Sasayama’s Weblog


2004/10/15 Friday

BSE検査対象外牛の月齢判定についてのアメリカ側の主張の中身

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:01:27

 
2004/10/15
食用牛の全頭検査緩和を自民党小委員会が条件付きで了承したことで、BSEの今後の問題は、アメリカ牛肉のリスク評価に移るが、これまでの月齢判定でのアメリカ側の主張をまとめますと、次のようになりる。
「牛の歯列による月齢判定方法」
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=60 で述べた方法。
生後18ヶ月以下の牛は、第一門歯の乳歯一対がある状態。
生後18ヶ月以上の牛は、第一門歯の乳歯一対が欠けており、第一門歯の永久歯が覗いている状態。
生後20ヶ月以上の牛は、第一永久門歯のうちのひとつが、歯茎を破って、出ている状態だが、この基準は、オハイオ州とネブラスカ州でのみ適用。

2.骨の密度による月齢判定-
「オシフィケーション・システム(ossification system 骨化判定システム)」というもの。
http://jas.fass.org/cgi/content/abstract/79/7/1683もご参照
骨の特徴によって、その牛の月齢を判定するもので、分類は、AからEまでの五段階。
Aが月齢9−30ヶ月、
Bが月齢30−42ヶ月、
Cが月齢42−72ヶ月、
Dが72−96ヶ月、
Eが月齢96ヶ月以上 というものだ。

判定方法は、牛の仙椎、腰椎、胸椎 における 軟骨の骨化度や、肋骨の形などから判定する。
なお、オシフィケーション・システム(骨化判定システム)と、歯列による月齢判定の比較として次のものがある。
永久門歯ゼロの牛の91.5パーセントから100パーセントが、月齢23.8ヶ月以下
永久門歯二つの牛の89.1パーセントから97.5パーセントが、月齢23.8ヶ月から30.4ヶ月
永久門歯四つの牛の75パーセントから82.2パーセントが、月齢30.4ヶ月から38.0ヶ月
永久門歯六つの牛の64パーセントから、72.5パーセントが、月齢38.0ヶ月から45.3ヶ月
永久門歯八つの牛の40パーセントが月齢45.3ヶ月以上

3.肉質による月齢判定-
「Beef Grading」という方法で、肉の品質によって「Prime」「Choice」「Select」「Standard」「Commercial」「Utility」に分類するもの。
なお、http://meat.tamu.edu/beefgrading.htmlにみるように、「Beef Grading」には、 「Beef Quality Grades」
(Marbling Maturity
(Skeletal Ossification) )と
「Beef Yield Grades」とがある。
成熟度判定は、骨格による成熟度判定(Skeletal Maturity )+ 赤身の肉質による成熟度判定(Lean Maturity) = 総合的成熟度判定(Overall Maturity)であり、この総合的成熟度判定にさらにマーベル度(Marbling Score)が足されて、USDAの品質グレード(Quality Grade)が決定される。
このQuality GradingのなかのMaturity Age を判断するためにcartilage ossificationというものがあり、各部位の軟骨の硬さによって、牛の成熟度を測る。詳しくは、http://ianrpubs.unl.edu/beef/rp357.htmをご参照 

4.農家の記録簿による月齢判定-
「Herdbook 」または「Herd Record」 または 「Herd Register 」ともいわれるもので、これには、「所有者の名前、ブリーダーの名前、オス親メス親の登録番号、出生地、出生年月日、毛色、焼き判のしるし、」等が記入されている。
これについては、
the Herdbook
herdbook services  
beefguru
herbstgroup
the Cow/Calf Record Management System
Herbest Cattle等をご参照

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2004/05/18 Tuesday

BSE発生で、必然的に進むアメリカ牛肉業界の構造改革

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:46:39

   
2004年5月18日(火) 

サイトhttp://www.cattlenetwork.com/content.asp?contentid=1882は、BSE発生後のアメリカの牛肉業界の体質変化を総合的にまとめた、得がたいレポートだ。

これによれば、ごく短期的には、需要は、価格・量とも堅調に推移する一方、供給のほうは、在庫圧力減につとめる一方、供給、そのものは、やや、及び腰といったところだ。

問題は、この秋にも予想される牛肉輸出再開への思惑なのだが、例年の季節的な変動を度外視して、投機的な動きを見せていることが懸念されるという。

特に、最近の金利上昇の影響が、とうもろこし価格へ転嫁され、飼料コストの相対的な上昇に向うのではないかと、懸念されている。

一方、長期的には、いくつかの顕著な動きが、業界に見られているという。

特に、これまでの伝統的な中小規模の経営規模から離脱を図る動きが見られ、特に、中規模農場の統合化が見られるという。

これは、BSE発生により、今後一層の政府からの干渉が深まることへの懸念から、これによるコスト増加をいかに、統合で吸収するかということなのだという。

また、食の安全志向の高まりから、新しい、食肉生産のビジネスモデルを模索する動きも、活発になっているという。

この新しいビジネスモデルの目的は、究極には、生産過程の短縮化と、コスト削減であるという。

また、消費者が牛肉の安全性に目を向けてきたため、消費者志向の変化にタイミング良くマッチしていくことがもとめられており、このための『サプライ・チェーンの同期化』と、「原材料・在庫の一貫管理」が必要になることに対応するモデルであるという。

さらに、これから一層高まるであろう危機管理コストの上昇に耐えうるモデルである必要があるとしている。

これら川上の変化に対応して、川下においても、変化が予測される。

こうして、アメリカ食肉業界の合併再編気運は、単に農場段階にとどまらず、「農場を超え」て、突き進むことになる。

そのためのキーワードは四つあるとする。

一つは、業界標準化の設定 二つは、巨額の固定費の合併効果による相殺、三つは、政府干渉の増大への対応、四つは、牛肉関連業界を包括した産業統合

であるとする。
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2004/04/21 Wednesday

「日本の若齢BSEのケースについて、ただいま日米間論争中」という報道

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:44:14

  
2004年04月21日

サイトhttp://www.kansas.com/mld/eagle/business/8480698.htm では、日本でのBSE論争について紹介している。

概要は、次のとおり。

若い牛のBSEのリスクについて、アメリカと日本との間で、意見の不一致の中心となっているのが、日本における二つのケースだ。

何ヶ月もの間、アメリカの消費者は、生後30ヶ月以下の牛については、病気にかかりそうもないということを、確信していた。

これは、農業部門貿易での土台となる核心をなすものであり、ハイリスクな牛に限って検査するという今のサーベイランスプログラムの土台にまで拡大している。

アメリカ政府の厳しい「と畜規制」においても、生後30ヶ月以下を、特別扱いしないでいい、肉の足キリ月齢としている。

しかし、日本の政府は、日本では、生後30ヶ月以下のBSEの例が、これまで、二例発見されているという。

アメリカ側は、この二例の検査の妥当性について、日本側に質問している。

ワシントンの日本大使館の農業担当である佐藤ただし氏は、火曜日、次のように言った。

「生後30ヶ月以下の牛については、、BSEの危険性がないという、アメリカ側の主張について、重大な関心を持っている。」「アメリカ側は、生後30ヶ月以下の牛は安全であるといっているが、日本の経験に照らしていえば、それは、安全なケースではないことを示している。」と、佐藤氏はいう。

日本側のいうに、昨年11月5日に、生後21ヶ月の牛がBSEとして発見され、10月6日には、生後23ヶ月の牛が、BSEとして発見されたという。

この二つのケースは、the World Organization for Animal Healthにリストアップされ、BSEとして、追跡調査の対象となっている11例のうちに、はいっているものである。

この二例以外の9例については、生後30ヶ月以上の牛である。

USDA のAnimal and Plant Health Inspection ServiceのRon DeHaven氏が先週話したところによれば、この二つのケースは、三種類の検査のうちの二つにおいて、陽性反応を示したが、より精緻な免疫組織化学検査においては、陰性を示したという。

Ron DeHaven氏のいうに、これら日本における二例が、BSEであるかどうかについては、国際的にコンセンサスが得られていないとしている。

「われわれは、数千の牛と、この二例を関連付けて、筋道を通す必要がある。

私の思うに、国際的には、十八万五千頭内外の牛が、陽性反応を持つ牛である。

だから、あきらかに例外的にみえる、この日本の二例に基づいて、国際貿易政策の根拠にしたり、国家プログラムのベースにすることはできない。」

と、Ron DeHaven氏は、いう。
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2004/04/03 Saturday

ますます混迷を深める日米間の牛肉輸出再開問題

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:42:58

  

米農務省は3月26日、初のBSE発生に伴う行政対応が一段落したことから、日本など75カ国・地域に米国産牛肉の輸入再開を要請する書簡を送った。

日本に対しては、3月29日付けで、http://www.usda.gov/Newsroom/kamei.pdf  のような書簡を、日本の亀井農林水産大臣あてに送り、「百年ほど前に日本政府から贈られてきたワシントンの桜が咲き始めました。」とのやわらかい書き出しから始まって、この中で、

1.日本政府とアメリカ政府とが、共同して、OIEに接触し、専門家によるコンサルティングをうけること。これについては、すでにアメリカがOIEと接触し、好感触を受けていること。
2.4月9日までに、諸課題解決に向けてのOIE専門家などによるパネル設置を合意すること。
3.4月14日までに、そのパネルの構成員を決定すること。
4.パネルの初会合は、4月26日までに、両国の都合のよい場所で行うこと。
5.パネルは、4月30日までに、両国の提起した疑問点に対して、回答を用意すること。
6.このパネルの回答は、今後の両国政府の合意のベースとなるものであり、この内容は、OIEのウェブサイト上で公表されること。

を提案してきた。

しかし、これに対して、日本の亀井農林水産大臣は、4月1日の記者会見の席上で、「「安全対策は不十分」とする返事を近日中に送る」ことを明らかにし、この提案を拒絶するとの考えを表明した。

この記者会見の内容を知ったアメリカ側は、4月1日、http://www.usda.gov/Newsroom/0131.04.html  に見るように、ベネマン農務長官とゼーリック通商代表との共同声明を発表し、この中で、

1.アメリカは、牛肉貿易問題について、科学的な根拠に基づく解決に腐心している。
2.われわれは、日本の亀井農林水産大臣に対して、OIEに対して技術的なコンサルテーションを受けることを提案した。
3.最近のBSEに関する調査・経験の蓄積や、科学的コンサルテーションは、牛肉輸出再開の可能性を強めるものであり、アメリカ牛肉の輸出相手国とも、国際的な専門家パネルの提案をも含め、われわれの調査結果を分かち合いたいと思っている。
4.日本は依然として、全頭検査と、SRMの除去が輸出再開の条件だと主張しているが、アメリカのシステムに関する国際的科学者パネルの報告では、全頭検査には、科学的な根拠がないとの注目すべき報告をしている。
5.現下の時点でやるべき、もっとも適当なことは、OIEにコンサルティングを依頼し、科学的根拠に基づく合意を生み出すことである。
6.われわれは、一般的に受けられられるBSEの定義の確立や、それにもとづく検査の方法、そして、SRMの一般的定義の確立について、OIEが、再検討に入るため、積極的にタイムテーブルを設ける用意があることを、すでに確認している。
7.アメリカは、自らのBSEシステムを国際的専門家の判断・評価にゆだねる気持ちであるのに、日本側が、どうして、それに対して気乗りがしないのか、その理由がわからない。
8.われわれは、これらのわれわれの提案のメリットに対して、建設的な対話をしようとせず、報道機関を使って米提案に拒否の反応を示したことには失望させられた。
9.われわれは、OIEにコンサルテーションを委託するという、われわれの提案を、日本政府が、早急に受け入れることを促すと同時に、これらの方策が、世界貿易機関(WTO)のメンバーとしての国際的協定と一致するものであることを確信する。

