Sasayama’s Weblog


2010/08/17 Tuesday

クロス・コンプライアンスなき農家への直接支払いはやめよ。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:32:52

2010年8月17日

 

null日本の民主党政権が目指している農業者戸別所得補償というスキームは、その当事者に言わせると、EUの直接支払いを雛形にしたというのだが、その雛形となったというEUの直接支払い自体、すでに、大きな変貌を遂げている。

現在の日本の農業者戸別所得補償スキームを見る限り、その雛形は、現在の2003年のFischer reform(New Cap)ではなく、その前の改革以前の1992年のMacSharry reforms(Old Cap)であると見られる。

2003年のFischer reform(New Cap)において、EUが改革を目指したポイントは、それまでのマーケットを通して(Market Measures)支払う共同市場組織(CMOs)と呼ばれるスキームや、家畜の個体別支払いや地域限定支払い(Coupled Payment)から離脱した、生産とは連動しない、デ・カップリングした支援であり、シングル・ペイメント・シェーマ(single payment scheme=SPS)といわれるものであった。

シングル・ペイメントの目的は、農家に、生産調整を許容しながら、何を生産するかを農民の意思に任せつつ、自らの能力やスキルに応じた安定した収入を得させるためのものである。

シングル・ペイメントを農民が得るためには、一定の資格を必要とし、この資格は、これまでの生産実績や、計画初年度の実績によって決められる。

このシングル・ペイメントに加えて、農家は、蛋白作物、コメ、ナッツ、馬鈴薯でんぷん、牛乳、乳製品、種子、綿花、オリーブ、牛肉、子牛肉などについては、2012年終了を前提として、特別支援措置がある。

さらに、一定のシーリングの元に、シングル・エリア・ペイメント(Single Area Payment Scheme=SAPS)と呼ばれるものがある。

なによりも、2003年のFischer reform(New Cap)において特記すべきは、クロス・コンプライアンス(Cross-compliance)という概念が設けられたことにある。(こちらもご参照)

すなわち、農家が直接支払いを受けるためには、公衆に寄与し得、動植物の健全な成長に寄与し得、環境と動物福祉に寄与し得、農家自ら所有する農地をよい農業条件と環境条件に保つことに寄与し得るための、一定の条件に適合しなければならない、ということである。

その基準に達しない地域なり農家に対しては、支払いの総額は減少しうるということになる。

また、これは牧草地についても適用され、農業用地のトータルの一定割合に牧草地が保たれる必要がある、という制約も加わる。

しかし、この現在の2003年Fischer reform(New Cap)も、すでに次のような厳しい批判にさらされている。

すなわち、クロス・コンプライアンスによって正当化された一般支払いよりも、必要とされる公共財を生産する農家へのターゲット支払いを進めるべきである、とのStefan Tangermann氏らによる批判である。

氏は、その意見で、現在のニューCAPによる直接支払いは、EUの財政的理由で、2013年以降は立ち行かなくなるとしている。

その上で、氏は、2013年以降のCAPのスキームを模索する上で、現在のCAP予算を農村開発のための個々の施策に振り向けるべきである、と、主張している。

EU圏の財政悪化によって、農家への直接支払いに対する社会的許容を鈍らせているのは、農業部門以外の部門の経済的疲弊化である。

農業部門のみ、どうして優遇されるのか?との不公平感が農業外部門において充満しつつある。
参考「How can direct payments be justified after 2013?

Konrad Hagedorn氏も、農業の多面的機能インセンティブに直接支払い政策を選んだ場合、取引費用では、直接支払い型インセンティブは、インセンティブではベストな選択とはいえず、面的な制度設定変更のほうが効果はある、としている。
参考「Multifunctional agriculture : an institutional interpretation 」(Hagedorn Konrad )(markets:understanding the critical linkage)(October 28-29, 2004)

このようなEUにおける直接支払いの議論経過を見てみると、日本でようやく始まるクロス・コンプライアンスなき、原初的形態での直接支払い=農業者戸別所得補償スキームには、EUとは二周も三周も遅れたスキームの稚拙さが見られる。

日本においても、直接支払い政策に移行すればするほど、ミクロの面での不公平間が強まってくる。

農業に対する直接支払いが社会的に是認されるのは、その支払いが環境などの外部経済に資するというクロス・コンプライアンスの条件に適合してのことであるが、日本でこれから試行しようとしている在来型のゼネラル・ペイメントでは、そのトレードオフとなる社会効果が期待できない。

農業保護の甘い論理構成として、緑資源に資するから、とか、農業は自然と一体だから、といった論理は、クロス・コンプライアンスの点からは、もはや通用しない。

クロス・コンプライアンスの観点からなら、「では、その論理なら、環境に直接投資したほうが」、ということになってしまうからだ。

また、カロリー・ベースでの食料自給率の向上は、消費者・国民全体に資する、と主張する向きもある。

では、カロリー自給率の向上が、農業に対する直接支払いのクロス・コンプライアンスとして位置づけられうるか、といえば、納税者でもある農産物消費者にとっては、きわめてメリットの少ない、対価といえる。

つまり、カロリーベースで低い自給率をいち早く改善できるのは、高い飼料自給率だからだ。

カロリーベースで低い自給率をいち早く改善できるキーマンは、納税者でもある農産物消費者に協力を求めるよりも、まず低い飼料自給率の改善からはじめるべき農業者自身にあるからだ。

プロゴルファーの石川遼君を動員してのカロリーベースの食料自給率向上キャンペーンは、、茶の間の納税者でもある消費者に向けられるべきなのではなく、まず、カロリーベース自給率を大きく左右している飼料自給率向上の鍵を握っている畜産当事者に向けられるべきものだ。

農家に対する直接支払いの政策目的は、決して、農家の生活安定とか農家の消費性向上昇などにあるのではなく、あくまで、クロス・コンプライアンスにもとづいた外部経済の向上にあり、そのことによる行政効果と政府支出の軽減が、トレードオフの対極にあるということだ。

今後も、農家に対する直接支払いが在来型のゼネラル・ペイメントにとどまる限り、それは、愚民政策であり、ポピュリズム政策であり、ばら撒き政策との揶揄・そしりを免れない、ということだ。

そして、これらのスキームに永続性がないことを一番知っており、それについて一番不安を抱いているのは、ほかならぬ農民自身である。ということだ。

 

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2010/03/14 Sunday

ドーハラウンド2010年内決着をめぐる楽観論と悲観論

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:17:29

2010年3月14日
 
昨年のG20ピッツバーグ合意にもとづき、WTO関係国閣僚会議は、今月末に、関税引き下げなどについての幅広い取り扱いを決めるために開催の予定であるが、ここにきて、いよいよ高まる世界の保護貿易主義やアンチ・グローバリズムの高まりの中で、はたしてピッツバーグ合意が今年中に果たされうるのか否かについての楽観論・悲観論が織り成す状況となっているようだ。

前のWTOの事務局長だったニュージーランドのファルコナー氏によれば、WTO合意は80パーセントはできていて、残りの20パーセントに厄介な問題があり、その多くは政治問題なのだという。

「多くのマラソンランナーは、残り最後の数キロメートルのところで失敗する」と彼は言う。

オーストラリアのAnthony Byme氏は「ラミー事務局長が年初以来いっている2010年内合意は達成可能であり、残された問題は、特別セーフガードの問題やら関心品目の問題、そして、関税率割り当て創設問題や綿花問題などごく一部の問題のみである。2013年までに、輸出奨励金全廃を政策の優先順位にすればいい。」という。

一方、これらの楽観論の一方で、悲観論もある。

イリノイ大学のRobert Thompson氏は「今年中のドーハラウンド合意は、不可能で、2011年または2012年中合意も、難しい。最大の問題は、高まる失業率で、これらの経済問題が解決を見るには、2013年まで、WTOドーハラウンド合意は、難しい。」という。

これらの楽観論・悲観論に共通することは、表面的にするか実質的にするかの違いはあるにせよ、2013年を最終合意年にするという暗黙の合意にも見られる。

ここにきて、先週水曜日に、ラミー事務局長がアメリカのガイトナー財務長官などと会ったことが、いろいろな憶測をよんでいる。

一方で、アメリカは、二国間(バイ)での貿易協定の締結を加速させている。

棚上げ中のコロンビア、パナマ、韓国とのFTA締結議会承認を加速させる動きも、アメリカ議会に見られる。

オバマ大統領が、この木曜日での演説で強調したのは、この五年間で輸出を倍増させるという強気のものであった。

しかし、これらの動きにもかかわらず、議員の動きは、鈍いようだ。

これらの動きを加速させようと躍起になればなるほど、ブーメランのごとく降りかかってくるのが、アメリカ国内の労働問題であるからだ。

上院議員のグラスレー氏は、次のように語る。「貿易問題が次なる問題に発展するようなうちは、われわれは、貿易問題を論じない。」

参考
CORRECTED - UPDATE 1-Deal in WTO Doha round doubtful in 2010 -USTR Kirk
U.S. Nears a Crossroads on Trade
US views Doha framework as ‘not satisfactory’: lawmaker
WTO says ‘too early’ for ministers to meet on Doha
Doha derailed until 2013, says US

 

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2010/02/09 Tuesday

メモ−FTAと国内農業との利害対立回避スキーム

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:41:43

2010年2月9日
 
Twitterの効用というか、あたらな出会いで、新しい政策スキームの模索の糸口がつかめそうな感じになっている。

このTwitter「FTA_EPA」さんは、FTAについての情報提供を、Twitter上で展開されている。

そこで、FTAと国内農業との利害対立回避スキームは、確立できないのか、ということについてなのだが。

FTA_EPAさんによれば、海外間のFTAを活用してサプライチェーンを再構築すると、コストが下がる解を見つけることができるという。

サプライチェーンはリードタイムの短縮、トータルコストの削減、在庫の削減などにつながる。

サプライチェーンでFTAを考えると、原材料・部材をどの国から買ってくるか、どこでアセンブリをするか、どの市場に販売するかで関税は大きな役割を果たすことになる。

非原産品の取り扱いでは、FTAの相手国は原産品として扱われる。

例えば日本=マレーシアのFTAなら、マレーシア産の材料は日本産と同等に扱う。

付加価値基準によれば、商品の価額(FOB)に対して、輸入品(非原産)の部材費を引いた金額の割合が一定のパーセント以上であれば原産品であることを認める。

関税番号変更基準によれば、原材料・部材のHSコード(輸入品のみでよい)と完成品のHSコードを比較し、協定で規定される桁数部分でコードが変わっていたら原産であることを認める。  

この基準をうまく使うと、FTA域内における関税低減化によるサプライ・チェーンの構築を図ることができる。

これらのことから言えることは、
.汽廛薀ぅ船А璽鵑虜胴獣曚FTAで図ることができる。 
HS関税番号の付け替えで、『輸入が実質輸出に』なることができる。
ということで、
内需的外需、外需的内需の振興とも言うべき概念が出現できることになる。

