2009/10/21 Wednesday
2009年10月21日
いったん決まったワクチン一回接種が、政治主導?で、再び、二回接種となったというのだが。
なんでも、この政治主導をされた政務官は、医者出身ということで、それなりの見識を持って主導したのだろうが、問題は、今の予定では、もっとも新型インフルエンザにかかりやすい、また、現にインフルエンザ脳症の事例が多くでている、といわれる小学校低学年の、第一回目の接種が、クリスマス前後となってしまうという、大幅なタイミングのずれの問題なのだが。
これは、二回接種しないと抗体価タイターがどうのこうのという、医学的な問題ではないのだから、とにかく、第二波が来る前に、ワクチンが、もっともかかりやすい世代にいきわたるかどうか、のデリバリーの問題なのだ。
先に、ブログ記事「新型H1N1の第二波は来ないとの憶測広がる。」や「H1N1新型インフルエンザ・ワクチン接種回数は、10歳以上は1回接種にすべし」で書いたように、世界の状況を見ると、第二波は、当初予想されたようなパンデミックの鋭利のカーブを描くことなく、来るようなので、すでに、ピークは、過ぎつつあるという状況ともみえる。
このままでいくと、小学校低学年第一回接種予定のクリスマスのころには、大方、お祭りは終わっているので゛はないのか、というのが、私の見方である。
ただでさえ、世論調査では、ワクチン接種を忌避する人が多いのに加えて、接種二回にこだわって、タイミングを失してしまうと、このままでは、この年末には、大量のワクチン在庫の山ができてしまうことも、十分予想されるのだが。
ましてや、海外からの輸入ワクチンは、世間では、それこそ、ミニマムアクセス米を食わせられるような感じでのアレルギーぶりで嫌がられているようなので、おそらく、こちらのほうは、まして、対象65歳以上と高校生となれば、在庫の山は必至だろう。
まあ、そのことも見込んでの、ワクチン在庫累積への政治責任回避のための、二回接種こだわり論だとしたら、なにをかいわんや、ではあるのだが。
専門家を差し替えてまでの、自らの持論に強引に引きずり込むような政治主導だけは、もう、真っ平である。
当の政務官は、「科学的、医学的に正しいとされたものが、すべて行政判断にならない部分はある」と述べたというのだが、むしろ、その言葉は、あなたのためにあるのだ、といいたい。
WHOが、一回接種を推奨している根底には、ワクチンを、経済力のある富裕国のものの独占にしてはならないとの意思が込められているように思える。
貧困国へのワクチンのドネーションを呼びかけている意図もそこにあるようなのだが゜、日本の厚生労働省の政務官には、そのへんの考えには、到底及び得ないようだ。
後記 2009年10月21日18:16記入
WHOが、ワクチン一回接種を推奨、スイスで、ワクチン返還問題浮上
こんなニュースが入ってきました。
WHOでワクチン研究を率いているマリー・ポール・キーニー(Marie-Paule Kieny)氏は、新型インフルエンザ ( H1N1型 ) の予防接種は1回で十分であり、どのデータも1回の予防接種で間に合うことを示していると述べたとのことです。
参考「WHO - One Dose Of H1N1 Vaccine Should Be Sufficient」
一方、欧州医薬品庁 ( EMEA ) のほうでは、このWHOの発表以前から、1回目の接種を受けた3週間後に2回目を受けるよう奨励していました。
そのためスイス政府は、スイスに住む人全員が2回接種を受けられる量の新型インフル用ワクチン1300万本をすでに「ノバルティス社 ( Novartis ) 」と「グラクソスミスクライン社 ( GlaxoSmithKline ) 」から購入していましたので、もし、予防接種を1回で済ませることになった場合、余分のワクチンを製造者側に戻すことが可能か、すでに購入した費用約8400万フラン ( 約75億円 ) は誰が負担するべきかということが、問題になっているとしています。
スイス連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) のジャン・ルイス・ツルヒャー広報官によると、医薬品会社との契約で機密保持義務が課されており、「まずは認可の決定と医薬品認可機関『スイスメディック ( Swissmedic ) 』の奨励を待つ」としており、また「決定が下るのは早くて10月中旬。予防接種を1回で済ませるか、2回受けることを奨励するかはまだわからない。だが、WHOによる奨励の方向性は正しい」と語っているといいます。
追記 その2 「新型インフルエンザワクチン接種に関する緊急ヒヤリング」の詳細
このブログ「新型インフル 議論そのものを公開 足立政務官ヒヤリング」に、10月19日に厚生労働省内でおこなわれた新型インフルエンザワクチン接種に関する緊急ヒヤリングの様子が、克明に記されています。
問題と思われる主な発言を以下に引用させていただきますと、下記のとおりです。
まづは、尾身イジメの一幕から
尾身
「政務官のリーダーシップに感謝している。恐らく国民も混乱して困っている。専門家会議での評価と結論との間にギャップがあるので説明が必要だと思う。今回は健康な成人200人に対してやった試験の結果で基礎疾患のある人や妊婦まで1回でよいと傾いたかしっかりと説明が必要だろう。そこをご説明してご判断いただきたい。
今回はほとんどのワクチンの専門家にとって嬉しい誤算だったと思う。47年にスペイン風邪の系統からイタリア風邪の系統へと抗原性が変わったので60歳以上の人で90歳に近づけば近づくほど免疫があると言われていた。逆に47年以降に生まれた人には免疫がないという前提だった。ところが200人に対して行った臨床試験の結果、あの最大のメッセージはブースター効果がない、免疫記憶がない全くの新しい感染だとあり得ないほど、ヨーロッパの3つの基準に関して有意にハードルを超えている。それをどう判断するのか。何らかの免疫の記憶がないとああはならないというのが、ほとんどのサイエンティストの考え方。
はっきり言って誰もまだワクチンを打ったことがないのだから現場でどのように反応するかは注意が必要だが、全くの処女の、言葉は悪いが、処女の感染では非常に考えにくい。たとえはH5N1では、あんな反応しない。3つのクライテリアに関して30マイクロだけでなく15マイクロという少量でもヨーロッパの基準を越したことは、これは日英だけでなくオーストラリアも米国でもサイエンティストは大体。。。」
足立
「時間がないからシンプルに。この臨床試験の結果言えることは」
尾身
「結論は何らかの免疫の記憶があっただろう、と。詳しくは系統図で説明するが、結論としては処女感染ではなく何らかの記憶があったために十分に免疫が上がるのだろうと」
足立
「それは結果を考察する前提。結論は」
尾身
「60歳以上の人は免疫に記憶があるだけでなくプロテクションもされているだろう。それより若い人はプロテクションされないけれど記憶がある。実際に感染した人の抗体価の上がり方も新しい感染では考えられないほど早い。そういう状況証拠もあるので、そのように説明されたら国民に分かりやすいのでないか」
足立
「200人の中間報告から言えることは何か。簡潔に」
尾身
「明らかに免疫の上がり方が1回でも十分ある。妊婦の人も免疫は特に健常人と変わらないので恐らく1回でいいだろう。基礎疾患のある人は若干異なるが、しかし免疫学の常識で考えると、免疫の落ちるような疾患でなければ大丈夫だろう」
足立
「だからリザルトとディスカッションを一緒にしないでほしい」
今度は、「政権交代したんでワクチンの回数をかえるべし」とのトンデモ意見が
岩田
「1回打ちの議論をするには何人に接種するのかの議論が欠かせない。ちょうど政権も代わったことだし、国民全員に打つんだという方向に今こそ転換すべきでないか。国民全員に行き渡らせることにすれば1回か2回かという議論は消滅する。幸い多くのワクチンは4週間よりもっと間があいてもブースト効果にはそれほど差がない。まず1回打ってみて、2回打つかどうかは今後のデータを見ながら決めてもよいのでないか。ノアの方舟のように誰を乗せるのかという議論をするのではなくて、東京駅のタクシーのように順番は待つけれど最終的に全員乗れるというのがよいのでないか。」
今度は、政務官から、医療関係者を一回打ちにするのは、日程の関係から、との、トンデモ提案が。この、それこそエビデンスは?って聞きたくなりますね。
