Sasayama’s Weblog


2009/11/19 Thursday

ウクライナで大量死亡の新型インフルエンザ・ウイルスは、肺組織で集中し変異していることが判明

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 23:41:36

このサイトにおいでいただいた方へ

この情報は11月19日時点での情報です。
今回のウクライナを初めとしたH1N1新型インフルエンザ・ウイルスのD225G変異につきましては、このサイト以外にも、私のブログ記事では、下記で取り上げておりますので、あわせてご参照ください。
あたらしい記事順です。

D225G変異H1N1新型インフルエンザ・ウイルスに対してワクチン不全ありとWHO確認 (11月28日時点)
ウクライナ・ノルウェイ・香港共通のH1N1新型インフルエンザ・ウイルス変異について(11月25日時点)
覚書-専門家が、ウクライナのH1N1新型インフルエンザ・ウイルスのD225G変異が肺に集中していることに関心を持っている理由(11月22日時点)
ウクライナでH1N1新型インフルエンザ感染者が呼吸器疾患で大量死亡 (11月9日時点)

2009年11月19日
 
かねてからこのブログ「ウクライナでH1N1新型インフルエンザ感染者が呼吸器疾患で大量死亡」などでも伝えているウクライナでの新型インフルエンザによる死亡だが、ここに来て、これによる死者は、344人に達したとのことである。

一日あたり16人ずつ死亡者が増加しているというペースのようである。

ここに来て、ウイルスのシーケンスも発表されたが、これによると、10検体のうち、4検体に、HAにおいて、D225G変異を示していたという。

D225G変異を起こしているウイルス名は下記のとおりである。

A/Lviv/N6/2009
A/Ternopil/N11/2009
A/Ternopil/N10/2009
A/Lviv/N2/2009

このうち、1検体については、喉からのものであり、3検体については、肺組織からのものであった。

この4検体を採取した患者はいずれも死亡者であった。

鼻咽頭からの検体については、D225G変異は見られなかったという。

このことから、D225G変異が、肺組織に集中して見られるのかどうかが、関心のもととなっているようだ。

そのためには、この肺組織からの検体が鼻咽頭からの粘液からきているものかどうかを早急に検査しなければならないとしている。

なぜなら、上気道でのウイルスがほとんどなく、肺にウイルスが集中している可能性が強いからだ。

極端には、鼻咽頭からの検体では、陰性を示すことすらあるからだ。

CDCの見解では、ラピッド・テストでは、10パーセントから70パーセントの巾での感度の差があるという。

したがって、状況によっては、実態の10パーセントしか、陽性を示さない場合もあるという。

陰性を示しているラピッド・テストのサンプルは、この場合、より精査をすることが必要であるという。

このD225G変異が肺組織に集中しているということは、H1N1ウイルスが肺組織に集中していることを意味しており、このことが、サイトカイン現象を引き起こしていると見る向きもあるようだ。

このD225G変異は、これまで、すでに、ブラジル・サンパウロ、中国・Zhejiang、日本・広島、アメリカ・テキサス、アメリカ・ジョージア、アメリカ・ニューヨーク、メキシコ、スペイン・カタロニアで見られた変異でもある。

しかし、D225G変異が見られたということは、このウイルスの遺伝子的な歴史背景(multiple genetic backgrounds via recombination)を語るものであるとする見方もある。

すなわち、三種のウイルスの再結合(triple reassortant viruses)にみられる変異であるという説である。

その理由として、1918年から1919年にかけてのスペインかぜにおいて採取された二つのウイルス A/New York/1/1918 と A/London/1/1919 にも225において、同様のD225G変異が見られたことについての懸念から来ているものである。

一方、ノルウェイにおいても、同様の変異を持つ患者が発見された。

H3ナンバリングでは、ポジション222がポジション225にあたる。

また、ロシアにおいては、A/Vladivostok/1/2009二、同様の変異が見つかっている。

ノルウェイの場合は、70人について検査をし、そのうち、8人の患者は死亡している。

D225G変異が見られたのは、このうちの5人であり、そのうちの2人は死亡している。

他の三人は、集中治療室に入っており、重症である。

ここでも、ウクライナと同じく、変異ウイルスは、肺に集中して、発見されているという。

ポーランドにおいても、新型インフルエンザによる死者が急増しているが、これらにもD225G変異があったかどうかについては、今のところ、確認できていないようだ。

備考

これまでD225G変異をみせたウイルス名一覧(ウクライナ分を除く)

01 A/******/index/2009/02/01 (A/swine-flu/index/2009-02-01(H1N1))
02 A/Hiroshima/201/2009/06/17
03 A/Georgia/01/2009/04/27
04 A/Zhejiang-Yiwu/11/2009/09/06
05 A/Zhejiang/DTID-ZJU03/2009/09/07
06 A/Zhejiang/DTID-ZJU02/2009/09/07
07 A/Sao Paulo/53206/2009/07/19
08 A/Sao Paulo/53225/2009/08/01
09 A/New York/04/2009/04/
10 A/Catalonia/NS1706/2009/07/29
11 A/Mexico/InDRE4114/2009//
12 A/Texas/11/2009/04/23
13 A/Texas/05/2009/04/15
14 A/Mexico/3955/2009/04/02
15 A/Cancun-NY/Index/2009/04/15

参考
H5N1Experts.org - View Single Post - swine flu sequences
my supposed index-strain , the virus which I consider the best candidate for the original ancestor virus of all ****** .
Presumably the virus which jumped from swine to a human or (IMO less likely) which reassorted in a human

A/swine-flu/index/2009-02-01(H1N1)
A/******-match/1-2/07(H3N2) (A/Mexflu-match/1-2/07(H3N2))
A/Sw/Index/triple-reassortant/1998(H3N2)

参考
Antigenic and Genetic Characteristics of Swine-Origin 2009 A(H1N1) Influenza Viruses Circulating in Humans

参考
A/Mexflu-match/1-2/07(H3N2)」

参考
Ukraine Dead Increase to 344 - Sequences Released

 

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