Sasayama’s Weblog


2006/05/19 Friday

日本のインド投資熱にも冷や水か?−昨日の史上最高のインド株式市場の大暴落-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:45:51

2006/05/19(Fri)
 
null昨日のインドのBSE・SENSEX市場は、史上最高の826.38ポイント、前日比6.76パーセントの大暴落となった。(昨日のBSE・SENSEXのチャートは、こちら参照)

前回の大暴落は、1992年4月28日(このときは、570.42ポイントの下げ)であった。

インド株式市場は、今週の月曜日にも、462.91ポイント、前取引日対比3.77パーセントの下落を示し、これは、2004年5月17日以来の下落率であった。
しかし、その後、持ち直しを見せてきたところだった。

毎年、雨期前に、インド株式市場の調整は、あるが、今回の大暴落は、外国投資家(foreign institutional investors (FIIs) )に対しての課税(the Central Board of Direct Taxes (CBDT) )強化のうわさがひろまったためであった。

そのうわさによると、当局は、現在の外資のインド株式市場への流入を、取引業者-トレーダー−とみなし、これに対して、41パーセントの課税を強行するであろうとのうわさである。

5月25日に、これに関するガイドラインが発表されるとのことであった。

現在は、外国の機関投資家は、投資家とみなし、短期資本所得税10パーセントを課されているだけである。

大暴落の取引市場の状況を受けて、インドのP. Chidambaram大蔵大臣は、急遽、記者会見を開き、「いかなる外国の機関投資家も、トレーダーとは、みなさない。なぜなら。これらは、インド国内に、恒久的なオフィスを有していないからだ。」として、それらのうわさを否定した。
参照「Foreign investors aren’t traders - Chidambaram

しかし、市場では、この大蔵大臣の釈明が、市場終了後に行われたことに対してのうらみ節も聞かれたようだ。

このサイト「New CBDT rules may send wrong signals」では、「火の無いところに煙は立たない。」(There is no smoke without fire.)と、大蔵大臣の否定発言に対しても、揶揄的である。

また、今回のインド株式市場での大暴落が、今後の他のアジア市場にも、波及するのではないかとの懸念もある。

インド市場に流れ込んでいる外資は、昨日だけでも、九千四百二十万ドル売られたとされる。

参考「Record fall takes Indian market down by nearly seven percent

2006/05/21 追記 暴落したインド株式市場は、もちなおせるのか?

Gale of fear sweeps markets」では、先週木曜日と金曜日にわたって暴落したインド株式市場の今後について、コメントしている。

それによると、今回のインド株式指示用の暴落は、インド政府による外国機関投資家に対する課税強化のうわさとともに、アメリカのインフレ懸念の要因もあったという。

すなわち、アメリカにおけるコアインフレが、2.1パーセントから2.3パーセントに上昇したことが大きいという。

これによって、アメリカのFOMCは、6月に再度利上げに踏み切るのではないかという観測が強くなった。

同時に英国における利上げの可能性も要因としてくわわった。

今後の見通しについて、投資銀行は、一様に楽観的である。

ゴールドマンサックス証券は、「インド株のエクイティ評価は依然として魅力的であり、キャッシュサポートは、依然として強含みである。なぜならね今回の下ぶれのリスクは、そんなに大きなものではなかったからだ。」としている。

しかし、ファンドマネージャーは、「今回の暴落後のリバウンドは、そんなに強くはならない。」としている。

また、ある海外投資家は、「投資家は、近々、高金利時代が到来するのではないかと、おそれている。このリスクのほうが、もっと高い。」という。

2006/05/22 追記 インド株式市場は一時取引停止するなど、大混乱

今日のインド株式市場は、午前11時55分にBSEインデックスが、10パーセントの降下を見せた時点で、一時間の市場閉鎖が行われ、その間に、インドの大蔵大臣P Chidambaram などから、「パニックになる必要は無い、流動性の危機は無い。」との声明の後に、再開した。

今回の急落は、ブローカー筋が追証の証拠金差入不足に陥ったため、その準備のための換金売りが殺到したと思われる。

更に、今回の暴落の要因となった外国投資家に対するthe Central Board of Direct Taxes (CBDT)課税強化問題について、「外国投資家を単なる投資家かトレーダーと見るかについては、依然、疑問点が残る。」との見解の表明も、これに追い討ちをかけたものと見られる。
参照「Sensex above 10,500; FM says don’t panic」

2006/05/23 追記 昨日のインド株式市場のパニックを引き起こしたのは、次の文言

昨日、インドのCBDT(The Central Board of Direct Taxes)が、外国投資家を投資家とみなすか、トレーダーとみなすかについての声明を出したが、その中で、次の一節があったことが、インド株式市場の一時閉鎖を引き起こすほどのだニックを引き起こしたと、このサイト「Tax scare leaves Sensex swinging」では見ている。

その一節とは、

「外国投資家を、投資家とみなすか、トレーダーとみなすかについては、依然、事実上の問題(question of fact)として残っている。これを評価するものは、結論に達するまでに、全体の事実と状況とを、テークノートしておく必要がある。」

(“Whether a person purchasing and selling shares or securities is a trader or an investor remains a question of fact. The assessing officer would have to take note of the totality of the facts and circumstances before reaching a conclusion,” )

の部分であった。

2006/05/24 追記 インド株式市場の大暴落は、大蔵大臣罷免問題にまで発展

インドのインド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)は、今回のインド株式市場の大暴落は、大蔵大臣であるP.Chidambaram氏の不適切な声明にあったとして、大蔵大臣罷免を要求した。

大蔵大臣は、この問題について、インド議会に対して、何の説明も行っていないとしている。

インド人民党の党首であるV.K.Malhotra 氏は、即刻の大蔵大臣の辞任を求めている。

また、インド議会のインド人民党の議員会議からも、同様に要求があった。
参照「Sensex crash: BJP demands FM’s resignation

なお、このサイト「Markets? It’s over-regulated for a politician」では、いかに、インドの国会が、株式市場の思惑に無知で、市場を混乱させる政策を無神経にうちだしているかについて書いている。

2006/06/02 追記 インド株式市場の混乱収まらず。

先月、5月18日の大暴落に始まったインド株式市場の混乱だが、月が替わっても、一向に、その混乱が収まる気配がない。

昨日は、BSE SENSEXは、前日比3.15パーセントダウン、または、327ポイントダウンの、10,071.42インド・ルピーとなった。

また、The S&P CNX Nifty も、108ポイントダウンの、 2962インド・ルピーとなり、3000インドルピーのラインを6ヶ月ぶりで、下回った。

BSE SENSEX構成銘柄のうち、1968銘柄がダウン、42銘柄が、横ばい、上昇を見せた銘柄は、わずか、404銘柄であった。

特に、金属、自動車関連銘柄の落ち込みが激しかった。

外国投資家の資金の引き上げ傾向は、著しく、これに、アメリカの金利引き上げ継続が確実視されてきたことも、てつだって、ディーラーの一部では、BSE SENSEXは、7500インドルピーの線にまで、落ち込むのではないかとの観測もある。

一方、インド政府は、昨日、2005年度のGDP=国内総生産の伸び率がプラス8.4%の、予想を上回る高い成長率を記録したことを発表したが、いかなる良いニュースもかき消すほどの、インド株式市場の下落ぶりであった。

参照
http://www.telegraphindia.com/
1060602/asp/business/story_6301271.asp

http://news.moneycontrol.com/
india/news/localmarkets/sensexnifty/
marketswhackedagainniftyshutsbelow3000/23/55/article/217687

为翻译对汉语, 使用这
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