足立
「流行の動向を見ていると11月中旬にピークの来る可能性がある。医療従事者を2回打つと次のカテゴリーの人たちが遅くなるということか」
福島
「2週間ほど」
足立
「1回でもよいとした場合は次のカテゴリーは11月はじめから。11月半ばというのは11月6日が3回目の出荷だが、その分ということか。妊婦やティンーエージャーのことはディスカッションとしてエビデンスを持って判断するのは不可能。しかしながら20代から50代の健康人の代表たる医療従事者に関しては1回でよいとするか。それで次のカテゴリーの接種を早めるか、まず決めなきゃならん。仮に次のカテゴリーを始めるとなった場合、その方たちを2回にするのかどうかは次の議論でもよいだろうか」
さらに、政務官からは、「高齢者は遅くなれば二回目接種を諦めるから大丈夫」みたいな、これも、トンデモ発言が
足立
「1回打ちにしたとしても医療従事者が打ち終わらないから第二カテゴリーの人に回らないか」
田代
「100万人というのは、医師と看護師中心にカウントしたもの。全体で110万人か。ただ病院を動かすためには、そのスタッフだけでは当然足りない。コメディカルや院外処方だったら薬局の薬剤師もいるということで、100万人を超えることは想定されていた。ただ具体的な数までは分からない」
足立
「1回でいいのではないかという意見は高齢者の方にも増えてくるだろう。そうなれば国民全員に接種できる可能性が高いだろう。であれば優先順位を変えるべきではなかろう。医療従事者を完全に打ち切る。合わせて、いずれは全員にとメッセージを出すか」
またまた、例の先の発言の方から、「順番が回らなかったらごめんなさいで済ませば」なんてトンデモ意見が
岩田
「ある開業医さんの意見だ。その人は医師1人、看護師1人、事務3人でやっている。事務の人が1人倒れると、その仕事を医師が被らなければならなくなって結局倒れるのは一緒だと言っていた。
プライオリティ・リストは政治の問題。ある程度のコンセンサスを得たらゴーするしかない。納得できない人にはごめんなさいして、関係者全員が満足するなどということはない。打つ打たないじゃなくて、いずれ全員に打つんだけど順番ですよという話にしたらどうか。たとえばPTさんOTさんが倒れたらリハビリはできなくなるけれど、しかしライフラインとしての医療よりは緊急度が低いのでないか。ゆくゆくは必ずあなたにも行き渡りますから待っててください、と。」
なんだ、政務官、もうすでに落としどころ言っちゃってんじゃあないですか。これはまずいぜ。
足立
「20代から50代の健康成人には1回で有効な可能性が高いから医療従事者への1回接種もありうべしということで、第二カテゴリーの方を2週間早く打つかは政治判断で我々で判断させていただく。
第二カテゴリーの人に2回打つかという話だが、その結論はもっと先になるべきだろう。現時点で11月はじめに打ち始めて、その後で1回か2回か決める」
以上
10月16日の意見交換会出席者
・ 厚労省担当者
・ 専門家3人:尾身茂氏(自治医科大学教授)、田代眞人氏(国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長)、川名明彦氏(防衛医科大学教授)
〔電話参加:庵原俊昭氏(国立病院機構三重病院長)、岡部信彦氏(国立感染症研究所感染症情報センター長)〕
10月19日の意見交換会出席者
・ 足立政務官、厚労省担当者
・ 専門家2人(16日も出席):尾身茂氏(自治医科大学教授)、田代眞人氏(国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長)
・ 専門家3人(19日のみ出席):森澤雄司氏(自治医科大学付属病院臨床感染症センター感染症防御部長)、岩田健太郎氏(神戸大学大学院医学研究科教授)、森兼啓太氏(東北大学大学院医学研究科講師)
皆さん、これが、政治主導の中身のようですぜ。
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2009/10/20 Tuesday
2009年10月20日
養豚関係者には嫌われる話とはなるが、そもそも、今回の新型H1N1インフルエンザ・ウイルスが、どこを発祥にしたかといえば、メキシコなりカリフォルニアなりノースカロライナなりに、1998年以降、ここ十数年、養豚地帯で、静かなる循環をしていたH3N1とH1N1との豚におけるハイブリッドウイルスを、その始祖とするという説が有力であるようだ。
参考
「やはり新型ではなかった、今回のH1N1新型インフルエンザ・ウイルス」
「気になるアメリカの養豚地帯でのH1N1感染拡大」
「「今回の新型インフルエンザの祖先ウイルスは、約十年前からつい最近まで、沈黙の循環を続けていた」とする昨日のネイチャーの論文」
そこで、ここにきて、今回の新型H1N1インフルエンザ・ウイルスが、今度は、ヒトから豚へ逆感染拡大を続けているのではないか、との懸念を、ニーマン博士などがしている。
このサイト「Pandemic H1N1 Spread in Swine Raises Pandemic Concerns 」などがそうだが、内容は次のとおりである。
かねてから、この問題は、今年4月末に、カナダのアルバータ州やカルガリーなどで人から豚への感染が確認された例があったが、今度は、アメリカのミネソタ州でのことである。
先週金曜日、農業関係当局が発表したところによると、8月26日から9月1日にかけて開催されたミネソタ州博覧会(the Minnesota State Fair)において、一部の大学当局者が研究プロジェクトの一環として、博覧会出品の豚からサンプルを採取したが、そのうち、三頭の豚のサンプルに新型H1N1インフルエンザ・ウイルスが検出されたということである。
この豚は、インフルエンザ症状を示してはいなかったが、関係者の話では、この博覧会には、180万人の来訪者があり、これらの人々から感染したのではないかと、推測している。
また、これらの博覧会出展用豚は、コマーシャル豚とは、隔離されて管理されているといっている。
USDAは、したがって、輸出豚肉の安全性には関係ない、と、強調しているようだ。
この件に関してのUSDAの発表内容は、このサイト「 USDA CONFIRMS 2009 PANDEMIC H1N1 INFLUENZA VIRUS PRESENT IN MINNESOTA FAIR PIG SAMPLE 」をご参照
The U.S. Department of Agriculture’s National Veterinary Services Laboratories は、公式に、この確認をした。
しかし、アメリカ以外に数カ国でも、すでに、豚への新型HN1感染が報告されている。
先にあげたカナダのほか、アルゼンチン、オーストラリア、アイルランド、ノルウェー、イギリスでは、すでに、その確認をし、OIEへの報告をしている。
そのほか、シンガポール、インドネシアにおいても、確認されているようだ。
このようなことから、ヒトから豚への新型H1N1インフルエンザ感染は、相当拡大しているものとおもわれる。
しかし、その事実を持って、例の「豚インキュベーション論」(”mixing vessels”)が再び一人歩きしてしまうと、無用の社会的な混乱を招くことになるので、このことについては、十分な検証が必要のように思える。
後記 2009年10月20日午後8時
日本でも同様のケースが出たようだ。
農林水産省は20日、大阪府内の養豚農場で飼育している豚から、新型インフルエンザの疑いがあるウイルスが確認されたと発表した。府が今月8日に実施した検査をきっかけに発覚したもので、動物衛生研究所(茨城県つくば市)で詳細な検査を行い、ウイルスの型の判定を急いでいる。感染が確定すれば、新型インフルの豚の感染例としてはカナダ、米国などに次ぎ8カ国目。国内で初めてとなる。
大阪府は新型インフルを警戒し、府内の養豚農場に対して年2回前後実施している定期検査の回数を増やすことを検討している。
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2009年10月20日
日本における今回の新型インフルエンザ・ワクチン優先接種順位は、
医療関係者→妊婦・合併症患者→低年齢児童,小学生低学年→小学生高学年→65歳以上高年齢者→その他
となっているのだが、アメリカ各州ではどうなっているのだろう?