すなわち、FTA域内内需、FTA域外外需とも言うべき概念が出現しうるということだ。

以上は、工業品についてのスキームが主になると思われるが、同様にスキームが農業品目についても、可能なように思われる。

つまり、『農業→食品工業』のチェーンを構築する上で、FTAによるサプライチェーンの構築が図れないものだろうか、ということである。

このスキームにおいては、食品において、「国産だから安全」「中国産だから危険」というような偏見は、通用しないことになりうる。

また、この場合のFTAの相手方は、必ずしも先進国でないほうがうまくいくような気がする。

コロンブスの卵的な発想で、FTAと国内農業との利害対立スキームの解消ができればよいのだが。

 

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2010/01/22 Friday

佐竹秋田県知事、全国知事会で「泣く泣く国に従った」と発言

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:26:53

2010/01/22(Fri)
 

「国に泣く泣く従わざるを得なかったが、これはいかがなものか」。

佐竹敬久知事は21日、東京都内で開かれた全国知事会議で発言し、コメの生産数量目標の配分をめぐって、国が戸別所得補償制度からの“秋田外し”をちらつかせて配分の見直しを求めたことへの不満をあらわにした。

同時に「これから財政事情がさらに厳しくなると、いろいろな方面で地方に手を突っ込んでくる可能性がある」と指摘。国への不信感を強めていることをうかがわせた。

との記事だが、さすがの佐竹の殿様も、、今回の赤松農林水産大臣の脅しと賺しの暴挙には、腹に据えかねたらしい。

おまけに、その解決の翌日には、あてつけ気味に、減反破りの大潟村の涌井氏を、大臣が激励している始末である。

秋田県農民は、よっぽど、コケにされても、怒らないと踏んでいるらしい。

それにしても、ふがいなかったのは、秋田県選出の衆参の民主党議員たちである。

苦悶する秋田県の農家の立場を国に対して擁護なり代弁することをまったくせずに、拱手傍観していた。

その彼らの無責任さこそ、問われるべきなのだろう。

 

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2010/01/15 Friday

秋田県の2010年産米生産数量目標の市町村配分一応決定

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:19:17

2010/01/15(Fri)
 
2009年産米で大潟村など3市村に科したペナルティー計5216トンの3分の1に当たる1739トンを残り22市町村から一律に削減し、3市村に追加配分

3年で是正という形になる模様。

大潟村の転作率(生産調整の面積の水田面積に占める割合)は48.7%となる。県平均との差は12ポイントと09年の15.4ポイントから縮まる。

大潟村の削減負担の軽減量は、前年対比△1884トンに終わった。

もっとも、減反破り派は、これまで、ペナルティがかかろうとかかるまいと無視してきたのだから、どうってことはないのかもしれない。

あとは、大潟村内部での、減反遵守派と減反非遵守派とのあいだの問題となる。(大潟村内部では、減反遵守派64.3%作付け可能、減反非遵守派38.2%作付け可能、この両者のアンバランスは、大潟村内部で、さらに、入れ子的にダブルの激変緩和措置がとられ是正するしかない。)

マクロでの謝罪を後回しにして、ミクロでの謝罪を優先させてしまった、赤松農林水産大臣ご自身が昨年11月26日に放ったブーメランが、結局、大潟村にかえってきてしまったという形だ。

これに対して、秋田農政事務所の綿谷弘勝事務所長は「新たに参加する農家にとって高いハードルとなる配分は不適切だ。農林水産省に結果を伝え、判断を仰ぎたい」と述べ、国が配分の再考を求める可能性に含みを残している。

でも、これ以上、農林水産省が突っ張ると、逆に国が痛い目を見るだけなんだが−−

もし、それを言うのだったら、なぜ、全国配分段階で、過去のペナルティの処理についてのマクロでの方針なり、調整配分なりをしなかったのか?

国はこの段階で、村への配分増を考慮して県別配分をするべきだったのだ。

国の不作為といわれても、仕方がない。

地域自決主義といいながら、国の意にそわない地域の総意が出たときには、いちゃもんをつける、では、発展途上国のお上と同じような貧しさを感じるのだが。

参考

秋田県の生産数量目標
2006年 497290トン
2007年 499280
2008年 474810
2009年 467160
2010年 461870

国の秋田県に対するペナルティー
2006年 8442トン
2007年 5230
2008年 3542
2009年 292
2010年 0

うち、大潟村のペナルティー
2006年 6085トン
2007年 4341 
2008年 3000
2009年 274
2010年 0

秋田県独自の大潟村に対するペナルティー
2006年 -
2007年 -
2008年 924トン
2009年 4830
2010年 3220

大潟村の全削減数量
2006年 6085トン
2007年 4341
2008年 3924
2009年 5104
2010年 3220

追記 配分修正(2010年1月18日)

県の2010年産米の生産数量目標の市町村別配分に対し、赤松農相が再考を求めていた問題で、県は18日、大潟村に実質的に残していたペナルティーを全面的に解消することを決めた配分数量を各市町村に通知した。佐竹知事は「本県が大きな不利益を受けることを避けるための苦渋の決断」と理解を求めた。

 新方針では、09年産米の市町村別の生産数量目標で大潟村など3市村に科された5216トン(うち大潟村分4830トン)を解消する一方で、減反達成市町村に同量を割り振った。

 これにより、大潟村は生産数量目標は前年比18・2%の大幅増となったが、能代、男鹿、潟上を除く減反達成市町村は、当初よりも減少幅が拡大し、2・4〜2・5%減ることになった。

 県内一のコメ所で最も大きな数量を削減された大仙市の高嶋良美・農林振興課長は「正直者がバカを見る結果だ」と不満を示した。
一方、大潟村の高橋正行・産業建設課長は「今回、大潟村のペナルティーが他の市町村から減じられることになったが、これまでは逆だったことをご理解いただきたい」と話した。

県では不公平感を払拭(ふっしょく)するため、農家への新たな支援策を10年度当初予算案に計上する方針。具体的には新制度で助成金が目減りする大豆などの転作作物に対し、県独自で上乗せする案などを検討するという。

以下は私の感想

以上の佐竹知事苦渋の選択だったが、この間における秋田県選出衆参国会議員が、秋田県のために調整に動いた節は見られない。

間に立った佐竹知事、木村JA県中会長をはじめとした協議会のメンバーが、自らの立場を犠牲にしての大人の対応でもって、農林水産省の面子もたてて、一応の結論に達したという形だ。

赤松農林水産大臣も大人気ないリアクションぶり、秋田県選出民主党衆参国会議員も能無しの体たらく、いったい、秋田県のこれからの農政はどうなるんでしょうかね。

◇修正後市町村別生産数量目標◇

市町村   生産目標(トン)  増減

                (率) (面積)

鹿角市    12,830 ▼ 2.5 ▼ 59

小坂町     1,453 ▼ 2.4 ▼  9

大館市    22,673 ▼ 2.5 ▼111

北秋田市   18,564 ▼ 2.5 ▼ 87

上小阿仁村   1,609 ▼ 2.5 ▼  8

能代市    22,775   0.4   24

藤里町     2,778 ▼ 2.4 ▼ 13

三種町    21,131 ▼ 2.5 ▼101

八峰町     6,540 ▼ 2.5 ▼ 27

秋田市    28,280 ▼ 2.5 ▼140

男鹿市    15,128 ▼ 1.1 ▼ 30

潟上市    11,317 ▼ 0.8 ▼ 16

五城目町    5,751 ▼ 2.5 ▼ 28

八郎潟町    4,167 ▼ 2.5 ▼ 21

井川町     4,179 ▼ 2.5 ▼ 19

大潟村    29,580  18.2  790

由利本荘市  38,502 ▼ 2.5 ▼159

にかほ市   12,165 ▼ 2.5 ▼ 43

大仙市    67,255 ▼ 2.5 ▼272

仙北市    17,215 ▼ 2.5 ▼ 56

美郷町    22,963 ▼ 2.5 ▼ 92

横手市    59,291 ▼ 2.5 ▼289

湯沢市    21,359 ▼ 2.5 ▼ 86

羽後町    13,191 ▼ 2.5 ▼ 49

東成瀬村    1,174 ▼ 2.5 ▼  6

計     461,870 ▼ 1.1 ▼907

 ※▼はマイナス。増減率は%で面積換算の単位はヘクタール

追記2.1月20日付けの地元紙『秋田魁新報』の社説

社説:コメ配分格差解消 地域事情無視の国指導
 2010年産米の生産数量目標の市町村配分で県は、生産調整(減反)未達成の大潟村など3市村に県独自の配分格差(ペナルティー)を残す当初方針を撤回、ペナルティーを10年度で一気に解消することにした。解消しなければ新設の戸別所得補償制度のモデル事業から本県を外すという「圧力」が国からあったためだ。地域事情を無視した国の強権ぶりには憤りを覚える。民主党の掲げる「地域主権」の趣旨にも逆行するだろう。

 戸別所得補償制度を導入するに当たって国は、営農に支障を来すとしてペナルティーの全量解消を打ち出したが、地域によっては過去の経緯もあるため暫定期間として3年程度での全量解消もやむなしとしていた。これを踏まえ市町村への配分を協議する県米政策推進協議会(会長・佐竹敬久知事)は、生産調整未達成の3市村に対し09年度に科した県独自のペナルティー5200トンのうち、10年度は3分の1の1700トン(うち大潟村1600トン)を科すことにし、残り3分の2は2年程度で解消することを決定した。

 これに赤松広隆農相が「大潟村の減反非協力農家はこれではやっていけない。秋田の決定を認めるわけにはいかない」と激怒。来県した農水省幹部も、10年度での全量解消を強く求め、解消しなければモデル事業の対象外にすることも示唆した。

 国がモデル事業などの制度を詳しく都道府県に説明したのは昨年末のことだ。自らの制度設計の遅れから県への指導に適切さを欠いた点は否めない。また県が国の真意を測りかねたことも混乱の一因だろう。

 本県の農家の8割は減反に協力してきており、こうした農家へのねぎらいの言葉もなく、とにかく大潟村へのペナルティー解消を強調する国の姿勢には、多くの農家が「正直者がばかをみるようなもの」と強い不満を抱いている。過去を一切水に流せといっても、言うはやすく行うは難しだ。それを数年かけて解決するという県の選択は、ベストではないにしろベターだったと考える。

 ただ、国から言われたから従うという県側の姿勢は主体性がなく、弱腰と言わざるを得ない。確かにモデル事業から本県が外されるとなれば、農家への打撃は大きい。しかし、福島県などは数年かけて全量解消することを決め、国も容認する方向だ。本県の場合、解消幅が小さいため国が問題視したのだ。とすれば、解消幅を80%、90%へ引き上げるという選択もあったのではないか。地域の思いを代表して国へ抵抗を示すことも知事には求められる。

