Sasayama’s Weblog


2005/02/13 Sunday

「 パブリック・ジャーナリズム」の原点とはなになのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:41:54

  
2005/02/13(Sun)

nullパブリック・ジャーナリズムについての試行錯誤が、日本でも、海外でも続いている。
しかし、ライブドアの市民記者(パブリックジャーナリスト)執筆なる記事や、意気軒昂なるも、やや、おどろおどろしい、このような記事をみると、これは、名前は同じでも、「似て非なるもの」で、そうではないんじゃなかろうかと思うのだが。

パブリック・ジャーナリズムは、決して、瀕死のミニコミの救済事業ではないはずだ。

そこで、パブリックジャーナリズムの原点を何に、世界は求めているのかと、 the Public Journalism Network (PJNet) http://pjnet.org/weblogs/pjnettoday/archives/000091.htmlのサイトにたずねてみると。

ひとつの言葉が原点であるという。

その言葉とは、Abbott Joseph Liebling (1904-1963) の次の言葉だという。

“Freedom of the press is guaranteed only to those who own one”

「新聞の自由は、ただ、その新聞を持っているものによってのみ、保障される。」

つまり、このAbbott Joseph Lieblingさんが、半世紀以上も前に発した報道の自由の原点の言葉を、今のインターネット時代に置き換えてみれば、誰でも、新聞に変わるウェブサイトももてるじゃないか、ウェブログももてるじゃないか、ということなのだ。

このことを、PJNetを主催するLeonard Witt氏は、

「Abbott Joseph LieblingさんのDNAが、インターネット時代を迎えて、現代によみがえった。」といっている。

参考 スライド「メディア変革への力」
http://www.inms.umn.edu/speeches/powerpoint/anyone/sld001.htm

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2005/02/12 Saturday

「コメント・スクラム」か、「ブログ・スクラム」か?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:41:35

  
2005/02/12(Sat)

null http://www.reuters.com/newsArticle.
jhtml?type=industryNews&storyID=7609041

によれば、CNNのイーソン・ジョーダン氏(Eason Jordan )が、スイスのダボスで先月27日開かれた世界経済フォーラムの討論会の席上で「イラクでのジャーナリストの死亡者の中には、米軍のターゲットにされて死んだものもある。」との趣旨の発言をしたとのことで、これに抗議する「easongate.com」http://www.easongate.com/
という名のブログが、他のブログとスクラムを組んで、氏に対する抗議キャンペーンを繰り広げた。
(スクラムを組んだ他のブログとしては、Captain’s QuartersMichelle Malkin, Charles Johnson などがある。http://www.slowplay.com/archives/2005/02/12/bloggers-take-down-top-cnn-exec-eason-jordan.php参照)

ジョーダン氏は、「発言の意味するところは、ジャーナリストが、危険な場所で、危険な時間にいるので、爆発が起こった場合に、米軍が、彼らを敵とおもって、誤射撃をしてしまうことによって、死者が増えている。との意味で発言したのだ。」と弁解したのだが、これが、かえって、ブログでの論争に火をつけてしまったようだ。

結果、ジョーダン氏は、1982年にアシスタントから出発し、23年間かけて、最高位にまで上り詰めたCNNを去ることになった。

恐るべし、ブログの力。である。

一方、日本では、近頃、マスコミの記者さんたちが、ブログを始める方が増えたようで、「記者ブログ」ということで、話題になっているようである。

しかし、その功罪を問う声も増えてきている。

「記者ブログはなぜ潰されやすいのか」との論評http://blog.goo.ne.jp/wakainkyo/e/3413a8456386744c636e4434ee53527d
では、記者がマスコミの作法そのままに、ブログの社会でも、粗野に対応するがために、ブログの社会での反感を買い、結果、「祭り」にあげられ、撃沈しているのではないかとの見方である。

また、このサイトhttp://giraud.way-nifty.com/lune/2005/02/post_3.htmlのように、こんな見方もある。
「しかしだな、記者ブログの炎上は月例行事ですか。つーかあなた方は何でわざわざ記者を名乗りますか。そういうキャッチーな属性を示せばそういう目で見る人が集まるということは想像できないか。分泌で、じゃない文筆で生計を立てているという自負からかも知れないが、それならなおのこと、要らぬ属性を示さず文章のみで展開されたら良かったのに。どうしても出したければ、後から発表すれば良い。でないならば、幾ばくかの覚悟をもって望まれるのが備えといったものではないかと。」

