2006/11/18(Sat)
長崎大学の環東シナ海海洋環境資源研究センターの研究チームが、西日本各地で深刻な漁業被害を引き起こしている赤潮プランクトン「コクロディニウム・ポリクリコイデス」の発生源が東シナ海であることをDNA解析で突き止めたという。
参照「魚大量死の原因「コクロディニウム」 「赤潮」発生源は東シナ海 長崎大研究班DNAで特定」
ここで、思い出したのだが、黄砂と赤潮の発生という、奇妙な因果関係について、いつだか、耳にしたことがあったのだが。
以前に書いたサイトの記事「生態学的な仮説にもとづく有明海の調査を」
でも書いたのだが、赤潮発生に「鉄仮説」(The Iron Hypothesis)というものがあるということだった。
参考「The iron hypothesis: Basic research meets environmental policy 」
「The Iron Hypothesis」
1996年アメリカとカナダとの国境・エリー湖で見られた水中の鉄分に反応する赤潮が存在するなど、特定成分に反応した赤潮発生が、世界各地から報告されているという。
また、珪藻は、その発生のためには、オルト珪酸(水ガラス)の形で珪素をとりこまねばならないという栄養要求性をもっているという。
諫早湾などの工事現場で、珪藻の異常発生が見られるのは、建設予定地の地盤強化のために、水ガラス系の薬液を注入して人工的な難透水層をつくる(グラウト)ことが影響していると、私は見ているのだが。
今回の長崎大学の研究対象のコックロディニウム・ポリクロコイデス(Cochlodinium polykrikoides)は、珪藻でなく、渦鞭毛藻だが、珪藻から渦鞭毛藻への遷移という事態も、考えられるとの説もある。
ところで、黄砂の成分だが、、シリコンが24〜32%、アルミニウムが5.9〜7.4%、カルシウムが6.2〜12%、微量の鉄などが混じっているという。
となると、あながち、上記の鉄仮説も、珪素と珪藻の発生の関係も、因果関係がないとは、いえきれなさそうにも見えるのだが。
ちなみに、黄砂が降る範囲は、上記の地図のようである。
見事に、今回の研究の東シナ海と一致している。
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