2007/06/01(Fri)
昨年、私のブログ「アメリカ中間選挙による議会の『膠着』(Gridlock )現象は、経済界にとって吉との論評」で、昨年のアメリカの中間選挙で、民主党が下院で多数を占め、共和党が、上院で、多数派を維持し続けることによって、議会の立法過程における『膠着』(ポリティカル・グリッドロック、Political Gridlock )現象が起こっている、ということを述べた。
近時の安倍内閣は、ここ、会期末まで数週間となって、残りの数週間では、国民の年金問題などに対する怒りを沈静化しえず、挽回不能の失態のまま、夏の参議院選挙になだれ込まざるを得ない状況になってきた。
昨日の時点で、安倍内閣は、すでに、敗走の状況に入ったと、見られる。
せっかくの今日からのクールビズのかりゆしウェアも、こうなると、緊張感をなくし、鎧を脱ぎ捨てた敗残兵のように見えるのは、気のせいだろうか。
こうなると、参議院における与野党逆転は、そろそろ、現実のものとなりつつあり、日本の国会においても、参議院選挙後、アメリカの議会と同じ、衆院与党多数、参院野党多数のグリッドロック(『政治的膠着』Political Gridlock )の状態を迎えそうであることは、かなり高い確率になってきたようである。
しかし、考えようによっては、このやや擬制的な与野党拮抗状態は、国民にとって、または、産業界にとっては、歓迎すべき事態なのかもしれない。
つまり、国民のニーズオリエンテッドに沿った健全な政策競争原理が、与野党の間に働く可能性が強い、ということである。
昨年の中間選挙後のアメリカのブッシュ政権の軌跡を見てみると、超党派(バイパルチザン)(by-partisan )対策で乗り切っている例が多くなってきていることに気づく。
日本の秋からの国会においても、このような超党派(バイパルチザン)(by-partisan )対策が、大手を効かせてくるような予想を、私自身は、している。
もちろん、たとえ、参議院の与野党逆転によって、日本の国会にも『膠着』(グリッドロック、Gridlock )現象が生じても、国民にとっては、相変わらずの状態が続くかも知れない。
ただ、私は、この硬直化した日本の二大政党の行き詰まり状態をいくらかでも、ベターな方向に向けるには、「引き裂かれた議会(Split Congress)」の現出によって、逆説的には、国民にとっては、この二大政党と称している、どちらの政党も、頼りないほうがいい、国民に尻尾を握られているほうがいい、と、思っている。
そのためには、この衆参クロスしたGridlock状態での、やや擬制的な与野党拮抗状態は、国民にとっては、政策実現のための有力なツールになりうる、と、考えている。
そして、この両政党が力を発揮できない硬直状態の中で、オルタナティブとしての、中道派としての、第三の政党勢力が、醸成されていくほうがいいとも、考えている。
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