Sasayama’s Weblog


2006/03/24 Friday

アメリカ・クリークストーン社の全頭検査訴訟

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:05:48

2006/03/24(Fri)
 
nullかねてから、自社独自で、全頭検査をすることをUSDAに要求し、拒絶されてきた、アメリカのクリークストーン社(Creekstone Farms Premium Beef LLC)だが、ここにきて、「クリークストーン社の自主全頭検査を拒否するUSDA」に対して、水曜日に、ワシントン地裁に訴訟を起こした。

これは、クリークストーン社がBSE自主全頭検査を強行すると、全頭検査用機具の購入許可について「the Virus Serum Toxin Act」(VSTA)(1913年制定)に抵触するため、その対抗措置としてUSDAを告訴するというものである。
(参考
この法律「the Virus Serum Toxin Act」はもともと、1913年制定当時の豚コレラ血清にまつわる問題に対応して制定されたもので、家畜内にある潜在的に健康を阻害しうるいかなるタイプのものに対しても、その管理について、USDAの絶対的な権威を認めたものであり、 下記のような規定がある。
「154a. Special licenses for special circumstances; expedited procedure; conditions; exemptions; criteria」の
「(3) solely for distribution within the State of production pursuant to a license granted by such State under a program determined by the Secretary to meet the criteria under which the State–
C) may review product test results to assure compliance with applicable standards for purity, safety, and potency prior to release to the market;」)

この訴訟について、クリークストーン社のJohn Stewart氏は、「今回の訴訟は、営利目的のマーケティング的仕掛け(marketing gimmick )のために行ったものではない。」という。

このクリークストーン社の訴訟についての各界の反応は、次のようだ。

まず、消費者団体のThe Consumers UnionのUrvashi Rangan氏は、「この問題は、われわれアメリカのフード・システムが、絶対に安全(foolproof)なものではないということの証左だ。アメリカのフードシステム安全のために、追加的にとりうるいくつもの余地があるということだ。国は、なぜ、この会社に、その権利をあたえないのか?」と、クリークストーン社の方向に同調している。

一方、米国食肉協会(The American Meat Institute)では、「今回のクリークストーン社のとった行動は、自らの財政的利益のために、国の食料安全規則をハイジャックするようなものだ。」と、批判する。

また、USDAのスポークスマンは、「公衆の健康は、BSE検査によって、守られうるものではない。」という。

アメリカと日本との牛肉問題についての技術的会談日程について、Chuck Lambert氏によれば、当初、来週の月曜日とされたが、火曜日と水曜日に、行われることになったとされている。

これについての日本側からの発表はない。

参照「Meatpacker sues US for right to do mad cow tests

Japan-U.S. beef talks set for Tuesday, Wednesday, not Monday: USDA

今回の訴訟についてのクリークストーン社からの発表
「Creekstone Farms Premium Beef Files Lawsuit Challenging USDA’s Ban on Voluntary BSE Testing 」

2006/03/25追記 クリークストーン社の自主検査論にR-CALFが、支持表明

R-CALFのCEOであるBill Bullard氏は、昨日USDAに対して訴訟を起こしたクリークストーン社の自主検査論に対して、全面的に支持を表明し、法廷闘争に対しても、支援を表明した。

Bill Bullard氏は、「自主検査は、アメリカの牛肉輸出市場の開放と、維持に貢献するであろう。アメリカ経済は、民間企業によって成り立っているのであるし、クリークストーン社は、ただ、顧客の要望にあわせようとしているだけなのだ。

そのことは、ビジネス成功のかぎでもある。

USDAは、革新的試みを阻止するのではなく、クリークストーンの企業家精神に対して、拍手喝さいを送るべきであり、また、その試みを容易にするように計らうべきだ。

クリークストーンは、その意味で、日本との輸出再開についての、妥当で、効果的で、時宜を得た方法を見つけ出した。

もし、このクリークストーン社の試みが、経営メリットのあるものとわかれば、他のミートパッカーも、同じような考えに立って、ついてくるであろう。

R-CALFは、牛肉の市場獲得に苦慮している。

もし、顧客が望むのであれば、パッカーは、その要求に従うであろう。

また、パッカーは、そのことを自由にして、いいはずだ。

畜産生産者たちは、そのようなオプションを有することで、利益を得るであろうし、市場は、消費者たちからの信頼を取り戻せうるであろう。」

と語った。

参考「Producer group supports voluntary BSE testing

为翻译对汉语, 使用这
http://translate.livedoor.com/chinese/

Translate
http://www.google.com/translate_t

笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-図書館-掲示板

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Leave a comment

XHTML ( You can use these tags): <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong> .