との考えを示した。

4月2日深夜、農林水産省は、亀井善之農相名で米国の提案を拒否する内容の返事を出し、その中で、「OIE事務局に日米共同で専門検討会を設置する」との米提案に対し、「これまでの協議の経緯を考慮せず、まことに残念」などと記した。

一方で、かねてより、自主全頭検査により、日本への輸出再開を目指しているCreekstone社は、この提案に対するUSDAの認可がいまだ得られていない状況に対して、http://www.arkcity.net/stories/040304/com_0002.shtml に見るように、「全頭自主検査による輸出再開が認められるかどうかが、会社存亡を左右する状態にいたってきた。」と危機感を募らせている。

http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/hot/bse/news/apr0204bse.html参照
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2004/03/24 Wednesday

アメリカの日本向け牛肉輸出再開に向けての、大きな二つの出来事

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:42:45

  
2004年03月24日

第一の話題は、http://msnbc.msn.com/id/4587520/  に見るように、昨日、USDAの Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS)の責任者であるBobby Acord氏が、辞職したということだ。

辞職の表向きの理由は、病気の母親の介護のためということらしいが、根底には、これからのBSE検査方針をめぐってのUSDAとの意見の食い違いがあると見られる。

これまでにも、Bobby Acord氏は、USDAのBSEの検査方針の変更に対して、強硬に、従来どおりの検査方針の続行を主張してきただけに、今回の突然の辞職の裏には、膠着状態を見せているに日本への牛肉輸出再開問題について、この辞任を機に、何らかの方向展開を図ろうとのUSDAの意図が、かいま見られる。

第二の話題は、3月17日のロイター報道で、USDAのディヘブン(Ron DeHaven)首席獣医師が、業界提案の「日本向け牛肉の民間企業による全頭自主検査」について、「民間企業による自主検査は、輸出や市場開拓が目的だが、われわれはこの種の提案を受けており、現時点で結論は出ていないが、評価・検討中だ」と述べた事に対して、http://www.forbes.com/business/newswire/2004/03/23/rtr1309284.html  に見るとおり、昨日、Creekstone Farms Premium Beef が、USDAが、この提案を受け入れるかどうかについて、「非常に楽観的にとらえている。」と、コメントしたことだ。

これによると、Creekstoneの副社長のKevin Pentz氏によれば、ロイターに対し、「USDAとの交渉は、非常に早い速度で進んでおり、USDAの最終決断は、かなり早い機会にあるだろう。」と述べたという。

このCreekstoneのコメントにたいして、USDAのスポークスマンのAlisa Harrison氏は、「現在は、イエスともノーとも言える段階ではない。」としながらも、「検討中」との含みのあるコメントをしたという。

この業界提案の「日本向け牛肉の民間企業による全頭自主検査」をUSDAが受け入れる可能性は極めて高いと見られ、これによって、日本政府側の対応が固まれば、アメリカ牛肉の日本向け輸出再開は、大きく前進することになる。

ちなみに、日本の農林水産省の石原事務次官は、3月18日の記者会見で、全頭検査の主体が米政府でなくても、日米の民間業者が実施した検査を米政府が認証するなど一定の関与があれば、輸入再開を容認する考えを示したが、一方で、検査頭数の拡大については、まだ全頭検査とは開きがあるとして、輸入再開の材料にはならないと指摘している。

昨日のUSDAの Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS)の責任者であるBobby Acord氏の辞職によって、USDAの今後の検査方針にも、日本側の意向に沿った柔軟性も期待できることになる。

そこで、USDAが3月15日に発表した第二弾のBSE検査方針の変更案に付いて、日本政府側の意向に沿って、さらに第三弾の変更をするとすれば、
(1)「危険度が高い牛」(生後30カ月以上で(1)歩行が困難な牛(2)中枢神経障害の兆候を示す牛(3)その他の症状を示す牛(4)死亡した牛)の検査対象を年間四十四万六千頭から、さらに増やすか、
または、
(2)正常な牛からの抽出検査頭数を年間二万頭から、さらに増やすか、
または、
(3)「危険度が高い牛」も「正常な牛」も、混ぜて、総検査頭数を増やすか、のいずれの措置をとらなければならなくなる。

BSE発見確率精度の向上という観点からいえば、アメリカの消費者団体であるパブリックシチズンが指摘しているように、第三番目の措置(「危険度が高い牛」も「正常な牛」も、混ぜて、総検査頭数を増やす)が有効に作用するものと思われる。

以下は私の私見であるが、この妥協案は、日本が振りかざした「全頭検査論」の落としどころとしては、絶妙なゾーンを狙った案でもあるので、日本政府としては、この際、多少のダブルスタンダードの嫌いはあっても、これを受け入れ、日本の牛肉市場の正常化につとめるのが先決と思っている。

http://www.sasayama.or.jp/akiary051/200402.html#20040212にも書いたように、もともと、国内牛肉と輸入牛肉とは、清浄国よりの輸入に関しては、全頭検査と、非全頭検査とでの、ダブルスタンダードなんですから。

さらにいえば、これを、非清浄国に及ぼすのが妥当なのか、あるいは、将来、非清浄国になりうる国にも適用するのが妥当なのかという議論に過ぎないのですから。
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2004/02/23 Monday

米消費者団体パブリック・シチズンがUSDAのBSE対策を批判

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:42:01

 
2004年02月23日

米消費者団体パブリック・シチズン(Public Citizen- 1971年にRalph Naderによって創設)(代表 Joan Claybrook )は2004年2月19日、米農務省のBSE検査体制が不十分だと批判する書簡をベネマン農務長官に送付した。

以下は、その書簡”Letter to Agriculture Secretary Ann Veneman concerning false or misleading government reassurances on mad cow disease” の仮訳である。

BSE安全保証対策に関する政府の過ちならびにミスリードについてのベネマン農務長官への書簡

2004年2月19日

親愛なるベネマン農務長官

近時、アメリカにおいて発生のBSEについて、国民への対応の適格性を保証する試みを行うに際して、USDAは、いくつかの誤りやミスリードをおかした発言をしている。

これが、その証拠である。

●現在のサーベイランスシステムによっては、USDAがいっているような、「百万頭の牛の中に一頭のBSE感染牛がいても、検出しうる。」ということは、出来ない。

●歩行困難な牛、いわゆるダウナー・カウを、人間の食供給から取り除いても、人間にとってのリスクを大幅に減少させることにはならない。

●公衆衛生対策で提案している、機械で肉をそぎとるAMRシステムの制限は、実際には、表示規制を変えるに過ぎないものである。

その結果、若い牛からの脊髄は、なお、牛のストックや、抽出物、調味料に含まれ続けることになる。

BSEサーベイランスについて

USDAのウェブサイトで、サーベイランスについて書かれていることにもとずくと、当局のサーベイランスシステムは、たとえ、百万頭の成牛の中で、一頭のBSE感染牛が存在していても、それを検出しうるレベルにあるとされている。

このことは、ワシントンでのアメリカ初のBSE発生以後、何度となく、当局から繰り返され続けてきた。

この主張は、USDAのウェブサイトにも書かれているように、ヨーロッパの検査データによって、反論されているとおり、誤った仮定にもとづくものである。

確かに、BSEのリスクは、ダウナーでない牛よりも、ダウナーの牛のほうが高い。

このことは、USDAのBSEサーベイランスプログラムが、特に、これまでのところ、ダウナーの牛に重点を置き、対策をしている根拠である。

しかし、USDAは、これにとどまらず、アメリカに存在するすべてのBSE感染牛が、ダウナー牛の中で発生しているものと推測してしまっている。

実際、EU委員会のデータでは、2002年には、287頭もの普通に見える牛がBSE陽性の判定を受けている。

一方、ヨーロッパにおいて、陽性判定されたダウナーでない牛についてみると、ダウナー牛の群れよりも、予測どおりに、陽性判定率は、低いものであった。

同様のことは、アメリカ国内においても、いえる。

USDAのサーベイランスについてのウェブサイトを見ると、アメリカにおいて、ダウナーでない牛の数は、ダウナーの牛の数の230倍であるとされる。

すなわち、四千五百万頭の成牛のうち、ダウナーの牛は、十九万五千頭であるとされる。

このように、もし、ダウナーでない牛の中におけるBSE感染のリスクに比して、ダウナーの牛の中におけるBSE感染のリスクが、あんまり高くない場合には、実際には、ダウナーの牛の中におけるBSEの牛の実数よりも、ダウナーでない牛の中におけるBSEの牛の実数のほうが、多いということになる。

たとえていえば、赤い色のスポーツカーに乗っているドライバーの方が、他の色の車に乗っているドライバーよりも、事故にあうリスクが大きいといっても、実際の、多くの事故は、赤い色のスポーツカーでの事故ではないのである。

以下の付表は、この点について、示したものである。

USDAの、ダウナーである牛とダウナーでない牛のデータをもとにして、われわれは、ダウナーの牛に存在する総合的なBSEリスクが、ダウナーでない牛に対して、ダウナーの牛が、何倍リスクが高いのかによって、全体のBSEリスクがどう変わるか、そのカーブを描いてみた。

たとえば、もし、ダウナーの牛がダウナーでない牛よりも、500倍リスクが高いものとした場合、ダウナーの牛のなかから、BSEの牛を、69パーセント検出できる。

したがって、この場合においては、ダウナーの牛を排除する政策は、大きなインパクトを持ちうる。

一方、もし、ダウナーの牛が、ダウナーでない牛に比して、5倍しかリスキーでないとした場合、ダウナーの牛の中から、たった、2パーセントのBSE感染牛しか、検出できないことになる。

ヨーロッパで、牛の年齢にかかわらず調査した実際の検査データでは、上記の後者の例に近い結果が出ている。

ヨーロッパでは、アメリカでダウナーと称される牛に類似した牛は、ダウナーでない牛よりも、31倍リスキーであった。

この数値をアメリカにあてはめてみると、USDAが採用している「ダウナーでない牛は、リスクがないし、それゆえ、その比率は、極大である。」という仮説とはことなり、むしろ、上記の表のなかで矢印で示しているように、ダウナーの牛の中で、たった12パーセントしか、BSE感染牛は検出されえないということになった。

そして、残った88パーセントの正常に見える牛は、現状、アメリカでは、何の検査も受けることはないのである。

この考察は、二つの重要な意味を含んでいる。

第一は、現在の検査体制では、百万頭の中の一頭のBSE感染牛をも検出できるとするUSDAの主張は誤りであり、二度と繰り返して主張されるべき言葉ではないということである。

偽りなく、百万頭の中の一頭のBSE感染牛を検出できるためには、ダウナーの牛も、ダウナーでない牛も、混ぜて検査をしなければならないであろう。

これらの数字は、恐るべきものである。

正常に見える牛について、五万頭の検査を行い、そのすべてが陰性であったというシナリオにおいて、この検査の信頼度が95パーセントのものであったとして、この検査によってわかるのは、百万頭あたり、(USDAのいう一頭ではなく)60頭以上には、BSE感染牛はいないことがわかるということである。

(訳者注−百万頭のなかにBSE感染牛が59頭までいても、検出不能という意味)

もし、この割合を、アメリカで毎年と畜される三千五百七十万頭のうち、世界で標準に検査される生後20ヶ月以上の牛 12パーセントに適用するとするならば、毎年、257頭ものBSE感染牛が、何の検査も経ずして、市場に出荷されるのである。

