2007/06/03(Sun)
カンヌ映画祭でグランプリ受賞して、今話題の河瀬直美監督の「殯の森」だが、この題名の「殯(もがり)」って、どういう意味?ってんで調べてみると次のようなことらしい。
このサイト「殯(もがり)」によると、古代日本の葬祭儀礼のなかに、高貴な人の本葬をする前に、棺に死体を納めて仮に祭る慣習があって、そのこと、または、遺族が、ある期間を仮小屋(喪屋)にて喪に籠ったその場所を、「殯(もがり)」というらしい。
この慣習の裏には、この過程を踏むことで、死者を生前と同様に扱って蘇生を願いつつ、死を確認するとともに、死者の霊魂を恐れ、慰める意味を持っていたという。
で、この映画のストーリーと、この「殯(もがり)」という言葉との連動性だが、映画は見ていないが、聞くところによれば、「認知症の主人公が、33年前に死別した妻への思いを抱き続けながら、死んだ妻と交流するために、山の中の妻の墓を訪ねるうちに、交通事故で子供を失った介護福祉士の女性と出会い、再生していく。」といったストーリーらしい。
となると、「認知症の主人公の頭の中では、シームレスに介護福祉士の女性が、妻の化身たる女性となり、そこに再生の証を見出し、再生していく。」ということなのだろう。
認知症の主人公の頭の中での妻に対する殯と、子供を失って生ける屍となっていた、介護福祉士の女性の子供に対する殯とが、バーチャル対バーチャルに結合して、現象的にはリアルな生命体(本当にリアルな生命体なのかどうかは、誰にもわからない。)が、殯の森のなかで再生した、ということなんだろうか?
その意味では、「殯の森」は、再生を生み出しうる森ということになるのだろうか?
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