross-subsidization (and thus also transfer of risks) between and among
the new entities created under related laws. The Financial Services Agency
(FSA) will play a critical role in assuring they develop and exercise effective risk
management so as not to jeopardize financial system stability. In addition to fully
implementing the above-mentioned measures, the United States urges Japan to
also take the following steps to help meet the Japan Post Privatization Law’s aim
to achieve equal conditions of competition between Japan Post and private firms:
1. Product Distribution and Sales Channels. Ensure private firms are given
equal and transparent access to compete for distribution of financial
products through the Post Office network and, consistent with the armslength
rule, ensure that the Post Office Corporation’s relationships with
the Postal Savings Bank and Postal Insurance Corporation are undertaken
on a truly market basis.
2. Deposit and Reinsurance Relationships. With respect to deposit and
reinsurance contracts between the Incorporated Administrative Agency
Management Organization for Postal Savings and Postal Life Insurance
(Public Successor Corporation) and the Postal Savings Bank and the
Postal Insurance Corporation, respectively, take all necessary measures to:
a. Ensure full and complete separation of pre-existing accounts and
contracts (those held prior to October 2007) from accounts and
contracts concluded beginning October 2007 so as to ensure a full
separation of risk and that the Deposit Insurance Corporation and
insurance Policyholder Protection Corporations will not be liable
for pre-existing accounts and contracts;
b. Ensure deposit and reinsurance contracts are on a fully arms-length
basis and, as such, will not allow for cross-subsidization of the new
postal financial institutions through such arrangements; and
c. Ensure the Public Successor Corporation’s financial condition,
including surpluses and/or deficits, and reinsurance transactions
are publicly disclosed and accounted for in a manner that meets
generally accepted corporate accounting rules/standards in Japan.
3. Implicit Government Guarantee. Until such time that the Government of
Japan is fully divested from its shares of the postal financial institutions,
take meaningful steps to ensure consumers and the marketplace are aware
that products issued from October 2007 will not be backed by the
Government. In addition, carefully monitor actual sales practices and
enforce related laws to ensure accounts and contracts from October 2007
are not misrepresented as having a Government guarantee, as well as to
ensure the postal financial institutions do not leverage their relationship
with the Government to provide them an advantage over their competitors
in the marketplace.
4. Antimonopoly Act Enforcement. Ensure through appropriate Japan Fair
Trade Commission studies and other steps that the privatization and
reform of Japan Post is undertaken in a manner that promotes effective
competition in the relevant markets. In addition, carefully monitor the
practices of Japan Post entities to ensure they do not engage in
anticompetitive behavior.
5. Regional Social Contribution Fund. Ensure the Fund is administered
transparently (including sufficient and periodic public disclosure of the
cost allocation methodology, cost and revenue data used to make such
calculations, and the distributions of funds) and include measures such as
internal controls and transparent, precise disbursement criteria to prevent
benefits from unfairly accruing to the postal financial service suppliers but
not to other domestic and foreign service suppliers.
6. Asset Valuation. Ensure that, prior to October 2007, independent auditors
undertake a full valuation of the assets, liabilities, and reserves of the
Incorporated Administrative Agency Management Organization for Postal
Savings and Postal Life Insurance (Public Successor Corporation), and
that this valuation is fully disclosed to the public.
B. Conditions of Competition and the Introduction of Products. The United States
urges Japan to ensure a level playing field is actually created between the postal
financial institutions (both existing institutions and, from October 2007, the new
institutions) and private financial institutions before the postal financial
institutions are permitted to introduce new lending services, new or altered
insurance products underwritten by the postal insurance business, and the
origination of non-principal-guaranteed investment products by the postal savings
business. Relevant measures should include those that ensure the postal financial
institutions, in practice, meet the same licensing and supervisory requirements as
private sector financial institutions, including requisite risk management and
internal controls requirements and full FSA supervision. Achieving a level
playing field also includes requiring the postal entities to meet the same
obligations and standards that other companies must meet when introducing new
products or riders. Moreover, prior to engaging in any new product sales or
transactions, sales agents and representatives of the Post Office Corporation,
Postal Savings Bank, and Postal Insurance Corporation would have to fully meet
the same requirements and standards that licensed private sector providers must
meet to engage in such sales and transactions. Such requirements should include
the development of systems and management skills to effectively evaluate and
manage the risks associated with those products.