(訳者注- 60÷1,000,000=0.00006 0.00006×35,700,000=2,142 2,142×0.12=257)

USDAは、アメリカの市民に対して、このようなリスクがあることについて、率直に伝えるべきである。

USDAのサーベイランスプログラムが、食品供給の安全性を守ることに、直接にはなっていないということを、ここで、思い起こすことは、重要なことである。

すなわち、多くの牛がBSE検査を受けないで食品供給の中に入ってきている事実を、絶えず、実地において、見逃さないということである。

サーベイランスプログラムは、BSE感染牛が食の供給の中に入ることを防ぐというよりは、むしろ、感染拡大を監視するという役割を果たしているのである。

BSEのリスクを完全に減じるためには、すべての牛か、または、少なくとも、生後20-30ヶ月の全頭牛についての検査をする必要がある。

妥当なやり方は、BSEの蔓延をコントロールするために、「すべてのダウナーの牛」と、「ダウナーでない牛であって老齢の牛」についての検査をすることである。

このやり方は、近時、USDAの国際小委員会(Transmissible Spongiform Encephalopathies Advisory Committee)でのFDAによる提言 や、New England Journal of Medicineの社説(Donnelly CA. Bovine spongiform encephalopathy in the United States – an epidemiologist’s view.) にあるものと一致している。

第二に重要な意味を持つのは、人間の食消費のルートからダウナーの牛を取り除くことは、それがよりリスキーな動物である以上、理にかなっていることではあるが、この手法によっては、国民全体のこうむるリスクを、わずかに減少させるに過ぎない。

なぜなら、ダウナーの牛には、たった12パーセントのリスクしかないからだ。

人間の食の消費から、ダウナーの牛を取り除くメリットは、公衆衛生保護対策としては、過大評価である。

FDAによる強い飼料規制や危険部位の人間消費からの取り除きを行っても、BSE対策としては、初歩的な防衛策に終わっているのである。

これらの制度設計と、リスクコミュニケーション問題に加えて、USDAは、サーベイランス管理の弱体化に悩まされてきた。

2001年に、われわれは、アメリカ各州でのBSE検査率の実態を比較調査してみた。

おおよそ、各州同様の検査率と、当初見ていたのだが、われわれは、調査してみて、各州の最高最低の検査率に、400から2000倍の差があることを知らされた。

このことは、このサーベイランスプログラムが、混乱状態にあることを示している。

どの動物を検査するのかを決定する手続きが何もなく、このことは、今回のワシントンでのBSEのケースにおいても、それが、本当にダウナーの牛であったのかどうかについての疑念につながっている。

それにも増して、あるUSDAの検査員が証言したように、と畜会社自体が、検査する牛の脳を選んでいたという事実もある。

今回のワシントンのケースで、図らずも、アメリカのトレース能力の大きな力不足を思い知らされた。

今回発見のアメリカ初BSE感染牛と同じ群れにいた81頭のうち、たった29頭しか、いまだにトレースできていないのである。

牛の終生にわたる包括的な追跡調査体制が、一日も早く確立されるようにしなければならない。

しかし、現状では、ダウナーの牛が人間の消費ルートから取り除かれた結果、農家は、疑わしい牛については、USDAに知らせることなく、農場内に埋めてしまうことになる。

したがって、農場経営者は、自らのダウナーの牛を検査にまわした場合には、補償金が得られるシステムが必要であり、また、農場でサーベイランスシステムが行われた時、農家が検査を回避しようとした場合には、重いペナルティを課すことが必要である。

最近、イタリアにおいて、正常に見える牛が、明らかに新種のBSEに感染していたという事実が発見され、通常の検査では検査を回避できた例が発生したが、このことは、アメリカにおいても、今ヨーロッパでひろく行われているような、より敏感で、急速に検査結果の出る検査方式を承認する必要性が強調されたことになる。

肉処理

ここ数年、消費者団体は、アメリカにおける肉処理システムについて、批判を強めてきた。

すなわち、一定の慣行が、BSEの原因となっているということである。

これら団体の関心は、機械的に分離された牛肉に集中した。

筋肉の付いた骨は、押しつぶされ、押し出し機を通じて押し出され、ペーストとなる。

そして、AMRは、ベルトと骨プレスを使って、骨から肉をそぎとっていくものである。

これらの両方とも、死骸から肉片の最後まで、そぎとることを目的としたものである。

これらの処理物を使って、ハンバーガーやホットドッグを作るのが通常である。

不幸なことに、ワシントンでBSEが発生したことで、これらについての対応を余儀なくされた。

空気スタンガンは、神経組織を撒き散らすということで、消費者団体から、その使用を非難されてきた。

そして、関連業界は、それらを大量に放棄した。

また、小腸を消費することは、まったくされなくなってきたし、生後30ヶ月を超える脳や脊髄についても、同様である。

さらに、機械的に分離された牛肉についても、あらゆる年齢のものについての使用が禁止された。

これらの変更は、歓迎されるべきものであるが、しかし、それにインパクトがあるかどうかについては、過大評価してはいけない。

まず、BSEの感染行動は、実験的には、生後32ヶ月の牛の神経組織についてのものであるが、たつた30例の動物実験によるものであるという限界がある。

脊髄が伝染経路であり、AMRの脊髄による汚染は、確認されている。

2002年のUSDAの調査によれば、調査サンプルの35パーセントが汚染されていたという。

これについては、あらゆる年齢の牛について、脊柱の扱いについて、もっと簡単に取り除ける技術を使った安全策が講じられるべきである。

より基本的には、USDAは、AMRの問題を、少なくとも、生後30ヶ月以上の牛について、実際は、ラベル表示の問題として扱われているのに、それを食品の安全性の問題として、AMR問題を提起しているところに問題がある。

このように、脊髄によって汚染されたAMRが単なるブランドのミスとされることで、それは、肉と指定されて運ぶことが出来ないという意味となっている。

脊髄を「肉」としてあるいは、余りありそうもないが「脊髄」として表示されるのを妨げうる何者も、そこにはないのである。

第二に、アメリカでは、生後30ヶ月未満の牛に関していえば、なお、加工しない脳や脊髄を食べることが出来る道が残されている。

これらの製品は、ある特定の地域や民族の珍味とされているものである。

これらについても、それらが牛の伝染物のほとんど90パーセント近くであることから、人間の食経路から脳や脊髄を取り除くことを、真剣に考える必要に迫られている。

少なくとも、脳や脊髄については、これには、BSEのリスクが伴うことを明確に警告した、良くわかるラベル表示をすべきである。

BSE対策として、USDAは、農業部門に対して、促進策と、調整策との両方を課している。

この公的宣言の中では、後者の調整策よりも、前者の促進策のほうに、力点が置かれているようである。

USDAが、これまで、繰り返し、主張し、説明してきた内容とはことなり、ワシントンのBSE感染牛は、おそらく、ダウナーの牛ではなかったと、いわれている。

もし、そうであるなら、サーベイランス・システムの有効性は、より有効であると主張しうる。

サーベイランス・システムは、百万頭の牛の中から、一頭のBSE感染牛を見つけることは出来ないし、人間の食供給からダウナーの牛を取り除くことが、食供給の安全性確保には、少ししか寄与しない。

また、脊髄は、今なお、牛肉として消費されている。

もし、アメリカの牛や牛製品を輸入する、公の、または、潜在的な輸入業者から、再び信頼されるためには、これまで、USDAが発信した情報の多くの部分がそうであったような、間違った、そしてミスリードした情報にもとずくものであるよりは、正確で科学的な情報にもとずくものによるしかないであろう。   敬具

Peter Lurie, MD, MPH
Deputy Director

Sidney M. Wolfe, MD
Director
Public Citizen’s Health Research Group

参考−
上記書簡とは関係ありませんが、AMRの構造がわかる写真がありますので、以下に掲載します。http://www.wired.com/news/images/0,2334,61847-10438,00.htmlより引用

図の説明-
AMRシステムは、と畜処理後、なお死骸に付着しているいかなる肉をも、押し出すために、骨を絞るシステムです。

図左側にある油圧式圧縮室にあうように、骨は、6インチの長さにカットされます。

ここで、これらの塊は、図中央にある二つの回転シリンダーの間で、プレスされます。

一つのシリンダーは、篩(ふるい)のようなものを通して、肉を圧縮し、骨と結合組織とを、分離します。

それから、肉は、図右側にあるような、よりキメの細かいフィルターを通して、残っている骨や軟骨のすべてを取り除きます。

こうして、再生された肉は、通常、ソーセージやホットドッグ、タコスのトッピングなどの加工肉製品に添加されます。
391
  

2004/02/12 Thursday

全頭検査条件の米国産牛肉輸入再開論の矛盾−日本の農水省は、まず、相対リスク管理と絶対リスク管理のダブルスタンダードの現状を認識すべし-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:41:40

  
2004年02月12日

アメリカとの牛肉輸入再開協議が難航しているが、これは、もともと、日本が招いた、国内産牛肉と輸入牛肉とのリスク管理のダブル・スタンダードに起因した問題だ。

日本において、BSE発生時に、国産牛肉について、全頭方式という絶対リスク(相加リスクAdditive Risk)管理を採用しておきながら、輸入牛肉については、相対リスク(相乗リスクMultiplicative Risk)管理方式のままにしたという時点で、今、アメリカとの間に提起されている矛盾は発生しているというわけだ。

以後、日本の消費者は、同じ牛肉について、絶対リスク管理のもとで安全と称せられている牛肉と、相対リスク管理の下で、安全と称せられている牛肉とを、ダブル・スタンダードの元に食しているということになる。

現在BSEフリーとされているオーストラリア・ニュージーランドの牛肉の検査体制も、アメリカ・カナダと同じ、相対リスク管理にもとずく検査体制にある。

だから、リスク度においては、多少の与件の違いはあるにせよ、BSEが発生したアメリカ・カナダのリスク度と、BSEフリーのオーストラリア・ニュージーランドのリスク度は、相対リスク管理の下では、その数値は対して変わらないものと思われる。

もし、アメリカに対して、全頭検査方式を条件にして、輸入再開を確約するのであれば、そもそもの原点にさかのぼって、同じことを、オーストラリア・ニュージーランドに対しても、これまでにBSEが発生したしないにかかわらず、検査方式を全頭方式にすることを条件にしての輸入としなければならなくなるわけだ。

逆に言えば、もし、オーストラリア・ニュージーランドに対して、現行の相対リスク管理方式にもとずく検査体制の見直しを要求しないのならば、これまでBSEが発生したしないにかかわらず、相対リスク管理の下での安全性が確認されれば、アメリカ・カナダに対しても、輸入再開を認めてもよいことになる。

そうでなければ、日本の消費者は、ダブルスタンダードどころか、トリプルスタンダードの元での、安全と称せられる牛肉を食さなければならないことになる。

以上の論点を整理すると、次のようになる。

1.全頭検査は、絶対リスク管理において、完璧である。したがって、全頭検査による日本の牛肉は安全である。

2.オーストラリア・ニュージーランド・アメリカの検査は、相対リスク管理であり、確率精度次第で、安全でもあり、安全でもない。

3.BSE発生後のアメリカの牛肉は、リスク確率が多少は高くなるもの、それだけで、安全でないとはいえず、依然として、安全であるとも、安全でないともいえる。

4.したがって、BSE発生後に、アメリカに全頭検査を実施させても、オーストラリア・ニュージーランドの牛肉が、安全でもあり、安全でもないという状況には、変わりない限り、日本の輸入肉全般が安全とも安全でないともいえない状況には変化がない。