なるほど、記者が記者である間は、報道各社の冠を、いやなりおうなり、背負わされているのだから、ブログの社会では、それが、よくも悪くも作用するということなのだろう。

http://kusanone.exblog.jp/1536894/の見方は、こうである。

「記者ブログを運営する上での難しさがここにある。これまで紙の媒体上で言論活動する場合は、世間一般とは異なる見解を示すほうが評価が高かったりする。独自の視点を主張することに意義があったりするわけだ。
しかしブログ同士の議論では、世間一般の考えと異なる主張を展開するには徹底的な理論武装とエネルギーが必要になる。そうでなければ、この記者ブロガーのように反論と感情の雪崩現象に押しつぶされてしまうことになる。」

なるほど、ブログの社会では、「言いっぱなし。書きっぱなし」は許されないということなのだろう。

また、紙数の制約なし、「ソースきぼんぬ」と、取材源を問われる場合もあるのだから、紙の世界のように、取材源拒否はできないのかもしれない。

私個人の考え方としては、記者ブログのあり方は、既成の紙媒体では、詳細に報道できないことを、ネットの詳細性をとことん利用して、事実のみを、データベース的に、淡々と、しかも、極度に詳細に、書き連ねることが必要なことだと思う。

これまでの、ニュース・レリース書き写しのような、浅薄な知識提供ではすまない。

しかし、それ以前に、そもそも、本来、ネットの社会は、アンチの社会行動に適した社会なのかもしれない。

知らずにブログ記者さんのかむっているマスコミ各社の冠は、アンチにとっての、格好の標的となりうる。

だから、記者さんが、本来の社会の木鐸としてのアンチ精神を取り戻さない限り、「マス**が、ネットの世界に擦り寄ってきた。」としか、ネット住人からは、思われないのかもしれない。

その観点からすると、どうも、今の「記者ブログ」のスタンスは、中途半端だ。

ネットの世界に、自らの所属する報道各社の冠を利用して、アクセスを増やそうとする魂胆も、感じられなくもない。

しかも、ブログの中では、やたらに、「忙しい。」を連発されている。

裏のメッセージとしては、「暇だから、こんなブログやっているんではありません。」との見栄も、透けて見えてくる。

なんとなく、「われこそ情報エリートなり。」との臭気紛々と言った感じである。

下手をすると、学者さんのブログ以上に、記者ブログは、「衒学の巣窟」と化しそうな気配すら感じさせられる。

参考までに、祭りに挙げられ、炎上消失してしまった「しがない記者日記」のキャッシュと、、同じく閉鎖されてしまった記者ブログ「素晴らしき世界」のキャッシュを、リンクしておく。

これら閉鎖してしまった記者ブログの特性として、記者魂があまりブログの世界にもほとばしり出てしまった「律儀さ」によるもののように、私には、思えるが。

ところで、レコード輸入権問題でもご活躍だった小倉秀夫弁護士と、それにコメントする皆さんとの壮絶なやり取りがあったこと、ノロウィルス問題に取り紛れて、うかつにして知らなかった。

そもそもの発端は、1月3日の「取材源の秘匿」如何の問題
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/d/20050103
のようだ。

論争の焦点は、取材源の秘匿が認められるのは、公共性を対価としてのものなのかどうかということなのか?

ここで、小倉さんは、「コメント・スパム」ならぬ「コメント・スクラム」という概念を出されている。
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/d/20050110参照。

上記のCNNのイーソン・ジョーダン氏の場合は、「コメント・スクラム」ではなく、まづ、「ブログ・スクラム」があって、それを、ぎりぎりまで静観していたニューヨークタイムズなど大手マスコミが、旧メディアの同志を裏切った形で、暫定「メディア・スクラム」を組み、書き始めた時点で、CNNの上層部が動き始めたという展開のようだ。

日本の場合は、コメントスクラムで「祭り」が始まるのだが、ブログスクラムで、「メディア・スクラム」を組む既成のマスコミへの「祭り」が始まるという展開には、まだ、なっていないようだ。