C. Level Playing Field for Express Carrier Services. The United States welcomes
confirmation by Japan that the logistics and postal services operations of the
Postal Services Company will be subject to the same taxes as private companies
and, furthermore, will be subject to the same aviation safety and security
regulations. The United States also welcomes confirmation that the Minister of
Land, Infrastructure and Transport will supervise Japan Post’s international
physical distribution services under transportation laws and, with respect to postal
services, supervise related operations according to freight transportation laws and
ordinances. In order to fully achieve a level playing field in the express carrier
services sector, the United States recommends the above measures are fully
implemented and that the following additional steps are taken:
1. Ensure that supervision by the Ministry of Land, Infrastructure and
Transport of Japan Post operations is undertaken according to the same
standards as those applied to private companies.
2. Apply customs clearance procedures for mail and packages handled by
Japan Post equivalent to those applied to private express carriers for
similar actions. Specifically, the United States urges Japan to ensure that
mail delivered under EMS follows the “duty declaration” system and not
the “duty assessment” system that Japanese regulations currently apply to
EMS mail.
3. Require Japan Post to pay equal costs for customs clearance for similar
actions, including NACCS charges and the costs for application document
preparation. Furthermore, Japan should ensure it applies all safety and
security laws and regulations to Japan Post letters in the same manner as
to documents carried by private express carriers.
4. Take all necessary measures to make public disclosures of the Postal
Service Company’s business and transactions sufficient to ensure crosssubsidization
among the Company’s businesses and with other Japan Post
entities does not occur, including requiring disclosures of separate
business areas to the same standards required of other private companies.
D. Transparency. The United States welcomes measures being taken to ensure the
preparatory process and implementation of the reforms of Japan Post progress in a
transparent manner. The United States recommends that steps continue to be
taken to make the preparation and implementation of these reforms fully
transparent and inclusive of the views of interested parties, including by:
1. Ensuring meaningful opportunities are provided to interested private
sector parties, including U.S. and other foreign companies, to actively
contribute to deliberations by committees or components of such
convened by the Government of Japan, including the Postal Services
Privatization Committee, on issues that may impact the private sector;
2. Providing meaningful and timely opportunities for private sector interested
parties to exchange views with relevant Government of Japan officials on
matters pertaining to Japan Post reforms that may affect the private sector;
3. Seeking public input through the use of Public Comment Procedures and
other methods with respect to implementing regulations, guidelines,
Cabinet and other orders, implementation plans, and other measures
established for matters pertaining to Japan Post, and also ensure that input
is fully considered and, where appropriate, incorporated into draft
measures before they are finalized; and
4. Ensuring that information relating to the planning and implementation of
Japan Post reforms, including the discussion materials and minutes of
related government-convened advisory groups, is made public in a timely
way by continued use of web postings, press conferences, and other tools.


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2006/12/06 Wednesday

罪作りな日銀の優柔不断さ-日本と、アメリカ・ユーロとの金利格差の不透明さ-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:41:22

2006/12/06(Wed)
 
null今月のFOMCは、来週12月12日だが、この前に、シカゴ連邦準備銀行総裁のMichael Moskow氏が、気になる発言を繰り返している。
参照「Fed officials become fixated on inflation

氏は、各種経済データでの経済の停滞振りとはべつに、インフレーションへの警戒のため、連邦準備金利を引き上げるべきであると、先週来、各方面で主張している。

氏によれば、連日のダウ平均の記録更新にもかかわらず、米国債価格は、上昇し、イールドは、このチャートのように、10ヶ月も、低位水準に甘んじているという。

このことが、投資家にとっては、アメリカ経済鈍化への懸念となり、FOMCに対して、来年の金融政策の緩和への期待を生んでいるという。

氏の言うに、第4四半期の経済成長の低下がはっきりしてきたので、投資家は、次なるFOMCの来年第1四半期での準備金利低下への期待をいよいよ、強めているという。

また、近時ドルは、円に対して、このチャートのように、著しい低落を示しているが、これについては、このサイト『Dollar Decline? What Dollar Decline?! It’s Arbitrage.』では、本来、通貨変動は、アービトレージ(Arbitrage、異なる時間・異なる地域における価格差による取引の優先度の違い)なもので、対象国ごとに、いろいろな要因で動くものであり、現在の状況と、アメリカの貿易赤字問題とはなんらの関係もない要因で動くものであるとしている。

そして、現在のドルとユーロとの関係は、このチャートのようであるが、円とユーロとの間は、このチャートのように、円安に振れているのは、ひとえに、日銀が、当分は金利引き下げができなくて、金利格差は、そのまま当分は、続くであろうとの予測からそうなっているのだという。

連邦準備金利と日本の金利格差は、日米双方に変動要因があるから、今後、広がるかも知れないし、広がらないかもしれない。

ECB-ヨーロッパ中央銀行-は、これ以上の金利引き上げはしない(もっとも、一部に3.5パーセントに利上げの観測もある。)であろうから、日本との金利格差は、日銀次第だが、当分一定との見方であろう。