5. このようにみれば全頭検査をアメリカに要求するのであれば、オーストラリア・ニュージーランドにも、全頭検査を要求しなければ、国産肉の安全性と輸入肉の安全性についてのダブルスタンダードに加え、さらに、輸入肉相互間における安全性についてのダブルスタンダード状態が発生する。

6.もし、オーストラリア・ニュージーランドに対しても、全頭検査を要求しないのであれば、アメリカに全頭検査を実施させても、日本の消費者に対して、輸入肉が、ひとつのスタンダードに基づいての安全性如何を保証することにならない。

7.したがって、行政のとるべき選択肢は、輸入牛肉全般に対するリスク管理を、これまでの相対リスク管理から、絶対リスク管理にあらためるのか、それとも、これまでの、国産肉と輸入肉のリスク管理のダブルスタンダードをそのまま継続するのか、の、選択になる。

その選択の中においては、アメリカの検査体制の問題は、その中のひとつの問題に過ぎなくなる。

以上に見たように、その辺のそもそもの前提がないがしろにされて、議論が進められているうちは、真の日本の消費者にとってのリスク管理とは何かという問題を軽視したまま、より複雑で、錯綜したリスク管理方式が横行したもとでの、食生活が営まれてしまうことになるのだが。

なお、相対リスク管理と絶対リスク管理については、サイトhttp://www.jaeri.go.jp/dresa/dresa/term/br000120.htmをご参照。
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2004/01/27 Tuesday

これまでにない人畜共通伝染病のおそれ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:38:33

  
2004年01月27日

ロイターが、サイトhttp://www.reuters.co.uk/newsArticle.jhtml?type=healthNews&storyID=4211937&section=newsで、 Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)の2004年2月3日号のロッテルダムのthe Erasmus Medical Centerの Ron A. M. Fouchier博士の論文を紹介した。 

論文の概略は、
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0308352100v1?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=
Fouchier&andorexactfulltext=and&searchid=1075162926455
_7550&stored_search=&FIRSTINDEX=0&sortspec=relevance
&resourcetype=1

に記されている。

これによると次の内容である。

H5とH7のサブタイプである高病原性鳥インフルエンザAウィルスは,家禽の伝染病の原因となる病原体である。

H5N1のサブタイプであるインフルエンザAウィルスもまた,1997年と2003年に,香港で,重度の呼吸器疾患を,引き起こした。

2003年2月から5月にかけて流行したオランダのH7N7によるインフルエンザについて、ロッテルダムのthe Erasmus Medical Centerが調べたところ、鶏から採種した高病原性のH7N7のウィルスと野鴨から採種した低病原性ウイルスとが、連関性を持っていることがわかった。

また、同じウイルスは、家禽類を扱っていた86人の人間からも検出された。

89人の患者のうち、78人が結膜炎を患っていて、5人が結膜炎とインフルエンザの症状を呈していて、2人が、インフルエンザの症状を呈していて、4人は無症状だった。

これらの人のインフルエンザ症状は、概してマイルドなものであったが、激しい呼吸切迫症候群(RDS)をともなった重度の肺炎を患っていたのが特徴であった。

それらの人から採種したウィルスのおおくは、突然変異を見せていなかった。

しかし、重症患者から採種したウィルスからは、14箇所に(突然変異による)アミノ酸置換を起こしており、このことが、病気を重症にした事と、関連があるのではないかとしている。

H7N7ウィルスは、過去に何度か、馬やアザラシや人間などの哺乳類に病気をもたらしているところから、これらは、これまでにない人畜共通伝染病であり、人間に蔓延する脅威をもたらすものであるとしている。

参考 http://www.google.co.jp/search?q=cache:9T46kfc0mn4J:life.zsu.edu.cn/bioacademe/
immunology/kuby_imminology5e/0716749475_17.pdf+
amino+acid+bird+flu++H7N7&hl=ja&ie=UTF-8

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2004/01/05 Monday

これは手厳しいUSDA批判

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:34:29

  
2004年01月05日

http://www.missoulian.com/articles/2004/01/05/opinion/opinion2.txt では、今回USDAが発表したBSE対策(DOCKET NO. 03-025IF)は、抜本的な対策ではなく、単なる応急措置に過ぎないとして、次のようなことを主張している。

当局は、食の安全性は、これまでも安全だったとは言うが、昨年には、食中毒のケースが7千万件あったことを見ても、ちょっと検討違いのコメントであるとしている。

昨年末のアメリカでのBSE発生は、特筆すべき出来事であったとはいえ、多くの人々にとっては、さして、驚くことではなかった。

むしろ、今回のBSE発生は、これまで政府や牛肉産業界のとってきた措置が、不十分のものであったことを示したに他ならない。

たとえば、今回USDAが、ダウナー・カウの食品全面使用禁止措置と、危険部位の使用制限を打ち出した裏には、これらの措置を打ち出すにいたるまで、政府内で、それらの危険性についての暗黙の認識があったと見るべきだからである。

皮肉な見方をすれば、もし、今回、このBSE牛が、と畜場に回されずにいたならば、射殺され、農場の土の中に埋められるか、もしくは、まっすぐ、レンダリング・プラントに送られていたはずである。

すなわち、これらの牛は、決して、BSEテストを受けることにはならなかったはずである。

テストを免れた肉は、食べるひとには何もわかられずに、食卓にのっていたことであろう。

病気の牛を食物連鎖から除くことは、いい考えであるが、それが完璧とするためには、より多くの検査が必要である。

BSEの発生を一過性の出来事とみずに、これから起こりうる大発生を防ぐには、その方法しかないのである。

今回、USDAは、いち早く、カナダ主因説を大放送したが、その態度は、あたかも、今回のBSEの原因はカナダにあるといわんばかりのものであった。

問題は、アメリカはカナダとメキシコから、毎年それぞれ百万頭もの生体牛を輸入しているということである。

もし、そのうちの一頭でもBSEだったら、そのうちの数千は、BSEになっている可能性がある。

このことからも、輸入生体牛についての健康保証措置が、もっととられなければならない。

また、飼料使用規制についても、それは、農場の庭先にまで及ぶものでなければ、農家段階での交差汚染は、今後もさけられないであろうと、している。

われわれが消費者や、牛肉を食するものとして今聞きたいのは、USDA当局の誰かが「われわれのアメリカのBSEフリー戦略は間違っていました。われわれの採用した予防措置は、今になってみれば、不適切なものでありました。私達は、これから、BSE問題の抜本的解決のために努力します。」とのひと言なのではなかろうか。
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2003/12/24 Wednesday

アメリカで発生のBSE牛詳細情報

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:34:14

 
2003年12月24日

(随時最新情報に更新済み)

アメリカ対カナダの対立に発展したアメリカのBSE発生問題

BSEにかかったのは、アメリカ・ワシントン州のYakimaの東南40マイルにある人口2045人のMabtonの近くの農場the Sunny Dene Ranch(オーナーは,Sid Wavrin と William Wavrinで、ここでは、四千頭以上が飼われている.)の6歳半のホルスタイン経産牛一頭で,ダウナー牛として間引きの対象となり、12月9日に、Vern’s Moses Lake Meat Inc.で処理された。

(ここのTom Ellestad氏の話によると,この牛が歩いているのを見ており、ダウナー牛には、見えなかったという。また、このと畜場では、過度に病気の牛は、と畜しないとの方針のようだ。)

この牛は、2001年10月,Central Washingtonから買われてきた牛だが、その生地は、いまだわからず、この肥育履歴の解明には、短くて一週間、長いと、数ヶ月かかるとの見方で、要は、生育履歴記録のあるなしによるという。

USDA のAPHISがトレースバック調査した上、12月27日に発表したところによると、カナダ側の牛の耳標―耳タグ―をもとにした記録によれば、当該牛は、 2001年8月(9月?)にカナダのAlbertaからIdaho州のEastport(Oroville?)に輸入された81頭(82頭?)のうちの一頭であるという。

これらの牛は、2ヶ月後、ワシントン州のMattawaのディリー・ファームに移された。(全部かどうかは不明)

この81頭(82頭?)は、乳牛として、この2年から2年半前に導入されたものであり、現在もBSE牛以外、すべてが生存していると見られるが、この全部が、BSEに汚染されているとは限らないという。

とくに、ミルクや乳製品についての危険性については、当局は否定している。

しかし、これまでの経験則からいえば、これほどの集団の中では、1―2頭の感染牛の存在は否定できないという。

このことで、トレースされるべき対象が、国境を超え、飛躍的に拡大してしまったとする見方も出てきている。

これらの一連の報道に対して、カナダのthe Canadian Food Inspection AgencyのBrian Evansさんは、「この判断のもととなった耳標は、2001年に導入されたものであり、その時点では、当該牛は、すでにアメリカにいたことになる。おそらく、当該牛は、もともとの耳標をなくし、現在の小さいsilver ear tag が後につけられたものとおもわれる。一日も早いDNA鑑定をしていただきたい。」の述べ、また、カナダ・アルバータ州のShirley McClellan農相は、「カナダ産であると結論付けるのは、時期尚早である。」と反論し、カナダ側は、国際鑑定を主張している。

また、カナダ側は、当該牛の親牛(種牛)の精液サンプルも所有しており、これとDNA鑑定との比較で決着が付くとしている。

このカナダ側の強硬な反論の裏には、昨年のカナダのBSE以来のアメリカとの輸出再開問題が絡んでおり、この日、アメリカ側は、これまでの方針(今年10月末に、生後30カ月未満を条件としてカナダ産生牛の輸入再開方針を示し、来年1月5日まで関係者から意見を受け付けるとしていた。)を、見直すことを明らかにした。

当局では、この残りの80頭(81頭?)の牛全部についてのトレースを、この3―4日以内に終えるという。

そして、12月31日までに、このうちの9頭の居場所が確認されたという。

これに関しては、カナダ側は、Albertaの元オーナ−との連携もとるとしている。

また、当初は4歳半とされた牛が、12月27日になって、カナダ側の記録では、1997年4月生まれの6歳半とわかったことで、理論的には1997年8月4日施行の反芻動物関係飼料混入規制規則施行(the 1997 Animal Feed Rule)以前に、汚染飼料に曝露されていたことにはなる。

しかし、当局は、この当初発表の年齢との食い違いを重視し、DNA鑑定の上、当該牛であるかどうかの確認を、これまで急いでいた。

2004年1月6日、アメリカ・カナダ両当局は、アメリカのBSE牛は,カナダ産のものであるとのDNA鑑定結果を発表した。

DNA鑑定は,12ポイントにわたるもので,the University of Saskatchewanと,USDAのNational Veterinary Services Laboratoryとが,別々に、これにあたった。

対象サンプルは、アメリカで発見された6才半のBSE牛の脳の組織と、その牛の種牛と見られるカナダの雄牛の精液とのDNAの比較で行われ、アメリカ側・カナダ側とも、両者の一致を確認した。

今後,USDAは,さらに,残されたthe Leduc areaから輸入された71頭についても,同様の検査をする予定である。

尚、この日の当局の会見では、カナダのBSE牛とアメリカのBSE牛との発生原因との関連性については、今のところ確証がないと述べた。

また、この日、当局は、先の80頭(81?)のアメリカ輸入に続く便で、同じ群れにいた17頭が、次の便で、アメリカに輸出されたとの、新たな報告をした。

アメリカとカナダのBSEをむすぶ、レンダリング工場か?