「Nasal spray H1N1 flu vaccine becoming available 」によれば次のようなことらしい。
多くの州では、日本と同じく、医療関係者や介護関係者が最初の接種順位のようであるが、次のような順位の州もあって、予想以上に、ばらばらの対応のようである。
シカゴでは、医療関係者とともに、消防士など、緊急出動関係者が優先されている。
アラスカでは、2歳から4歳までの学齢前児童が優先されている。
ペンシルベニアでは、5歳から9歳までの児童が優先されている。
これは、この年齢では二回の接種が義務付けられているという時間的な問題と、この年齢帯をもっとも長い間保護しなければならない、という考え方からのようだ。
最初のワクチンは、鼻からの吸入によるフル・ミストだったが、これは、2歳から49歳までの健康な人々対象に限られる。
ワクチン注射は、最初の10月第一週では6百万から7百万服、10月第二週から4千万服、
であり、これによって、妊婦、ハイリスク者、生後6ヶ月から24歳までの子供や学生、喘息、糖尿病、幼児の介護人などの大人をまかなうとしている。
新生児については、ワクチン接種をしないので、その親や家族については、優先的にワクチン接種をすることでカバーする予定のようだ。
また、マサチューセッツ州では、ハイリスクの病気を持たない健常者については、11月まで、ワクチン注射をおくらせてもらうようにしている。
ちょっと変わっているのがミルウォーキーで、ここでは、健常な勤労者を最優先し、その次に、学童、幼稚園、ハイスクールとしている。
そして、10月下旬からは、誰でもオーケーということにしている。
限られたワクチンの各州への分け方だが、人口割で、割り付ける。
接種場所は、医者、病院、公的診療所のほか、ドラッグストアでもオーケーというのが、アメリカらしい。
もっとも、これは、フル・ミストに限られるのかも知れないが。
また、イリノイ州のように、人口密集地区や貧困地区を優先に、郵便番号コード(ZIPコード)で、接種の優先順位を決めている州もある。
このようにみてみると、新型ワクチン接種順位に対する考え方も、さまざまで、日本のような一律対応というわけではないようだ。
日本の接種順位は、基本的には、医療関係者を優先するなどについて見れば、強毒型H5N1鳥インフルエンザのパンデミック対応を踏襲した感じがぬぐえないが、弱毒性だということがわかっている新型H1N1インフルエンザへのワクチン接種対応としては、果たして、この順位でいいのだろうかという疑念はある。
むしろ、児童→小学生→中学生→高校生などを優先したほうが、ターゲットとしては、今回の場合、あっていたのではなかろうか?
また、日本においては、集団接種の可否についての議論も未成熟であったようにも思える。
特に、もっともかかりやすいといわれている、しかも、二回接種を義務付けられている小学生低学年の第一回接種がこのままだと、クリスマスになってしまう、というのでは、あまりに遅すぎると思う。
第二波が、当初予測されたほどのものではないとの見方が広がっている折から、このクリスマスの段階では、大方、第二波は、すでに勝負あったということになるのではないか?というような見方を、私はしているのだが。
いまだに、H5N1鳥インフルエンザ対応のトラウマから抜け出せていない、日本のインフルエンザ対応のように、総じて、見受けられる。
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2009/10/19 Monday
2009/10/19(Mon)
今の民主党政権の政策を家計にたとえれば、金になる換金回路がなくなって、一億総措置化の社会実現を目指していると、言うほかないようだ。
円高容認で、輸出産業という換金回路は、閉鎖され、農業者戸別所得補償で、せっかく日の目の当たりかけた産業としての農業を、社会保障としての、いじけた農業生産者によるいじけた産業に変えてしまっている。
では、子供手当てが回りまわって、消費を刺激するかといえば、こちらのほうは、デフレの罠( Liquidity Trap)にとっつかまって、家計内埋蔵金と化してしまう様相である。
さらに、では、雇用調整助成金が景気刺激的かといえば、当座の国家的な人件費補助とはなっても、それが自立的に中小企業を動き出しうる呼び水効果は、ゼロである。
すべての国家支出が、デフレの罠にとらえられ、それ以上の累乗的な換金回路の創出にはつながっていかない。
内需振興のお題目は唱えれど、マーケットの累乗的拡大という出口なき、サプライサイド一辺倒の政策イメージしか、ここからは、浮かんでこない。
では、それならば、限られた内需のマーケットの中で、現在の外需のどの部門とどの部門を内需にシフトさせるのか、という具体的な戦略も、不透明である。
ここにも、デフレの罠が大きく立ちはだかっている。
国家としての換金回路構築という発想に立てば、今こそ必要なのは、
換金回路が自立的に創出され、それが、累乗的な族生にいたるまでの、ビッグプッシュ的な国家支出
と、
減税と消費税への税構造のシフト、
そして、なによりも、
デフレの罠脱出のための金融政策の転換
なのではなかろうか。
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2009/10/17 Saturday
2009年10月17日
アセトアミノフェン(acetaminophen)を主成分とする非アスピリンの鎮痛剤である、商品名「タイレノール」が、ワクチンの効果を妨げるという研究結果が、LANCETの10月17日号に発表された。
この研究は、チェコの the University of Defence in Hradec KraloveのRoman Prymula博士のチームによるもので、論文名は、「Effect of prophylactic paracetamol administration at time of vaccination on febrile reactions and antibody responses in children: two open-label, randomised controlled trials 」
である。
研究内容は次のとおりである。
ワクチン接種後に、抗体反応として熱が出ることが多いが、この熱さましのために,幼児にパラセタモール(para-acetylaminophenol、別名アセトアミノフェン、タイレノール、)を服用させた場合、ワクチンの効果にどのような影響が出るかを、以下の方法で459人の幼児についてみた。
接種したワクチンは、肺炎球菌、Hib、ジフテリア、破傷風、百日咳についてのワクチンである。
幼児にワクチン第一次接種後、そのうち、226人については、ワクチン接種後24時間以内に、6-8時間ごとに一服ずつ3回、パラセタモールを服用させ、233人については、パラセタモールを服用させなかった。
パラセタモール服用グループの226人を第一グループ、パラセタモール非服用グループ利233人を第二グループとすると。
39.5度以上の熱を出したのは、
第一グループ1人、
第二グループ3人
第一回接種後12-15ヵ月経過した後の、二回目のブースター接種の後では
39.5度以上の熱を出したのは、
第一グループ178人のうち3人、
第二グループ172人のうち2人
であった。
ワクチン接種後、38度以上の熱を出した割合をみてみると
パラセタモール服用グループ(第一グループ)については、
第一次接種後42パーセント(94÷226)
第二次接種後36パーセント(64÷178)
パラセタモール非服用グループ(第二グループ)については、
第一次接種後66パーセント(154÷233)
第二次接種後58パーセント(100÷172)
となり、第一次グループの方が著しく、熱を出す割合が少なかった。
このことから、研究グループでは、パラセタモール服用の第一グループの抗体幾何平均(Antibody Geometric mean coefficient;GMC)は、パラセタモール非服用第二グループと比較して、著しく低いと、結論づけた。
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2009/10/14 Wednesday
2009年10月14日

前原誠司国土交通相が、羽田空港の「ハブ空港」化を鮮明にする方針を打ち出した。
同時に、これまでの成田・国際化を尊重しつつ、羽田の国際化につとめる、という方針を一転し、「成田・羽田の国際・国内の分離を取っ払う」との踏み込んだ発言をした。
さらに、来年10月の第4滑走路完成を機に、24時間態勢で国際便を運航する構想についても、言及した。
関西空港など、羽田以外の拠点空港の今後については、「併せて関西3空港(関空、伊丹、神戸)のあり方を検討していきたい」などと述べた。
ここで、気になるのは、羽田空港の「ハブ空港」化と、24時間態勢化にともなう、サード・パーティー・リスクの増大である。
航空機そのもの自体の安全性は、年々高まっているが、空港におけるサード・パーティー・リスクは、ますます増大しているというのが、世界のハブ空港での趨勢であるからだ。
サード・パーティー・リスクとは、次のようなことである。
航空機事故の原因としては、全体の事故件数に占める割りあいを見ると、着陸34パーセント、離陸16パーセント、最終進入11パーセント、クルージング9パーセント、駐機8パーセント、となっており、圧倒的に、離発着時の事故が多い。
しかし、航空機の発着に伴う発着一回あたりの離陸・着陸のリスクは低減しつつある。
それにもかかわらず、総発着数の増大が、ハブ空港化によって、巨大な数に及ぶことによって、事故確率が増大し、着陸航路や離陸航路のゾーンにおける第三者に対するリスクが、累乗的に増大するということである。
このサード・パーティー・リスクという問題は、比較的に新しい問題であるが、ヨーロッパでは、すでに深刻な問題として捉えられているようだ。
これまで、このサード・パーティー・リスクは、アセスメントの概念では、騒音などの一般的な環境インパクトへのアセスメントの中に包摂されてしまい、環境問題の中のいっぱひとからげの中で扱われてきた。
しかし、イギリスやオランダでは、このサード・パーティー・リスクについて、独立したアセスメントを行うようになってきた。
また、サード・パーティー・リスクには、さらに、二次的なサード・パーティー・リスクが伴う。
それは、航空路下の精製所や発電プラントへのリスクがさらに近隣の住民リスクにつながるという例である。
サード・パーティー・リスクは、二つのリスク(個人的リスク-Individual Riskと社会的リスク- Societal Risk-)に分かれる。
サード・パーティー・リスクの第一次的なリスクを低減しうる対策としては、鳥対策を含め、いろいろとあるが、決定的なリスク低減の方策は、ないようだ。
むしろ、サード・パーティー・リスクのミティゲーション対策としては、ベースとなる離陸発着数の制限や、ハブ空港の分散化、人口稠密化近辺所在空港の分散化というような、マクロの政策のみ効を奏する。
羽田空港の発着数は現在、1時間当たり31便、年間30・3万回であり、今回、4本目のD滑走路(長さ2500メートル)完成後は、1時間当たり40便、年間40・7万回となるようだ。
航空機事故の確率を100万回に0.34の事故率とし、これに24時間態勢によるリスクが加わるとすれば、相当の数字が出てくるが、これに、さらに、第一次のサード・パーティー・リスクと、第二次のサード・パーティー・リスクが加わるというわけだ。
今回の前原発言は、北東アジアのハブ空港化を進める韓国・仁川国際空港などの動きに乗り遅れまいとする気概に満ちたものではあったが、肝心の、現在、世界のハブ空港が抱える新しい問題であるサード・パーティー・リスクの増大という問題には、頭が回らなかったのだろう。
