2008/08/31(Sun)
ブログが、もはや、個人的な日記の範疇を通り越して、立派に即座に伝播する社会的な公器と化している時代なのだから、ブログの運営者は、いわば、ブログ道とでもいうべき自己規律原則に基づいて、日々の情報を発する時代に来ているとも思えるのだが。
その意味で、今回、太田農林水産大臣の事務所費問題に派生した形で、有名ブログの運営者である池田信夫氏が、ご自分の大家さんが太田氏の大臣秘書官であることを、個人名を明記しながら、隣家であることのメリットを十分生かして、克明に、その実態を自らのブログ上で公開していることは、果たして、このブログ道ともいうべきものに、反していないのか、ちょっと疑問が残る。
また、当該秘書官の自宅をGoogleのストリート・ビューによる画像を第三者がキャプチャーしたものを、池田氏が三次公開している点も、健全なブログ道としては、いかがなものであろうか?
ネット上では「近所なんだから自分で写真とって自分に責任の下に晒せよ。 他人の家を実名入りで晒しても訴えられるリスクが少ないというメリットか? 」などという意見もある。
この場合は、第三者(http://www.hayek.cocolog-nifty.com/gallary/ ただし、このサイトの上位階層には、池田氏のハイエクに関するブログがあるので、本当に第三者かどうかは、いまいち、判明はしないが。)がキャプチャーしたものを三次公開しているのだから、その事態に至った時の対抗要件を十分意識したものなのだろう。
Googleのストリート・ビュー自体、個人情報保護の点からは、問題視されているさなかに、である。
有名ブログの暴走ともいうべき現象は、これに始まったことではなく、たとえば、「福島中央テレビの有名アナがブログ記事盗用」にあったような、「ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」ブログの過剰反応といった事態も、すでに発生している。
ブログの適切なカウンター・ベイリング・パワー機能が、このようなイエロー・ジャーナリズム的な分野でのみ発揮されることは、そのこと自体、社会におけるブログの健全な力の発揮を自ら損ねることにつながるとみるのは、私だけであろうか?
社会的公器にふさわしいブログのあり方とは、問題の所在を大きく俯瞰した視点で捕らえなおすことにあると、私は思うのだが——。