2004年1月1日にはいって、カナダの AlbertaにあるEdmonton rendering plantが、昨年5月発生のカナダのBSE と、昨年12月のアメリカのBSEを結ぶキーポイントになるかどうかが、注目されている。

この情報は、地元紙のthe Edmonton Journalがhttp://www.canada.com/edmonton/edmontonjournal/story.asp?id=1BA92170-6D04-4E78-AA99-0E21095B9D07で伝えたもので、これによると、ここの飼料 工場で、1997年8月前に飼料の交差汚染があり、これが、アメリカ・カナダのBSE発生の原因ではな いかと疑われているということであり、現在当局による調査が入っているとのことである。

その頃は、このレンダリング・プラントでは、豚用と牛用の蛋白飼料を、同じプラントで、作っていたとい う。

the Canadian Food Inspection AgencyのTom Spillerさんは、「Edmonton地区のレンダリングプラントで 交差汚染した飼料を、アメリカとカナダのBSE牛が食べたことはありうると推測できる。

しかし、当該農 場では、当時の飼料記録を持っていないので、そう結論づけることはまだできない。」としている。

カナダの調査官は、この蛋白飼料をつかったとされる他の農場についての追跡調査は、今週末にも予 想されるDNAの結果が出るまではしないであろうという。

また、その他の81頭の牛が来たとされるLeduc 地区の農場についても調べているが、この農場は、す でに2001年に農場主の健康上の問題で閉鎖されており、それまで飼われていた牛は、すでにアメリカ に輸出されたという。

そのことから、このLeduc 地区の他の農場でも、飼料使用禁止される前の1997年6月と7月には、同 じ時期に交差汚染された飼料を使っていたと考えられる。

そのときには、合法的にNorthern Alberta Processing Co.,のEdmonton rendering plant( West Coast Reduction Ltd 所有)の肉骨粉が、飼料として使われていたともみられる。

また、この原料がどこから来たかということについて、Spillerさんは、思い当たる筋はわかるが、今はいえないとしている。

また、カナダのMel McCrea’s farmのBSE牛に使われた飼料は、別の工場からのものではあったが、Spillerさんが言うには、その工場もNorthern Alberta Processing Co.,から、蛋白飼料原料を手に入れることは出来ただろうといっている。

このThe Edmonton plant は、昨年8月に操業停止している。

ワシントン州で発見のBSE牛の耳タグには、Leduc 地区の名前が認識されている。

また、Northern Alberta Processing Co.,では、昨年2月に、カナダ発のBSE発見牛の農場であるMarwyn Peaster農場のダウナー牛をレンダリングしているという。

さらに、このレンダリング会社は、昨年の定期検査の際に、10種類の飼料分類ラベルのうち3つについて、豚の毛が入っているものをフェザーミールとするなどの不当表示を行っていたとの疑いもかけられている。

このような憶測に対して、カナダ政府は、今週末のDNAの発表があるまでは、はっきりしたことはいえないとしている。

BSE発見から検査・隔離・リコール決定までの経緯

今月9日に行われた米当局者による狂牛病検査で”presumptive positive”「推定(仮性)陽性」 であることが明らかになった。

12月9日以後の経緯については、http://www.agweb.com/news_show_news_article.asp?file=AgNewsArticle_200312291423_4512&articleid=104394&newscat=GN参照

この時の検査では、採取されたサンプルは、まず、アイオワ州のAmesにあるUSDAのNational Veterinary Services Laboratoryに送られ、顕微鏡検査による組織検査と、免疫組織化学的検査が行われ、検査結果が12月22日に返ってきて、12月23日に再検査に回された。

この間において、USDA検査とは別途の検査として、採取されたサンプルを米軍ジェット機で英国の研究所(Veterinary Laboratories Agency (VLA) )  に搬送され、25日、農務省の判断と一致する結果が出たとし、この牛のBSE感染を確認した。

消費者団体の間では、この最初の12月9日の検査から12月25日のVLAによる最終確定までの16日間の間に、当該牛よりの肉製品が市場に出回ってしまったことを問題視し、現在のリコール制度の欠陥を指摘する声もある。(これについては、http://www.realcities.com/mld/krwashington/7581646.htm参照) 

すなわち、USDA発表によれば、リコール措置は、一時検査結果が出た翌日の12月23日までは、とられなかったのである。

このことについて、USDAのスポークスマンであるDan Puzo さんがいうには、22日の結果を見て再検査にまわしたので、ウェブサイト上にリコールの要請が出たのは、24日の午前1時半になったという。(この間の事情については、http://www.tallahassee.com/mld/democrat/7582642.htmを参照)

この間において、USDAは、関係機関との総合的な連携検査体制を敷いた。

感染牛が見つかった農場であり、感染牛が産んだ三匹の子牛の一匹が同居していた the Sunny Dene Ranchは、検疫、隔離措置がとられた。

そして12月26日には、感染牛から生まれた雄の子牛が育ったワシントン州YakimaカウンティのSunnysideのstate dairy farmも、隔離された

これは、子牛が十分成長するまで、持ち主以外の飼育場で育てられたためであるとされる。

当初、この子牛は、耳標―イヤー・タグ―をつけていなかったため、当該の子牛を区別するため、生後7日から30日以内の子牛400頭が、と畜され、検査されるとされていた。

2004年1月5日になって、USDAは、と畜される牛の数は、450頭であり、牛の年齢がいずれも30ヶ月以内であるため、検査はしないと、発表した。

また、農場主に対しては、と畜牛分450頭について、市場価格での買い上げを行うと発表した。

この後、450頭については、1月6日に処分を行い、処分後の検査は行わなかった。

1月9日に、新たに129頭の処分を行うと発表、これについては、BSE検査をするとしている。

この129頭は、BSE感染牛がいたMabtonの農場のものであり、カナダから来た81頭の牛と同居していた258頭のうちの一部であるという。

この258頭のうち、110頭については、すでに、間引きされ、と畜後、食用に回ったものと思われる。

258頭のうち、19頭については、記録がなく、未処分だが、これについても、そのうちと畜されるものと見られている。

なお、感染牛が産んだ子牛の一匹は、2001年に生まれてまもなく死んだという。

2004年1月2日になって、USDAは、第三回目の隔離が行われたことを発表した。

これは、問題牛とともにカナダからアメリカに送られてきたと見られる81頭(82頭?)の牛のうちの10頭で、そのうちの1頭は、ワシントン州の Yakima近くのMattawaのデイリーファームで隔離され、9頭は、Mabtonの、BSE牛がいた農場the Sunny Dene Ranchで隔離された。

この結果、差し引き、カナダから輸入された牛で、まだ、隔離されていない牛は、70頭となった。

以上を整理すると、
2001年9月にカナダのAlbertaからアメリカOrovilleに輸入された牛は、81頭。(82頭という数字も報道されている。)
内、1頭が、BSEにかかった牛。
残りの80頭のうち
今回、1頭が、ワシントン州のYakima近くのMattawaのデイリーファームで隔離。
9頭が、Mabtonの、BSE牛がいた農場the Sunny Dene Ranchで隔離。

この結果、隔離されているグループは、3グループとなり、
第一グループは、Mabtonの、BSE牛がいた農場the Sunny Dene Ranchの9頭と、BSE牛が産んだ子牛1頭と、その群れ。
第二グループは、BSE牛が生んだ雄の子牛が育ったワシントン州Yakimaカウンティの農場の、子牛一頭と、その群れ。
第三グループは、今回隔離されたワシントン州のYakima近くのMattawaのデイリーファームの一頭と、その群れ。

差し引き、カナダから輸入された牛で、まだ、隔離されていない牛は、70頭と、その群れとなった。

なお、今回の隔離の対象は、10頭でなく、11頭とその群れという報道もある。

そして、これに加え、新たに、17頭が、その後の便で、同じくアメリカへ輸出されていたことがわかったので、まだ、隔離されていない牛は、87頭ということになる。

さらに、1月10日になって、Mabton農場から、7頭が、Quincy地区の農場に向ったとの推測がされており、これが確認されると、新たに、Quincy地区の農場が隔離の対象になる。

2004年1月13日、USDAは、現時点でのトレース結果を次のように発表した。

カナダからアメリカに輸入された81頭の牛のうち
1頭は、当該BSE牛
3頭は、Mattawaの農場で隔離されており、近いうちにと畜
7頭は、この農場から他の農場に移送された可能性があり、確認中
9頭は、BSE牛の群れの中にある。
残りの牛については、BSE牛の群れの中にあると推測されるが、確認できない。

とのことである。

ここで、隔離と、と畜の状況を現時点で整理すると次のようになる。

第一隔離グループ-Mabton農場-BSE牛がいた農場で、4000頭の牛がいる。そのうち、カナダのAlbertaから、BSE牛とともにきた、81頭と同じ群れと思われる牛が258頭おり、そのうちの110頭は、すでにと畜場に回され、食用に回ったものとみられる。

残りの148頭のうち、129頭は、近日中にと畜を行い、と畜後、検査をすると、1月9日、USDAが発表した。

残りの19頭については、記録がなく、処理未決定であるが、これについても、と畜されるものとみられる。

第二隔離グループ-SunnySideの農場-BSE牛が産んだオスの子牛が育った農場で、その子牛が耳標をつけていなかったため、対象牛を確定することが出来ず、やむなく、そこの450頭を、1月6日にと畜したが、と畜後の検査はしなかった。

第三隔離グループ-Mattawaの農場-カナダのAlbertaからBSE牛とともに輸入されてきた81頭のうち1頭がいた農場で、ここの群れについての処分は、まだ決まっていないが、おそらく、と畜される予定との報道である。

また、このカナダから81頭が輸入された後に、次の便で、17頭が、同じく、アメリカに輸入されたことがわかっているが、そのトレースはまだ出来ていない。

ここにきて新たに、Mabton農場からQuincy地区の農場に、7頭がむかったのではないかと推測されてきた。http://seattletimes.nwsource.com/html/health/200183 3865_madcow10.html参照

今回、もし、7頭がQuincy地区の農場に移送されたとすれば、第四グループの隔離対象の群れが出来ることになる。

加工・販売段階でのトレースとリコールの状況

と畜処理後の肉は、次の加工経路に乗ったと見られる。

まづ、と畜場から、12月11日に、一台のトラックで、ワシントン州CentraliaのMidway Meats Inc.に、向かった.

