Sasayama’s Weblog


2009/11/23 Monday

カナダで使用中止となったワクチンについての詳細情報

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:04:33

2009年11月23日
 
null情報が錯綜しているようなので、ここで、ちょっと整理してみましょうね。

カナダの衛生当局は11月22日までに、英医薬品大手グラクソ・スミスクラインが製造した新型インフルエンザのワクチン17万回分の使用を中止することを決めました。

その理由として、接種後に通常よりも高い比率で重いアレルギー過剰反応(アナフィラキシーショック)が発生したためです。

とくに、カナダ中部のマニトバ州で、グラクソ製の一定量のワクチンについて、通常1〜2例にとどまる重い副作用が6例発生したとのことです。

カナダ政府が使用中止を求めたのは、次のワクチンです。

製品名「Arepanrix」

製造ロット番号「A80CA007A」

リコール対象数量「172,000服」

出荷先
British Columbia, Alberta, Saskatchewan, Manitoba, Ontario and Prince Edward Island

副反応報告
11月7日時点で660万回分供給、うち、副反応報告634例、うち重症例36、うち死亡4例

「Arepanrix」ワクチンの概要

「Arepanrix」ワクチンは、グラクソ・スミスクライン社製のアジュバント(AS03)入りのワクチンです。

ウイルスの培養は、発育鶏卵培養法(embryonated egg culture)によつています。

アジュバントAS03は、スクワレンを使用しているため、アメリカのグラクソのワクチンでは使われていません。

「Arepanrix」ワクチンはカナダ・バージョンでの商品名であり、これは、同社の「Pandemrix 」と実質、同じものです。
参照「Pademrix and Arepanrix adjuvanted vaccines, made by GSK

その「Pandemrix 」は、今回日本が輸入のグラクソのワクチンです。

「パンデムリクス」(Pandemrix)は、モックアップ(mock-up)ワクチンです。
対象とするウイルス株が特定されていない段階で、モデルウイルスを用いて作製されたワクチンで、製造承認はこの段階で得ています。
鳥インフルエンザ・ウイルスH5N1対応ワクチンとして開発されたワクチンのモデルウイルスを、A/Vietnam/1194/2004(H5N1)からA/California/7/2009 (H1N1)に入れ替えて、製造しているものです。

カナダの「Arepanrix」も日本へ輸入の「Pandemrix」も、下記のビデオにありますように、二つの容器と注射器がワンセットになったものです。
1.サスペンション(Suspension)-多服用容器にアンチゲン(antigen)が入っています。
2.エマルジョン(Emulsion)-アジュバント(adjuvant)が入っています。

この1と2を、ミックスして使います。
ただ、混合する前に、二つが、部屋の温度にならなければいけません。
使用方法の詳細は、このサイト「Pandemrix suspension and emulsion for emulsion for injection」をご覧ください。

これらのことから、これらのワクチンは管理が難しいとされています。

「Arepanrix」のパッケージには、「Bubble Wrap」と「Shoe Box」との二種類があります。

「Arepanrix」ワクチンは、三千人以上の治験を経ているとされていてますが、それが、H5N1のモックアップワクチンの前段階での治験を含んでいるのかが明らかでありません。。

カナダでは、生後6ヶ月から3歳以下の幼児については、二回接種、三歳から10歳以下の子供に対しては健康状態に応じて、二回接種、健康な三歳から10歳以下の子供に対しては、一回接種を推奨しています。

しかし、Arepanrixについては、60歳以上、10歳から17歳まで、生後6ヶ月から35ヶ月まで、このいずれの世代についての clinical dataが明らかにされていません。

アナフィラキシーショック(anaphylactic shock )の原因としては、アジュバント(AS03)に含まれている界面活性剤であるpolysorbate 80(Tween80)が原因との見方が有力のようです。
参考「Polysorbate 80 in medical products and nonimmunologic anaphylactoid reactions.
Coors EA, Seybold H, Merk HF, Mahler V
.」

カナダでは、このほか、アジュバントが入っていない、妊婦用のワクチンとして、オーストラリアCSL Ltd社から、「Panvax」を 200000服、輸入しています。