となれば、不安定要因は、ユーロよりも、アメリカ側にあるという、アービトレイジな見方なのであろう。

しかし、その基準となるのは、日本の金利という見方である。

いわば、日銀総裁の不祥事で弱みをつかまれた日銀が、独自に身動きできない中で、円が、対主要通貨に対して、アービトレイジな動きをしている、という構図なのだろう。

追記 2006/12/06 激しい円・ドル・ユーロのアップダウン

今日の主要通貨の為替相場は、下記の通りとなった。

円対ドルは、
1ドル=114円79―82銭
一時は、114円53銭まで上昇

円対ユーロは、
1ユーロ=152円71―79銭近辺
円はユーロに対して続伸

ドル対ユーロは
安値1.3306ドル、高値1.3342ドル
ユーロは対ドルで小反落

ということで、日本の日経の記事「外為17時・円114円80銭前後に4日続伸」
は、ドル安の原因を、アメリカ経済の減速化観測が主因ととらえているのに対して、ロイターの記事「Yen gains as BOJ keeps up hawkish rhetoric」は、「日銀政策責任者のコメントが、公定歩合の上昇を期待する市場の期待に火をつけた。」としている。

この「日銀政策責任者のコメント」とは、西村清彦審議委員が、6日に、長野県松本市での記者会見で、経済情勢について日銀と市場の認識が「完全に一致しなくても、必要とあれば(利上げに)動けない訳ではない」との考えを示したことを指している。

この点では、明らかに、ロイターの市場観測のほうが当たっているようにも見えるのだが。

つまり、これまで、ドル高を支えてきた日米の金利格差が縮小するとの見通しで、ドルが売られて、円が買われているという事実だ。


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2006/11/17 Friday

ミルトン・フリードマンさん亡き後のレッセ・フェーレ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:02:04

2006/11/17(Fri)

nullレッセ・フェーレ(レッセ・フェール)の重鎮であるミルトン・フリードマンさんが、ご逝去されたという。

まあ、市場経済への父親という観点から見ると、ケインズは、金は出すが、口も出すガミガミ父親で、フリードマンは、金は出すかどうかは、わからないが、口は出さない自由放任父親ということなのだろうが、しかし、このレッセ・フェーレという言葉自体、そんなに、単純化ができるものでもなさそうで、この機会にもっと、この言葉なり概念を、今日的に考えなおさなければならないのかなぁ、とも、思う。

もともと、この言葉、wiki pediaによれば、フランス語の「 “laissez faire, laissez aller, laissez passer,” 」(英語では、”let make, let go, let pass”日本語では、”作らせよう、行かせよう、通過させよう”)という意味なんだそうで。
参考「Laissez-faire
Milton Friedman

もともとは、18世紀の重農主義者たちが、政府の取引制限に対して、使った語句なんだそうだ。

重商主義に対峙する言葉として、使われたとの記述もある。

それが、アダムスミスの『見えざる手』による市場の予定調和説につながるのだが、その後、大恐慌が起こり、この大恐慌の原因は、レッセ・フェーレとの指弾を受けて後、しばらく、レッセ・フェーレ論は、後退を余儀なくされる。

そして、その復活を提起したのが、このたびご逝去されたミルトン・フリードマンであった。

ミルトンフリードマンは、大恐慌がおきたときには、すでにフーバー大統領政権の規制に見られるごとく、政府の管理規制や高税賦課が始まっていて、その後の、ルーズベルト大統領のニューディール政策が、いっそう、経済への国家管理政策を推し進めたと、主張した。

その後フリードマンに加えて、シカゴ学派とされるハイエクが、この概念を、個人の経済的自由という領域にまで、拡大していった。

今日のレッセフェーレは、これまでに見たような、原初的な意味でのそれではなく、経済への一定の政府干渉を含んだものとして、とらえられている。

それは、自由市場が自由であるがためのセーフティーネットだったり、国際協約に元ずく、コンプライアンスの遵守だったり、寡占禁止のための独占禁止法の強化だったりしている。

つまり、レッセフェーレの概念は、日々、進化し、かつ、変質してきているのである。

小泉改革での市場万能主義は、やや、その点を見誤った、古い意味でのレッセフェーレに走りすぎた感じも見られる。

フリードマン亡き後、新時代にあったレッセフェーレの概念を切り開くのは、おそらく、政府・民間・NPO・市民の四極にとっての『モデラート にコントロールされたレッセフェーレ』ということになるのだろうか?