羽田空港ハブ化のみについてみれば、前原さんの言われるような「プラス・サム」とはならないのである。
また、今回の一連の騒ぎの中で、ハブの話は出たが、スポークの話は出なかったようである。
スポークには、国内のスポークもあれば、国際的なスポークもある。
今後、トピックス的な政策課題にのみ踊らされない、そして、それこそ、効率性に惑わされない、冷静な政策スタンスが、民主党政権全体にも求められるような気がする。
参考 サード・パーティー・リスク・アセスメントに関する参考サイト
「The assessment and management of third party risk around a major airport 」 by B. J. M. Alea, and M. Piers
「SAFETY IN AND AROUND AIRPORTS」
「Third Party Risk around airports」
「Third Party Risks posed by Air-craft Accidents in the Vicinity of Geneva Airport」
「THIRD PARTY RISK NEAR AIRPORTS AND PUBLIC SAFETY ZONE POLICY」
参考 2008年世界主要空港のトラフィック・データ一覧
Annual Traffic Data
The Top 30 Airports 2008 - Total passenger traffic
The Top 30 Airports 2008 - Cargo traffic
The Top 30 Airports 2008 - Aircraft movements
参考 世界の主要空港リスト一覧(ABC順)
Aberdeen Airport (ABZ)
Abu Dhabi International Airport (AUH).
Addis Ababa’s Bole International Airport (ADD).
Aeroparque Jorge Newbery (AEP)
Airport Weeze (NRN),
Algiers’ Houari Boumedienne Airport (ALG)
Alicante International Airport (ALC)
Allama Iqbal International Airport (LHE).
Amman Queen Alia International Airport (AMM).
Amsterdam Schiphol Airport (AMS),
Antonio B. Won Pat International Airport (GUM).
Athens Eleftherios Venizelos Airport (ATH).
Auckland Airport (AKL).
Bahrain International Airport (BAH).
Baltimore/Washington International Thurgood Marshall Airport (BWI)
Bandaranaike International Airport (CMB).
Bangalore-Bengaluru International Airport (BLR),
Barcelona El Prat International Airport (BCN).
Bauerfield International Airport (VLI)).
Beijing Capital International Airport (PEK),
Beirut Rafic Hariri International Airport (BEY).
Belfast City Airport
Belfast International Airport (BFS),
Belgrade Airport (BEG).
Ben Gurion International Airport (TLV).
Berlin-Schonefeld International Airport (SXF),
Berlin-Tegel International Airport (TXL),
Birmingham International Airport (BHX),
Boston’s Logan International Airport (BOS).
Bournemouth Airport ,(BOU)
Bremen Airport (BRE),
Brisbane Airport (BNE),
Bristol International Airport (BRS),
Brunei International Airport (BWN).
Brussels Airport (BRU).
Brussels South Charleroi Airport (CRL),
Budapest Ferihegy International Airport (BUD).
Cairo International Airport (CAI)).
Calgary International Airport (YYC)
Cape Town International Airport (CPT)
Cardiff Airport (CWL)
Casablanca’s Mohammed V International Airport (CMN).
Cayman Brac’s Gerrard Smith International Airport (CYB)
Charlotte/Douglas International Airport (CLT),
Chatrapati Shivaji International Airport (BOM),
Chengdu Shuangliu International Airport (CTU).
Chennai International Airport (MAA)
Chiang Mai International Airport (CNX)
Chicago Midway Airport (MDW),
Chicago’s O’Hare International Airport (ORD),
Chisinau International Airport (KIV)
Cibao International Airport (STI)
Cincinnati-Northern Kentucky International Airport (CVG),
Cleveland Hopkins International Airport (CLE).
Cluj-Napoca International Airport (CLJ)
Comalapa International Airport (SAL),
Comandante Armando Tola International Airport (FTE).
Comodoro Arturo Merino Benitez International Airport. (SCL).
Congonhas Domestic Airport (CGH)
Copenhagen Airport (CPH)
Cork Airport (ORK),
Dallas Love Field Airport (DAL),
Dallas-Fort Worth International Airport (DFW),
Delhi-Indira Gandhi International Airport (DEL)
Denver International Airport (DEN),
Detroit Metropolitan Wayne County Airport (DTW)
Doha International Airport (DOH).
Don Miguel Hidalgo y Costilla International Airport (GDL).
Dortmund Airport (DTM),
Dubai International Airport (DXB).
Dublin International Airport (DUB),
Durban International Airport (DUR).
Dusseldorf International Airport (DUS),
East Midlands Airport (EMA)
Edinburgh Airport (EDI)
Eduardo Gomes International Airport (MAO).
El Dorado International Airport (BOG).
Esenboa International Airport (ESB).
EuroAirport Basel-Mulhouse-Freiburg (BSL),
Faa’a International Airport (PPT).
Fort Lauderdale-Hollywood International Airport (FLL),
Frankfurt International Airport (FRA)
Frankfurt-Hahn Airport (HHN),
Galeao - Antonio Carlos Jobim International Airport (GIG),
Galileo Galilei International Airport (PSA),
General Enrique Mosconi International Airport (CRD),
Geneva Cointrin International Airport (GVA)).
Gimpo Airport (GMP).
Girona-Costa Brava Airport (GRO),
Glasgow International Airport (GLA)
Grand Cayman’s Owen Roberts International Airport (GCM)
Gregorio Luperon International Airport (POP)
Guangzhou Baiyun International Airport (CAN)
Guarulhos International Airport (GRU)
Haneda Airport (HND),
Hartsfield-Jackson Atlanta International Airport (ATL)
Hato International Airport (CUR)
Havana’s Jose Marti International Airport (HAV).
Helsinki-Vantaa Airport (HEL).
Henri Coand International Airport (OTP)
Hong Kong International Airport (HKG)
Hongqiao International Airport (SHA)
Houston Hobby Airport (HOU),
Houston’s George Bush Intercontinental Airport (IAH),
Imam Khomeini International Airport (IKA)
Incheon International Airport (ICN)
Indira Gandhi International Airport (DEL),
Islamabad International Airport (ISB)
Islas Malvinas International Airport (ROS).
Istanbul Ataturk International Airport (IST)
Itami Airport (ITM).
