Sasayama’s Weblog


2007/01/29 Monday

鳥インフルエンザ感染と、ハエ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:31:39

2007/01/29(Mon)
 
null今回の青海株の日本への伝染が、渡り鳥によるものとしても、では、どうして、渡り鳥の入り込めない鶏舎内にまで、入ってきてしまったのか、については、なぞが残っているのですが、専門家の中では、ハエが、二次的な役割をしているのではないかと、される方もあるようです。

サイト「2004年高病原性鳥インフルエンザ国内流行地で採集されたクロバエ(blow fly)類からのH5N1亜型インフルエンザウイルスの検出と分離」は、国立感染症研究所の研究ですが、ここにおいては、大分県九重町と京都府丹波町で冬季に活動するハエ類の採集を行い、それら採集個体からH5N1亜型インフルエンザウイルスの検出と分離を試みたところ、オオクロバエ、ケブカクロバエの一定割合から、H5N1(A/blow fly/Kyoto/93/2004)が、検出されたとしています。

また、昨年9月に、インドネシア・ジョクジャカルタのジャマダ大学(Universitas Gadjah Mada)で、同様に、ハエに鳥ウイルスが付着していたのを発見したとの報道もあったようです。

これは、ジャマダ大学のWasito氏の研究によるもので、ここでは、ハエの消化器官や呼吸器官から、ウイルスを検出したとのことです。(ただし、このときのウイルスは、まだ、「The Influenza Sequence Database」には、登録されていないようですね。
氏がジャカルタポスト紙に語った記事では、『犬も猫も、あるいは、ハエでさえも、鳥インフルエンザウイルスに感染する可能性がある。』『われわれの研究では、ハエは、H5N1ウイルスのmechanical transmitter(伝達機構)たりうることを示唆している。』( Our results suggest it is possible that blow flies could become a mechanical transmitter of H5N1 influenza virus. )と語っているようです。)
参照「Scientist warns of bird flu in flies
Cats and Dogs and Flies, Oh My!

では、ウインドウレス(ウインドレス)ではどうかというと、これについても、以前、私のブログ記事「ウインドウレス鶏舎に対する防疫上の特別扱いは、やめるべし。」でも述べたように、開放鶏舎や放し飼い鶏舎に比べ、感染リスクは低いとはいえ、吸気部分のメッシュは、ハエの侵入を防ぐほど、細かくはない、ということのようです。

さらには、ウインドレスの換気方式には、陽圧換気・陰圧換気など、いろいろな種類はあるものの、ウインドレス鶏舎の本来の目的は、寒冷地の防寒と光線管理であり、もともと防疫専用目的には機能していないという意見もあるくらいです。

Avian Influenza (Bird Flu): Agricultural and Wildlife Considerations 」では、感染の可能性として、次の要因を挙げているようです。

1.鳥同士が近接している場合は、空気感染もありうる。
2.呼吸器分泌物や糞などの汚物への直接的接触。
3.垂直感染は、起こっていない。
4.鶏の集団内では、次の感染要素がある。
インキュベーター内で卵が壊れた場合、雛への感染がある。
感染した鶏が、集団内を移動することによる感染拡大。
汚染設備や、従業員の衣類・靴など感染の媒介となるものの、集団内移動
野生の鳥や水鳥への接触
飲み水の糞による汚染
鶏舎内のハエ

このうち、最後の「鶏舎内のハエ」については、「Garbage flies (suspected of transmitting the virus during the 1983-1984 epidemic in Pennsylvania) 」とあり、「1983年から1984年にかけての、ペンシルベニア州でのH5N1(A/Gull/Pennsylvania/4175/83)感染拡大の原因と推測される。」とあります。

このペンシルベニアでの事例について、このサイト「Wishful Thinking」では、「鳥インフルエンザウイルスの汚染された池の水が、地下水に滲み出してきた。」としていますが、これでは、やや、推測に難があるようにも見えます。


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