Kenneth Petersenさんの話によると、このときには、すでに、肉は、骨格から、切り離されていたという。

なお、この日に同時に処理されたのは、この他に9頭あり、この分の10410ポンドの生肉は、汚染肉に接触の可能性があったため、同日、自発的に回収された

12 月13日に、Midway Meats Inc.から,さらに,加工のため、おそらく,ミートカットは、ハンバーグ用としてオレゴン州ClackamasのInterstate Meat Distributors Inc.に,そして,残りの、ハンバーガーに適さないミートカットと骨は,同じくオレゴン州PortlandのWillamette Valley Meat Co. に運ばれたと見られている。

Interstate Meat Distributors Inc.では、受け取った肉をひき肉にし、各種のパテを作った。

リコールの知らせがあった時点で、そのうちの25パーセントは、まだ、顧客に配送していなかったという。

この後の流通経路は、いまのところ、定かでないが、加工処理としては、この段階で、ひき肉や、ビーフ・パテに加工された可能性大であって、ステーキカットやプライムリブに加工された可能性は少ないと、専門家は見ている。

そして、加工後の製品は、12月13日に顧客宛に出荷されたものと見られている。

そこで、USDAのFSISは、Class IIのリコール要請を出した。

ちなみに、リコールには、クラス�機ゥ�ラス�供ゥ�ラス�靴了庵奮�があって、クラス�兇蓮△修寮宿覆鮖藩僂垢襪海箸砲茲辰董�健康を害する潜在的な可能性がある場合のリコールであるとしている。
(これについては、http://www.safetyalerts.com/rcls/class_exp.htmを参照)

そして、当局は、Oregon, southern Washington, Idaho, Utah の州のアジア系・メキシコ系の75店の零細食料品店に対して、次の品物についてのリコールを要請した。

週末にかけて、これらの店を訪問するという。

すなわち、「Interstate Meatで出荷した、プレ・パッケージの新鮮ひき肉で、一ポンド中、赤身85パーセント、脂身15パーセントのひき肉で、2003年12月25日に売られたもの」についてのリコール要請である。

リコールの対象は、4,500 キログラム(約10,000ポンド)と見られている。

当局によると、12月30日現在、100のコールがあったという。

また、モンタナ州では、12月31日現在、4箇所から、102ポンド(約46キログラム)の回収があったとのことだが、どこからの回収であるかは当局は明らかにしていない。

しかし、ここにきて、USDAは、当該牛の肉が売られたのは、California, Nevada, Oregon, Washingtonの4州に流れたと発表したが、さらに、日曜日になって、USDAは、Alaska, Hawaii, Idaho, Montana. Guamにも問題肉は流れたと発表、関係州は、ワシントン州を含め合計8州+グァムとなり、これらの州に対して、USDAは、リコール要請をした。

2004年1月1日になって、USDAは、シッピングレコードを確認したところ、ハワイ・グァム両地域には、問題肉は、出荷されていないことがわかったと発表した。

当局の推定では、送料のうちの80パーセントは、WashingtonとOregon両州にながれたとみている。

なお、危険部位(Specified Risk Material (SRM))については、レンダリング工場に向ったものと見られている。

小売り筋の対応として、Albertsonsチェーンは、オレゴン州・ワシントン州・北アイダホ州のスーパーで12月25日に売られたビーフひき肉パッケージについての回収を消費者に要請している.

Albertsonsがリコールの対象としているのは、次の製品である。

1.一個詰めプレ・パッケージの新鮮ひき肉で、一ポンド中、赤身85パーセント、脂身15パーセントの、ひき肉で、2003年12月25日に売られたもの
2.二個詰めプレ・パッケージの新鮮ひき肉で、一ポンド中、赤身85パーセント、脂身15パーセントの、ひき肉で、2003年12月25日に売られたもの
3.一個詰めプレ・パッケージの新鮮ひき肉パテで、一ポンド中、赤身85パーセント、脂身15パーセントのひき肉で、2003年12月25日に売られたもの
4.Butcher Block Service Case から2003年12月16日から23日の間に購入した、一ポンド中、赤身91パーセント、脂身9パーセントの、ひき肉

また,Albertsons, Fred Meyer, Safeway、 WinCo Foods の4チェーンは、対象BSEを扱ったオレゴン州の二つのディストリビュータのうちの一つから、ひき肉(ground beef)を仕入れたと、公表した。

これらの4チェーンは、自主的に対象ひき肉を撤去した.

小売り関係のリコール関係については、http://money.cnn.com/2003/12/24/news/companies/madcow_stocks/index.htmを参照。

関係業界にあたえる影響

当局は、これまでのひき肉関係のリコールにとどまらず、家庭菜園関係肉骨粉肥料や、蝋燭原料獣脂のリコールまで拡大することを検討中であるという。

現在考えられている対象牛の副製品の疑いがもたれているのは、次のものである。

対象汚染牛のヒズメ、骨、副生物から作られたものとしては、ハンドクリーム、家禽飼育用の不凍液、造園用の土などである。
この関係業者は、北西部に6業者はいると見られる。

また、二次製品としては、土、石鹸、蝋燭などの原料である。

レンダラー関連業界の一連の動きの一つとして、ロサンジェルスを本拠地とするBaker Commodities Inc.,は、ワシントン州のSeattle とTacomaのプラントにあった牛の副生原料800トンを自主的に撤去した。

この会社は、蝋燭や潤滑財、石鹸の原料となる牛脂(タロー)と、化学肥料やペットフードに使う骨粉を作っている会社である。

この廃棄による同社の損失は、20万ドルに上るとしている。

一方で、レンダリング最大手で、TacomaやPortlandにもプラントがあるDarling International Inc., は、Commodities Inc.,社同様の措置をとるかどうかについてのコメントは避けている。

FDA(The Food and Drug Administration )の発表によると、当該牛の副産物―肉骨粉や牛脂などを扱ってたワシントン州とオレゴン州のレンダリング会社が、FDAと連携し、自主的に回収しことで、当該牛の副産物を使った製品は、市場に出回っていないという。

小売店段階では、アメリカ牛肉の輸出激減で、国内供給過剰になったところから、大幅な値下がり傾向が続いており、これが逆に、国内売り上げ増につながるという逆転現象が生じている。

関係業界に与える影響について、この数日間で、アメリカンビーフは、世界のマーケットの90パーセントを失い、24カ国以上が禁輸措置をとったが、産業界の見積もりとしては、食品・農業関連含めて、これにかかるコストは、150億ドル程度であると見ているが、一部のエコノミストのなかは、400億ドルの被害を、さらには、農業関係者の間では、将来的には、1700億ドルの損失を予測する向きもある。

マグドナルド社は、この肉の流通経路とはリンクしていないと、関係のなさを強調したが、同社のニューヨーク取引所での株価は、$25.28から$24.20 に急落した。

マグドナルド社のライバルのWendy’sは、今回の牛がダウナー牛であったことをとらえ、「当社では、これまでずっとダウナー牛を使わないことにしている。」と、強調した。

また、マグドナルド社も、Burger King も Arby’sも、ダウナー牛を使っていない旨の声明を出した。

穀物業界では、BSE発生の業界に与える深刻さを予測しているが、逆に、動物性飼料から、植物性飼料へのシフトによる需要像を期待する向きもある。

さらに、生体牛などの家畜業界では、これが単にワシントン州にとどまらず、アメリカ全土に拡大することを極度に恐れている。

今回の発見による、価格の下落や輸出の減によって、アメリカ経済は、生体牛の価格の12―16パーセントの下落だけ20億ドル―約二千億円の被害をこうむるとの予測が、エコノミストから出ている。

ちなみに、と畜場での価格は、先週1200―1500ドルしてたものが、今週になって800ドルに急落しているという。

一方、依然BSEフリーであるオーストラリア・ニュージーランドなどは、アメリカ肉からのシフトを期待している。

たとえば、ニュージーランドでは、アメリカ国内の消費者需要が、牛肉から羊ラム肉にしふとするとみて、価格アップ15パーセントと見ている。
 
特に、French Rack と呼ばれるあばら骨付き肉は、現在でも、昨年同時期対比17パーセントアップという高値をつけているという。

しかし、一方の牛肉需要はと見れば、北アジアの需要が、アメリカからニュージーランドへシフトすることは期待されるものの、これまで、ニュージーランドの牛肉輸出の半分を占め、輸出総額の70パーセントに当たる17億ドルを占めていたアメリカ・カナダのマーケットの価格ダウンの影響はある。

これは、牛肉輸出の46パーセントをアメリカ向けにしているオーストラリアについても、事情は同様のようだ

また、意外な恩恵を受けている国として、マレーシアのパームオイルがある。

これまでの動物性飼料に大豆ベースの植物性飼料がとってかわるとの思惑の元に、パームオイル価格が上昇している。

また、大豆のシカゴ相場も、急騰を見せている。

問われるアメリカのBSE体制の不備

2001年に、アンチ・ミルクで知られる団体the Physicians Committee for Responsible Medicine’s (PCRM)がVeneman農務省長官あてに出した、アメリカのBSE体制に対する警告要請が2003年12月29日、明らかになった。
http://www.republicons.org/view_article.asp?RP_ARTICLE_ID=1066 参照

ここでは、以下の4点を指摘している。

1.血や血液製剤、ゼラチン、ミルク、乳製品についての飼料への使用制限がないこと。

2.1997年施行のthe 1997 Animal Feed Ruleから、馬や豚への飼料の禁止が除外されているため、馬や豚への反芻動物関連飼料の使用がつづいていること。

3.レストランからの残飯という形で、牛肉や肉製品のリサイクルが行われ。それが、動物への飼料に回っていること。

4.反芻動物の遺骸が、家禽や養殖魚への餌となり、今度は、その家禽が出した糞便やごみが、慣習的に、反芻動物の餌になったりすることへの制限がないこと。

以上の4点が指摘されていたことがわかった。

また、これまで、アメリカでのBSE体制の不備として、これまで、次のような点が、専門家の間から指摘されてきた。

アメリカ初BSE発見の6週間前、Stanley Prusiner氏は、Veneman農務長官に会い、アメリカの検査数が少ないことに警告を発し、「カナダで起きたことは、アメリカでも、必ず起きる」との予告さえしていた。

また、Sheldon Rampton氏は、1997年以来禁止の危険部位についてのモニターがアメリカでは不足していることの危険性を訴えてきた。

さらに、Gene Bauston氏は、現在の検査体制の不備を訴えてきた。

これらの声は、昨年のカナダでのBSE発生を契機にますます強くなり、「カナダとアメリカは、BSE運命共同体」との声すら起きていた。

ちなみに、アメリカ・サウスダコダ州選出の上院議員トム ダシュル(Tom Daschle)氏と、Tim Johnson氏は、カナダのBSE発生後の2003年6月17日、ベネマン農務長官(Ann M. Veneman)にたいし、http://www.namp.com/jun1703.pdfのような書簡を送り、BSE検査の増加、FDAの飼料禁止措置の徹底や、神経症状を見せる動物に対する検査の増加と、監視体制の徹底を、この際、図るべきであるとする意見を提示し、同時に、USDAが、適切な時期に、BSE検査数の増加、検査技術の充実、検査要因の確保など、BSE検査体制の総合的な充実策を盛り込んだプロジェクトにたいし、財政措置を図るべきことを議会に提案するように、望んでいた。

このカナダでのBSE発生時の状況については、私のサイト、「カナダのBSE問題についての発言集」に、発生から一応の終結にいたるまでの状況が、時系列的に記載されていますので、ご参照ください。

これらの指摘を含めての、専門家からの指摘は次の6点である。

1.ダウナー牛の検査サンプル数が少ないこと。ダウナー牛にかぎらず、検査数の少ないことについてUSDAでは、この二年間二万頭についての検査をしたが、この回数は、国際標準の、45倍にあたるとしている。

そして、2004年には、この数を二倍の40000頭にする計画であるという。

また、アメリカは、検査関係予算として、一千五十万ドルをおいており、そのほとんどがテストのための予算であるとしている。

アメリカでは、毎年三千五百万頭の牛がと畜され、家畜総数は、九千万頭から一億頭の牛が飼われている。

2.ARM(Advanced Meat Recovery )またはMRM(Mechanically Recovered Meat )とよばられる機械システムによるくず肉のかき出しシステムに危険部位が混ざることについての安全性の欠陥

3.動物性飼料(animal-derived feedstuffs) の全面禁止をしていない。

4.簡易検査-ラピッドテスト―によるスクリーニングが十分ではない。

なお、新年に入って、Ohio State University’s Ohio Agricultural Research and Development Center (OARDC)は、有効なラピッドテスト法を開発したと報じられている。

5.国際的なトラッキングシステムの開発が必要である。

たとえば、Grand IslandにあるSwift & Companyのthe Secure Identity Preservation System や、Swift Trace systemは、生体牛から、パッケージ後の牛肉製品までの一貫したトレースバックと個体認識が可能なシステムである。

