Sasayama’s Weblog


2008/07/04 Friday

見る環境価値と見られる環境価値−洞爺湖サミット会場ホテルは、果たして環境的なのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 06:43:35

2008/07/04(Fri)
 
null来週から始まる洞爺湖サミットは、環境サミットとも、位置づけられているのだが、果たして、その会場となるホテル「ザ・ウィンザーホテル洞爺」(旧「エイベックスリゾート洞爺」)は、環境的施設として評価されうるのか?といえば、かなり疑問符がつく。

このホテルは、洞爺湖の西側の通称ポロモイ山(標高625メートル)山頂に建ち、眼下に洞爺湖と内浦湾(噴火湾)を見下ろしている。

景観を見るには、絶好のロケーションだ。

しかし、以前に「行政主導の環境価値の評価でよいのか」で書いたように、施設の環境価値の評価基準としては、二面性があり、景観には、こちらから見る景観もあれば、あちらから見られている景観もあり、その総和が、ある広がりの中での、景観の価値ともいえる。

では、その後者の「あちらから見られている景観」としての洞爺湖の湖畔から見上げた「ザ・ウィンザーホテル洞爺」はといえば、醜悪そのものの威圧的な景観である。

見られる環境価値を重んじるならば、もっと、建物の外観を緑で隠さなければならなかったはずだ。

われわれが、ドイツのラインの川下りで、ローレライの岩を見上げ、決して美的とはいえない河畔の古城に価値観を見出すのは、その景観にストーリー性があるからである。

この「見られる景観価値」のない洞爺湖の、しかも、風土工学的な見地からいえば、ストーリー性のまったくない醜悪なホテルで、世界の環境問題を語ることこそ、一人勝手な環境マインドの権化そのものであるように感じるのは、私だけであろうか。
 

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Leave a comment

XHTML ( You can use these tags): <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong> .