2006/12/20(Wed)
掘り下げの少ない、表面的なノロウイルス報道が、混乱に輪をかけている昨今の状況のようだが、比較的にまとまっていると、小樽の外岡立人さんなどから推奨を受けている河北新報の社説ですら、肝心のポイントを指摘していないようだ。
いたずらに、牡蠣は、危険かどうかなどの、報道が、連日続けられているのは、どういうものなのだろうか。
「ノロウイルスは、これまでのG�汽織ぅ廚�ら、G��/4タイプに移行してきており、いまや、これまでの食中毒対応では済まされず、感染症のひとつとしての対策が必要である。」との認識が、まだ希薄なせいなのだろう。
昨日も、西日本のある牡蠣生産者から、メールが来て、私のブログ記事「ノロウイルスってなんだ?」をサイトに引用したとの連絡があった。
今年のノロウイルス問題のポイントは、二つあって、
ひとつは、今年の流行しているウイルスの主流が、G��/4変異株であるということなのだが、そのことが、一向に報道されていない。
つまり、ヒト→ヒト感染主体の感染拡大なのであって、食ルートによる感染は、まれであるとの認識がないことが、混乱を招いているようである。
ウイルスのタイプがG�気�G�兇�の判断は、デンカなどのラピッド検査キットでは、誤差が多い(G�機�G�兇箸慮鮑紅娠�性があるようだ。)ようなので、その辺の検査・公表体制をどうするかが、ポイントのように見える。
どうも、医療現場も、混乱しているようである。
単なる下痢か、ノロウイルスによる下痢か、確定診断できない状況の中で、そのまま、帰っていく患者も多いようである。
こうなると、お医者さんの待合室自体が、感染現場の坩堝と化している可能性もある。
4−5日すれば、直るのだから、ご当人としては、単純な下痢だったのか、ノロウイルスによるものだったのかは、結果オーライで、頓着ないのだろうが、その間に、感染者が増え続けていくのは、社会総体としては、社会的負荷がそれだけ、大きくなっていっているということでもある。
イギリスのような「自宅待機」という選択肢は、日本の患者たちにはないようなのだから、その点、始末に終えない。
食中毒対応ではなくて、感染症のひとつとしての対応が必要なのだが、そのためには、ウイルスの遺伝子タイプがG�気�G�兇�の早期確定・公表の必要性がある。
しかし、いまだ、その体制になっていないということが、混乱をひきおこしているのだろう。
もうひとつのポイントは、一昨年の経験から、高齢者施設でのノロウイルス対処マニュアルも、かなりしっかりしてきているところもあるようなのだが、ノロウイルスの症状が治まっても、ウイルスをばら撒いているということへの認識の薄さだ。
患者へのウィルスの潜伏期間は、24時間から48時間であることから、発症した入所者をそれぞれの個室に帰すことを制限したり、発症した職員をホームの仕事に復帰させるのに、症状回復後、48時間たってから、現場復帰させる、ということが、ウィルスコントロールの決め手になるという。
その施設における流行曲線を見て、その対処方法の漏れがないかを検討する必要があるのだろう。
高齢施設でのマニュアルの点検と、画一化した対応ができる体制づくりが必要なのだろう。
以上
2006/12/23追記 ノロウイルスと入浴について。
ノロウイルスについて書いた私のブログ
「ノロウィルスってなんだ?」を見られたTさんというかたから、次のような趣旨のメールが届いた。
長文なので要約して紹介すると次のようなものだ。
「マスコミや厚生労働省は避けている様だが、浴槽水からの感染はないのだろうか?
腸内の増殖環境と浴槽水の環境が大変似ており心配している。
東京都や福山市のノロウイルスマニュアルにははっきりと、入浴中の排便や二次感染の経路として明記されている。
(ノロウイルスは、塩素殺菌に対しても、強いのだから、それらの現場で、)レジオネラ菌とノロウイルスと混同して塩素殺菌が効果が有ると思って入浴設備から集団感染が広がる可能性があるのではないか。
浴槽水からノロウイルスが感染する可能性が有るのだったら、東京都や・福山市のように明確に皆さん方へ感染予防啓発を推進すべきでは無いのだろうか?」
以上のような趣旨のお便りである。
なるほど、ノロウイルスは通常の塩素殺菌では、なかなか、効果ない(塩素濃度200ppm)のだから、レジオネラ菌(塩素濃度0.4ppm以上)と同じと考えてもらっては、困るのだが。
この問題は、入浴習慣の違う日本ならではの課題なのだろう。
もちろん、アメリカにおいても、入浴時に子供が遊ぶ入浴遊具に感染の恐れありとしている。
その他、施設においては、病院における透析の水とか、換気装置、浴槽、物理療法用のセラピータンク、氷の貯蔵タンク、洗眼液やシャワー、蛇口、桶、冷却タワー、歯科用施設、などに感染の恐れがあるとしている。
参照
「Preventing Healthcare Associated Infections:The Role of Chlorine Products in Risk Reduction」
「Protecting Yourself from Illness: General Information and Helpful Tips」
もっとも、逆に、水を利用したノロウイルス対策として、独立行政法人産業技術総合研究所のサイト
「Norovirus Inactivated by using Micro-bubbles, First in the World- Making it possible to market safe and good-tasting oysters -」 のように、超微小の泡を発生させることによって、ノロウイルスを不活性化する技術もあるようだ。
となれば、超音波風呂なんてのは、ノロウイルス退治に効果的なのかも知れない。
参考
福山市の「 ノロウイルス対応マニュアル(施設編) (家庭編) 」
東京都の「社会福祉施設等におけるノロウイルス対応標準マニュアル 」
以上
2006/12/28 追記 航空機でのノロウイルス対策について
国土交通省は 殺菌に有効な塩素系漂白・除菌剤の航空機への持ち込みを認める通知を航空業界団体に 出し、これを受けて全日空は27日、日本航空も26日から機内に塩素系漂白剤を積み込み、 今後は、ノロウイルスの感染 のおそれがある際は、客室乗務員が運航中に処理する時点で薄めた塩素系漂白剤を使うという。
ノロウイルスは、通常、クルージングの長期航海などで、なぞの病気として発生していることで有名であるが、航空機での発生は、まれ、とされている。
しかし、このサイト『Norovirus decimates crew on international flight』にあるように、
2002年に、ロンドン-フィラデルフィア間の飛行機で、14人の航空乗務員のうち8人が、下痢症状を起こしたため、これらの8人は、業務から解放し、飛行機の後ろの座席に座らせて、感染拡大を防ぎ、その後、8時間のフライトを続けたとされていう。
着陸後、二人は、入院し、ノロウイルスとわかったようだ。
その飛行機の乗客194人についてアンケート調査したところ、全体の5.4パーセントが、18時間後から60時間後の間に、ノロウイルスの症状を見たという。
調査では、この感染拡大の原因として、乗務員も乗客も共同につかう飛行機のトイレが原因だとしている。
以上
以下
キャスビーの実験中です。(画像は、まだ、配信されていません。)
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