となると、マスコミの記者ブログというのは、CNNに似たブログ・スクラムによる既成マスコミへの祭りが始まる前の「ワクチン注射」的役割を意図してのものにもなりかねない。

この小倉弁護士のブログの中に、もうひとつ、興味深いコメントがあった。
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/m/200502なのだが、未公開の放送部分をアーカイブ化して、ウエブサイトで見られるようにとの提案であるが、賛成である。

これは、上記で私がいっている「記者ブログは、事実のみを詳細に淡々と」という趣旨とも合致している。

そもそも、記者が書く記事のほとんどは、ボツになって世に出ない。

映像も、そのほとんどは、カットであろう。

記者さんが書く記事のほとんどのよりどころとなるニュースレリースも、この四国新聞のサイトhttp://www.shikoku-np.co.jp/news/kyodo_detail.aspxは別にしても、それが、丸ごと、世に公開されることは、めったにない。

だから、もし、報道各社が、または、記者ブログが、社会的に価値があるサイト活動をするのであるのなら、これらの未公開なりボツになった膨大な、氷山の下の部分を、サイトなりブログで公開することに、社会的な価値があるのではなかろうか。

つまり、あまりにも、空間的スペースが狭くなってしまった紙媒体と、あまりにも、時間的スペースが少なくなってしまった放送媒体との、旧メディア・マスコミのオーバーフロー分情報廃棄物のリサイクル利用ということだ。

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221

2005/02/11 Friday

「闘う知事会」というスローガンのトリック性

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:41:15

 
2005/02/11(Fri)

null(市町村からの国・県に対する不満をかわすために)知事が国に対してダンビラをかざして、見栄を切る。

小泉さんは、役所にダンビラをかざして、見栄を切る。

まさに、ダンビラのドミノ現象とでもいえるのだが。

トータルでドミノが一周してしまうと、国民への責任不在のみが残るというのが、このドミノの特徴。

どうも、この数年、そのパフォーマンスで、全国の知事さんの一部は、一定の「ねずみ小僧次郎吉」的効果と利得を、大衆からの支持という形で受けてきた。

しかし、この「戦う知事会」というスローガンは、三位一体の今では、やや、色あせてきたのではなかろうか?

マニフェストを掲げるのはいいが、それは、単なるスローガンではなく、実務的な工程表の提示でなければならないのだが。

まさに、野村監督ではないが「敵はわれにあり。」「責任はわれにあり。」なのである。

ホルスト・ガイヤーの言葉(Horst Geyer — U”ber die Dummheit)をもじって言えば、「勤勉な改革者ほど、はた迷惑なものはない。」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050211-00000101-yom-pol

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10の超党派主義

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:40:36

  
2005/02/11(Fri)

nullこのところ、アメリカのニュースに、超党派(Bipartisan)という言葉が頻繁に出てくる。
先に紹介した、集団訴訟改革法案も、超党派議員提出によるものであったし、カナダからの牛肉輸入に反対する決議案も、超党派上院議員によるものであった。

加えて、ブッシュ政権自体、今年の1月7日に、税制改革を目的とした、超党派のパネルを設けることを発表した。
http://www.taxreformpanel.gov/参照

これには、辛くも再選を果たしたブッシュ政権が、再選と同時に、民主党に対して、国家目的のための超党派的な取り組みを宣言したことから始まっている。

次のサイトhttp://www.ndol.org/ndol_ci.cfm?kaid=131&subid=192&contentid=253007 では、ブッシュ大統領が目指す超党派主義の欺瞞性を、10のBipartisanship (超党派主義)に分けて、分析している。

1.土台を元にしての連立
これは、ロナルド・レーガン大統領時代の1981年度当初予算通過に際して志向されたもので、まづ、一党内を固め、その上で、他政党を狙い撃ちして、多数を形成するやり方。