また、Global Technology Resources (GTR) のglobal positioning system (GPS)
も、グローバルな食品トレースシステムである。
これについては、http://www.theindependent.com/stories/081103/new_swift11.shtmlやhttp://www.theindependent.com/stories/123103/new_swift31.shtmlをご参照。
 
6.個体認識システムの導入が急務である。

7.CWD(Chronic Wasting Disease)とよばれるヘラジカ(Elk)のBSEと同じ症状についての究明

8. Food and Drug Administration,によって年一回、約一万二千の飼料工場を対象に行われる禁止飼料検査が形骸化し、飼料サンプルを検査員が持参しない単なる書類検査に終わっていることと、また、農民の検査資料の保管年限が1年に限られているため、BSEの潜伏期間が経過した後では、それを実証すべき検査資料がすでに廃棄されているなどの、多くのループホールがあること。

9.農場内では、他の家禽用の飼料の30パーセントが、あふれ出て、、牛用の飼料との交差汚染を引き起こしている。

10.子牛の初乳・代用乳に使う血漿入りの代用乳(spray-dried blood and plasma product)の禁止がFDAからなされていない。

などの点である。

さらに、アメリカがBSE発生国となったことでの新たな問題として、世界最大の血液製剤の輸出国として、血漿分画製剤の原料血漿の輸出国としてのアメリカの安全性を疑問視する声が、イギリスを中心にして出てきた。
Checks urged on US blood products
Blood closely screened against human variant of BSE
Blood donors face ban over mad cow

ただ、これについては、緊急の病人の生命にかかわることでもあり、「マス・ヒステリア」をいさめる声も一方である。Call for calm on import of US blood products

久々にスポットライトを浴びるダウナー牛問題

これらの諸問題点のうち、特に、ダウナー牛と検査体制についての取り扱いが、今後、議論の焦点になるものとみられる。

アメリカでは、ダウナー牛や、病気にかかった牛のと畜を禁止していないが、このことについて、USDAでは、歩行困難な牛が必ずしも、病気の牛とは限らないとの見解を示している。

USDAによれば、昨年、神経中枢が侵され、と畜された牛が130頭あり、このすべてについて検査をしたと、いっている。

もともと、このダウナー牛問題は、アメリカでは、かねてより「ダウナー牛症候群」といわれてたたものだ。

イギリスで1985年に世界で始めてのBSEが発見される数年前に、アメリカのダウナー牛(ダウナーカウ(へたり牛))に、BSEと同じ症状を示す奇病が発生していて、これが、Downer Cow Syndrome といわれた症状だ。

1961年に、ウィスコンシン州の6つのミンク農場にMad Mink Disease(または、Mink - TME Transmissible mink encephalopathy) といわれる病気が蔓延し、1963年には、さらに二つの農場で、発生した。

そこで、このときの餌を調べたところ、そのミンクの餌となっていたのが、羊の肉ではなくて、ダウナーと呼ばれる、突然死したり病気で歩けなくなった牛のひき肉だった。

1985年には、さらに大規模のMad Mink Disease(または、Mink - TME Transmissible mink encephalopathy)がStetsonvilleで発生した。

このときの餌の95パーセントは、ダウナー牛の肉だった。

そこで、マサチューセッツ工科大学とアメリカの国立衛生研究所(the National Institutes of Health)が、BSEと飼料と痴呆症状との関係を、1981年にさかのぼって調べた。

しかし、アメリカの牛肉産業は、「ダウナー牛は、BSEではない。」と主張してきた。

ウィスコンシン大学のRichard Marshさんは、自身、ミンク牧場の息子として生まれたが、Stetsonville近くの農場での実証研究で、1985年、「病気の民から取った組織は、牛の病気を引き起こし、また、逆に、病気の牛の組織は、ミンクの病気をひきおこす。」という因果関係があることを突き止めた。

そして、Richard Marshさんは、「アメリカも、BSE大量発生の危険性がある。」と、結論付けた。

しかし、1990年の産業会議 や、1993年のBSEシンポジウムでは、必ずしも、Richard Marshの警告は世に受け入れられず、『人騒がせ』との批評を受けていた。

その後、1996年、アメリカ農務省は、反芻動物からとった飼料を反芻動物に与えることの自主的禁止措置をとり、また、1997年には、FDA―食品医薬品局-は、正式の禁止措置を提言したことで、彼の人騒がせとの嫌疑は晴れましたが、1997年3月23日に、58歳でなくなった。

Richard Marshさんの残した言葉のひとつに、「MAD COWS ARE NO JOKE」-アメリカ人にとって、BSEは、ジョークではすまされない。- というのがあるが、まさに、今回のアメリカでのBSE発生によって、ジョークでないことがわかったというわけだ。

そのほかのRichard Marshさんの残した言葉については、http://www.mad-cow.org/~tom/Marsh.htmlを参照。

このダウナー牛の食用禁止については、これまでいろいろな動きがあったが、最近の動きとしては、2003年6月19日に、アメリカのハワイ州選出上院議員のDaniel K. Akaka さんが、the Downed Animal Protection Actを提出した。

アメリカ消費者連盟は、このたび、声明を出し、ダウナー牛に対する対策や、ARMやMRMの肉を使用しないようにとの要請を,http://www.consumerfed.org/revisedctf.htmlで要請した。

また,全米人道協会(The Humane Society of the United States.略称 HSUS. )は、http://www.hsus.org/ace/20208のように、ダウナー牛を食用に供しない旨の声明を出した。

民主党のJohn Kerry上院議員は、http://www.bayarea.com/mld/mercurynews/news/politics/7589070.htmに見るような検査体制の一新を訴えた。

ダウナー牛は、年間と畜される3500万頭のうち、13-15万頭から20万頭であるといわれているが、実数がそれかどうかはわからない。

しかし、このダウナー牛問題は、今後、米国内議論の中心になるものとみられ、日本政府が、アメリカの検査体制に妥協的な態度をとり、安易な輸入再開に加担すると、結果として日本が、このダウナー問題の深刻さを糊塗することになるものと思われる。

簡易検査(Rapid Test)実施に消極的なUSDA

http://www.upi.com/view.cfm?StoryID=20030708-044102-7940r
によると、アメリカの牛肉がBSEフリーであるかどうかを立証するには、あまりにもスクリーニングの数が少なすぎると United Press International は報じている。

今年のカナダのBSE発生の折、アメリカでのBSEの可能性について取りざたされたが、当時、この可能性をアメリカ側が否定するためには、BSE簡易検査(Rapid Test)の早急な実施によるしか方法がないとされていた。

このBSE簡易検査によれば、2-3時間で結果が出てくるので、何百万頭の牛のスクリーニングが可能となり、結果、アメリカの牛肉の安全性も、確保されうるとしていた。

現在のimmunohistochemistry (IHC) テストは、”gold standard” と呼ばれる1994年採用の伝統的な検査方法で、これについては、National Animal Health Laboratory Network (NAHLN)とThe National Veterinary Services Laboratories (NVSL)がバックアップしているが、結果が出るまでに8日を要するのが欠点だ。

今回の場合も、12月9日の結果が出るまで、10日以上かかった。

昨年、USDAが実施したスクリーニング数は、三千万頭のと畜数のうち、わずかに、二万頭に過ぎなかった。

これは、BSE発生如何を突き止めるには、ありに少なすぎるスクリーニング数であると、識者は指摘している。

これまで、USDAがBSE簡易検査の採用をためらっていたのは、一頭でも、BSE陽性または擬似陽性の牛が発見された場合の、あまりの財政的負担の大きさにあったのではないかとされていた。

しかし、その結末は、今回の「アメリカBSE発生」という膨大なツケとなって現れてしまった。

ある獣医は、「もし、五百万頭の牛を検査したなら、必ずBSEの牛は出てくるだろう。だから、USDAは、BSE簡易検査の採用をためらっているのだ。」と、当時、断言していた。

また、この識者は「ダウナー牛についても、健全な牛と同様のスクリーニング検査をすべきである。」と、主張している。

現在、アメリカには、昨年、三千六百万頭のと畜数のうち、二十万頭のダウナー牛がいたが、そのうち、スクリーニング検査にかけられたのは、わずか、二万頭に過ぎなかった。

病気の牛についても、スクリーニング検査される数は、ヨーロッパに比し、著しく少ない。

カナダとアメリカとの間には、ここ数年、百五十万頭の生体牛が両国を行き来し、百二十万メートルトンの牛肉が、カナダからアメリカに入ってきている。

カナダでのBSE発生を契機に、もし、このアメリカ・カナダ両国で簡易検査採用を決めたならば、その効果は絶大だろうとの声はつよいが、しかし、USDAは、Genesis Bioventures, Inc.の簡易テストの採用などを、、将来のプランに入れているとしながらも、いまだに、旧来の検査手法にこだわり続ける構えを見せている。

そして、ここにきて、12月30日、べネマン長官は、今後、36時間から48時間以内に結果のわかる検査方法を採用すると発表した。

採用される検査方式についてはBio-Rad Laboratories Inc. Abbott Laboratories Inc. (Enfer Scientific),Genesis Bioventures, Inc. Novamex USA ,InPro Biotechnology  などの簡易テストあたりが有力視されている。

日本とアメリカとのBSE対応は、イコール・フッティング(競争条件平等化)であるべき

今回、アメリカは、輸入禁止措置の緩和を求めているが、これは、日本のBSE発生時にとったアメリカの方針とは、著しく平仄の合わない論理ではある。

2002年1月発表のGAOの報告では、BSE発生国から輸入の生体牛のモニターの必要性に付いて強調し、この中で、特に一昨年の日本でのBSE発生時の、日本より輸入の生体牛のモニターに付いてふれている。

日本からの生体牛の輸入は、1993年から1999年にかけて、242頭が輸入され、USDAは、そのうちの214頭の居場所を突き止め、28頭については、なお居場所確認中とのことである。

この居場所を確認できた214頭のうち、24頭はすでにと畜され、また40頭は輸出されていたので、残りの150頭に付いてモニターをはじめた。

この報告書では、生体牛によるBSE汚染の可能性は、危険部位汚染よりは、確率は低いものの、この危険性評価方法に付いて確立すべきものと提言している。

これらの経緯から、もし、反対の立場で、日本が今回のアメリカのBSE発生時に応じた対応をアメリカに対して行うとすれば、すでに北海道などに生体輸入されている膨大な数のアメリカ生体牛に対しても、同様のモニターを行わなければならないであろう。

農水省衛生管理課によると、昨年のアメリカからの生体牛の輸入は百二十九頭。一九九九年から五年間で千三頭、BSEが問題になった九六年以降では四千頭以上であるという。

いろいろな経済的な思惑があるにせよ、BSEに対する対応は、各国、公平なものでなくではならないであろう。

USDA発表の緊急BSE対策の概要と、その評価

12月30日、USDAは、これまでのアメリカのBSE対策を抜本から変えた諸策を提示した。

USDA発表の詳細は、http://www.usda.gov/news/releases/2003/12/0449.htmを参照してください。

また、ベネマン農務長官の記者会見ビデオは、http://easylink.ibroadcastsmedia.tv/ripariane/secy12_30_03a.wmv
をクリックしてください。

対策の柱は次の通り。

1.ダウナー牛の食用禁止

2.BSE検査の最終結果がでるまでは、当該肉を流通にまわさない。

3.すべての牛の小腸や2歳半以上の牛の脳、せき髄など「特定危険部位」の食用禁止

4.と畜場における、危険部位を撒き散らしかねない空気噴射スタンガン(pneumatic-powered air injection stunners(PPAISs))の使用禁止。