Jacksons International Airport (POM).
Jinnah International Airport (KHI),
Johannesburg International Airport (JNB)
John F. Kennedy International Airport (JFK)
Jorge Chavez International Airport (LIM)
Jose Joaquin de Olmedo International Airport (GYE)
Juan Santamaria International Airport (SJO)
Juanda International Airport
Kansai International Airport (KIX)
Kansas City International Airport (MCI)).
Keflavik International Airport (KEF).
Kiev-Boryspil International Airport (KBP).
King Abdulaziz International Airport (JED)
King Fahd International Airport (DMM).
King Khalid International Airport (RUH)
Kingston’s Norman Manley International Airport (KIN),
Kuala Lumpur International Airport (KUL).
Kuwait International Airport (KWI)
LAN Peru uses Jorge Chavez International Airport (LIM).
La Aurora International Airport (GUA),
La Isabela International Airport (JBQ),
LaGuardia Airport (LGA),
Larnaca Airport (LCA).
Las Americas International Airport (SDQ)
Las Vegas’s McCarran International Airport (LAS),
Leeds Bradford International Airport (LBA).
Lisboa Portela Airport (LIS)
Liverpool John Lennon Airport (LPL),
Ljubljana International Airport (LJU).
Logan International Airport (BOS),
London City Airport (LCY).
London Gatwick Airport (LGW),
London Heathrow Airport (LHR)
London Luton Airport (LTN),
London Stansted Airport (STN),
Los Angeles International Airport (LAX)
Luxembourg-Findel International Airport (LUX).
Lyon-Saint Exupery Airport (LYS)
Madrid Barajas International Airport (MAD)
Malpensa International Airport (MXP),
Manchester Airport (MAN)
Mariscal Sucre International Airport (UIO),
Marseille Provence Airport (MRS),
Martin Miguel de Guemes Airport (SLA).
Mashhad International Airport (MHD).
Mehrabad Airport (THR)
Melbourne Airport (MEL)
Memphis International Airport (MEM),
Mexico City International Airport (MEX)
Miami International Airport (MIA),
Milwaukee’s General Mitchell International Airport (MKE)
Ministro Pistarini International Airport (EZE)
Minneapolis-Saint Paul International Airport (MSP),
Miri Airport (MYY).
Montego Bay’s Sir Donald Sangster International Airport (MBJ),
Montreal-Pierre Elliott Trudeau International Airport (YUL),
Moscow-Sheremetyevo International Airport (SVO).
Mumbai-Chatrapati Shivaji International Airport (BOM),
Munich Airport (MUC), Nuremberg Airport (NUE)
Munich Franz Josef Strauss Airport (MUC).
Nadi International Airport (NAN).
Nairobi Jomo Kenyatta International Airport (NBO).
Narita International Airport (NRT),
Nassau’s Lynden Pindling International Airport (NAS)
Newark Liberty International Airport (EWR),
Newcastle Airport (NCL)
Ngurah Rai International Airport (DPS),
Nigeria’s Murtala Muhammed International Airport(LOS).
Ninoy Aquino International Airport (MNL).
Noi Bai International Airport (HAN).
Oporto Francisco Sa Carneiro Airport (OPO) .
Oran Es Senia Airport (ORN).
Orio al Serio International Airport (BGY),
Orlando International Airport (MCO)
Orly Airport (ORY).
Oslo Airport, Gardermoen (OSL)].
Osmani International Airport (ZYL).
Palma de Mallorca Airport (PMI).
Paris Beauvais Tille Airport (BVA),
Paris Orly Airport (ORY).
Paris-Charles de Gaulle Airport (CDG),
Philadelphia International Airport (PHL).
Phoenix Sky Harbor International Airport (PHX),
Phuket International Airport (HKT).
Piarco International Airport (POS)
Podgorica Airport (TGD)
Pointe-a-Pitre International Airport (PTP)
Portland International Airport (PDX).
Prague Ruzyne International Airport (PRG).
Presidente Juscelino Kubitschek International Airport (BSB).
Prestwick International Airport (PIK),
Pudong International Airport (PVG)
Punta Cana International Airport (PUJ)
Pyongyang Sunan International Airport (FNJ).
Queen Beatrix International Airport (AUA)
Raleigh-Durham International Airport (RDU).
Resistencia International Airport (RES).
Riga International Airport (RIX)
Rome Ciampino Airport (CIA),
Rome Leonardo Da Vinci International Airport (FCO).
Salt Lake City International Airport (SLC),
Samui Airport (USM).
San Francisco International Airport (SFO)
San Juan’s Luis Munoz Marin International Airport (SJU),
Seattle-Tacoma International Airport (SEA),
Seeb International Airport (MCT).
Shah Amanat International Airport (CGP),
Shanghai Hongqiao International Airport (SHA).
Shanghai Pudong International Airport (PVG)
Shannon International Airport (SNN),
Simon Bolivar International Airport (CCS).
Singapore Changi Airport (SIN).
Sir Grantley Adams International Airport (BGI))
Soekarno-Hatta International Airport (CGK),
Sofia Airport (SOF).
Southwest Airlines (WN),
St. Lucia’s Hewanorra International Airport (UVF)
Stockholm-Arlanda Airport (ARN)
Stockholm-Skavsta Airport (NYO),
Suvarnabhumi Airport (BKK)
Suvarnabhumi Airport (BKK)
Sydney Airport (SYD)
Taipei Taiwan Taoyuan International Airport (TPE)
Taiwan Taoyuan International Airport (TPE)).
Tan Son Nhat International Airport (SGN)
Tashkent International Airport (TAS).
Ted Stevens Anchorage International Airport (ANC),
Thurgood Marshall Airport (BWI),
Tivat Airport (TIV).
Tocumen International Airport (PTY).
Tokyo’s Narita International Airport (NRT).
Toronto Island Airport (YTZ)
Toronto Pearson International Airport (YYZ),
Tripoli International Airport (TIP).
VC Bird International Airport (ANU),
Valencia Airport (VLC),
Vancouver International Airport (YVR),
Vienna International Airport (VIE).
Warsaw Frederic Chopin Airport (WAW).
Washington Dulles International Airport (IAD),
Zagreb Airport (ZAG).
