Sasayama’s Weblog


2006/12/02 Saturday

ワーグナーのオペラの幕切れと、小泉劇場の終演との相違

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 16:37:21

2006/12/02(Sat)
 
nullそうですね。

小泉さんがこよなく愛されたオペラ、その中でも、特に相似性を示していたのが、ワーグナーのオペラでしょうね。

そのワーグナーのオペラの中でも、守旧派と改革派との対決という点からすれば、ワーグナーのオペラ「ニュルンベルグのマイスタージンガー」なんてのが、両者の比較の対象として、ふさわしいのかもしれませんね。

で、このマイスタージンガーの中では、歌合戦という形で、改革派のヴァルターの歌(「朝は、バラ色に輝いて」”Morgenlich leuchtend in rosigem Schein“)が、守旧派のベックメッサーの歌(「朝は、バラ色に輝く私」”Morgen ich leuchte in rosigem Schein“)を打ち負かす、というあらすじなのですが。

ここまでは、郵政改革反対派を打ち負かしたストーリーと全く同じですね。

歌合戦に勝ったものには、職人組合の親方の娘であるエーファと結婚できるというおまけまでついていますね。

小泉チルドレンたちは、この歌合戦の周りではやし立てる取り巻きともいえるんでしょう。

で、違いは、最後の大団円 にあるようで。

この改革派のヴァルターには、日頃から改革的民衆芸術論を展開しているザックスという職人がついていて、このザックスが、オペラの最後で、歌合戦で優勝したヴァルターに、「親方」の称号を与えようとしたのですが、親方制度の古くささを嫌った改革派のヴァルターは、その親方の称号を拒否します。

そこで、ザックスは、
「親方制度を軽蔑しないでください。
親方制度は、古くさいものではあるが、ドイツの芸術の純粋さを守ってきたのは、この親方たちなのです。
それは、あなたのためにもなっているのです。
どうか、親方たちに感謝の念を持ってください。
親方制度は、無価値なものでは決してありません。
ドイツの芸術を育て、ドイツ的な真実を保ってきたのは、この親方たちなのです。
あなたは、親方に、これ以上の何を望むのですか。
ドイツの国民・国家が崩壊すれば、誠意のない外国の支配にさらされ、外国のがらくた文化が、ドイツの芸術をむしばむことになるのです。
そのためにも、ドイツの親方を尊敬してください。
そうすれば、ローマ帝国が滅びようと、ドイツの芸術は、永遠に続きうるのです。」

と、こんこんと、ザックスは、改革派のヴァルターを説得し親方の称号を受けさせ、その上で、歌合戦で、ヴァルターと対決したベックメッサーとヴァルターを、握手させる役割を演じているのですが。

改革いっぺんやりのヴァルターを、ザックスは、「新しいものが生まれるためには、古いものを尊敬することが必要なのだ。」として、いさめたのですね。

ここで、ベックメッサーを郵貯改革反対派、ヴァルターを郵貯改革賛成派、親方制度を、旧郵貯制度と読み替え、ドイツの芸術を、自民党と読み替えると、何やら、意味深の言葉になってしまいますね。

(ザックスの部分は、この音楽クリップ「Verachtet mir die Meister nicht 」(「親方たちを軽蔑しないでください。」をご参照ください。

このビデオクリップの「目覚めよ(Wach auf! Es nahet gen den Tag)」という合唱の後から歌合戦が始まって、ここらあたりから、終わりにかけての部分ですね。

このYouTubeのビデオクリップは、1935年、ナチ・ドイツ時代に、新装なった、ベルリンのドイツ・オペラハウスのこけらおとしで、ゲッペルスの前で、ベームが演奏してのMeistersingerのオペラの映像で、ザックス(Wilhelm Rodeが歌っている)の部分)

しかし、小泉劇場の終演には、この大団円の場面に、ザックスのような、これまでの対決をアウフヘーベンさせるような説得力をもつ登場人物が、不在だったということですね。

強いていえば、森喜朗さんあたりかな?

つまり、小泉さんは、ヴァルターにはなれても、ザックスにはなれなかったということなのでしょう。

いつの選挙だったか、私も、県会議員の一人から、「自分が壇上で演技をしてから、観客席にまわって、拍手をしているような選挙をしてはいけない。」と諭されたことがありましたっけ。

小泉さんも、自分の舞台が終わった後も、一生懸命、観客席で拍手をしているんですが、周りの聴衆がシラーっとしている、ってのが、今の安倍内閣支持率低下の国民の声なんでしょう。


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