(これについては、すでにMichael Gregerなどが、その危険性について、http://www.organicconsumers.org/madcow/Greger122403.cfmなどで指摘していた。)

5.機械による肉そぎ機であるARMやMRMの使用の規制強化

6.国際的に認識できる個体認識システムの創設

7.米国の対策を評価するための国際審査団の設置

肝心の検査方法の抜本的改善については、特に言及がなかった模様だが、日本が要求している全頭検査については、「今回の措置で十分で、全頭検査の必要はない。BSE発生確認後8日しかたっていない現時点で、そこまで考えるのは、時期尚早である。」と答えた。

しかし、この対策の提示が、日本も含むアメリカ牛肉輸入禁止措置解除の譲歩とすれば、この検査方法の改善策の提示が必要なのではなかろうか。

アメリカのRosa DeLauro民主党下院議員のように、三歳以上の牛すべての検査をすべしとの意見も、国内にはある。

また、関係者の間では、「今回のUSDAのダウナー牛規制は、BSE問題の所在を不明確にさせるだけ」との意見も出てきた。

すなわち、http://www.montanaforum.com/rednews/2003/12/31/build/ag/bse-downreax2.php?nnn=5によれば、今回のUSDAのダウナー牛規制措置は、BSE検出のためには、何の効果も、インセンティブもないという。

なぜなら、「今回の規制の対象は、病気にかかった牛であって、必ずしも、ダウナー牛ではないからである。」という。

規制の対象が間違った分野に及んでいることによって、これまで足の悪い牛を受け入れていたパッキングプラントは、もはや、その牛が自力で輸送車からおりることが出来ない限り、また、自力で柵を超えることが出来ない限り、足の悪い牛は、と畜場で処理されることにはならなくなる。

これらの牛は、足が悪いだけで、足以外のほかの肉の部分は、良質の肉を持っているのだから、これらの牛がと畜されないということは、肉資源の大きな無駄を生むことになるという。

これまで、これらの足の悪い牛は、熱がない限り、と畜場で処理できた。

今回のUSDAの措置では、ダウナー牛を所有している農場に対してのインセンティブが何も用意されていない。

そうなると、BSEにかかっている牛でも、射殺して土に埋めるだけで、たとえその牛がBSEであっても、世に明らかになることはない。

今アメリカにとって必要なのは、ダウナー牛に対する継続的・皆悉的検査の実施であるという。

そして、農場主が、ダウナー牛であることを明らかにすることにインセンティブを持たせることによって、BSEの所在が突き止められうる、インセンティブの用意であるという。

今回のUSDAのダウナー対策については、http://www.dodgeglobe.com/stories/010704/sta_0107040030.shtmlのような批判もある。

ここにきて、ダウナー牛を検査のために買い上げる案も浮上してきた。

買い上げ金額としては、一頭あたり200ドル程度を想定している。

また、アメリカ全戸の農場の90パーセントが100頭以下の飼育頭数の現状では、個体認識トレースシステムを導入する場合の費用負担などに、障害があることも指摘されている。

ボーカス上院議員は、2004年1月5日、Veneman農務長官に当てた手紙の中で、農家が、ダウナー・カウを検査に持ってきた場合、直接保証か、税制上のインセンティブか、いずれのインセンティブをあたえるべきだと、述べている。

すなわち、この手紙の中で、ボーカス議員は、USDAが、ただ、ダウナー・カウを食物連鎖から遮断するだけでは、消費者からの食の安全に対する信頼を回復することは出来ず、そのためには、歩行困難や病気のある牛が、検査の俎上に上ってくるためのインセンティブが必要であり、また、同時に、そのことによって、生産者が、過大な負担を負わないシステムの用意が必要である。」と述べている。

トレースシステムについて、USDAでは、すでに、eMerge Interactive, Inc., などと協力し、Process Verified Program の実施を2004年4月から計画している。

日本が、アメリカに強硬に要求している全頭BSE検査問題について、カナダやアメリカで、この日本側の提案を見直す動きが急速に出てきた。

すなわち、アメリカ議会下院議員のGeorge Miller氏は、1月7日、Miller’s sweeping mad cow plan で、「と畜されたすべての牛を検査の対象に」(Test all cattle slaughtered in the U.S.)と、訴えている。

また、カナダでは、今回、アメリカで発見のBSE牛がカナダ産であることがDNA検査で判明したことを受けて、昨年のカナダBSE牛発見によって受けた輸出の損失がさらに膨れ上がることに危機感を抱きその損失に比較すれば、全頭検査によるコスト負担は、高いものとは思われないとの意見が急速に台頭してきており、http://www.canada.com/vancouver/theprovince/editorials/story.asp?id=F064D2E1-AF74-46E7-B275-88DC1C0AE451のように、「いまこそ全頭検査の時」
との意見も出てきた。

これらの世論に応じる形で、アルバータ州Ralph Klein首相は、国と独立した独自の動きとして、「全頭BSE検査論」を打ち出した。

すなわち、http://www.thestar.com/NASApp/cs/ContentServer?
pagename=thestar/Layout/Article_Type1&c=Article&cid=
1073474011197&call_pageid=968332188774&col=968350116467や、http://sask.cbc.ca/regional/servlet/View?filename=testing040109によれば、一頭あたりの検査コストを、30ドルとみて、5年間で9210万ドルの予算の元に、Ernie Spencerを中心としたPrairie Diagnostic Servicesとの協力の下に、一日24時間のテスト体制で、テスト数500をこなし、毎年三万頭について、現在の30倍以上の検査をやろうというものである。

検査費用は、行政区の負担とし、これを政府が承知しようとしまいと、地方行政区でやってしまうというもので、また、生後30ヶ月未満の牛の検査についても、考慮するという。

ちなみに、現在のカナダ全体の検査頭数は、8万頭と見られている。

原産国表示制度の実施が急務

食品企業に、多大の負担をかけるということで、アメリカでBSEが発生する、つい半月前の昨年11月24日に、2年間の実施延期を決めたのが、原産国表示制度(the Country of Origin Labeling (COOL) Act)である。

政府の予測によると、表示の義務付けは年間5億8千万ドルから 390億ドルの費用がかかる可能性があるとしている。

また、 http://www.ams.usda.gov/cool/coolbeef.pdfにみるように、流通各段階で、数項目にわたる記録をとっていかなくてはならないという、きわめて複雑で、手間のかかる制度ではある

本来、このCOOL制度は、一昨年5月に成立した2003年農業法により新設されたもので、昨年法律が成立し、昨年の10月1日から施行の制度であったが、その費用負担をめぐって、業界との間に摩擦が生じていた。

昨年7月14日、肉の原産国表示制度(牛肉、豚肉および羊肉。鶏肉はもともと対象ではない)の実施を、事実上1年遅らせる規定を含む法案が下院で成立した。

これは、2004年度(2003年10月1日〜2004年9月30日)農業歳出法案の一部として可決されたもので、具体的な規定は、「この法律によって割り当てられた、または利用可能ないずれの基金も、肉または肉製品の原産国表示制度の実施に使用してはならない(第743条)」というものである。

これに対して、上院のほうでは、2003年11月上旬に、期限通りの表示の義務付けを圧倒的な賛成で可決した。

このように上院と下院でまったくことなる結論となったことを受けて、2003年11月24日に、この法律の施行を、2004年9月30日施行のものを、2年間延期し、2006年9月30日施行としたのである。

この延期を何よりも喜んだのは、アメリカ・カナダ両国の牛肉産業関係者だった。

ところが、皮肉なことに、この延期が決まってからわずか半月で、アメリカ初のBSEが発生してしまった。

となると、風向きが変わってくる。

民主党の大統領候補のRichard Gephardtさんは、「ブッシュ大統領が、この原産国表示制度に予算をつけることを拒否したから、こんなことになってしまった。」と批判を強める。

この延期決定の後では、せっかくBSE発生の今こそ、肉製品に必要な原産国表示が、表示出来ないことになってしまう。

そのようなことから、議会関係者の間からは、この原産国表示制度を、何らかの形で、早期に実施できる環境を整えたいとする意見が強くなってきた。

かねてからこの制度の創設に熱心だった民主党上院議員のTom Daschle さんや、Tim Johnsonさんは、「2004年1月再開の議会で、この法案の復活を模索したい。」として、この制度に反対してきた共和党の議員も、「このような事態を迎えた後では、これまでの行動を恥ずかしく思っているに違いない。」として、この制度の早期実施を、Veneman農務長官主導の下で、実現することを要望している。

また、同時に、Tom Daschle 上院議員は、今回のUSDAのダウナー・カウの食品全面使用禁止措置を歓迎しながらも、「この措置によっては、外国からのダウナー・カウ由来製品の、アメリカ国内への流入を阻止することは出来ない。」とし、「政府がこれまでのダウナー牛についての方針を大転回した以上、原産国表示問題についても、出来る限り早く、積極的に実行することが必要である。」と述べた。

さらに、Tom Daschle 上院議員は、「ミートパッカー業者は、輸入肉について、原産国をはっきりさせる義務があり、また、他の食料品についても、同様の措置をとる必要がある。」とも、強調した。

また、Ben Nelson上院議員も、http://www.theindependent.com/stories/010804/new_nelsoncool08.shtmlで、他国よりの輸入牛肉の安全性を確認するためには、COOL制度の早期実施が不可欠と、強調している。

COOLの早期実施を求める声は、http://www.ifbf.org/publication/spokesman/story.asp?number=22081&type=Newsのように、有識者の中にも、多い。

しかし、1月20日からのアメリカ議会両院協議会で、さきに、COOL関係予算を排除した歳出予算案の修正をすることは難しく、2年遅れの実施を当初の 2004年9月実施に取り戻し、COOL予算の復活を図るためには、この春の補正予算を待たなければならないものと推測されている。

近時のCOOL問題をめぐるアメリカ議会の動きについては、http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A60265-2004Jan6.html
をご参照

この関連サイトは、次のとおり

USDA Upgrades Nation’s Mad Cow Defenses
Minnesota cattleman figures new regulations will cost him
USDA bans use of downed animals for meat, promises national ID system for cattle
USDA bans use of sick, downer cattle in human food
McDonald’s Statement on USDA’s Announcement on Additional Beef Safety Measures
US Announces Stricter Beef Safety Measures to Guard Against Mad Cow Disease
USDA bans use of downed animals for meat, promises national ID system for cattle
U.S. UNVEILS RULES TO PROTECT FOOD SUPPLY FROM MAD COW DISEASE
U.S. Announces New Beef Restrictions
12/31 USDA BSE Update: Animal Tracebacks May be Done in ‘Days’

参考-ダウナー牛関係議論リンク

US mad cow case turns attention on “downer” cattle
U.S. Mad Cow Case Increases Pressure For Ban On Slaughter Of Downers
‘Downer’ cattle focus of debate
Mad cow disease incident revives concern about ‘downer’ animals
Mad cow case raises issue of slaughter
Should US do more testing?
Disease Heightens Beef Debate
The politics of cattle slaughter
Ill cow spurs policy debate
Consumer Groups Demand Stricter US Beef Safety Rules
Disabled cows are focus of disease concern
Democrats criticize administration over mad cow
Lax rules and testing put public, cattle industry at risk
Feds Lag Badly on Mad Cow Disease Shields
Critics: Low Danger to Food Supply, But More Can Be Done

その他の関連リンクは,
約三千に及ぶ「アメリカのBSE発生に関するニュースリンク集 」http://www.sasayama.or.jp/diary/madcowusa.htm
をご参照ください。
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