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2006/11/14 Tuesday

親自由貿易主義(Pro-Free Trade)からの曲がり角

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:57:05

2006/11/14(Tue)
 
nullアメリカの中間選挙での民主党の躍進は、これまでの親自由貿易主義(Pro-Free Trade)から、反自由貿易主義への曲がり角をも、招きかねない状況となっているようだ。

この論評「Major trade fight predicted in next Congress」では、その辺を次のように分析している。

アメリカ上院は、下院に比して、これまで、親自由貿易主義者の上院議員が多かった。

しかし、今回の中間選挙で選出されたオハイオ州選出のSherrod Brown議員や、ノースカロライナ州選出の下院議員Heath Shuler氏やインディアナ州選出の下院議員Joe Donnelly氏らは、いまや、変化の時が来たとして、親自由貿易主義(Pro-Free Trade)に対する挑戦を、公然と口にしている。

そして、その挑戦の先頭に立つ議員として、Sherrod Brown上院議員は、みずからと、Bernie Sanders下院議員とをあげる。

Public Citizen Trade CampaignのディレクターであるLori Wallach氏の見方によると、今回の改選で、上院のこれまでの親自由貿易主義的議員のうちの33議員が、離脱すると見ている。

また、大統領のファストトラック権限についても、これまでの無条件承認ではなく、そこに、一定の労働的・環境的標準の元での承認になるべきという。

そして、彼ら反自由貿易主義的議員の最初の役割は、来年6月にくる大統領のファストトラック権限阻止にあると、公言する。

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2006/11/13 Monday

APECは、ドーハラウンド早期再開を叫べども。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 18:11:46

2006/11/13(Mon)
 
nullアジア太平洋経済協力会議(APEC)の高級事務レベル会合(SOM)が12日、ベトナムのハノイで始まり、中断している世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)早期再開の必要性を強く訴える声明を閣僚や首脳レベルで出すことで合意したという。
 
しかし、問題は、アメリカのブッシュ大統領にある。

今回の中間選挙で、上院・下院とも、過半数を失い、アメリカ議会へのコントロール権をうしなったブッシュ大統領だが、来年の夏(2007年7月1日)までは、ファストトラック権限( 「貿易促進権限」(TPA:Trade Promotion Authority)(米国の憲法は、「通商に関する権限は議会にある」と定めているが、この権限をファストトラック権限として、大統領に期限付きで与えている。)があるので、アメリカ議会の如何にかかわらず、大統領は、ドーハラウンド再開に向けての、行動ができる。

というのは、2005年7月1日のファストトラック権限期限切れのときに、ブッシュ大統領が2年間の延長を要請したが、期限までに上下両院で不承認案が審議されなかったので、自動的に2007年7月1日までの期限延長が決まっていたからである。

しかし、この2007年7月1日を過ぎると、まさに、ブッシュ大統領は、レームダックとなってしまう。

それを乗り切れるのは、超党派(バイパルチザン)(by-partisan )対策のみ、といわれているようだ。

しかし、今回再選されてきた民主党の両院議員の中には、強烈な保護貿易や、外国人労働者の排斥を公約にうたって当選してきた議員も多いだけに、ファストトラックの期限延長は、難しいようである。

不幸なことに、ドーハラウンドに限らず、コロンビア、ペルー、ヴェトナムとの貿易交渉など、目白押しの状況のようである。

となると、ブッシュ大統領は、一定のファストトラック権限の限定を図っての期限延長を求めるのか、それとも、初の女性の下院議長である民主党のNancy Pelosi氏をパートナーにしての、新たな展開を試行錯誤するのか、注目される。

しかし、下院議長予定者の民主党のNancy Pelosi氏は、あくまで、民主党の「Six for ‘06」アジェンダにしたがって行動するという。

この「Six for ‘06」アジェンダとは、『新しいアメリカの方向』と題されての「1.国家安全保障、2.職と賃金、3.エネルギーの自立、4.誰しも得られる健康、5.引老後の安全、6.すべての人の就学機会」の六つを柱とするもので、さらに、好ましくない方向として「1.安全の弱体化、2.経済不安の増大、3.学費の増嵩、4.エネルギー価格の高騰、5.医療費の高騰、6.老後の不安の増大」をあげており、これに背馳する政策は、受け付けないという姿勢のようだ。

参考
通商交渉とファストトラック権限
APEC officials urge revival of WTO talks
Apec summit to focus on trade drive
Stephen King: Bernanke vs Trichet… Who’s your money on?
Now what?」
「U.S. trade policy is likely to face changes from Congress
Democrats launch ‘Six for ‘06′ agenda

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