 ともかく県は全量解消を決定した。生産数量目標の配分は大潟村と能代市を除く23市町村で減少する。生産調整に協力してきた農家には追加的な負担が伴う。県はこれら農家に数億円規模の支援策を打ち出した。着実に実行してもらいたい。

追記3 2010年1月15日の赤松農林水産大臣の記者会見より

以下、大臣記者会見

大臣
それと、あと、昨日、例の、秋田県の、非常に全国注目の中で、協議会が行われたようでございますけれども、秋田県の農政事務所の所長も参加をして、これ、やっていまして、結論で言えば、決まらなかったというのが結論なんですけれども、ただ、信じられないようなことが出ているのが、これ、ちょっと(記者に) 配って。
ここに、要は、全農の人だとか、そういう人たちは、あるいは、今までいい目をしたきた人たちは、ペナルティーは、そのままやるべきだということで、せいぜいあれしても、3分の1ぐらいの補正しか認めないと、俺らは、断固今までの数字を守り抜くんだみたいなことで言っていると。この表の、ここを見てもらうと分かるのですが、「その他の市町村」のところでも、わずか、0.4パーセントぐらいでさえ譲らないと、譲らないと。自分たちは、断固65.何パーセントを保持するんだというようなことを、平気でこういうことを主張しているということで、今まで、とにかく、非協力だったやつは、もう、38パーセントでいいんだということは、そういう低くして、そういうやつは、もう入ってこないようにして、今までどおり自分たちが、高い率の、人の分を全部、こうもらって多くやっているわけですから、それを保持したいというようなことを平気で言っていると、信じられないことですけれども。
ただ、僕らは、簡単に分かりやすく、時代は変わったということ、まだ、分かっていませんねということ、言い方しているのですが、時代が変わったという意味は、前回、去年までは、コメを作ることに、別に、税金は入ってなかったんです。転作したら、転作の方については出るけれども、コメそのものについては、税金入っていないわけ。ところが、今度は、コメ作ることそのものに税金が入っていくわけですから、決められた基準以上の税金を、勝手に自分が枠を拡げて、もらうなんてことは、認められるわけがないので、その辺のところを、やっぱり、ちょっと、まだ理解をしてもらってないんじゃないかというふうに思います。
ただ、私は、非常に、そういう意味では、現実論者ですから、教条的に、そういうことを言っているんじゃなくて、大原則を、まず、それを認めてもらわないと話は進みませんよと。ただ、大原則を認めた上で、激変緩和みたいな形で、今まで65ぐらいだったのを、じゃあ、ドーンと、涌井さんたちと横一列一緒なんていうことを言っているわけじゃなくて、これは2年、3年かけて、そこへ持って行ってもらえばいいけれども、まず、その前提を認めてもらわないと、それは、もう話進みませんし、たまたま、じゃあ、2年後に、3年後に、ゼロに、差はゼロにするから、そのために今年は、まず、このままで、何とか勘弁してくれと、あるいは、ここまでだったら、何とかできるということの話合いでないと、これは、何ともならない。
これは、同様のことを、別に、僕は、涌井さん達だけに肩持っているわけじゃなくて、涌井さんにも言っています。いっぺんに、今までの経過があるから、そんな、直ちに、みんなと一緒というわけにはいかないよと、だから、多少、しかし、ペナルティーを科さないという原則があるのだから、そういうことを見越して、まあ、そこそこのところで、やっぱりきちっと話合いして、合意をして、やりなさいということを言っているわけで、まあ、ここからは、じゃあ、どうするのかという話ですが、今まで、(総合食料局食糧)部長を、(秋田農政事務)所長だけでは、なかなか権限もありませんから、総合食料局の部長を行かせてましたけれども、今度は、部長よりも、一つレベルアップして、もう、(総合食料)局長に、直接、秋田へ行って、きちっと、それ話してこいと、もちろん、こんな、例えば、数字で38.いくつ、片や、65.3なんていうことであれば、農水大臣としては認められないので、これはもう、はっきりそういうことをお伝えしてらっしゃいということを、指示をいたしました。
盒(総合食料)局長は、明日行くのか、いつ行くのか分かりませんが、それは、今日、午前中に指示をいたしましたので、基本的には、そういう考え方でいきたいというふうに思っております。涌井さんの方も、今、もう、是非、この生産調整を含む米戸別所得補償制度に、是非、積極的に参加をしたいと、その時には、当然、コメを作れなくなる水田も増えるわけですから、それを一体どうするかということで、今、伝え聞くところによると、例えば、オーストラリアから、米粉のうどんを、是非、それを見積もりしてくれと、1コンテナ分ですね、その分を、見積もりして、値段が合えば、是非、輸入したいと、向こう側から言えば輸入、こちら側から言えば輸出できるということも、今、どんどん進んでいますので、そういう意味で言えば、非常に、食料自給率を向上させていくと、あるいは、今までも、そういう意味で言えば、ものすごい数の、決められた以上のコメを、どんどん作っていたわけですから、これをなくしてもらう代わりに、しかし、空いた水田の、そういう有効利活用ということについても、この制度に従って、米粉を中心としたところにシフトをしてもらえるということになるわけで、これが崩れますと、じゃあ、今までどおり、これは強制じゃありませんから、じゃあ、入らないんだったら、好きに、じゃあ、おコメを作らせてもらいますわというと、もう、作りまくって、全体の供給過剰になって、値段が下がっていくというような最悪のパターンになり得ますので、秋田だけこういうことを認めるというわけにはいきませんし、これは、全国注目をしている案件でございますので、きちっと、適正に、厳しく、原則を重視してやっていきたいということを、私の口から改めて申し上げておきたいと思います。

記者

今の、秋田県との協議、その話なんですが、局長を派遣されると聞きましたが、具体的に、国としてのスタンスは、再考を求めるというようなスタンスなのか、あるいは、具体的な数字の水準を示されるのか、その辺りのスタンスはいかがなんでしょうか。

大臣

だから、まず、大原則は、さっきも言ったように、ペナルティーを科さないと。過去、いろいろあったとしても、それを乗り越えて、みんなが理解と納得の上で、やっていくんだということを、まず認めてもらわないと、「あんな、今まで迷惑かけてきたやつは、とんでもない」、「正直者が馬鹿を見るようなことは許せない」みたいなことを言っていたんじゃ、これは話にならないわけですよ。
ですから、そういう意味で、まず、大前提を、この制度を、何度も言っているように、強制じゃないんですから、みんなが納得して入ってもらわないと困るわけだから、その上で、じゃあ、過去、しかし、そうは言っても、これだけの差があると、20何対、もう70に近い数字ですから、これはもう入らないという前提だから、20だろうが、0(ゼロ)だっていいんですね、極端に言えば。
だけど、今度は、もう入るという前提なんで、これが、もう、そのままでいいんだなんていうことは成り立たないわけで、ですから、「じゃあ、激変緩和もあるから、まあ、この辺のところでどうだ」とか、「ここまでは何とかできるけれど、何とかこれで納得してくれよ」ということにならないと、これは話にならないわけですね。
ですから、僕は、そんな難しいことを言ったり、どちらかに肩を持ったりなんていうつもりは全くありません。公平・公正にやってください、話合いで、しかし、今年、エイ、ヤーで全部できるとは思ってません、多少、2年、3年のことはいいでしょう、しかし、その、いく前提でそうなっていかないと。是非、皆さん方も、じゃあ、協議会の中身、取材されれば分かると思いますけれども、もともと、そんな非協力なやつはけしからんと、とんでもないという、そういう論理では、この制度は進んでいかないんです。ですから、そこを、ちょっと変えてもらわないと、物議をまた醸し出すかも知れませんが、どうしても、その制度は嫌だと、納得できないと、俺は70欲しいんだ、65なきゃ嫌だということにこだわるんだったら、もう、この制度に乗らないわけですから、だから、それはもう自分自身で考えてもらわざるをえないということです。

記者

今の問題に関連して、局長さんは、何日に派遣・・・。

大臣

だから、まだ決めていない。今朝、指示して、もう部長じゃ話にならないから、局長が行ってやってこいということを指示したということです。

記者

本日という可能性もあるのでしょうか。

大臣

まあ、ないでしょう。それは。

記者

週明けという・・・。

大臣

公務員ですからね、ちゃんと出張申請を書いて、判をずっと押して、行かなきゃいけませんから、政治家は自由に動きますけれども、役人はそういうわけにいきませんので、明日以降ということになると思います。

記者

昨日の秋田の協議会では、今までのペナルティーの3分の1を来年度で減らしていくんだというような内容だったと思うんですけれども、大臣としても、いきなり初年度から横一線でなくてもいいというお話なさってますけれども、そうすると、その、どのくらいの程度をもってすれば、大臣としては納得できるのでしょうか。

大臣

そんなことは、この場で僕が言うことじゃないと思います。最終的には、私が政治判断で決めることになると思いますが、まずは、局長が、前提を、まず考え直してもらいたい、いい、さっきも言ったけれど、わずか0.4減ることでさえ、こだわっているんですから、こんなんじゃ話にならないわけですよ。
しかも、さっき言ったように、今まで、コメ作ったら金は一銭ももらえないけれど、今度は、作れば作るほどお金入ってくるわけですから、例えば、10ヘクタールやったら、150万(円)、黙ってても入ってくるわけですよ、そうでしょう。こっちの自給力(水田利活用自給力向上事業)は別としても、別としても、こっちだけやったってそれだけ入ってくるということですから、これは税金なんですから、その人達のお金一銭も入ってないんですから、ですから、そいういう意味で、税金を、こんな厳しい経済状況の中で、5,618億、満額認めてもらって、それで僕らは使わせていただくわけですよ、だから、一円たりともそういう無駄は、使えないと、そういう意味で、有効にそれを活かしてもらうためには、やっばり、ちゃんとした使い方してもらわないと、それは国民が納得しませんよ。
今、ただでさえ、何で農家にだけ、何で農業にだけ、そんな手厚い保護やるんだみたいな声が、ないわけじゃないんですよね。僕ら、それを一生懸命説得して、お話しして、理解いただけるようにやってますけれども、しかし、今なお、国民全体で言えば、そういう声ってものすごく強いんですから、だから、それを、旧来はこうだったとか、自民党時代はこうだったとか、そんな論理は、もう通用しないんです、悪いんですけれど。

記者

確認ですけれど、現状としては、これ、秋田の、昨日決めた方針というのは、これは、ペナルティーに・・・。

大臣

決めたんじゃないんです、「物別れ」ね。

記者

大臣としては、ペナルティーに該当するというお考えであるということでよろしいわけですか。

大臣

ペナルティーって、どういう意味?

