2006/04/16(Sun)
鹿が、ミネラルを補給する手段として、春から夏にかけて、 と呼ばれる土をなめる行為をすることは、よく知られているが、この行為と、プリオン伝達との関係を考察した研究「Prions Adhere to Soil Minerals and Remain Infectious」が、University of Wisconsin MadisonのChristopher J. Johnsonさんらによって、このほど発表された。
これによると、TSEなどの病気にかかった牛や鹿や羊を土のなかに埋葬することは、その土壌を舐める鹿や牛や羊のあいだでのプリオン伝達につながる可能性があるという。
この研究では、土の中のどの成分が、プリオン伝達の要になるかを調べたところ、モンモリロン石とプリオンたんぱく質との親和性がおおきかったという。
この鹿などが土を舐める行為を、mineral licksというが、この行為がなぜ起こるのかについては、諸説があるようだ。
一般的には、春から夏にかけての鹿の体内のミネラル変換をよくするために、ホルモンも関係して、鹿が本能的に土をなめているというのが定説のようだ。
ただ、土にもいろいろあって、その土の成分の違いが、鹿の角の成長に差を及ぼしているという研究もあるようだ。
参照「Mineral Supplementation - Necessity or Never Mind?」
特に、リンを含んだ土の分布というのは、少ないようで、この差が鹿の角の成長の差となって現れるということのようだ。
また、海岸から25マイル以上の土には、塩分が含まれることが少なくなるようで、このナトリウムの差も、鹿の成長の差となって現れているようだ。
このmineral licks行為と、プリオン摂取との関係については、牛の同様のmineral licks行為で、摂取されたマンガンが、銅と変換され、TSEをもつ牛の脳内にある蛋白分解酵素に抵抗性のあるアイソフォームを作ることで、異常プリオンが形成されるというMark Purdey の研究もすでにあるようだ。
これは、例のホスメット(Phosmet)殺虫剤説と絡み合っているようで、何やらややこしい説のようである。
参照「Mad Cow Disease - Alternative Causes and Treatments」
「Insecticide Causes Mad Cow Disease」
今回のは、それらのハイブリッド仮説というか、もうひとつの説の登場といったところなのだろう。
つまり、プリオンが直接摂取されるのか、脳内変換をおこし異常プリオンが生成されるのか、といったところの諸説という意味で。
いずれにしても、日本においても、かつて、北海道など、スクレイピーが多発した地帯に、BSEが決定的に多く発生しているところから、かつて、TSEに罹患した羊や牛が、かつてあったかどうかを検証してみることは、意義のあることであると思われる。
ましてや、北海道の一部に風聞としてあった「BSE発生の風聞を恐れ、罹患した牛を大量土中に埋めた」ということの審議も、この際たしかめる必要があるだろう。
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