Sasayama’s Weblog


2006/03/21 Tuesday

ポイントがずれている「牛肉問題の米回答書」報道

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 06:08:45

2006/03/21(Tue)
 
null牛肉問題の米回答書」問題についての日本の報道は、「米側は問題の牛肉を輸出した2施設は「特異的な例」という従来の主張を強調し、検査態勢に問題があるとの見方を改めて否定した。」との点を中心に報道しているが、問題は、べつのところにあるのではなかろうか。

つまり、「アメリカ側と、日本側とは、子牛肉の取り扱いを、通常の牛肉のBEVプログラムとは別の、もうひとつのBEVプログラムにのせるべく、討議していたのではないのか」という点である。

すなわち、12月8日の食品安全委員会の答申や、12月12日の両国の牛肉貿易再開までに、日本の食品安全委員会での議論とは別に、子牛肉特別扱いの議論が進行していたとすれば、これは、食品安全委員会やパブリックコメントを寄せた日本の消費者に対する背信行為になるのだが。

これまでも、私の掲示板では、2003年5月のカナダでのBSE発生以後、二転三転した、アメリカでの、子牛肉特別扱いの経緯を紹介してきた。
(下記経緯をご参照)

これは、カナダとの子牛肉取引の特殊性にからむ面、R-CARFの訴訟対策にからむ面、アメリカのファイナルルール策定にからむ面、APHISの解除リストとのダブルスタンダード問題にからむ面、など、いろいろあったはずだ。

そのような中で、日本とのBEVプログラムが、子牛肉の位置づけがあいまいのまま、スタートし、また、日本の食品安全委員会でのアメリカ子牛肉のリスク評価についての位置づけがあいまいのまま、貿易再開が決定し、結果、今年1月の脊柱混入問題が発生してしまった。

つまり、起こるべくして起こった、構造問題だったわけである。

現に、昨日発表されたアメリカ側からの回答書では、アメリカ自身「米国は、子牛肉のための別のプログラムの作成を協議していたが、輸入が停止された2006年1月20日の時点では、日本政府と協議中であった。」(農林水産省の和訳による。)といっているではないか。

このアメリカ側の発言は、逆に言えば、日本の食品安全委員会が答申を出した、12月8日においても、また、牛肉貿易再開した12月12日時点でも、この議論は、日米間で進行中であったということを、アメリカ自身、認めているということになってしまう。

もちろん、アメリカ側は、日本側からの「12月8日説訂正の依頼」を受けて、あたかも、子牛肉特別扱いプログラム検討の話が、12月13日以降の日本からの査察団との話し合いで生まれたかのように、わざわざ、「輸入が停止された2006年1月20日の時点では」とのタイムスタンプを回答書の中にもぐりこませるという配慮を見せたということなのだろうが。

今度は、日本の農水・厚生リスク管理官庁両省が、日本の食品安全委員会や日本の消費者に対して、その「進行中だった子牛肉特別扱いの議論の経緯」についての、説明責任を果たす番である。

参考
アメリカにおける子牛肉特別取り扱いの経緯

2003年5月のカナダでのBSE発生に伴い、USDAは、ファイナルルール案を作成。

2003年8月8日、Vealについては、生後36週の骨なし子牛については、輸入を許可するとの仮の規則を発表。

正式のものとして、2003年11月4日に、この方針を発表。

2003年8月15日、APHISのほうでは、これとは別に、子牛肉については、骨なし子牛肉ばかりでなく、骨付き子牛肉までも、リストに入れた拡大リストを発表。
10月22日に発表された拡大リストでは、これにさらに、舌や心臓や腎臓をも、ローリスクに入れるリストを公表。

2003年12月24日、アメリカで初のBSE発生

2003年12月26日、日本がアメリカのファイナルルールに対してのコメント送付(在米日本大使館のTadashi SATO氏から、USDAに対し、「Docket No. 03-080-1」についての回答)

2004年4月19日、モンタナ地裁へ、R-CALFから、カナダ牛輸入差し止め訴訟が出てきた関係から、正式なルール規則設定を迫られる。

2004年4月26日、モンタナ地裁介在のもとに、USDAは、2003年8月8日にリストアップしたもの以上のものは、2003年11月4日に提出したファイナルルールには含めないとする協定を、R-CALFと締結。

そのとき、当時のヴェネマン農務長官は、2003年8月3日以降に、APHISが拡大リストを作っていたことを知らなかったといった。

2004年10月23日、日米の高級事務レベル協議で、BEVプログラム固まる。

2004年12月29日、ファイナルルールの最終案が確定。
その発表の直前に、カナダで、二例目のBSEが、発見。

2005年1月4日に、ファイナルルールは公式発表され、2005年3月7日に、発効。

2005年7月12日、日本向け輸出調査報告書でのフィリップ・ピアレス氏の証言「2005 年7 月12 日付けでデイヴィッド・ヒルドレス氏から、FSIS によれば子牛専門の施設については日本向けBEV プログラムは不要という旨の電子メールを受信しました。私はこの情報を日本における代理人に送信しました。」
この事実如何については、2006年3月6日時点では、日本側は、コメントせず。

2005年12月8日、日本政府は、AMSに対してVealについても、the EV Program のためのQSA Program適用との通知を出した。日本側は、この事実を2006年3月6日時点で公式に否定。

2005年12月13日、日本の査察チーム、アメリカ到着、デンバー入り、「日本の査察チーム訪米時に子牛肉の追加に関して話し合われ、牛肉製品と同様に日本は全ての子牛肉製品がUSDAのEVプログラムの下で認定されるべきことを要求した。」と、アメリカ側の報告書は記載、この事実については、日本側は、3月6日時点で否定はしていない。

2006年3月18日、アメリカ側は、日本側からの質問状への回答の中で、「米国は、子牛肉のための別のプログラムの作成を協議していたが、輸入が停止された2006年1月20日の時点では、日本政府と協議中であった。」と、回答

参考「CRS Issue Brief for Congress

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