記者

昨日、秋田が決めようとした内容については、大原則には、反しているという・・・。

大臣

だから、ペナルティーはそのまま残せと言うことでしょう、残せと言うことでしょう、その人たちは。
だから、そういう考え方は、ペナルティーは科さないというのが、今度の、制度の、別に秋田のためにそう言ったわけじゃなくて、もともとの全体の制度を作る時に、そういう過去どうだったとかいうペナルティーは科しませんと、それが、この制度の大前提ですということを、一番最初の時に決めたわけですから。だから、そういう原則に従って、ただ、いろいろな地域事情や、激変緩和や、そんなことは、それはあるでしょう、僕は、だから、そんなことは途中から変えたんじゃなくて、最初から、教条的に言ってるのではなくて、そういうことは、十分加味してやればいいでしょうと。頭からズバーッとやるんじゃなくて、できるだけ話し合いをやって、積み上げて、どうしても、それで物別れならば、これは、しょうがないですけれども、まだ、そこの段階まで行ってないと思ってますから、だから、それを今まで部長も一生懸命やってくれましたけれども、部長で話がつかないとしたら、今度は局長に行ってもらって、盒兇気鵑稜瓦蟾で、しっかり、もう手紙書くんじゃなくて、直接、今度は、面と向かって話して説得してもらうということを、僕は、盒橋苗后高く買ってますから、彼なら、ある程度、理解をしてもらえるようにがんばれるんじゃないかということで、とりあえず・・・。

記者

再考を求めるということでよろしいのでしょうか。

大臣

もちろんそうですね。少なくとも、言えることは、38.2では僕は認めませんから、絶対に。ここから一歩ももう、引けませんだったら、もう、それは話になりませんね。

記者

つまり、現状のままで行くんであれば、戸別所得補償制度には入れないということでよろしい・・・。

大臣

もちろん、そのために交渉するのですから。ただ、あまり先を見越さないで。ただ、「これで認めて下さい」と言われても、「ああそうですか、まあ、しょうがないですね、ここの秋田は」なんていうことにはなりませんよということだけは、はっきりしています。

追記4.平成22年1月19日大臣記者会見

大臣
それから、本当は、昨日、臨時閣議の後、皆さんが言ってくれれば、是非、そこで発言したかったんだけれど、定例閣議の時しか、記者会見をやらないということなので、今日、事実上、一日遅れですが、ご報告申し上げたいと思いますけれども、例の秋田問題についてでございます。
もう、一部の新聞では報道されておりますけれども、先週末に、私が表を示して、こんなことでは、これはもう、参加するなということを、事実上、言っているようなものだと、こんなものは認められないと、直ちに、担当局長を現地に派遣をして、しっかり現地の皆さん方に納得いただけるように、行かせるということで、土曜日の日に、盒響躪膺料局長が行きまして、ご存じのとおり、午前中に知事に、そして、午後からの協議会にも、局長自らが出て、正直なところ、こんなスパッときれいに一発で片付くとは思わなかったんですが、最終的には、私なり、政務三役が出かけて行って、やらざるを得ないのかなということを覚悟していたんですけれども、局長もがんばってくれましたし、また、知事をはじめ、現地の皆さん方も、国の方針である以上、思いはいろいろあるとしても、それに従ってやっていこうということで、ご判断をいただきました。したがいまして、昨日ですけれども、正式に秋田県におきましても、県内の市町村に対して、22 年産米、食用米の生産数量目標の配分が行われたところでございます。
この件について、改めて、佐竹県知事をはじめとして、秋田県関係者や秋田県米政策推進協議会の方々など、地元で大変ご苦労いただいた皆様方に、心から感謝と敬意を表したいというふうに思います。特に、これまで、需給調整を遵守されてきた多くの秋田県の農家の方々には、深く感謝を申し上げるところでございます。今後は、米所得補償モデル事業の円滑な実施に向け、秋田県下一丸となって取り組んでいただき、その成果が挙げられるようお願いを申し上げたいというふうに思ってます。
同様な例が、実は、福島やいくつかの地域でもありまして、秋田が一番そういう分かりやすい構図というか、数量的にも多いところなものですから、それを注目しておられたところについても、秋田が、そういう形で、ペナルティーを全量解消すると、よく、前段では、4千8百(トン)と言っていたんですが、それは、大潟村とか、あそこだけだとそうなんですが、あと、能代市だとか、他のところも三か所ぐらいあるものですから、それを入れると、5千2百ぐらいに、正式には、5,216トンになりますけれども、全て、これを解消する、一発で解消することができるということでございますし、ある意味で言えば、これはもう、私が、当初から言ってきたように、激変緩和も、それはあると、今まで、協力してこなかった、新たに今回参加したいと言われる方達についても、そのことは、申し上げてきたわけで、そういう意味で言えば、その方たちもぎりぎり、これぐらいは認めていただければ、自分たちは、多少、他と差があっても、是非、参加したいというところで、うまく折り合っていただいたということでございまして、非常にいい形で決着ができたということで、お礼申し上げたいというふうに思っております。

記者

秋田の、生産する目標のことなんですけれども、ペナルティーを全量解消することによって、大潟村などの他市町村は、結果的に減反強化という形になるわけですけれども、そのことについて、やりきれなさというか、一部、不満みたいな声も挙がっていますけれども、そのことについては、大臣として、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

大臣

そういう方たちの言い方としては、「正直者が馬鹿を見るのか」と、そういう言い方が多いと思うのですけれども、ただ、ちょっと、これは、もう繰り返し言っていることなのですが、たしかに、今、僕が感謝を申し上げたように、旧来、前政権とはいえ、僕らから言うと、「作らせない農業」と言ってきましたけれども、そういう政策の下に従って、粛々(しゅくしゅく)と協力をしてこられた、そういう方たちの、制度に従って、国の農業政策に、とにかく従ってやっていこうということで、やってこられた方たちのお気持ちは分かりますけれども、ただ、だからといって、僕らが言っているのは、今までは、作らないことに対する税金というのは、全くないのですよと。転作をしたら、ここには付いたにしても、このことによって、コメを作ったことで、1円たりとも、その人たち、もらってないわけですね。

(笹山注:これはまた、トンでもな屁理屈でありますね。減反を守ったことで、減反遵守派は、その時点で、本来なら得られたであろう機会利益を失ったのだし、減反非遵守派は、機会利益を享受できた。つまり、減反下において、減反破りをしたものは、コメ商品の希少性の環境の元で、機会利益を確保しえてきたということを、故意に赤松大臣は、見逃している。ということになりますね。)

ところが、今度は、コメを作れば、作ったことそのものに、今度は税金が入っていくわけですから、しかも、当初、地元が出してきた案のように、こうなっていると、他人の取り分を自分の取り分の方に乗っけて、余分に、その分を、税金をもらっちゃうと、補助金もらうと、見ようによっては、これは、もらってはいけない余分な税金を、補助金を、もらっちゃうということになるわけですから、これは、今まで、皆さんが、気持ちの問題とは別に、不正な形で、お金を余分に特定の人たちだけに交付するというわけには、これはいきませんよと。だから、それは、是非、理解してくださいということで、私も、記者会見で言ってきましたし、盒橋苗垢癲△修ΔいΔ海箸鮓世辰討ました。
ですから、そういう意味で言えば、今までやってこられたことを感謝はしますし、否定はしませんが、だからといって、今までやってきたんだから、今まで協力しなかったやつと差を付けて、俺たちだけいい目をさせてくれということは通りませんねということなのです。
ですから、しかも、これは、あくまでも、国の政策だと、指針を文書で欲しいというので、そういう文書を出して、昨日、出しましたけれども、あくまでも、国の政策なので、地方が独自にやる制度じゃないんですと、だから、国の統一的な、全国統一的な制度でやる以上は、それに従ってやっていただかなければいけません。財政状況は厳しくて、みんな、ぞわぞわ切られている、補助制度がなくなる、交付金もなくなっちゃう、そういう中で、新たにこれは、税金を使って、国民の理解を得てやる事業ですから、これは、やっぱり公平さ、公正さがなければ、それはもう、国民は納得しませんから、そういう意味で言えば、この制度に入りたいと、入って交付金をもらいたいという以上は、その仕組み、基準、制度に従っていただけなければいけないということだと思います。
ですから、本来、あれらの分を、自分のところにくっつければ、もっとたくさん作れたのになと思われるかも知れませんが、前回も、多少、ほんの数ポイント下がるにしても、しかし、今度は、作ったことに、今までゼロだったものが、お金が、ドーンと入るわけですから、前も言いましたけれども、本当に、ただ、あそこで作るというだけで、150万(円)、200万(円)が、ドーンと乗っかってくるわけですから、しかも、転作したら、転作後にも、また付いてくるということなので、それは、「トータルすれば、前制度と今の制度と、どっちが得ですか」と言えば、少なくとも、前、この2年前、1年前と比べて、作る量が減っても、その人たちの実入りは、ドーンと増えるわけですから、そういう意味で、我々、強制したわけではありませんけれども、そういう方たちも含めて、是非、この制度で参加したいと、そういう選択をされたということだと思います。
あくまでも、僕は最初から言ってますが、これは、強制じゃないのです、入りたい人が入るのです、入りたくない人は、入らなくていいのですということで、一方、この制度、今までの農政に反対してきた涌井さんたちのグループも、是非、入らせてください、ということでやったと。ペナルティーは、全量、これでスパッと解決しましたけれども、あとは、若干の、経過がありますから、村の中でも、大潟村の中でも、その調整は、これは、自由に話合いで決めればいいわけですから、若干の差は付きますけれども、これは、みんなが納得して、こういう割合でいこうということを決めたわけですから、私は、別に自慢気に言うわけじゃありませんけれども、皆さんの努力で、本当に、いい結果に落ち着いたというふうに思っております。

記者

生産調整について、いろいろ話が飛んで、恐縮ですけれども、衆院選前の民主党の提案では、生産数量目標の配分主体というのは、国と都道府県と市町村が、農業者の意向を踏まえてするんだという提案だったわけですよね。今回、モデル対策ということもあって、そこまでの法改正というのは、時間的にも間に合わなかったかと思うんですけれども、来年産の、モデル事業から本格実施に向けた配分に向かっていった時に、今までどおり、生産数量目標の配分というのは、生産出荷団体がやっていくという方向がいいと今でも思われているのか、それともやはり、国とか都道府県とか市町村とかが、策定していった方がいいと思っているのか、そこら辺のところ、今の時点での、大臣としてのご見解は。

大臣

一番いいのは、地元の意見を尊重しながら、しかし、国のお金でやるわけですから、形式的には国が決めるというのが一番いいと思います。地元の意向を無視してやろうなんていうつもりは、さらさらありませんから。
だから、今回の秋田でも、結果的にはそういうことですから、地元の人が納得していただいたから、これで片付いたということで、地元の意向、これは全国どこであろうが、その意向は、十分尊重しながら、しかし、地元が決めたからといって、さっき言ったように、これは税金を使うわけですから、それは勝手に使っていいと、かつての制度を批判するわけじゃないですけれど、「つかみ金」みたいなのを渡して、これは、各県が自由に使いたいところに使いなさいと、じゃあ、俺のところは果樹にこれだけ注ぐぞ、あれにやるぞ、みたいな、そういうことが、今までは許されてきたかも知れないけれど、今後は、そんなわけに、なかなかいかんでしょうと。
ですから、あくまでも地元で話し合ってもらったり、あるいは、地元の意向はこうだということは尊重しますけど、あくまでも国の事業ですから、国のお金を直接払うわけですから、そういう意味で言えば、最終的には、国が決めさせていただくということが、一番いいんじゃないですかね。