2.選び抜いていく連立
両方の政党の穏健派を選び出して、コアを形成した上で、両方の政党から徐々に賛同者を加えていくやり方。

3.外部からの人材取り込みによる連立
政党の壁が少ない外部からの人材登用によって、大衆迎合を図るやり方

4.馴れ合い連立
議員間での切り崩し取引によって、連立を果たすやり方。

5.政党間馴れ合い取引連立
4よりも、大きい問題で、政党間の馴れ合い取引をおこなうもの。

6.非常事態連立
軍事行動や経済の非常事態宣言などにおいて、火急を理由としての連立。

7.イデオロギー連立
リベラルな共和党員と、保守的な民主党員とが、国家の一大目標のためを大義として連立するもの。

8.地方連立
農業問題などの地方独自の要素による政策連合を図るもの。

9.立ち往生連立
政党が行き詰まりを見せ、次の選挙までの暫定連立をはたすもの。

10.政党内超党派主義
大衆に、自党の政策が、超党派主義を超えて、真に国民にとって有用なことであることを知らしめて、相手党を連立に至らしめる方法。

以上が、超党派主義の10の形だが、何やら、このそれぞれは、日本でも同じパターンが、これまで、いろいろな形で、試行錯誤されてきたことに気づく。
何処も同じ、というわけか?
翻って、日本の与野党対決は、双方、何の知恵もない不毛な従来手法の元にあるが、もし、この超党派主義に学ぶとすれば、いろいろな手法が、特に民主党サイドにとって展開できる材料があると思うのは、私だけであろうか。

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219

「集団訴訟改革法案」をめぐる消費者と企業と弁護士の思惑

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:39:54

 
2005/02/11(Fri)
null米上院本会議は10日、企業などを相手にした多額の損害賠償請求訴訟を起こしにくくさせる「集団訴訟改革法案」(the bill 72-26 the Class Action Fairness Act)を72対26の賛成多数で可決したが、早くも、この法案をめぐって、消費者や企業側からの賛否両論が起こっている。
http://news.ft.com/cms/s/e27763cc-7bd3-11d9-9af4-00000e2511c8.html

この法案成立で、もっとも大きな変化は、これからの消費者からの企業への訴えの場が、これまでの州立裁判所から、連邦裁判所の場に移るということである。
このことは、州立裁判所に近い消費者側の弁護士の声が弱くなるということを示している。
また、消費者にとっても、弁護士にとっても、マイレージやクーポンで弁護士費用を支払うというcoupon settlement という方式(http://www.keystonetitle.com/form1.htm参照)が通用しなくなるという。
このように、集団訴訟改革は、これまでの訴訟社会の換金回路にまでも、いろいろな面で影響を及ぼしてきそうな雲行きである。
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217
 

2005/02/10 Thursday

ユニバーサルプレコーションとスタンダードプレコーション

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:40:07

2005/02/10(Thu)

nullこのところ、医療施設の消毒基準をあらわす言葉として、ユニバーサルプレコーションとスタンダードプレコーションという言葉が使われる。
しかし、どうも、この両者の違いがわからない。
ある日本のサイトによると、「ユニバーサルプレコーション」(Universal Precautions )というのが、「すべての患者の(感染の有無に関わらず)血液、体液、排泄物は、感染の疑いのあるものとして取り扱う。」ということで、
「スタンダードプレコーション」(Standard Precautions )というのが、「救急医療や初期医療において、湿性生体物質を全て感染陽性として扱い、その予防策として一定の防護具を使用することをいう。」ということのようだ。
どうも、これでも、この二つの違い、わかりにくい。

もうひとつの日本のサイトをみると、
「universal precautionsは、普遍的予防策と呼びます。主に医療従事者の血中ウイルス感染を防ぐ目的で用いられた対策です。standard precautionsは、標準予防策と呼びます。Universal precautionsに対象微生物や防御対象物を広げた対策です。」と、書いてある。
これでも、よくわからない。

そこで、このOSHA(Occupational Safety & Health Administration)のサイト

http://www.osha.gov/SLTC/etools/hospital/
hazards/univprec/univ.html

で見てみると、ちょっとわかってきた。

以下のとおり。

医療現場従事者は、人間の血や体液に触れることで、HIV、A型・B型・C型肝炎、腸炎サルモネラ菌(SE)、赤痢菌、肺炎、梅毒、結核、マラリア、はしか、水痘、ヘルペス、尿路感染症、血液感染症などにかかる恐れがあるということ。

ユニバーサル・プレコーションというのは、血液・体液に、血液媒介病原菌基準(Bloodborne Pathogen Standard )
http://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_table=STANDARDS&p_id=10051
に定義されている病気があるものとして、事前対策として、感染コントロールを行おうというもの。