Zia International Airport (DAC),
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2009年10月14日

前原誠司国土交通相が、羽田空港の「ハブ空港」化を鮮明にする方針を打ち出した。
同時に、これまでの成田・国際化を尊重しつつ、羽田の国際化につとめる、という方針を一転し、「成田・羽田の国際・国内の分離を取っ払う」との踏み込んだ発言をした。
さらに、来年10月の第4滑走路完成を機に、24時間態勢で国際便を運航する構想についても、言及した。
関西空港など、羽田以外の拠点空港の今後については、「併せて関西3空港(関空、伊丹、神戸)のあり方を検討していきたい」などと述べた。
ここで、気になるのは、羽田空港の「ハブ空港」化と、24時間態勢化にともなう、サード・パーティー・リスクの増大である。
航空機そのもの自体の安全性は、年々高まっているが、空港におけるサード・パーティー・リスクは、ますます増大しているというのが、世界のハブ空港での趨勢であるからだ。
サード・パーティー・リスクとは、次のようなことである。
航空機事故の原因としては、全体の事故件数に占める割りあいを見ると、着陸34パーセント、離陸16パーセント、最終進入11パーセント、クルージング9パーセント、駐機8パーセント、となっており、圧倒的に、離発着時の事故が多い。
しかし、航空機の発着に伴う発着一回あたりの離陸・着陸のリスクは低減しつつある。
それにもかかわらず、総発着数の増大が、ハブ空港化によって、巨大な数に及ぶことによって、事故確率が増大し、着陸航路や離陸航路のゾーンにおける第三者に対するリスクが、累乗的に増大するということである。
このサード・パーティー・リスクという問題は、比較的に新しい問題であるが、ヨーロッパでは、すでに深刻な問題として捉えられているようだ。
これまで、このサード・パーティー・リスクは、アセスメントの概念では、騒音などの一般的な環境インパクトへのアセスメントの中に包摂されてしまい、環境問題の中のいっぱひとからげの中で扱われてきた。
しかし、イギリスやオランダでは、このサード・パーティー・リスクについて、独立したアセスメントを行うようになってきた。
また、サード・パーティー・リスクには、さらに、二次的なサード・パーティー・リスクが伴う。
それは、航空路下の精製所や発電プラントへのリスクがさらに近隣の住民リスクにつながるという例である。
サード・パーティー・リスクは、二つのリスク(個人的リスク-Individual Riskと社会的リスク- Societal Risk-)に分かれる。
サード・パーティー・リスクの第一次的なリスクを低減しうる対策としては、鳥対策を含め、いろいろとあるが、決定的なリスク低減の方策は、ないようだ。
むしろ、サード・パーティー・リスクのミティゲーション対策としては、ベースとなる離陸発着数の制限や、ハブ空港の分散化、人口稠密化近辺所在空港の分散化というような、マクロの政策のみ効を奏する。
羽田空港の発着数は現在、1時間当たり31便、年間30・3万回であり、今回、4本目のD滑走路(長さ2500メートル)完成後は、1時間当たり40便、年間40・7万回となるようだ。
航空機事故の確率を100万回に0.34の事故率とし、これに24時間態勢によるリスクが加わるとすれば、相当の数字が出てくるが、これに、さらに、第一次のサード・パーティー・リスクと、第二次のサード・パーティー・リスクが加わるというわけだ。
今回の前原発言は、北東アジアのハブ空港化を進める韓国・仁川国際空港などの動きに乗り遅れまいとする気概に満ちたものではあったが、肝心の、現在、世界のハブ空港が抱える新しい問題であるサード・パーティー・リスクの増大という問題には、頭が回らなかったのだろう。
羽田空港ハブ化のみについてみれば、前原さんの言われるような「プラス・サム」とはならないのである。
今後、トピックス的な政策課題にのみ踊らされない、そして、それこそ、効率性に惑わされない、冷静な政策スタンスが、民主党政権全体にも求められるような気がする。
参考 サード・パーティー・リスク・アセスメントに関する参考サイト
「The assessment and management of third party risk around a major airport 」 by B. J. M. Alea, and M. Piers
「SAFETY IN AND AROUND AIRPORTS」
「Third Party Risk around airports」
「Third Party Risks posed by Air-craft Accidents in the Vicinity of Geneva Airport」
「THIRD PARTY RISK NEAR AIRPORTS AND PUBLIC SAFETY ZONE POLICY」
参考 2008年世界主要空港のトラフィック・データ一覧
Annual Traffic Data
The Top 30 Airports 2008 - Total passenger traffic
The Top 30 Airports 2008 - Cargo traffic
The Top 30 Airports 2008 - Aircraft movements
参考 世界の主要空港リスト一覧(ABC順)
Aberdeen Airport (ABZ)
Abu Dhabi International Airport (AUH).
Addis Ababa’s Bole International Airport (ADD).
Aeroparque Jorge Newbery (AEP)
Airport Weeze (NRN),
Algiers’ Houari Boumedienne Airport (ALG)
Alicante International Airport (ALC)
Allama Iqbal International Airport (LHE).
Amman Queen Alia International Airport (AMM).
Amsterdam Schiphol Airport (AMS),
Antonio B. Won Pat International Airport (GUM).
Athens Eleftherios Venizelos Airport (ATH).
Auckland Airport (AKL).
Bahrain International Airport (BAH).
Baltimore/Washington International Thurgood Marshall Airport (BWI)
Bandaranaike International Airport (CMB).
Bangalore-Bengaluru International Airport (BLR),
Barcelona El Prat International Airport (BCN).
Bauerfield International Airport (VLI)).
Beijing Capital International Airport (PEK),
Beirut Rafic Hariri International Airport (BEY).
Belfast City Airport
Belfast International Airport (BFS),
Belgrade Airport (BEG).
Ben Gurion International Airport (TLV).
Berlin-Schonefeld International Airport (SXF),
Berlin-Tegel International Airport (TXL),
Birmingham International Airport (BHX),
Boston’s Logan International Airport (BOS).
Bournemouth Airport ,(BOU)
Bremen Airport (BRE),
Brisbane Airport (BNE),
Bristol International Airport (BRS),
Brunei International Airport (BWN).
Brussels Airport (BRU).
Brussels South Charleroi Airport (CRL),
Budapest Ferihegy International Airport (BUD).
Cairo International Airport (CAI)).
Calgary International Airport (YYC)
Cape Town International Airport (CPT)
Cardiff Airport (CWL)
Casablanca’s Mohammed V International Airport (CMN).
Cayman Brac’s Gerrard Smith International Airport (CYB)
Charlotte/Douglas International Airport (CLT),
Chatrapati Shivaji International Airport (BOM),
Chengdu Shuangliu International Airport (CTU).
Chennai International Airport (MAA)
Chiang Mai International Airport (CNX)
Chicago Midway Airport (MDW),
Chicago’s O’Hare International Airport (ORD),
Chisinau International Airport (KIV)
Cibao International Airport (STI)
Cincinnati-Northern Kentucky International Airport (CVG),
Cleveland Hopkins International Airport (CLE).
Cluj-Napoca International Airport (CLJ)
Comalapa International Airport (SAL),
Comandante Armando Tola International Airport (FTE).
Comodoro Arturo Merino Benitez International Airport. (SCL).
Congonhas Domestic Airport (CGH)
Copenhagen Airport (CPH)
Cork Airport (ORK),
Dallas Love Field Airport (DAL),
Dallas-Fort Worth International Airport (DFW),
Delhi-Indira Gandhi International Airport (DEL)
Denver International Airport (DEN),
Detroit Metropolitan Wayne County Airport (DTW)
Doha International Airport (DOH).
Don Miguel Hidalgo y Costilla International Airport (GDL).
Dortmund Airport (DTM),
Dubai International Airport (DXB).
Dublin International Airport (DUB),
Durban International Airport (DUR).
Dusseldorf International Airport (DUS),
East Midlands Airport (EMA)
Edinburgh Airport (EDI)
Eduardo Gomes International Airport (MAO).
El Dorado International Airport (BOG).
Esenboa International Airport (ESB).
EuroAirport Basel-Mulhouse-Freiburg (BSL),
Faa’a International Airport (PPT).
Fort Lauderdale-Hollywood International Airport (FLL),
Frankfurt International Airport (FRA)
Frankfurt-Hahn Airport (HHN),
Galeao - Antonio Carlos Jobim International Airport (GIG),
Galileo Galilei International Airport (PSA),
General Enrique Mosconi International Airport (CRD),
Geneva Cointrin International Airport (GVA)).
Gimpo Airport (GMP).
Girona-Costa Brava Airport (GRO),
Glasgow International Airport (GLA)
Grand Cayman’s Owen Roberts International Airport (GCM)
Gregorio Luperon International Airport (POP)
Guangzhou Baiyun International Airport (CAN)
Guarulhos International Airport (GRU)
Haneda Airport (HND),
Hartsfield-Jackson Atlanta International Airport (ATL)
Hato International Airport (CUR)
Havana’s Jose Marti International Airport (HAV).
Helsinki-Vantaa Airport (HEL).
Henri Coand International Airport (OTP)
Hong Kong International Airport (HKG)
Hongqiao International Airport (SHA)
Houston Hobby Airport (HOU),
Houston’s George Bush Intercontinental Airport (IAH),
Imam Khomeini International Airport (IKA)
Incheon International Airport (ICN)
Indira Gandhi International Airport (DEL),
Islamabad International Airport (ISB)
Islas Malvinas International Airport (ROS).
Istanbul Ataturk International Airport (IST)
Itami Airport (ITM).
Jacksons International Airport (POM).
Jinnah International Airport (KHI),
Johannesburg International Airport (JNB)
John F. Kennedy International Airport (JFK)
Jorge Chavez International Airport (LIM)
Jose Joaquin de Olmedo International Airport (GYE)
Juan Santamaria International Airport (SJO)
Juanda International Airport
Kansai International Airport (KIX)
Kansas City International Airport (MCI)).
Keflavik International Airport (KEF).
Kiev-Boryspil International Airport (KBP).
King Abdulaziz International Airport (JED)
King Fahd International Airport (DMM).