記者

秋田の問題で、ちょっと確認させてください。佐竹知事は、2010年産米に科そうとしていたペナルティーの全量解消をもって、これでゴールなんだというふうな認識を持っているように聞いてるんですけれども、大臣の発言、過去の発言等振り返ると、要するに、まず参加できるギリギリのラインが、配分率で言うと、50点いくつだということで、今回それになったわけなんですが、それでもまだ、減反遵守派と自由作付派の間では、10ポイント以上の差があって、その中には、様々な要素があるらしいんですが、過去の累積ペナルティーを加味して、その差ができているという、要するに、ペナルティー的要素というのは、 2010年産米に関しては、全量解消されたわけなんですが、過去の分で、まだ10ポイント近くの差が生まれているというふうな指摘もあって、そうすると、大臣の認識としては、あくまでこれはスタートラインで、激変緩和に向けて、あと2、3年かけて、前回もおっしゃっていた、横一線になるようなことが望ましいんだというふうに僕は理解しているんですが、ゴールなのか、スタートラインなのかという、たぶん認識のギャップがここで解消されないと、たぶん、来年、再来年と、レベルはちょっと、差はちっちゃくはなってくると思うんですが、まだ、そういう税金を投入する上で、不公平感というのが残る可能性があると思うんですね。そこで、大臣のご認識というのは・・・。

大臣

だから、激変緩和というのは、急に極端に変わるから、激変緩和するんであって、「そのまま、ここが最終点ですよ」は、激変緩和じゃないわけですよ。だから、僕は、もう、これ、別に大潟村だから言うんじゃないんですよ、どの地域であっても、そういうことは、激変緩和措置はあってもいいけれども、ですから、2年、3年かけて、せいぜい、それぐらいの年数で、本来のあるべき姿にしていくように努力してもらうということですよ。

記者

残りの10ポイントは、2、3年かけて横一線になるようにというような思いは持ってらっしゃるということでよろしいでしょうか。

大臣

そうですね、そういうことだと思います。ただ、実際は、7ポイントぐらいじゃないのかな、あれはね。だから、次の年に、2、3ポイント、また次に 2、3ポイントやっていけば、できるような数字ですし、今度は、みんなが生産数量目標を守るわけですから、基本的には。だから、かつてのようなコメが暴落するとかいうこともあまり想定しにくいんですよね。そうすると、値段がしっかり保持されて、しかも、コメを作ることに、それが今までなかったのが、ドーンと、お金がくるということになれば、じゃあ、2、3ポイントが許容できなくて、この制度に、俺は参加しないんだと言うかといったら、言わないですよね。だから、それはそう心配してません。

 

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2009/12/26 Saturday

農家の自家消費米の市場化と戸別所得補償との関係は?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 06:38:18

2009/12/26(Sat)
 
ちょっとシミュレーションしてみましょうか。

.灰瓩寮源些搬膂嬪澆鮖たない人→
→減反に参加する→戸別所得補償をもらう。耕作放棄地は復活。自家消費分も市場にまわされ、コメ市場は、供給過剰へ→更なるコメ価格の下落につながる。

→減反に参加しない→どういうケースだろうか?受委託継続

▲灰瓩寮源些搬膂嬪澆鮖っている人→

減反に参加する
→コメが安い場合→戸別所得補償をもらう。自家消費分も市場にまわされ、コメ市場は、供給過剰へ→更なるコメ価格の下落につながる。
→コメが高い場合→どういうケースだろうか?本来もっと手取りが増えるのに、機会損失となる。

減反に参加しない
→コメが安い場合→どういうケースだろうか?薄利多売型農家というか–
→コメが高い場合→本来は、作り放題に作って、機会利益を受けうるはずであるが、農地集積の可能性が低くなる限り、生産意欲は限定

ということでしょうか?

ポイントは、これまでの兼業農家の生産米の多くが、本来の自家消費から、市場にまわってきて(自家消費から個人直接販売というか、庭先販売へのシフト)、兼業農家の多くは、安心して、いわゆる販米農家(自給販米農家)に徹してくる確率が高くなる。ということなのではないでしょうか。

この結果、生産意欲のない農家が、戸別所得補償はがっちりもらいながら、これまでの自家消費米や縁故米・贈答用米を安心して市場に回し、自分たちは、飯米農家に撤するということになると、自家消費米の市場出回り量は多くなり、米の価格は、さらに下がり、農地集積のできない、生産意欲を持つ農家は、米の価格低下による相対的なコスト高の影響をモロにうけていく、という構図なのでしょうか

現在の農家の自家消費米の量については、このサイトご参照

農家自家消費量は、「生産者の米穀現在高等調査」(飯用消費分)のうるち・もちの合計値であり、全体の9パーセント、
無償譲渡数量-いわゆる縁故米・贈答用米-は、「生産者の米穀現在高等調査」のうるち・もちの合計値であり、全体の7パーセント
となっている。

意外と多いんですね。

つまり、表面上は、減反も守られ、耕作放棄地も復活(というか、戸別所得補償を受け取るがためのやむを得ざるコメ生産のポーズだけの復活)できるのですが、戸別所得補償という換金回路(というか、換金しなくとも、金になりうる回路)の存在のために、本来の農政の枠外であったニッチの農家の自家消費米が、プラスアルファの換金作物として、市場に登場し、コメ価格に影響を与える、ということなのでしょう。

減反面積はちゃんと守られているのに、市場ではコメ余り現象が一段とひどくなる、という構図が予測されますね。

そのことは、中期的には、更なる生産コストと販売コストとの乖離を招き、戸別所得補償額は、年々膨らみ、ついには、このスキームは、かつてのEU同様、巨額の財政負担のために、やむなく、崩壊する。という経路をたどるんでしょうね。

まさに、コモンズの悲劇が、この農政の場面でも展開されるというわけですね。

つまり、市場ですでに飽和状態となっているアイテムについて、品質に対するインセンティブでない、形だけの耕作継続に対するインセンティブを過剰に与えたツケとしての悲劇ともいえますね。

制度の目的として日本の食糧自給率の向上をうたいながら、すでに自給率が飽和状態に達しているコメという産品に対して、さらにこれでもかのインセンティブを与えているという戸別所得補償のスキームの矛盾の結果がここに現れているとも言えそうです。

石破茂さんの『米政策の第2次シミュレーション結果と米政策改革の方向』の「選択肢3」によれば、「生産費の低下スピードと生産調整の「緩和」による米価下落のスピードを調和させることにより、財政負担を抑えることが可能となる。」という善意の麗しい予測に基づくものなのですが、現実は、そうはいかず、実際は、この農家の自家消費米というゾンビ的な伏兵にもろくも、このスキームは破られてしまうことになりそうですね。

この自家消費米と縁故米、贈答米というのは、米流通におけるのりしろ的存在というかゲリラ的存在というか、米流通における農家段階での自家消費米と出荷米との両刀使い的グレーゾーンな流通在庫というか、ふだんは正規流通の影に隠れているのですが、今回のように、米の対価としてでなく金が支払われるということになると、一躍、農家にとっての有力な換金作物として、とことん、すってんてんに売り払われる(米不作時などの庭先売りの主要供給源)、という性格を持ってくるのですね。

そのへんを農林水産省は見落としてしまっているんでしょうかね。

農林水産省は「主食用米の需給調整はこれまで以上に進む」なんてのんきなことを言ってるんですが。

つまり、この戸別所得補償は、このようなバグが隠されたスキームなのですね。

えっ? 飯米農家の市場でのコメ需要がふえるですって?

そうはいかないでしょうね。そこは、減反不参加農家の縁故米の地域内流通という、これまた、隠れた市場ってのがあるわけですから、これでこれらの漏れは、うずまっていくという仕掛けとなるんでしょう。

また、かんぐると、戸別所得補償を受ける資格要件確保のために、一応、減反を宣言するが、実際は、減反分のほうに、表面的には、水田利活用自給力向上事業の対象になるようにしといて、実は、水陸両用の新規需要米モドキの混米用の一物二価米を作って、これを、グレーゾーン米として、確保しといて、『一粒で二度おいしグリコ米』を作っておく、という裏の手をやらかすものも出てくるかも知れませんね。

ましてや、減反未達成分については、もはやペナルティは課せられないのですから、モラルハザードのオンパレード、偽装転作のオンパレードとなって、農林水産省が予測する以上の米余り現象となって、コメ価格は、予想以上に低落し、日本のコメ農家の総アウトサイダー化によって、コメ版コモンズの悲劇は、日本列島いたるところの田んぼで繰り広げられるのでしょう。

 

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2009/12/22 Tuesday

解せない野中氏の「団体推薦候補の擁立見送り」論

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 05:48:37

2009/12/22(Tue)
 
全国土地改良事業団体連合会の会長を務める野中広務元自民党幹事長は21日、政府、与党の土地改良事業費半減方針をめぐり、予算の復活を民主党に陳情するとともに、来夏の参院選に向けて自民党からの団体推薦候補の擁立見送りも検討する考えを示した。(参考記事)
というのだが、ここは、政党のおもちゃにされている南部明弘さんの方が、むしろ、かわいそうだ。

むしろ、ここは、順序が逆で、もし、野中さんがその意図であるならば、物事の順序としては、まず、全土連が、今後一切、参議院選挙を含む国政選挙にかかわるのをやめる決議をして、政治連盟(全国土地改良政治連盟)の解散をし、その後、野中さん自体が、政党色・政治色(過去古色ではあるが)をなくすという意味で、責任を取られて、全土連の会長を辞されれば、あとは、南部さんの問題は、はしごがなくても出るのか、はしごがなくなったから、出ないのか、という南部さんの個人的な問題にすぎなくなるのだが。

この際、山田俊男さんには、悪いが、土地改良政治連盟だけでなく、JAの農政連(全国農業者農政運動組織連盟)も、解体しといたほうがいい。

換票回路として、農業・農民を利用しようとする母体は、新政権に媚の対象を挿げ替えるのではなく、この際、解体してしまったほうが、農家農民のためだ。

昨日の一件は、なんとなく、野中さんの個人プレーのような感じがしてならないのだが。

つまり、組織決定もしないで、このような方針を示され、しかも、政権政党への恭順的陳情外交を先にされてしまうと、全国の末端土地改良区自体が、それこそ、政党間の「売られた花嫁」的な存在になってしまうことを、野中さん自体が知るべきである。

