Sasayama’s Weblog


2004/11/12 Friday

クリック募金の透明性を確保するためには、寄付のシステム化が必要

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:26:24

  
2004/11/12
今回の新潟中越大震災にあたって大活躍?した感のある各種クリック募金だが、サイトhttp://plaza.rakuten.co.jp/hiro0210/diary/200410290000/のように、その透明性に疑問を呈される方もいる。
また、今回の震災募金においては、一部アフィリエイトサイトにおいて、カリスマ的アフィリエイターによって義援金タグが配布され、それを皆がコピーして自分のブログに貼り付け、さらに、それが、新潟中越地震の悲惨さを伝えるチェーンメール化したメッセージと、結果的に連動する形で広がったという顛末があり、これが、ブログサイトの規約違反(ブログサイトが認めたもの以外の、バナーの掲載等の行為)となり、のちに、配布タグをはずしたという経緯もあったようだ。
募金収集先がその募金を日赤などの公的募金先に取り次いだかどうかの検証は、現在では、そのサイト上に、日赤などへの送金を示した郵便振替の写しなどを写真で公開するという、かなりアナログっぽい方法でしかやられていない。
もちろん善意であれば、これで問題ないのだが、悪意であれば、このような偽造など、郵便局の受付印だけ偽造できさえすれば、いとも簡単にできてしまう。
一番いい方法は、日赤自体が、クリック募金を始めればいいことなのだが、それでは、サイトでのクリックバナーの広がりがうまくいかないというのであれば、これらクリック募金にかかわるサイトが、一定の認証機関経由で、生ログを残せるようなシステムがあれば、一定のけん制力にはなりうる。つまり、サイト上の公証役場的な機関が必要というわけだ。
平成12年5月31日施行の電子署名及び認証業務に関する法律や平成14年12月13日施行の「電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律」(「公的個人認証法」)などにもとずく電子認証のシステムも整備されつつはあるが、これらは、電子入札や、大規模の電子商取引対象の、概して、大掛かりなもので、個人認証を手軽にということにはならないようだ。
公的な寄付のインターネット上のシステム化を日赤などは、もっと編み出すべきときにきている。
ちなみに、アメリカ赤十字では、次の7つの方法によるドーネーションが可能になっているようだ。.オンラインによる方法 2.電話による方法、3.郵便による方法、4.株の寄贈.商品の寄贈 6.あまった小銭による寄贈 7.航空会社のマイレージによるドーネーション  である。
この場合、アメリカ赤十字サイトはVeriSign Secure Site として、電子認証指定がされている。(詳しい説明は、Q&A−英文−参照)
これに対して、日本赤十字社の義捐金募集体制は、このように、依然として、アナログの世界である。
これらの日本赤十字自体の寄付のシステム化と同時に、、寄付周辺システムとして、クレジットカードによる寄付システムも整備されつつあるが、問題は、小額の寄付での手数料の高さである。
また、支払い決済はできても、受け入れ決済はできないという片方向性も課題である。
海外取引では、PayPalによるごく小額のドーネーション・システムが可能であるが、日本のインターネット金融機関も、これらとの提携により、小額寄付が可能となるような周辺業務の開発に急ぐべきだ。
もっとも、PayPal自身にも、ねずみ講的MLMシステムに利用されているなど、いろいろ問題が発生していることは事実だが。
http://web.pref.hyogo.jp/hanshinminami/vision/kiroku/g.pdfにおいては、寄付のシステム化に向けての 近畿ろうきんの「NPO寄付システム」アサヒビールの「アサヒ・ワンビールクラブ」「アサヒ・エコマイレージ」、イオンの「幸せの黄色いレシートキャンペーン」等の取り組みを紹介している。
また、これら寄付のシステム化は、そのまま、地域通貨における法定通貨と地域通貨との決済にも、そのまま応用できる。
以上、日本の寄付のシステム化について言及してきたが、もっとそれ以前に考えるべきは、日本の寄付税控除の硬直性なのかもしれない。
その場合は、クリック募金の場合の、仲介団体経由の場合の寄付控除の権利は、どこに帰属するものか、などの問題も、政策課題に上るかもしれない。

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