King Khalid International Airport (RUH)
Kingston’s Norman Manley International Airport (KIN),
Kuala Lumpur International Airport (KUL).
Kuwait International Airport (KWI)
LAN Peru uses Jorge Chavez International Airport (LIM).
La Aurora International Airport (GUA),
La Isabela International Airport (JBQ),
LaGuardia Airport (LGA),
Larnaca Airport (LCA).
Las Americas International Airport (SDQ)
Las Vegas’s McCarran International Airport (LAS),
Leeds Bradford International Airport (LBA).
Lisboa Portela Airport (LIS)
Liverpool John Lennon Airport (LPL),
Ljubljana International Airport (LJU).
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London Gatwick Airport (LGW),
London Heathrow Airport (LHR)
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Newcastle Airport (NCL)
Ngurah Rai International Airport (DPS),
Nigeria’s Murtala Muhammed International Airport(LOS).
Ninoy Aquino International Airport (MNL).
Noi Bai International Airport (HAN).
Oporto Francisco Sa Carneiro Airport (OPO) .
Oran Es Senia Airport (ORN).
Orio al Serio International Airport (BGY),
Orlando International Airport (MCO)
Orly Airport (ORY).
Oslo Airport, Gardermoen (OSL)].
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Palma de Mallorca Airport (PMI).
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Paris-Charles de Gaulle Airport (CDG),
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Piarco International Airport (POS)
Podgorica Airport (TGD)
Pointe-a-Pitre International Airport (PTP)
Portland International Airport (PDX).
Prague Ruzyne International Airport (PRG).
Presidente Juscelino Kubitschek International Airport (BSB).
Prestwick International Airport (PIK),
Pudong International Airport (PVG)
Punta Cana International Airport (PUJ)
Pyongyang Sunan International Airport (FNJ).
Queen Beatrix International Airport (AUA)
Raleigh-Durham International Airport (RDU).
Resistencia International Airport (RES).
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Salt Lake City International Airport (SLC),
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Seeb International Airport (MCT).
Shah Amanat International Airport (CGP),
Shanghai Hongqiao International Airport (SHA).
Shanghai Pudong International Airport (PVG)
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2009/10/13 Tuesday
2009/10/13(Tue)
マニフェストを金科玉条にして、毎日のように、主要な政策変更について、利害関係者との対話を無視し、オルタナティブの提示を欠如させながら、暴走を続ける民主党政権だが、自民党は、いまだに、失意の眠りから覚めてはいぬようだし、かといって、天下の木鐸たるマスコミは、コメンテーターからもなにからも、高みにたった適格なコメントをしていない。
公平な政策評価のスタンスにたった官僚の政治家をいさめる力も、今のところは、消えうせ、転びバテレン官僚オンパレードの様相だ。
これでは、GHQ占領下の官僚よりも、ひどい。
当時のGHQと官僚との橋渡し役をし、時には、GHQの暴走へのいさめ役にも回った、白州次郎のような存在は、いないのであろうか?
要は、日本は大統領制にはないが、議会と政府とは、健全なカウンター・バランス・パワーの関係におかれていなければならない、ということだ。
民主党は、政権党であっても、政府そのものではない。
マニフェストは、政党のものではあっても、政府そのもののものではない。
民主党は、ことあれば、国民に支持されたというが、大統領制下にない以上、鳩山総理自身は、べつに、国民に直接支持されて選ばれたわけではないのだから、その意味では、鳩山政権は、直接、国民に支持されているわけではないのだ。
このわかりすぎる敷居が取れてしまって、野放図になっているのが、現在の何でもござれの、民主党政権の政策変更の乱発なのだ。
その力関係が崩れてしまっていることに、現在の混乱があるのだと思う。
大統領制のもとでは、時に、与党と大統領とは、対立することがある。
そのために、大統領には、拒否権 (veto)が与えられている。
日本においても、議会制民主主義の下で、与党と政府とが対立関係にあってはならぬことはない。
当然、執行する側と、その政府が提案する政策を吟味する側とでは、意見の不一致があるのは当たり前である。
大統領制の下にはない日本においては、総理は、議会決定事項についての拒否権は有しないが、議会側にある与党においては、政府が提示した政策についての健全なカウンター・パワーをもちうる。
総理のもつ解散権は、いわば、集約化された意味での、広義の「拒否権」ともいえる。
とかく、解散権は、野党への牽制権ととらえられがちであるが、実は、議会への牽制権なのである。
今回、横路衆議院議長が、民主党が議員立法を禁止したことについて、疑義・異論を呈したのは、その良き、カウンター・パワー発揮の例であろう。
では、この暴走をどう制御したらいいのだろう。
私は、健全な見識の元での、議長の発言力と行動力に期待したい。
つまりは、「政党の力」ではなく、「議会の力」の発揮なのであり、三木武夫さんではないが、議員が「政党の子」としてではなく、「議会の子」としての見識を求められる時代にあるのである。
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2009年10月13日
「Avoiding a crash at Copenhagen - How to get negotiations on the right track for a deal」という最近のロンドン・エコノミスト(古い言い方でしょうかね?)の記事が、地球温暖化気候変動交渉関係者の間で話題になっている。
いわばCO2排出主要国が抜けてしまった京都会議の二の舞を避けるためには、どうしたらいいのか?という現実的な提案なのだが、京都会議で実質主導権を握ったEUからすれば、面白くない提案なのかもしれない。
また、「京都議定書は、実のところ、ざる法だった。」(Yet Kyoto, in truth, has no teeth.)などと言い切っているなど、京都議定書の欠点をことごとくあげつらった論評ぶりも、当時の議長国であった日本にとっても、不快さを覚える記事なのかもしれない。
私も京都会議の時には、各国の議員交流的なサブ・セッション的なものには、亡き橋本竜太郎先生らとともに、参加したが、アメリカのいない諸会議は、気の抜けたもののように感じたことは事実である。
米中をはじめとしたCO2排出主要国を、まず、土俵の中に入れることによって、コペンハーゲン議定書こそ、初めて、有効な議定書となるための現実的な提案なのかもしれない。
なお、この記事に対しては、現在時点で、24のコメントが寄せられているが、このコメントを読んで見るのも、面白いかもしれない。
以下は、その話題の記事の全訳である。
以下、翻訳開始
12月にコペンハーゲンで開かれる気候変動会議に向けた外交上のプロセスは、加速化しつつある。
準備会合は、先週、主要経済フォーラムを終え、今週は、国連気候変動サミットとG20、そして、来週はバンコクでのプレ・コペンハーゲン交渉を控えている、といった状況だ。
世界を動かしている人々は、京都議定書に続く協定に同意しようと、かつてないほど、熱を持ってあたっている。
それほど多くのエネルギーが、この、もっとも手に負えない問題の解決に向けられているということは、いいことだ。
(しかし)不幸なことには、そのエネルギーの多くは、間違った方向に向けられている。