私も、以前、土地改良区の理事長をしていた感じからいうと、全国の土地改良区の理事役員には、それこそ、共産党も公明党も自民党も民主党も旧社会党も旧右派も旧左派もいるわけで、それが、参議院選挙の時にまとまるのは、組織決定するからだけの話なんで、そこのところを野中さんが取り違えると、ちょっとおかしなことになってしまうのだが。

実際、私のような自民党を離党した者が土地改良区の理事長を務めていたときでも、自民党政権時代、なに支障なく、国営灌漑排水事業の予算は、しっかり新規採択され、しっかり、その後の予算もいただいていたのだから、政権が変わったからといって、そんなに、慌てふためく必要はないはずなのだ。

 

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2009/12/20 Sunday

間違っている朝日新聞の昨日の『戸別所得補償』関連記事

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:35:53

2009年12月20日
 
昨日の朝日新聞の戸別所得補償に関する記事「農家の戸別所得補償、満額実施へ 事実上の減反選択制」に間違いがある。

「天下の朝日新聞の記者さんも、勉強する暇がないのかな?」などと同情してしまうのだが。

間違いの箇所は、次の部分である。

「算出のもとになる「販売価格」と「生産コスト」は、過去数年分の平均値を使う。その年の実績を用いると赤字全額を埋めることになり、世界貿易機関(WTO)が農業保護で貿易をゆがめる「黄の政策」と認定するからだ。直接支払制度を導入している欧米でも、過去数年間の生産実績をもとにするケースが多い。 」

このことについては、私が先月、農林水産省に提出した意見書(ご参照「私が農林水産省に提出した戸別所得補償制度に関する意見の全文」)にも書いたとおり、WTOの農業協定では、次のようになっていて、この記事の言うような、
「その年の実績を用いる」と黄色の政策となり、「過去数年分の平均値を使う」と黄色の政策とみなされない、
などということは、ひとつも書いていない。

すなわち、
WTO農業協定付属書2.6(b)においては
「生産者によって行われる生産の形態又は量(家畜の頭数を含む。)に関連し又は基づくものであってはならない。」
とあり、
WTO農業協定付属書2.6においては、
「生産に係る国内価格又は国際価格に関連し又は基づくものであってはならない。」
とある。

その年の実績を用いようが、過去数年分の平均値を用いようが、WTO農業協定上では、「販売価格」と「生産コスト」に基づいた直接支払いは、黄色の政策とみなされているのである。

また、今回の戸別所得補償スキームでの家族労働費の算定がまだ明らかになっていないが、これについても、WTO農業協定においては、次のように、70パーセント以上の喪失収入を補償するものであってはならないとの取り決めがある。(戸別所得補償スキームでは、家族労働費の八割分算入なんて話もあったようだが、その後どうなっているんだろう?)

WTO農業協定付属書2の7(b)
「当該生産者の喪失した収入の七十パーセント以上の額を補償するものであってはならない。」

また、この朝日新聞の記事では、
「(黄色の政策となることを避けるために)直接支払制度を導入している欧米でも、過去数年間の生産実績をもとにするケースが多い。
とあるが、これも、正しくない。

すなわち、言われる『欧米』の『米』のほうであるアメリカの価格変動対応型支払いや直接固定支払いやACRE支払いにおいても、過去数年間の生産実績をもとにしているのは事実であるが、アメリカは、このスキームを新・青の政策(New Blue Box)としてWTOに求めさせようとしたが、失敗し、現在、WTOの場で、他の国から、このスキームは、黄色の政策であるとの指弾をうけている。

また、言われる『欧米』の『欧』のほうであるEUにおいては、すでに、2003年のFischer reform(New Cap)によって、それまでの1992年のMacSharry reforms(Old Cap)のスキームを大幅に変え、『直接支払いから単一支払いスキーム』へと変更しており、その内容は、、完全に生産からニュートラルなデカップリングとなっており、WTOコンプライアンス適合型の直接支払いとなっていることを、どうやら、この記事を書かれた朝日新聞の記者さん(署名記事で安川嘉泰さんと記されているのだが。)は、見落とされているようである。

このことについては、過日、赤松農林水産大臣が、WTO閣僚会議の場で、ボエルEU農業委員と個別会談したときに、ボエルEU農業委員が、日本の新政権が戸別所得補償制度を軸とした新しい政策を検討していることに触れ、WTO協定上、問題にならないかと赤松農相に質問したうえで、「EUのデカップリング政策を参考にしてほしい」と述べたとの報道がされている。
参考「WTOの場で、ボエルEU農業委員に戸別所得補償スキームの黄色度を注意されたらしい赤松農林水産大臣

 

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2009/12/17 Thursday

土地改良予算を半減するというマニフェストはなかったはずだが。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:20:36

2009/12/17(Thu)

昨日の民主党から鳩山内閣に対する予算要望で、戸別所得補償予算(要求額5618億円)を確保するために、土地改良予算(要求額4889億円)を半減するというのがあって、前半のほうはマニフェストにあったが、後半のほうは、マニフェストになかった、ということで、やっぱり、この戸別所得補償のマニフェストは、朝三暮四ということだったのか、と、いまさら気づいている農家は、多いはず。

それにしても、いまや、新規事業が少なく、継続事業が大半の、現場における土地改良事業が半減となると、換地の途中で計画変更になったり、などと、さらに輪をかけて、大規模化のための土地集積事業にも、大きな影響を与えてくると思うのだが、現場のかたがたは、どう思っているのだろう?

ましてや、同意書の段階に入っている事業なんかは、もう、その段階で、三条資格者からは、見放されていくんでしょうね。

どうせ国民に約束するのなら、トレードオフの両方を同時提示してもらわなければ、農業の現場は混乱するばかりですね。

いくら全土連の会長が野中広務さんだからといって、また、自民党が次期参議院選挙で南部明弘(前・九州農政局長・農村振興局整備部長)さんを立てるからといって、その遺恨試合に農民を巻き込んでいくのは、どうかとも思いますね。

これからのマニフェストは、甘いマニフェストと、そのトレードオフとなる辛いマニフェストとを、両建てで提示すべし!!!!!

 

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2009/12/11 Friday

秋田県の誰がペナルティを科すといったかについては、結局示せなかった、今日の赤松農相記者会見のみっともなさ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 22:13:53

2009年12月12日
 
別に粘着君で追っているわけではないのですが、秋田県の誰が大潟村にペナルティを科すといったのかは、結局は、はっきり示すことができなかった、今日の赤松農相の記者会見でしたね。

12月8日の記者会見で赤松大臣が言われた次の言葉
「県の知事や農政部あたりの、そういう地方の幹部が理解してないと、今、何を言っているかというと、「いやいや、そんな造反してきた、あれやってきたやつは駄目だ」と、特に自民党の県議会何か、「あんな涌井(徹)みたいなやつ許せるか」と、「あんな者は今までどおり、割り当ては30パーセントだ」なんていうことを、平気で言っているわけです。」
が誰から発せされたのか、その発言の根拠を、赤松大臣は、具体的に示すことができなかったということです。

まあ、いったいわないの格好になって、赤松大臣にとっては、大臣記者会見らしからぬ、みっともない結果となってしまったようです。

結局、減反面積に「差をつけざるを得ない」なんてことは、秋田県の一般農家なり農政関係者なら、誰でも思うことであって、それを思わないのは、大潟村のヤミ米派ぐらいなもんでしょう。

ですから、この「差をつけざるを得ない」ということを県関係者が言うのは、至極当然、当たり前のことなのに、そのことを持って、赤松大臣が、会見で、エキセントリックに「秋田県は所得補償からはずす」などというのは、まことに因縁付け目的のたちの悪い乱暴な話ではあるんですね。

追記-今日の赤松大臣の『撤回する意思は全くありません。』発言に対する佐竹秋田県知事のコメントがはいつてきました。
「いわゆる減反(生産調整)に非協力的な農家は他県にもある。特に大潟村を取り上げるのは、どういう意図なのか」

まさに、そのとおりで、このペナルティ問題と新スキームとの関係は、一般論で論じるべきものなのに、赤松大臣が、大潟村に特化した問題として、浮世絵的に取り上げてしまったことに、混乱の最大の原因がありますね。
そして、その狂気ぶりを、農林水産省の官僚の方々が誰も指摘できないところに不幸があるように思われますね。

以下は、今日の赤松大臣の記者会見の模様

(太線部分のところがポイントのようですね。)

記者
8日の会見での発言のことなんですけれども、大臣の発言について、秋田県内では、波紋が拡がっておりますけれども、発言の真意はどこにあったのかというのが一点、お聞かせいただきたいのと、あと、秋田県側で、大臣の発言が事実無根だということで、撤回を求めておりますけれども、撤回するご意思があるのかどうかということをお聞かせください。

