Sasayama’s Weblog


2006/06/17 Saturday

国際捕鯨委員会(IWC)年次総会-太平洋環礁国の動向を見誤った日本-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 16:34:19

2006/06/17(Sat)
 
null6月16日から、カリブ海のセントクリストファー・ネビスで開かれている国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会で、日本側は、初日に、無記名投票導入案を提案したが、賛成30票、反対32票、棄権1で否決された。

この無記名投票導入案は、反捕鯨国や自然保護団体の圧力で捕鯨支持国が反捕鯨に回ったり、投票を棄権したりするのを防ぐのが狙いのものであった。

昨年も、日本側は、同様の提案をしたが、賛成27票、反対30票で否決されていた。

この日本側提案の投票方式の変更が可決されれば、これに続く投票で、捕鯨支持国が約30年ぶりに全体の過半数を確保できるとの予測もあっただけに、日本側としては、出鼻をくじかれた形となった。

今回の日本側の誤算は、これまで、日本側であったthe Solomon Islandsが反対に回り、 Denmarkが、棄権に回ったことにあったといわれている。

なお、Tuvalu, Palau, Kiribati, the Marshall Islandsは、日本側提案に賛成票を投じた。
参考「Solomon Islands joins anti-whaling vote

更に、日本側と見られていたGambia と Senegalが、遅れて出席し、投票に間に合わなかったこともあった。

WWFによれば、近時のパブリックオピニオンでは、太平洋のPalau, Kiribati, Solomon Islands, Tuvalu 、Marshall Islandsの諸国のほとんどが、商業捕鯨再開に反対であるとのことである。
参照「 State urged to fight whaling

今年の総会時のIWC加盟国は70か国であり、捕鯨支持国が新たに3か国( Cambodia, Guatemala 、the Marshall Islands)加盟し、日本政府としては、捕鯨支持国が36、反捕鯨国が33、態度不明が1か国と、捕鯨支持国が反捕鯨国を上回っているとみていたようだ。

そして、当初の予想では、今回は、捕鯨支持派が初めて反対派を上回り、日本が総会の主導権を握るのではないかと、されていた。

しかし、たとえば、マーシャル諸島の当局者などは、「われわれは、独自路線を貫く」と、ラジオ・ニュージーランドで語るなど、これら、太平洋の中の環礁国は、日本の意のままには、ならないような情勢となっているようだ。
参照「Whale Survival at Stake in War Over Commercial Whaling

また、たとえ、捕鯨支持国が過半数を占めたとしても、商業捕鯨再開の前提となる鯨類の新たな管理制度(RMS)の策定には加盟国の4分の3以上の賛成が必要なため、今回の総会で捕鯨再開が決まる可能性はない。

追記2006/06/19 その後のIWC総会の動向

国際捕鯨委員会(IWC)総会2日目は、日本が承認を求めた4地域の漁民によるミンククジラの沿岸捕鯨の実施が、賛成30、反対31、棄権4の小差で否決。
3日目は、1982年の商業捕鯨一時禁止決定に批判的な内容の宣言を、33対32の1票差で可決。

IWC宣言要旨 
 採択された宣言の要旨は以下の通り。

 一、鯨類の利用は沿岸の共同体の持続的な生活、食糧安全保障、貧困の廃絶にとって重要であることを強調する。

 一、国際捕鯨委員会(IWC)は、個体数の多い鯨の捕獲数を算定するための改訂監理方式(RMP)を採択、科学委員会も持続可能な捕鯨が可能であることに合意しており、商業捕鯨の一時禁止措置はもはや不要だと認識する。

 一、鯨が大量の魚を消費することが、沿岸国の食糧安全保障問題となっているとの研究結果を受け入れる。

 一、持続可能な商業捕鯨の再開に反対する加盟国の姿勢は(IWCの設立根拠となった)国際捕鯨取締条約の目的に反すると認識する。

 一、IWCは、管理された持続可能な捕鯨を許すような保全、管理措置を取ることによってのみ、崩壊を免れると理解する。

 一、文化の多様性と沿岸の人々の伝統、資源の持続可能な利用という根本的な原則、科学的に根拠のある政策と規制を尊重し、IWCの機能を正常化させることを宣言する。(

備考
太平洋環礁国の立場

IWCのメンバーではない国
Fiji, Tonga, Vanuatu, Niue, Cook Islands 、Samoa

IWCのメンバー国
Palau, Kiribati, Tuvalu 、 Nauru 、Solomon Islands、The Marshall Islands (今回からメンバー)

参照
Japan defeated in key vote
Japan fails to take control of whaling commission
Pacific Nations Have Opportunity To End Whaling
Australian whales could end up as Japanese steaks
Solomon Islands Reneges On Whaling Position


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