Sasayama’s Weblog


2007/06/01 Friday

乱暴な、山田宏杉並区長の「住民税が今月上がる理由」

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 17:01:41

2007/06/01(Fri)
 
null例の三位一体の改革で、大幅に上がった住民税の通知が、6月に住民の各家々に通知されるということで、市町村長さんたちは、住民の反発が足元に押し寄せてこないように、防戦の言葉を発し始めている。

この東京都杉並区の「広報すぎなみ」の「区長からのいいメール」のコラムも、今月は、「住民税が今月上がる理由」との題名である。

まず、なぜ、住民税があがるかについて、
すでに、所得税は、今年の1月から減税されているのだが、それまでの特別減税が廃止されたので、その分の負担が増えることになる、
として
国から地方への税源委譲が好ましい理由として、
『納税者から離れている国で税金の使われ方がきめられるより、納税者の目の届きやすい身近な地方自治体で議論のうえ決められるほうが、税金の使い道の透明度が増し、より納税者にとって有効に使われると考えられるからです。』

とし、さらに、

『「北海道に高速道路を造れ」と主張する北海道のある市長が、「もしそのお金の使い道を市が自由に決めてよいなら、それでも高速道路をつくりますか」と尋ねられたとき、その市長は、「私は、むしろ大学を作りたい」と答えたそうです。』

とし、

『国のお金ならもらえるものはもらって必要性の低いものでもつくるという、今日の国と地方の無責任な体質を改めることが急務です。そして、地方への更なる税源委譲があれば、杉並区独自の努力で、「減税自治体」を実現することも夢ではないと思うのであります。』

としている。

しかし、この山田宏杉並区長の論理は、きわめて乱暴な論理である。

そもそも、三位一体の改革とは、「地方が自らの支出を自らの権限,責任,財源で賄う割合を増やすとともに,国と地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築」をすることを目的としているのであって、別に、国が本来やるべき税金の使途を、地方がやるための税源委譲ではない。

北海道での高速道路と、学校の建設を、オルタナティブなものとして、対置させること自体、無理な話なのである。

さらに、本来は、国と地方との財政調整の問題と、地方間での財政調整の問題と、地方独自の課税自主権の問題とは、それぞれ別々に考えられなければならないものが、今回の三位一体改革では、その辺が、ごっちゃになっていることについての説明は、この杉並区長の説明ではされていない。

つまり、地方の課税自主権が、大幅に制限されている中で、国と地方との財政調整の問題のみクローズアップされ、地方間での財政調整の問題がなおざりにされた三位一体改革のスキームの中で、地方税の徴税で苦しむ住民を最終に手当てするのは、国の社会保障でしかない以上、住民にとって、国税と地方税の、どちらがよくて、どちらが悪いとの選択は、本来、出来ない代物なのである。

さらに言えば、文章の合間合間に垣間見られる地方蔑視の表現には、北海道の方々も、うんざりされるのであろうが、私も、秋田県という地方出身の一人として、怒りさえ、覚える。

これほど、北海道なり地方のインフラに対して、無駄だといい切られるのなら、では、ご地元で新設なった、豪華な杉並公会堂は、目指される「減税自治体」にふさわしくも、無駄な施設では決してないと、自信を持って、いえるのであろうか。

山田宏区長のルーツの山口県田布施町も例外におよばす、今、地方は、高まる地方税と、地域経済の疲弊化に気息奄々の状態なのである。

東京も地方もウィンウィンの関係で、国総合の発展のスキームを考えるという知恵と度量は、もはや、東京の区長たちにはないのだろうか。

参考 私の関係ブログ記事

地方交付税制度に環境スワップ(DNS)の発想を
ふるさと納税とハンガリーのパーセント法との類似性


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