具体的には、医療現場従業員は、血液への接触や、潜在的に伝染性のある物質(OPM)(other potentially infectious materials)への接触を避ける。

しかし、実際上は、体液間の見分けがつかないため、すべての体液に感染性があるとみなす。

しかし、これでは、次のようなグレーゾーンができてしまう。
すなわち、脳脊髄液、胸膜液、腹膜液、羊水、精液、膣分泌液、歯科の唾液、血で汚れた液、などなどである。
また、剥離した組織や器官もある。

サイトhttp://www.the-farm.org/inserts03march.html
では、これらをOPMとみなしているが、糞便、鼻水、汗、痰、涙、尿、嘔吐物は、OPMとみなしていない。

そこで、スタンダード・プレコーションというのは、上記における血液や体液の概念を拡張して、1.血液 2.血が見られるかどうかは関係なく、汗を除く、すべての体液と排泄物、3.傷ついていない皮膚、4.粘膜 を含むものに拡張されているようだ。

参考 院内感染の標準的予防策
http://hica.jp/sp/yobou.pdf
Occupational Safety and Health Administration’s (OSHA’s)
Final Rule on Occupational Exposure to Bloodborne Pathogens
http://www1.va.gov/vasafety/page.cfm?pg=195

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218

2005/02/09 Wednesday

アメリカの牛肉検査体制の問題点

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:44:39

2005/02/09(Wed)

nullアメリカの牛肉検査体制は、長いこと、従来の伝統的な方式によっていましたが、1990年に、IOM(Institute of Medicine)がUSDAのFSISに対して、「流れ作業型検査体制」(Stream−lined Inspection System SIS-C またはStreamlined (Meat) Inspection System (SIS))を提案しました。
http://www4.nationalacademies.org
/news.nsf/isbn/030904345X?OpenDocument

http://www.haccpalliance.org/alliance/haccp.pdf
参照

1992年に、USDAは、このシステムの導入について、基本的な合意をしました。

この実際的な導入方向にUSDAが大きく傾くきっかけになったのは、Harding社製ハンバーガーの腸管出血性大腸菌(Escherichia coli 0157:H7)集団感染事件です。
http://www.eco.utexas.edu/facstaff/Cleaver/whatsinthemeat.html
参照

USDAは、これを機会に、「流れ作業型検査体制」の導入を決意し、1998年にHACCP対応型SIS-C システム導入を提案しました。
http://www.fsis.usda.gov/OA/haccp/himp.htm
参照。

しかし、このSIS-Cの意図は、国の検査員削減を目的としての検査の民間委託が、主な狙いであったわけです。
http://www.texasobserver.org/showArticle.asp?ArticleID=97
参照

このような検査体制の変遷の延長戦上で、今回のアメリカでのBSE発生となっているわけですから、このSIS-Cの欠陥が、日本の食のリスクにも、直接影響する事態となっているということを、われわれは、もっと認識しなければならないのではないでしょうか。

日本のHACCP信者さんには、申し訳ないのですが、HACCPというものが、アメリカの財政事情の産物でもあったという側面は、見逃してはならないものと思います。

以下、参考までに、オクラハマでの、生体取引までの検査の流れが、次のサイト
http://okcattlemen.org/OQBN_Pages/timeline.htm
に示されております。

http://www.worldincrisis.org/Harvestime-Books/International-Meat-Crisis.pdf

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増えているという「記者ブログ」は、単なる「つぶやき」なのか、掲載されない情報の「オーバーフロー」なのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:39:42

  
2005/02/09(Wed)
nullこのサイトのように、「記者ブログ」というものが増えているそうな。

それはそれで、情報の多元化ということで、ありがたいことなのだが、そのブログの意図するところは、単なる「つぶやき」なのか、掲載されない情報の「オーバーフロー」なのか、はたまた、「個としての意見をいえない報道社内体制批判のツール」としてのものなのか。

よく、わかりませんね。

まあ、ブログの振興で、せっかく、情報の素人集団が、プロ集団に対抗できると思ったのに、こうして、プロ集団の滲み出しエリアが広がって行くことは歓迎すべきものなのか、されないべきものなのか?