大臣
撤回する意思は全くありません。
まず、お聞きしたいのは、じゃあ、本当にペナルティー付けないのですかと。そういうことを皆さん言っていなかったんですかと。そういう人に聞きたいですね。
どの記事を見ても、「今は言っていない」とか、そういう話ばっかりで、じゃあ、僕らは現地にも行って来ました、知事とも話をしました、大潟村行った後で、現場では、皆さんと一緒ではまずいということなんで、お昼、食事をしながら、部長さんも、たしか、お見えになりましたし、お話をしました。そういう幹部の方たちも含めて、やっぱり、今までの経過があるのでなかなか難しいのですと、議会の問題もあるんですということを、当時、言われているわけですよ。
僕は、それを否定しようと、悪いと言っているんじゃないですよ。当然、そういうことがあるんだけれども、あるんだけれども、この戸別所得補償制度をどうしても成功させたいと、そのためには、今まで横を向いていた人、これに反対してきた人が、生産調整等に、そういう人たちが入らなければ、その人達が、コメを作り過ぎてきたわけですから、それでまた、全体に迷惑をかけてきたわけですから、そうでしょ、秋田県全体も、それに従ってこれなかったわけですから。
だから、そういう人を取り込まなければ、この制度は成功しないんです、秋田県ばかりじゃなくて全国的に。
ただし、誤解があるといけませんが、これは今まで自民党がやってきた強制力を持った制度じゃないんです。嫌なら入らなくてもいいんです。入りたいという人だけが入ってもらえばいいのです。だから、その代わり、私どもは、制度を見たら、これは入らなきゃ損でしょと、入らなかったら、暴落した時なんかどうするのですかと。それこそ、田地田畑を売ってでも、あれしなきゃいけないようなことだってあり得るかも知れない。
しかし、今度は、価格の変動があっても、それを全部みてもらえるわけですから。そういう意味で言えば、結果的にですよ、何回も言いますけれども、強制的にではなくて、結果的に、多くの皆さんが、進んでこの制度に入ってもらえるようになるでしょうと。
今日の、ここに朝日(新聞社)がいるから言うわけじゃないけれども、朝日新聞の囲み(記事)が、一番僕は正確な言い方だと思うのですけれども、だから、是非、皆さん、これに参加してくださいと、ね。ただ、自分のところで勝手に割当を作ったり、例えば、県が、地域ごとに、「お前のところは、今まで違反してきたから、ペナルティー分が何年分かあるんだ」と、「それが、そんな一年で解消できるか」と、「国が言ったって駄目だ」と言って、地域で、まず差をつけて、今度、大潟村の中で、今までやってきた人、反対してきた人、そこでまた差をつけてというと、30パーセントぐらいになっちゃうんですよね。作らない30パーセントは関係ないのです、そんなものは。10パーセントだっていいし、ゼロだっていいのです、作らないのだから。だけど、今度は、参加する人に、30パーセントと言ったら、「もう、やるな」ということなのです。
そういうことを、この制度は、もともと、一番最初に、ペナルティーは科しませんと。これはもう最初から言っていることなのです。秋田の問題があったから言っているんじゃないのです。最初から、ペナルティーは科さないのです。また、コメの方はできなくても、こちらの自給力のこっちの方でやったって、それだっていいのですよということも言っているぐらい、ペナルティーの問題というのは、全ての人に参加をしてもらうためには、必須条件なのですね。だから、そういうことを僕は申し上げた。
ただ、そういうことの中身が、きちっと分かってもらえれば、必ず、「秋田県は外すぞ」と言ったわけじゃないですね、僕は。「理解をしていただいて、ちゃんとこれに参加していただけるようになると思いますよ」と言って、この記者会見で言ってるんです。
ただ、今までの経過があって、そんなやつ許せるかとか、じゃあ、今まで俺たち協力してきたのはどうなんだとか、いうことに、言われる人は、いるのは事実ですから、ただ、そういうことをやっぱり乗り越えないと、新しい制度に進む時は、やっぱり、この制度は成功しないし、もし、そういう割当、嫌だという人は、結果的に入らないわけですから、自由意思で入るんですから、無理矢理じゃないんですから、今までと違って。だから、「そんな俺は、もう減らされるような割当はもう嫌だ」と言う人は、その意思でもって入らないということもいいわけですから。そういう意味で、自分が、あくまでも選択で決めてもらう。
それから、これは、ここでは言わなかったかも知れません、僕は、現地で言っているのですけれども、そうは言っても、非常に、僕は柔軟ですから、いっぺんに、今日から、今年から、真横でいきましょうと言っているわけではないのです。今まで、30-70ぐらいでやってきたのを、これをいっぺんに50-50は無理でしょうと。だから涌井(徹)さん達も、多少、今まで自分たちがやってきたことを、後悔、反省しながら、50と言わずに近いところまできてくださいよと。こちらも、今まで、この30の恩恵で、人のあれに乗っかって増えてきたわけですから、68とか何とかというのは。それを、正規に計算すれば、もっと減るんですから。それは元に戻る。別に、彼らのために減らされたのではなくて、もともとの、まともな数字に戻っていくと。そういうことは、是非、お互いに努力して下さいと。
それは、農水省でやるわけにいきませんから、それこそ地元で、ちゃんと、大潟村の中でも、まず話し合ってもらうと。大潟村と、今度は、それぞれの他の秋田県内の地域がありますから、そういう地域協議会の人たちと、話し合ってやってもらう、それは県が指導的な役割を果たしてもらいたいということなんです。従ってもらえれば、全くそんなこと、ありませんよと、ただ、「俺たちはそんな数字には従わない」と、「俺たちは勝手に決めるんだ」と言うと、それは、そんなわけにはいかないでしょうと、これは、お金が付いて回るわけですから、税金ですから、勝手に比率を上げて、勝手に取ってはいけないお金を、もし、余分にとったら、だから、これはもう犯罪ですから、だから、そういうことは認められませんよと、そんなことは法律違反でしょということを、僕は言ったんです。
「法律違反」、これは、モデル事業で法律じゃないとかね、言ってるけど、そいういうことじゃなく、現に、お金が、取ってはいけないお金が、もし、入ってちゃうわけですから、比率を変えるということは。そうでしょ、本当は、あなたは60じゃなきゃいけませんよ、あるいは55じゃなきゃいけませんよと、いやいや、俺のところは勝手に決めて70にするんだと、その分、余分にお金が入っちゃうわけですから、そういうことは、国民の税金を使ってやる制度で、許されることではありませんよと。
だから、それは、国がまず基準を決めて、その基準に従ってやっていただける方に、税金は、一つの補助金として払うことになるし、それから、もし、そういうのは納得できないと、嫌だという人は、昔と違うんですから、去年までとは違うんですから、強制じゃないんですから、入らないということも、自分の選択肢としてありますよということなんです。

記者
関連してですけども、県側が、こういったペナルティーを科そうとしているという発言は、それは、秋田県に会見した時に、いろいろな関係者と面会して得た情報・・・。

大臣
もちろん。だって、農水部長も全部いたじゃないですか、知事も。

記者
ええ、県側が、直接・・・

大臣
あんた自身が、じゃあ、県議会の人に聞いたり、今の、県の幹部の人たちに聞いて、絶対ペナルティー科さないと、みんな言ってると聞いたことあります?
科さないとは、絶対、言わないでしょう。だから、やっぱり、そういう気持ちはあるんですよ、差はともかく、差はともかくね
。だから、そういう気持ちも、現実問題として、これまで40年間争ってきたわけですから、それはいっぺんに氷解しないにしても、僕らは、できれば、激変緩和で、2、3年かけて、いつまでもというわけにはいきませんから、2、3年後にはね、本当に、横一線でなれるように、まず、とりあえず、今年そういうふうに参加してもらって、涌井さん達が作りすぎてる、コメを、本当の正常な数字まで落としてもらって、そして、秋田県全体が、県としての、今、数量もう出ているわけですから、その数量をきちっと守っていってもらうと、そうすれば、初めて、コメに対して、今度は補助金が出るわけですから、それが、しっかり農家の収入になって入っていくという制度なんです。

記者
今、言った激変緩和というお話ありましたけれども、いわゆる累積ペナルティーをですね、来年度はいきなりゼロにせよという意味ではないという・・・。

大臣
だから、今までの累積ペナルティーという、ペナルティーはないんです今度は、ないんです、存在しないの。若干でも残すとか、そういう意味じゃないですから、ないんです。ないけども、ただ、激変緩和で、これは、ある意味では、自主的に、当事者が納得して、数字をやっぱりこの程度でうちはいいですと、あるいは、多少新しい人も入るんで、今までもらい過ぎていた分は、私ども、多少落としてもいいんですということで、納得してもらうということですよ。

記者
累積ペナルティーがないという話でおっしゃっていますけど、結局、その来年産米の作付面積とか、数量というのは、これまでの大潟村の方々が作りすぎていたということを前提に数字が出ていると思うんですが、そうすると、大潟村はいいんですが、秋田県の、残りの24市町村からすると、今の数字というか、来年、作れる数字というのは、結局、そこに関連するわけですね。これまでの過去40年ほど振り回されてきたと思うんですが、そこが、たぶん、感情的なしこりが残るし、累積ペナルティーなしだというふうに大臣がおっしゃられても、たぶん、秋田の人は、誰一人納得しないと思うんですけれど、いかがでしょうか。

大臣
じゃあ、ペナルティーを科せということですか?

記者
じゃなくて、今作れる数量というのは、そういう背景になっているわけですね。民主党政権になって、新しい数字を出して、明らかに有利に作れるというなら分かるんですけれど・・・。

大臣
あのね、あなたが言っているのでね、半分合っていて、半分間違っていると思うんですけど、例えば、表を、僕らは書いてやっているんですけれど、余分に積み過ぎた分というのは、これは、もともと、計算に入ってないわけですよね、あの人達がどれだけ作ろうが、その、計算内の話じゃないもんですから、あくまでも、それは30でやってるわけです、分かります?
だから、全体に、コメを作り過ぎちゃっているわけです、数量としては。そのために需給が緩んで、そこの価格が、例えば、下がってしまったとか、そういうことの影響はあったんですね。ただ、その分を、あの人たちが何千トン、例えば、何百トンか分かりませんが、作ったと、その分が、どんどんどんどん、秋田県が、数を落とされた根拠になってるんだということではないと思いますよ。

記者
関連なんですが、簡略に、二つだけ。先ほどの質問と関連で、秋田県を外すということもありえますよというのは、そういう意味ではないということの確認と、発言の撤回は・・・。

大臣
違う、違う、守っていただければ、当然、そこに参加していただきたいというのが、我々の考え方です。
ただ、そのルールは守りませんという前提で、「入ります」と言われても、それは困りますねと、守る人しか入れないんですから、これは。自由意思なんですから。今までは強制力のあった制度ですけれど、今度は強制力ないんです、選択でいいんです。嫌なら入るなというようなふうに捉えられると、また、怒られるから、そう言いませんが、ご自身がお決めになることなんですよと、是非、この制度に入って、もっと今までの収入増やしたいと思う人は、積極的にたぶん入ると思うんです。だけど、その時に、「俺の取り分は、もう、これだけくれなきゃ嫌だよ」と言ったら、そんなこと認めたら、全国で、そういうことになっちゃうでしょう。
だから、統一的な基準というのは、基本的には、ペナルティーはなし、過去を問いません、入るのは自由意思です、嫌な人は入らなくても結構ですよと、今までみたいに強制じゃないですよというのが、もう大原則なんですよ、大原則。

記者
県の協議会に取材しましたところ、累積分については、農水省から何も言われていないという話で、今年分については、ペナルティーがない。ただ、累積分については、まだ、言われていないので、算定に当たっては、そこは加味するというふうな話を、うちの取材に対して答えていたのですが、今の大臣発言は、累積分も、全然、なしなんだということですか・・・。

