2007/11/07(Wed) 17:05
小沢さんの再登板記者会見をいままできいていたが、今回の一件での小沢戦略の最大の失敗は、せっかく参議院選挙で積み上げ二大政党間で生じた拮抗力のエンジンを、民主党自らの手で、水をかけてしまったことなのだろう。
それは、参議院選挙後に霞ヶ関に生じた官僚を緊張させる無言の拮抗力の存在を、自ら葬ったということにも、つながるだろう。
この参議院選挙後に生じた、無言の拮抗力という推進力がなくなってしまった段階で、政党間政策協議を続けても、それは、引かれ者の小唄的ひ弱な主体の政策協議にしかすぎなくなってしまうのではないだろうか。
非常に説得力を欠く、後付けの理屈付けに元ずく記者会見のように、私には、見受けられた。
今、国民にとって必要なのは、民主党さんの言われる、ちまちました政策の実現なのではなくて、政治の横暴を抑止しうる、拮抗力というエンジンの確保、抑止力の確保なのである。
今回の一連の小沢一郎さんの辞任騒動をみていて、そこに、「マニフェストの罠」があるように感じられた。
選挙の大勝の後というのは、やりにくいものだ。
特に、できないことを言ってしまった後というのは、それ以上のものがあるのだろう。
野党である民主党がマニフェストを実現しようとしても、実現できるわけがない。
ところが、半勝ちの状態では、これをどう処理するのか、そこに、民主党にとってのマニフェストの罠があったのだろう。
「勝ったらやりますよ、負けたらなしですよ。」とのはずが、半勝ちの状態で、入れ込みすぎてしまった、というのが、今回の民主党の状態なのだろう。
アメリカでも、現在の議会は、バイパルチザンの手法なり知恵を生かした議会運営が、ここのところ、ようやく定着して来た。
もちろん、そこには、「大統領の拒否権」という、最後のよりどころがある上での話であるが。
しかし、6月末のファスト・トラック権限を失った後のブッシュ政権でも、何とか、外交貿易課題を、議会との対話を元にこなしている。
参考
「ブッシュ大統領がファストトラック権限喪失前に、民主党議長らと、貿易関連で、合意」
「日本の国会にも『膠着』(Gridlock )現象は、近そうな感じですね。」
「アメリカ中間選挙による議会の『膠着』(Gridlock )現象は、経済界にとって吉との論評」
小沢さんは、それをちょっと急ぎすぎたのだろう。
また、そこに、勘違いもあったのだろう。
まさに、マニフェストの罠、恐るべし、だ。
それにしても、現代の武士(もののふ)ともいえる政治家の出たり入ったりの今回の辞任騒動には、潔よいものを感じない。
今にして比較すれば、安倍晋三元首相の辞任のほうが、そこに、もののふの潔さがあったと思えるほどである。
まさに、民意不在の独りよがりの行動だったのではあるまいか。
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