微妙ですね。(「既成マスコミ所属だけど、ネットの仲間に入れてよ。」って媚った感じもしないではない。中には、2chからの猛攻撃をされ、撃沈してしまった記者ブログもあるようだ、その経過について、詳しく書いてあるのがこのサイト。http://blog.livedoor.jp/f_117/archives/11751329.html)

これは、以前、「言論NPO」についていったことと、同じことなのだが。

こちらのブログ
http://spaces.msn.com/members/rikei/PersonalSpace.aspx?_c=
は、「毎日新聞「理系白書」の記者が作るページ」なのだそうです。

このなかでは、「一日あたり2000以上のアクセスがあることを伝えたら、A記者はとても驚いてくれた。論より証拠。明日中に、総アクセス数が20万を突破します」と、誇らしげですね。

確かに、巨大な地方紙が支配している地方に行くと、中央紙の購読者数が、千単位なんて県もあるくらいだから、個人ブログのほうが効率的ってこともあるかもしれない。

なにしろ、支局の記者さんなんかと話していると、自分が書いた記事が出るのは、年間、かなり低い確率だって言うから、その辺の飢餓感なんてものが、根底にあるのかもしれない。

でも、ブログ記者のブログに、既成新聞社の記者が取材なんて、ちょっとですね。

上記サイトでの「記者ブログ」騒動は、自前のドメインでのブログサイトを作れば、「独立自尊」だったのに、ちょっとせこかったために、こんな問題を生んでしまったということでしょうかね。

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216

ポールコーポレーションが、画期的な、プリオン除去フィルターを開発、今春よりヨーロッパで発売

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:38:41

 
2005/02/09

nullポールコーポレーション(Pall Corporation)
は、このたび、vCJDの血液感染対策などに有効な悪玉プリオン除去フィルターであるThe Leukotrap® Affinity Prion Reduction Filterを開発し、今年の春から、ヨーロッパを中心にして売り出すことにした。
http://www.mydna.com/
resources/resources/news/200502/news_20050208_
removprions.html

また、カナダやアメリカについても、認可次第、販売の予定であるという。
このフィルターの実験結果としては、300日間にわたるハムスターによるスクレーピー感染実験として、このフィルターをとおしたハムスターと、とおさなかったハムスタートとを比較したところ、フィルターを通さなかった18匹のハムスターのうち、三匹が感染したが、フィルターを通したハムスターの感染はゼロであったという。
このようなことから、このフィルターによる感染因子の除去率は、99パーセントになるという。

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214

2005/02/07 Monday

「悪玉プリオンは、脳以外の臓器にも蓄積」とのチューリッヒ大学などの研究

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:38:27

  
2005/02/07

nullhttp://a2gay.org.uk/
portal/article.php/20050206002356457

によれば、イェールならびにチューリッヒ大学の研究チームは、Science で、プリオンの蓄積は、これまで考えられてきた脳や脊髄、脾臓、リンパ節、扁桃腺以外の臓器にも蓄積するとの研究成果を発表した。

Nancy H. Ruddle(the John Rodman Paul Professor and Director of Graduate Studies in the Department of Epidemiology and Public Health at the Yale School of Medicine)によると、これまで、プリオン蓄積には無縁とおもわれていた肝臓、すい臓、腎臓についても、慢性炎症を起こしている5匹のマウス実験によって、炎症を起こしている器官でのプリオン蓄積を確認した。

研究チームは、臓器のプリオン蓄積分布は、慢性炎症の状況によって、かなりの程度、増加するとしている。

この研究結果は、現在の危険部位管理の再評価が必要なことを示しており、特に、細菌感染や自己免疫疾患によって炎症を起こしている動物についてのリスク管理が必要なことを示しているという。

この研究と同様、炎症を起こしている動物へのプリオン感染の危険性については、先月、Adriano Aguzzi氏の研究成果が、1月20日のthe journal Science に発表されたばっかりであるが、ここでは、リンパ球のひとつであるB細胞が、脳よりも他の臓器への広がりに寄与しているものとされている。

B細胞は、健康な人間や動物のリンパ器官に見られ、炎症状態の下では、他のリンパ器官に入り込むものとされている。

先月のAdriano Aguzzi氏の研究成果については、「近頃気になるBSE研究 二つの話題」
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=201
参照

B細胞については、
http://ja.wikipedia.org/wiki/B%E7%B4%B0%E8%83%9E
参照。

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