2006/04/01(Sun)
最高裁は、3月30日、国立マンション訴訟について、「住民の景観利益を認める」画期的な判決を下した。
その詳細は、下記のとおりである。
参照「最高裁判決文」
2002年12月の東京地裁判決では、「大学通りの景観利益を認め東棟の高さ20メートルを超える部分の撤去を命じた。」が、
2004年10月の東京高裁では、「景観は個別具体的な権利・利益とは認められない」として地裁判決を覆した。
今回の最高裁判決では、次のとおりとなっている。
「良好な景観に近接する地域内に居住し、その恵沢を日常的に享受しているものは、良好な景観が有する客観的な価値の侵害に対して、密接な利害関係を有するものであり、これらのものが有する良好な景観の恵沢を享受する利益(景観利益)は法律上保護に値する。」
「大学通り周辺の景観は、良好な風景として人々の歴史的または文化的環境を形作り、豊かな生活環境を構成するものであって、少なくともこの景観に近接する地域内の居住者は、上記景観の恵沢を日常的に享受しており、上記景観について景観利益を有すると言うべきである。」
「本件建物は,日影等による高さ制限に係る行政法規や東京都条例等には違反しておらず,違法な建築物であるということもできない。
また,本件建物は,建築面積6401.98�屐,鰺�する地上14階建てのマンション(高さは最高で43.65m。 総戸数353戸)であって,相当の容積と高さを有する建築物であるが,その点を除けば本件建物の外観に周囲の景観の調和を乱すような点があるとは認め難い。
以上の諸点に照らすと,本件建物の建築は,行為の態様その他の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くものとは認め難く,上告人らの景観利益を違法に侵害する行為に当たるということはできない。」
ということで、建物の撤去は認めなかったが、住民の持つ景観利益は、認めた。
これまでの最高裁判決で、景観利益については、あくまで、反射利益(その良好な景観を裨益にして、商売を行っている、たとえば、記念写真屋さんの商売上の利益)に限られてきたが、このような形で、住民の景観利益を認めたのは、画期的なことであり、歴史にのこる判決といえる。
おりしも、今日4月1日は、1969年、アメリカ・ミシガン大学ロー・スクールのサックス教授(Joseph L.Sax)が、「天然資源保全および環境保護法」草案を起草し、それを元に、1970年4月1日、「ミシガン州環境保護法(MEPA)」が、下院に提出された日でもある。
このサイトもご参照
参照−私のブログ記事「国立マンション訴訟の矛盾−個人としての景観権なのか?コミュニティとしての景観権なのか?-」
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