京都議定書は、傷ついた協定である。
そして、もし、交渉者たちが、この(京都議定書にかかげられた)指針に、あまりに闇雲に追随しようとすると、世界は、外交上の列車衝突事故のリスクを持つことで終わってしまう。
アメリカ上院でのこう着状態
ここ一年、重大な気候変動を避けようとする努力にむけて、事態は好転してきた。
アメリカでは、オバマ大統領が選出され、下院は、カーボン排出を抑制するためのWaxman-Markey法(H.R.2454 “American Clean Energy and Security Act of 2009 “)を可決した。
日本では、政権交代後の政権が、2020年までに、温暖効果ガスを1990年レベル対比25パーセント削減するマニフェストを作った。
そして、国連サミットでは、中国の胡錦濤国家主席が、2020年までに、GDP1単位当たりのCO2排出量を05年比で大幅削減するよう努力すると約束した。
しかし、この数ヶ月、アメリカにおける政治的進展は、膠着状態にある。
オバマ政権の問題は、つねに、国際条約を承認するかどうか決定する上院にあるようだ。
だが、アメリカ上院は、あまり、そのような承認をしたくないようだ。
京都議定書の取り決めでは、先進国が数値目標に従うことについて国際的に誓うことを要求されたが、その要求は、受け入れられなかった。
アメリカ上院は、ブッシュ前大統領がそれを破棄するかなり以前に、京都議定書は、拒絶されるであろうということを明らかにしていた。
オバマ政権の計画では、コペンハーゲン会議の前に環境が整うように、Waxman-Markey法を成立させる予定であった。
しかし、多くの上院議員は、Waxman-Markey法についても、乗り気ではなく、したがって、仮に成立したとしても、コペンハーゲン会議には、間に合いそうもないようだ。
したがって、この分だと、オバマ政権は、国内法の環境を整えずして、コペンハーゲン会議に臨む羽目となる。
そして、外国人には、受けられられるが、国内の上院には受けられていない数値目標を、引き受けたり、上院には受けられられるが、外国人には、受け入れられない約束ができない羽目となりうる。
そして、コペンハーゲン会議(COP15)の破綻が、来年のWaxman-Markey法そのものの成立を困難なものとさせてしまう。
ここに、これらとは異なった外交路線へと交渉を進めうるオルタナティブがある。
京都会議でのアプローチは、明らかに成功しなかった。
世界の二酸化炭素排出量は、1997年の京都議定書締結後、25パーセント、増加した。
その増加の理由の一部には、森林伐採のような大きな排出源を除外した議定書であったこともあるが、同時に、潜在的な参加者たちが、国際的に義務的な公約を果たすという考え方に、嫌気をさしていたことも、その理由に挙げられる。
オーストラリアは、他の合意ルートを提案していた。
すべての国は、排出削減プログラムについての「国内的スケジュール」を考え出している。
それは、キャップ・アンド・トレードであったり、低炭素規制であったりしている。
先進国も、同様に、それぞれの排出量を削減することを意図しての数値指定をしている。
これらの公約は、国内法の施行となりうるが、国際的な制裁には、支配されえない。
オバマ大統領が、国々がそれぞれの公約の後押しをしうるサミットの必要性を話した時の意図は、おそらく、このことだったのだろう。
アメリカの立法者たちは、これが一番自分たちの趣味に合うことなのだと、気づいたのだろう。
それで、国際的に義務的な公約がされることを恐れている発展途上国に対して、炭素関税を課すことの正当化として、これを利用できると、彼らは思ったのだろう。
このアプローチに対する反対者たちは、もし、目標が国際的に義務的なものでなかったのなら、そして、その数値目標を実施する順守メカニズムがなかったとしたら、いかなる世界的な合意も、権限のないものになってしまう、との不平をもらしている。
しかし、京都議定書も、、実のところは、ざる法だったのである。
京都議定書は、理論上は、遵守メカニズムを持っている。
すなわち、一定のピリオドにおいて、この目標に合うことに失敗した国は、次のピリオドにおいて、さらに多くの削減をすることになっている。
しかし、それは、実行されないであろう。
排出量の最終決算において、カナダは、京都合意でのカナダの排出量削減目標を29パーセント、上回ったが、そのことでカナダは、罰せられることはないであろうと、誰しも、思っている。
また、国際的な義務的合意が、国々を排出量削減に向かわせるために必要不可欠なものであるとも、誰しも、思っていない。
中国は、そのような数値目標に抵抗しているが、その一方で、近年、他のどの国よりも、排出量を、より、おさえるようにしてきている。
そして、外交上の圧力のもとで、条約に調印するよりも、国内法の施行による手段のほうが、より続く可能性がある。
もし、アメリカが、国際的な義務目標を引き受ける準備があるのなら、それはそれでいい。
しかし、多くのアメリカに対する交渉者が、アメリカに対して、国際的な義務目標以外のオルタナティブがないと、主張すると、それは、危険なことだ。
もし、アメリカの上院議員が、アメリカが、勇み足で、押されている、と感じるとしたならば、彼らは、排出削減に、アメリカとして、約束したがらないであろう。
そして、オバマ大統領が、どのような、削減をしたい気持ちにあろうとも、立法者たちによって支持されない約束は、長期的には、続かないであろう。
コペンハーゲン会議までは、そんなに時間がない。
しかし、オルタナティブな軌道を拓く時間は十分あるのだ。
以上翻訳終わり
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2009/10/11 Sunday
2009年10月11日
10月8日付けのニューズウイークの記事「Areas Hit Hard by Flu in Spring See Little Now」では、アメリカの多くの州では、依然としてH1N1感染者は増加しているが、この春に大感染を広げたニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアでは、第二波と見られる著しい感染増大は、今のところ見られていないところから、当初予想されたこの秋での第二波は、1918年のようなことにはならないのでは、との憶測を伝えている。
すなわち、ニューヨーク市では、この春、75万人の感染者が出たが、この秋には、目だった感染者の増加を見ていないという。
専門家の推測では、この春にニューヨーク市の人口の20パーセントから40パーセントが免疫を獲得したと見られている。
反面、このことは、集団免疫化への動きを鈍らせている。
集団免疫化の効果が出るのは、はしかなどの場合は、人口の90パーセントの免疫化の必要があるというが、今回のH1N1の場合は、せいぜい50パーセント程度であるという。
まさに、行政のワクチン接種の呼びかけにも、「笛吹けど踊らず」の状況で、このままでは、大量のワクチン在庫の山ができるとの懸念も出ているようだ。
第二波を当て込んだワクチンの過発注にとどまらず、カナダのマニトバ州では、遺体袋の過発注問題まで出ているという。
カナダでも、第二波については楽観的で、ある当局者は、「結局、第二波は、情報の流行(epidemic of information)に過ぎなくなるであろう。」といっている。
むしろ、新型よりも、毎年多くの死者をもたらす季節性インフルエンザこそ警戒すべきであるとして、高齢者に対する季節性インフルエンザワクチンの接種を勧めている。
一方、イギリスでも、第二波は、当初予想されたピークよりは、かなり低いものになるのではないか、との憶測が広まっているようだ。
もちろんイギリスにおいても、感染者は、19歳以下を中心にして、刻々増えているが、その増加率は、決して、加速的ではないという。
専門家では、このことをもって、「今回のH1N1の広がりは、”スロー・バーナー”である。」といっている。
スローバーナーと呼ばれる懸念は、H1N1問題が今後、数年にわたり長期化しかねないドリフト変異に対する懸念でもある。
ニューヨーク市のバッファロースクールでは、生徒の一部が、春と秋の二回、軽いH1N1感染症状を見せるという現象が生じているという。
これは、今回のH1N1iについて、抗体の力価(titer)の減少が見られているということである。
ニーマン博士によれば、これは、複数のサブ・クレードのウイルス感染によって、抗原ドリフト(antigenic drift)”といわれる。“ドリフト変異体(Drift variant)”が生成されているのではないか、ということである。
参照「Buffalo School Outbreaks Raise H1N1 Re-Infection Concerns 」
今回の新型インフルエンザが、今後、季節性インフルエンザとして長期化し存在する可能性も、このことから、ありうる。
また、このことは、今回の新型インフルエンザ・ワクチンの効力がどの程度あるのか、についての疑念も生じさせかねない。
ここにきて、再び、1973年の集団一斉接種による功罪論が噴出している。
この1973年の集団一斉接種で、例のギランバレー症候群問題を引き起こした悪夢が人々を襲ってきたということだ。
「第二波がきそうもないということであれば、何も、リスクを犯して、新型インフルエンザワクチンを接種するまでもない。」との考えの人が増えてきたということだ。
今回、春の感染で獲得した免疫が、現在有効に働いている、ということは、今夏のH1N1が、南半球を回って北半球に戻ってはきたが、その間には、一部のウイルスでのタミフル耐性変異(H274Y変異)を除いては、一部中国やオランダなどを除いては、顕著な劇症性をもたらすウイルスの変異(E627K変異)はなかった、ということである。
1918年の第二波においては、第二波到来最初の25週間で、一週間に百万人の死者が出たが、少なくとも、今回は、そのような状況にはない。
もちろん、気温低下と乾燥がいっそう進むこれからの季節変化には、十分対応しなければならないが、今回の新型インフルエンザに当初描かれていた第二波の恐怖のシナリオは、今のところ、崩れていると見たほうがよさそうだ。
ただ、春の感染で免疫を獲得していない地域もいぜんある、など、地域的には、ばらつきのある対応が、今後、求められてくるようだ。
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