なお、私のブログ記事『H1N1新型インフルエンザ・ワクチン接種回数は、10歳以上は1回接種にすべし』に以前10月初旬に書きましたように、カナダでは、65歳以上のかたに、季節性用のワクチンを接種すると、かえって、H1N1インフルエンザにかかりやすくなるので、季節性用インフルエンザ・ワクチンの接種は、2010年になるまで、待ったほうがいい。」との研究成果がthe B.C. Centre for Disease Controlから発表されています。

これと、今回の一件との関係は、今のところわかっていません。

まあ、ちょっと、皮肉な見方にはなりますが、日本では、すったもんだの政務官の政治主導の右往左往の末、国産ワクチンの一回接種が決まり、結果、当初計画のかなりの数の輸入ワクチンが不要となりそうなのですから、このカナダの一件を、厚生労働省は、ネタなり因縁なりスケープゴートなり渡りに船なりにして、輸入打ち切りできれば、結果、輸入ワクチン過剰在庫への責任逃れができるのかもしれませんね。

以上

参考
アジュバント(AS03)の副作用(副反応)とみられている症状には次のものがあるようです。

ALERT Canadians: Toxic Ingredients in the Arepanrix H1N1 Vaccine will Harm Your Health」から

Pain(疼痛)
Redness(発赤)
Swelling(腫脹)
Fatigue(けん怠感)
Headaches(頭痛)
Arthralgia (joint inflammation)(関節痛)(関節の炎症)
Myalgia (muscle inflammation)(筋肉痛)(筋肉の炎症)
Shivering(震え)
Sweating(発汗)
Swollen lymph nodes(リンパ節の腫大)
Fever(発熱)
Vomiting(嘔吐)
Tingling or numbness of the hands or feet(手足の、うず゛き感、または、しびれ感)
Shortness of breath(息切れ)
Vasculitis (inflammation of the blood vessels)(血管炎)(血管の腫脹)

Serious adverse reactions are as follows(以下は深刻な有害反応)

Blood and lymphatic system disorders (lymphadenopathy)(血液やリンパ系異常)(リンパ節腫脹症)

Psychiatric disorders (insomnia)(精神障害)(不眠症)

Nervous system disorders (dizziness, paraesthesia, inflammation of the central nervous system, inflammation of nerves, autoimmune disorders affecting myelin sheaths of nerves such as Guillain-Barré Syndrome)(神経系疾患)(目まい.知覚異常障害.中枢神経系炎症.神経炎症.ギランバレー症候群のような神経の髄鞘に影響を与えうる自己免疫異常.)

Ear and labyrinth disorders (vertigo)(耳疾患や耳迷路疾患)(目まい)

Respiratory, thoracic and mediastinal disorders (dyspnoea)(呼吸器や胸部や縦隔の異常)(呼吸困難)

Gastrointestinal disorders (nausea, diarrhea, abdominal pain, vomiting, dyspepsia, stomach discomfort)(胃腸異常)(吐き気.下痢.腹痛.嘔吐.消化不良.胃の不快感)

Skin and subcutaneous tissue disorders (pruritus, rash)(皮膚や皮下組織の異常)(掻痒症.発疹)

Musculoskeletal and connective tissue disorders (back pain, musculoskeletal stiffness, neck pain, muscle spasms, pain in extremity)(筋骨格異常、結合組織異常)(背痛.筋骨格の凝り.頸部疼痛.筋攣縮.四肢の痛み)

General disorders and administration site conditions (bruising, asthenia, chest pain, malaise)(さまざまな異常感、投与部位の状態)(挫傷.無力症.胸痛.不安感)

参考
「輸入ワクチンの安全性・非安全性 早分かり一覧

Arepanrixの使用方法のビデオ

(このビデオを見るように、Arepanrixは、二つのコンポーネント(antigenとadjuvant)からなっているので、非常に管理が難しいとされている。)


アジュバント入りワクチンのリスクについてのDr. Roby Mitchellのビデオ


カナダでのワクチン使用中止を伝えるテレビ


 

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