大臣
例えば、これは、まあ、あまり、そういう細部にわたって言っちゃいけないかも知れませんけれど、誰が言ったとか、そういうこと言っちゃいけないかも知れませんので、個人名は言いませんが、ただ、私が秋田にお邪魔した時の、彼らの期待感は、まあ、ちょっと特別に増やしてくれるんじゃないかなと、秋田県だけ。激変緩和のために、今まで、68なんていうの、異常に高いんですけれども、そういうところの人は、異常に高い、こっちの分が行っていますから、高いことは分かるけれど、しかし、これを減らすというのは、なかなか何か難しいと、だから、その分、この分を、ドーンと国が余分に見てくれれば、みんな上手くいくけどなあと、そういう期待感があったのは事実だと思うのです。
しかし、そういう意味で言えば、特別に秋田県だけ、あるいは大潟村だけ、そういうことが、やったということになると、それは、じゃあ、俺のところも、是非、そういうの見てくれみたいな、全国で、ドンドン起こってきますから、一応、正式には、私ども、僕が行ったわけじゃなくて、この間、県の方から、(総合食料局)食糧部長に行ってもらいましたが、そういうご要請があった時には、食糧部長からは、「それは、農水省としては考えておりません」ということを、その場では申し上げております。「それは、僕にも、判断、行く前に仰がれたので、それは認めるわけにはいかないねと、それを認めたらもうガタガタになっちゃうよと、みんな、それこそ、大臣の裁量や農水省の裁量で、あそこは増やし、ここは減らしみたいなことになっちゃう」と、さっきの独法の役員の数量化じゃないですけれども、「パッと見せて、なるほどなと、数値上、みんなが納得できるというものにしていかないと、やっぱり理屈は立たないね」ということで、そういうふうに私が言っておきましたので、向こうから質問があった時には、食糧部長は、そう答えているはずです。記者会見で言ったかどうかは分かりませんが、事実関係としてはそういうことです。
だから、そう難しい話じゃないと思うのです。要は、もう今までとは違って、強制じゃないんだねと、自分たちの、自主的で決めていいんだねと、だから、僕は時代が変わったことを、まだ、分かっていませんねというのは、そういうことなんです。今までは、無理矢理入らされるから、入らされるんだったら、どうしても、こういうふうにしてくよというふうになるんですけれども、今度は違うんです。嫌なら入らなくていいんです。
だから、自主的に自分が選ぶということが、まず一つと、これはもう、全然、今までと違うということと、それから、入れば必ず得になるんです。それは、この後、具体的な数字が出てくれば、みんな計算すれば分かるんですけれども、仮に68が多少落ちたって、今までのことを考えたら、需給はしっかり締まるし、固定的に所得が保障されるし、コメが上がった下がった関係なく補償されるし、安心して、安定して、農業に従事できると思ったら、みんな入りますよ。その時には、何パーセントかは分かりませんけれども、多少もらい過ぎていた人は、多少下がる。涌井さんたちも、一応、名目上30だけど、そんなもん守っていないんだから、それは、高い低い、彼らは関係ないと思いますけど、そうじゃなくて、それが、いくつになるか分かりませんが、多少、今まで言われてた数字よりも上がっていくと。まあ、みんなと一緒は、いっぺんには無理だろうなと、彼らも分かってますから、それは、お互いに話し合えば、ちゃんと折り合えると、私は信じてます。
だから、そういうことさえやってもらえれば、それこそ、さっきの囲みじゃありませんけど、ちゃんと最後には、なると思いますよということを言ってるわけですから。
ただ、こういうことを通じて、僕は、こういう中身を知ってもらったということは、決してマイナスだと思ってないんです。大いに議論して、「ああ、そうだったのかと、そういうことなのか」ということで、多くの農業者の人たちが、この戸別所得補償制度というものに関心を持ってもらって、やるということは、非常にいいことだし、ああそうかと、自分で選べるのかと、本当に、やっぱり得なんだと、やったほうがいいんだと、やんなきゃ大変なことになるぞということを自覚してもらえるきっかけでね、この問題も考えてもらえればいいと思います。

記者
先ほどの秋田の発言で、秋田県側がペナルティーを科そうとしている動きがあるということについては、大臣が、県幹部から直接お聞きなさったという理解でよろしいでしょうか。

大臣
だから、ペナルティーという言い方が、言葉がまた一人歩きしちゃうから、そうじゃなくて、「差をつけざるを得ませんね」みたいなことは、これはもう知事も言っていたし、農水部長も言ってましたよね。だけど、差を付けることは、それは駄目なんですよと、もともと、この制度は。ペナルティーを科さないと、同じ条件で、言葉は悪いんですけれども、そういう、過去いろいろあった人も、今まで忠実に、誠実に、やってきた方も、申しわけないのですけれども、スタート地点は、真横なんですと。まず、その考え方を持っていただかないと、地域や、あるいは、いろいろな特殊な事情や、そういうことは、後ではいろいろ配慮して、地域の方がやられるにしても、まず、基本のところで、それを「それもしょうがないですね」と、例えば、僕が言ったらですね、これは、とんでもないことになっちゃいますよね。

記者
差をつけざるを得ないということをもって、大臣が、会見で、言葉を替えて「ペナルティー」という言い方をなさったという・・・。

大臣
そういうのをやるということであれば、これは、この制度に馴染みませんねと。前提が崩れなければ入れませんということであれば、それは、この制度、それでもいいですよ、入って下さいというわけには、これ、いきませんから、ただ、それは、ちゃんと、さっきも言ったように、きちっと検証されて、計算をしてみて、そういうことを考えて見れば、当然、それは、国の基準、方針に従ってやった方が得だと、やらざるを得ないと、入ってやるなら。入らないならいいですよ。だから、これ誤解があるのは、入れないとか入れるとか、そういう話ではないのですよ。自分で決めることなんですから。別に、僕が、「はい、じゃあ、おまえ入れてやる」とか、「おまえ排除だ」とか、そういうこと、それが、もう前の感覚なんです。そういうことじゃないの。入る入らないは、自分、ご自身が意思を持って参加されるか、あるいは、「私は申しわけないけれど、こういうことをやりたいので、そういう制度に馴染まないんです、だから、私はご遠慮申し上げます」ということだってあったっていいんですね。もっと自分は別のものを作りたいということで、そういうことだってあったっていいんです。そういうことをお互いに認めていこうという制度ですから、是非、誤解のないように、そういう理解をして下さい。
僕は、ただ、気持ちとしては、冒頭言ったように、全ての人たちが納得の上で、納得の上で、この制度に、是非、入ってもらいたい。そうすれば、何十年間か解決しなかった、そういう昔の言葉で言う、「減反」、「生産調整」、今、我々が言っている「生産数量目標」、これが、初めてきちっと守られる、そういう制度になっていくわけですよね。

記者
確認ですが、仮に、県が差をつけたならば、秋田県を除外すると、制度から除外すると、そういうことも、あり得るということは考えていいのでしょうか。

大臣
だから、差をつけると県が言われるということは、今までの、例えば、「ナナサン」みたいなままで行きますよということは、もう、この制度に自ら入られないということなんですよ。僕らが入れる入れないじゃないんです。入られないということなんですね。分かります?

記者
ということは、イコール入らないということもあり得るのですね

大臣
いや、ご自身が、秋田県が入られないんです、自分で。自分たちは自分たちで、秋田県は勝手にやりますということでしょう。だって、ペナルティーは科さない、同じ条件で行きましょうと、例えば、定額部分はいくらです、麦・大豆については3万5千円ですと、「いやいや、俺のところは麦・大豆は5万円でいくんだ」と、「定額部分は、国はああ言っているけど、俺のところはそれに5千円かさ上げしてやるんだ」なんていうことは、各県が勝手にやるようになったら、もうそれはめちゃくちゃになっちゃいますから。
だから、それは、県で独自でやられたっていいんですよ。だから、それは、どうぞご自身の制度でおやりくださいと、入る入らないは、これは、それぞれの農業者の、あるいは、もっと単位が大きくなれば協議会、県、そこの単位がご判断されることで、それを、僕らが、けして追い出すとか、入れてやらないとか、そういうことを言っているんじゃなくて、この基準で、こういう条件でやっていただける方に、是非、ご参加をくださいと。その条件で、できませんという方は、「じゃあ、俺は、その条件じゃできないから入れないな」ということになるんじゃないでしょうか、そういう意味です、はい。

記者
確認なんですけれど、今の点で、秋田県内の生産数量目標の配分に、配分の仕方で、国の方針に従わなければ、県全体を対象から外すと。

大臣
そんな細かい言葉を言ってないの。数字がどうこうという・・・。

記者
そういうふうにとれますよ、今の。

大臣
いやいや、僕は、全体の、この基準、戸別所得補償制度の基準や、目的や、そういうことを理解して、それの下でやっていただけるという方じゃないとできませんねと。それも、ご自身で判断するんです、ご自身で。「入りたい」とか、「俺は入りたくない」とか、それは、今までと違って、強制力はないんですから、ご自分が決められればいいんですよ。

記者
その「自身」というのは、農家のことをおっしゃっているのですよね

大臣
いや、だから農家でもあるし、トータルで、だって、県がいろいろやる場合だってあるわけでしょ。

記者
トータルで、県として配分の方法が・・・。

大臣
だから、何、今、だから言ったでしょ。麦・大豆で、僕らは、3万5千円だと決めているのに、それは、俺のところは5万円だとか、あるいは、これはもう1万円しか、これはもう作らせたくないからやらないとか、いうことの独自の基準を作ってやられる場合は、それはこの制度に馴染みませんねということなんですよ

記者
大臣、これは提案なんですけれども、今、「この期に及んでも」というか、やっぱり、なかなか分かりにくいという方もいらっしゃるし、そういう不満の声も上がっているのは事実ですから、もう役人に任せると、なかなかその辺はうまくいかないと思うんですね。だから、それは、政務三役が、そういう、ちょっともめているような、理解が、ちょっと難しいというところには出張っていって、直接、説明するという機会を作られたほうがいいんじゃないでしょうか。

大臣
それは、そのとおりだと思います。今度、佐々木(大臣政務官)さんも新潟へ行くのか、新潟へ。
それはもめているという意味じゃないですけど、特に、話を聞きたいと。

記者
語弊(ごへい)がありましたか。いろいろと、頭を悩ませている方々のところへ・・・。

大臣
話を聞きたいとか、あるいは、北海道は、コメが主力じゃないところもあるので、そういうところは、「じゃあ、俺たち、コメで収入入らないから、じゃあ、今までの麦・大豆では下がるんじゃないか」とか、そういう心配があったりというところは、もう、それぞれが行っていますし、山田(副大臣)さんなんかも、副大臣や郡司(副大臣)さんもそれぞれのところに行って、今、なるべく手分けしてやるようにしてます。
ですから、ただ、もう少し、言いわけじゃないですけれど、一番いいのは、額がパチッと出ると、これで定額部分とか、何とかとか、1万円の運用の問題とか、いうようなことが、きちっと決まると、もっと具体的に分かりやすく説明できると思うんですね。
ですから、たしかにいい提案だと思うんで、できるだけ、今は、要請があったところに、適宜行っているみたいな感じですから、それこそ、昨日の省内調整会議でも出たのですけれども、一回、この制度がバチッと決まったら、全国、ブロックごととか、ザーっと、そういうふうに一回組んでやってみようということも、今、もう、検討の対象にさせていただいています。

記者
前政権は、例えば農政事務所ごとにね、いろいろな説明会とかやったんですけれども、これもそういうことに準じてやる感じですか。

大臣
もちろんそうですね。それ、もうちょっと細かくなるかも知れません。やるつもりです。

舟山大臣政務官
はい、すいません。次の公務が控えておりますので、これで終わらせていただきたいと思います。

以上

参考 私のブログ記事における大潟村問題記事

秋田県の誰がペナルティを科すといったかについては、結局示せなかった、今日の赤松農相記者会見のみっともなさ
赤松農相「秋田を戸別所得補償から外す」トンデモ勘違い発言のソースは?」
赤松農相が大潟村に謝罪というが、おかしくね?」

 

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