2006/12/13(Wed)
昨日のFOMC声明は、予想通り、利率据え置きではあったが、従来のコメントに、とくに「経済成長の減速化は、部分的には、住宅市場の相当な(substantial)冷え込みを反映してのものである。」との一項が付け加えられたことによって、これが、来年の利下げを示唆したものと、受け取られ、ドルが売られた。
このように、近時のドル安は、日米金利格差縮小への思惑を要因としたもので、それが、日銀が、第二次利上げに踏み切っての日米金利格差縮小なのか、FEDが、利下げに踏み切っての日米金利格差縮小なのか、いずれの要因も、ドル売りにつながるという市場環境になってきているようだ。
昨日のFOMCの声明文は、下記の概訳の通り。
なお、今回も、Jeffrey M. Lacker氏は、0.25%の利上げを主張し、反対投票をした。
「連邦公開市場委員会は、本日、フェデラルファンドの利率を5.25%の据え置きとすることを決定した。
経済成長は、年間を通じて、減速化してきており、これは、部分的には、住宅市場の相当な(substantial)冷却化を反映してのものである。
昨今の各種指標は、いろいろな傾向を示しているが、つまるところは、経済は、来るべき四半期に向かって、穏やかなペースで、拡大しているように見受けられる。
コアインフレの数値についてみれば、上昇しており、資源利用の高度化もあるところから、依然、インフレ圧力は、あるものと見られる。
しかし、インフレ圧力は、時を経るにつれ、緩和の基調にあり、これは、エネルギー価格(高騰)からの(インフレ圧力)推進力が減少していること、インフレ期待の抑制、通貨政策措置や他の総需要抑制要因の累積的効果発現によるものと見られる。
それにもかかわらず、連邦公開市場委員会としては、一定のインフレリスクが残っていると判断した。
これらのリスクに対応した追加的措置の程度とタイミングについては、今後入ってくる情報の意味するインフレと経済成長の見通しの進展に従う。」
2006/12/14追記 FOMC声明後の為替相場は、ユーロ高に推移
ドル・円 116円65銭、ユーロ・円上昇に連れ高。
ユーロ・円 155円02銭から155円50銭。ユーロ導入後高値更新。
ユーロ・ドル 1.3266ドルから1.3289ドル。小動き。
ユーロ高の理由は、昨日のFOMCの声明では、日米の金利格差が、どの程度になるかの方向感がわからず、結果、金利差がわかっている日本とユーロとの金利格差に注目して、金利の安い円が売られ、ユーロが買われた、ということが理由らしい。
ユーロ・ドル間は、ほぼ一定なので、結果、ドル・円も、ユーロ高にひきづられた形で、ドル高となったという構図のようである。
欧州中央銀行(ECB)の利上げと、日本銀行の利上げとどちらが早いのか、これへの思惑もあるのかもしれない。
このサイト「Flush Times for Europe’s High-Yield Market」では、欧州中央銀行(ECB)は、年内に、現在の3.25%を、0.25%アップ、そして、さらに、2007年はじめに、0.25%アップの方向とのことである。
この日本ユーロ金利格差を維持するためには、日銀は、0.5%の第二次利上げをしなければならない勘定となるのだが。
相変わらずもたもたしている日銀だが、利上げは明日の短観次第で、ということだが、市場では、日本銀行の年内利上げは難しいとの見方が、急速に強まっている。
個人消費の低迷を気にする安倍さん、そして、さらには、安倍さんの支持率低迷が、日銀の第二次利上げ戦略までをも狂わせ兼ねない状況となっているようだ。
日銀は「企業部門の好調さが家計部門に波及する」として個人消費はいずれ持ち直すとの認識のようだが、ちょっと、この辺は、ずれているような。
日銀は、企業の短観ばかりでなく、消費者の懐具合の短観もやってくれよ。
为翻译对汉语, 使用这
⇒http://translate.livedoor.com/chinese/
Translate
⇒http://www.google.com/translate_t
笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-掲示板-ご意見